――あれ、僕はいつの間に寝てたんだろう。
僕はあのメールを読んでから、涙があふれ、泣きつかれ、寝ていたのか。
「……浩太。」
僕は、なんとなく、自分の部屋から、浩太との〝思い出の箱〟をソラに見つからないように、押し入れから引っ張り出した。
……別に、ソラに見られるのが嫌ってわけじゃない。
ただ、余計なことを言われるのが嫌なだけだ。
僕はそっと、箱のフタを開けた。
その中には、僕と浩太とでやってた交換日記(女みたいと思われるのが嫌だから本当に二人だけの秘密の日記)、二人の思い出が載ってるアルバム。
この箱の中にあるもののすべてが、懐かしい。
懐かしくないものなんて、この中にはひとつも存在しないのだ。
僕は、交換日記を開いた。
僕が開いたページには,ちょうど、運動会でのことが書かれていた。
その日の、僕たちの運動会。
『その日、僕たちは、二人で二人三脚で一位をとった。すっっっごい、うれしかった!!!なぁ、お前もだろう?勇太。』
おもわず、僕は、後ろを振り向いた。
……まぁ、だよな。
僕は不覚にも、浩太が後ろにいるような気がしたのだ。
交換日記をめくるたび、頭にフラッシュバックする記憶、追憶、軌跡。
僕は、それが、黄金色に輝いて見えた。
それほど……僕には大切な思い出なんだ。
――いつしか、時を忘れていた僕は、この箱を夜の十二時まで見ていた。
最終更新:2009年10月27日 08:58