アニミズム


 生命をもたない物や植物、現象などに人間と同じ感情や意志があると信じる傾向をアニミズムと呼ぶ。ラテン語で心を意味するアニマに由来している。例えば、枯れている花を見て「花が苦しそう」だとか、消しゴムに針が刺さっているのを見て「消しゴムが痛そう」というようなものがアニミズムである。
 タイラー(Tylor,E.B.)が原始宗教の根源をアニミズムと考えたことがその後の研究を刺激するきっかけとなった。心理学ではピアジェ?が子どもの思考の特徴を明らかにし、その世界観の傾向のうちの一つとしてアニミズム的傾向を挙げている。ピアジェによるとアニミズムの根源は自分の心の中の出来事と外界の事象の中で行われている出来事、すなわち自己と外界、自己と他者との関係性が未分化である自己中心性であるとし、この分化が進むとアニミズム的な思考は減少するという。

最終更新:2008年06月05日 15:11