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シンと早苗 +K

ああ、あいつなら無縁塚にいるわよ。

霊夢にそう教えられ、祀られる風の人間――東風谷早苗は幻想郷の外れにぽつんと存在する無縁塚をうろうろと歩き回っていた。
理由はただ一つ。今日はバレンタインデーだから、だ。

「今日こそは、邪魔が入る余地は無いわよね」

あの白黒や蓬莱人、アルティメットサディスティッククリーチャーやおっきい妖精やらネズ公やらゴールデンetcetc。
彼女たちは、と言うより幻想郷の人々は今日が女の子にとって大切な日だということはまず知らないだろう。
知っているのは渡す心配は無い連中だけだ、つまり数少ない早苗だけがリードを伸ばせる日。
それが分かっているからこそ、早苗にとっては何が何でもチョコを渡す必要があった。涙を飲んだ日々のことが頭をよぎる。

常識にとらわれすぎていて碌にシンと話もできなかったクリスマス。常識をブン投げすぎて諏訪子にすらどうかと思うと言われるようなコスプレをしてしまったハロウィン。
そもそも忙しすぎてこっそり抜け出そうとしたら神奈子にマジ泣きされた正月。
だがしかし、そんな日々も今日までだ。今日は常識をブン投げてひかれることも無い、邪魔が入ることも無い、普通にチョコを渡して、渡して、渡して。


「…………いやそれはまだ早いですよシンさん、私まだまだ巫女を続けなければいけないのに!」

妄想の中のシンはどうやらジゴロらしい、実際には童貞なのに。
身体をくねらせながら早苗の妄想は止まらない。

「え? さらって女にする? はうっ、そんなこと言われたら私あなたの女になるしかないじゃないですかごめんなさい神奈子様諏訪子様これから私シンさんのお嫁さんとして生きていきますぅ♪」

確実にシンはそんな男らしいことは言えないだろう。よっぽど色々ピンチだったりしない限りは言おうとしても噛み噛みになることが目に見えている。
見えていないのは、彼女の乙女心?によるものだろう。………妄想が乙女らしいかはともかく。

「子供は4人? そんなぁ、私の意見も聞いて下さいって……え? 何言われようが必ず4人だって? うう、そんな男らしいこと言われたらうんって言うほかないじゃないですかえへへ名前はなんてしようかなぁ☆」

というか、内容が明らかに乙女じゃない。タチの悪い少女漫画じゃあるまいし。
エスカレートしすぎて色々ひどいことになっている妄想を断ち切ったのは。

「あんりゃ? お山の神社のじゃないか、何やってんだいこんなとこで」

おっぱ―――もとい、三途の水先案内人、小野塚小町だ。今日も元気に胸が重力に喧嘩を売ったり買ったりしている。そんな小町のおっぱいを見てどっかのMS少女やヤマは血の涙を流したり流さなかったりすることだろう。
シンが見たらきっと拝み倒すであろう、素晴らしいおっぱいを前に早苗はようやく小町の存在に気づく。

「何やってると言われても……ああいえ、ちょっとした用事ですよ」

とりあえずバレンタインのことは言わないでおく。いつ何時、フラグが立つか分かったものではないからだ。
小町は別段シンに対して恋愛感情は持っていないだろうが、念には念を入れておきたい。
とはいえ、流石に胡散臭かったのか小町は疑わしげに早苗を見る。

「ふぅん………まああたいとしちゃ昼寝の邪魔しないんならいいけどさ」
「あ、大丈夫です大丈夫、静かにしてますから」
「まあならいいんだけどね。にしたって、今日はここにくる奴が多いねぇ。あんたで4人目だよ」

4人。一人はシンだとしても後の2人は。
さっさと寝転んであっという間に寝息をたてる小町にそれを聞くことはできなかった。叩き起こしたかったが、変に気分を害して騒がれたくない。
息をひとつついて気を取り直し、無縁塚をうろつきながらシンを探す。

10分ほど歩いただろうか、ようやくシンを見つける。
何をするでもなく、ただ岩に座り込んでぼんやりと無縁塚に視線を向けている姿に声をかけるべきか迷うが。
手に握った紙袋の感触を思い出し、震えないよう努めて声を出す。

「っ、あの、シンさん?」

かけられた声にようやく早苗に振り向く。
普段のシンらしくもない、抜けた行動。普段だったらここまで近づく前に足音なり気配なりで気付くだろうに。

「ああ、早苗か。どうしたんだよこんなとこに。好き好んで来るとこじゃないだろ」
「それをシンさんが言いますか……まあ、その。ちょっとしたことですよ……あの、隣いいですか?」

早苗の言葉にシンは岩を軽く払って砂を払う。早苗が汚れないように、そんな気遣いだけでどうしても顔がにやけそうになってしまう。
軽く頭を下げて座り込む。しばらくは二人とも無言のまま。早苗はどう切り出そうか悩み、シンは心ここにあらずと言った表情で。
先に沈黙に耐えきれなくなったのは早苗だ。当たって砕けろ、と心で叫んで口を開く。

「あ、あのっ。今日が何の日か、シンさん知ってましゅか?」

思いっきり上ずった声。しかも呂律が回らなかった。駄目すぎる自分に思わず頭を抱えたくなったが、シンの手前何とかこらえる。
シンはそんな早苗の言葉に、頭をかいて困っているような何とも言えない表情を浮かべる。

「………2月14日。バレンタイン、ってやつだな」

知っていた。もしかしたら知らないのかもという不安もあったがその線も消えた。
表情は気になるが、このまま勢いに任せて押しきるしかない。
「はいっ、それで」


「コーディネイターが、たくさん死んだ日だ」


―――事ここに至り、ようやく自分が地雷を踏んでいたことに気付く。
今日は2月14日。コズミック・イラにおいてユニウスセブンに核ミサイルが撃ち込まれた「血のバレンタイン」が起こった日。
浮ついていた気分が急速に沈んでいくのが分かる。シンのことを思っているつもりだったのに、何も理解できていないと言われたような気がした。
そんな早苗の気持ちを知ってか知らずか、シンは言葉を続ける。

「……ユニウスセブンっていうコロニーにさ、核が撃ち込まれて」
「知って、ます」

早苗の言葉に、口を閉じてもごもごと動かして「そうか」と一言だけ返す。
幻想郷に来て以来、早苗ともそれなりに長い付き合いになるが、外の世界では自分は機動戦士なる作品の登場人物などという突飛な事実があるということは多分ずっと慣れないだろうと内心で思う。


「別に、さぁ」

ごろりと岩に寝転がり、空を見る。
コロニーが見えるわけでもないが、なんだか無性に空を見上げたかった。

「俺にとっちゃもう無関係なんだよ。別に家族がそれで死んだわけでもないしテレビのニュースで知って大変だったんだなぁって思ったぐらいだからさ」

僅かに早苗は眉を寄せる。シンが何を言いたいのかがつかめない。
それはシンも同じらしく、何度か意味のない言葉を口にしながらゆっくりとした口調のまま自分の今考えていることを吐きだしていく。

「でも、さ。だけど……うん、なんて言うのかな。俺の故郷が戦争に巻き込まれて家族が死んでさ。その時はがむしゃらで、色々考えたりする余裕がなかったんだけど、プラントに着いて半年ぐらいだったかな、ちょっと落ち着いて気持ちの整理がついたら思ったんだよ」

大きく伸びをする。
一つ頷き、ある意味彼らしくないさっぱりとした笑顔を浮かべながら。

「ああ、こういう気持ちだったんだなっ、ってさ」
「こういう、って?」

どう返していいか分からず、とりあえずよくわからなかった部分に反応を示す。

「大切な人が亡くなるってこと。ホント、つらくてさ……自分と同じ思いをした人たちがいるんだって思うと、なんかな」

優しい微笑み。
死ぬ亡くなるといった話の最中なのに思わず見とれてしまいそうな穏やかな顔。

「変な話だよな、それまでは何とも思ってなかったのに。なんか、急に……悼みたくなって、な」

シンはそういい、黙祷するように目を瞑る。

……今自分が浮かべている、恋する少女のような顔を見られなくて本当によかったと早苗は思う。
もしシンに見られたら、自分の思いを何もかも喋ってしまいそうだったから。それはきっとずるいことだ。そんな言葉は、シンを振り向かせるのではなく、ただ縛りつけるだけでしかないから。
ぱちりとシンが目を開くのと、早苗の顔から厚さが抜けるのはほとんど同時だった。

「それからだよ。俺が戦えない人達が自分らと同じ思いをしないで済むために強くなろう、って決めたのは」

あんまり貫けなかったけどな、そう情け無さそうに笑って息をついた。
やがて頭をかき。

「俺の友達がさ、ユニウスセブンが地球に落ちたら色々片がつくって冗談で言ったことがあってさ。いくらなんでも不謹慎だって言おうとしたんだけど」
知っている。その冗談を真面目に取ったカガリ・ユラ・アスハとまた衝突したのだった。

「あんときゃ情けなかったなぁ………カガリに言いたいことぜんぶ言われちまって。ガキみたいに突っかかることしかできなかったなぁ」
意外だった。てっきり大袈裟なアスハに腹を立てたのだとばかり思っていたのに。
早苗の視線から、なんとなく言いたいことが分かったのだろう、苦笑しながら続ける。

「本当はさ、喜んだってよかったんだよ。なのにつまんない逆恨みで意地はって。カッコ悪かったろ?」

そんなことない、と言いたかった。非は国民を守れなかったオーブにあると。
だが、なんの負の感情も混じっていない―――あえて言うなら、後悔だけはあった―――シンの表情に、結局何も言えなかった。

やがて、シンはわざとらしく手を叩いて無理やり話を打ち切る。


「あー、そのなんだ、悪かったな。つまんない自分語りしちゃってさ。引いたろ?」

ぶんぶんと強く首を横に振る。
目が回りそうになるが、そんなことお構いなしに振りたくった。

「そんなことないです、絶対そんなことないです。ていうか、そんなこと言わせないです引くとかつまんないとか言う人いたら絶対許せないです絶対ったら絶対です」
「ちょ、落ちつけ落ち着けって! ンなヒートアップすることじゃないだろ」

肩に手を置いて早苗を落ち着かせようとする。
早苗もそんなシンに対して少し落ち着いたのか、鼻息を荒くしながらも自分の膝を抱えこむ。
そんな早苗を訝しげに見ながらも、シンは仕方ないなぁとでも言いたげに笑いを浮かべる。

「別にいいじゃないか、つまんなくったって。俺でも陳腐だなぁって思うぐらいだし」
「……例えそうでも、人の心からの言葉を嗤うことはいけないことですよ。許しちゃいけないことだと思います」
「そっかな?」
「そうです!」

思いもよらない早苗の剣幕に思わずたじろいでしまう。が、同時にくすりと笑ってしまう。
「な、なにがおかしいんですか?」
「ああいや、そうじゃなしに。なんだな、うん。俺のために本気で怒ってもらうと、そのなんだ」


「すごく、嬉しいんだなぁ。ありがとうな、早苗」

はにかむような、それでいて満面の笑顔で。早苗の心を撃ち落とす。
思わず視線をそらしてしまう、そうでなくては腰が砕けて赤面してしまう。
それだけは避けなければ、シンのことだからそんな自分に「どうした、熱があるんじゃないか?」などとのたまいつつデコを当てられてしまうだろうから。

(ず、る、い、シンさんはずるい――――――!」

どれだけ自分が、否、自分達が恋心を隠すのに必死なのかまったく気付かずに無自覚にさらなる深みにはまらせようとする。
それがずるくなくて何だと言うのか。
そんな早苗の心中を知る由も無く、シンは呑気に伸びをしながら深呼吸をする。

「んーーーー、んぁ。んぅ、なんか寒くなってきたな……大丈夫か、早苗?」
「ふぇ? ………あ、ふぁい大丈夫でしゅ!」
「そっか、ならいいんだけど………つーか、この寒空の中なんでまたこんなとこまで来たんだ?」

あなたを追ってきたんです。そんな言葉を真正面から吐ければどれだけ楽なことか。
適当な言い訳を探そうとする早苗にシンは首をかしげて。


ようやくそれを見つける。

「ん……あれ、どうしたんだその紙袋」
「っ!?」
とうとう気付かれた。できればこのまま流したかったのだが。
さてどうしたものかと悩み、迷い、考え。

「……あの、今日はバレンタインデーじゃないですか」

結局事実を話すことにする。
シンから空気の読めない奴と思われるのは覚悟の上だ、ここで嘘をついたりしたら自分の心を吐露してくれたシンに申し訳が立たない。

「だから、その。チョコ」
「チョコ?」
「はい………シンさんに、あげようと思って」

思わず溜め息をついてしまう。溜め息をついたら幸せが逃げると神奈子に言われていたが、それでもこれではつくしかない。
「ごめんなさい、空気読めてなかったですよね?」

シンは何も言わず、困ったような顔を浮かべて頭をかいている。
んー、と喉の奥で声を転がし。

「………そうだな、読めてない」

声にとがめる様子は無かったが、内容は想像していた通り。
覚悟はしていたが、やはり落ち込んでしまう。
そんな早苗の様子を見て、少し迷ったがシンは頭をなでる。

「……そりゃさ、空気読めてなかったけど。けど、別にいいじゃないか」
「よくないですよ………嫌だったでしょ、シンさん」
「早苗がな」

意に介するでもなく、頭をなでながら言葉をつづけるシンの顔を思わず見る。
申し訳なさそうな、優しい顔。

「早苗がな、俺のこと馬鹿にするつもりで空気読まなかったんだったら、多分嫌だったろうな」

何も言えずに、ただなでられるがまま。
どこか父性を感じさせる表情でシンは言葉を続ける。

「そうじゃないんだろ? たまたまタイミングが悪かっただけ、そうだろ?」
「………はい」
「じゃ、それでいいじゃないか。誰かが自分のことを思ってくれるのは、その場の空気なんてよく分からんものだけで嫌がるようなもんじゃないよ」

シンの言葉に、返すべき言葉が見当たらず結局返した言葉は。

「それでいいんですか?」
「ああ、それでいい。人の好意を受け止められなくなったら、それこそ空気が読めないことだと思うよ、俺は」

ぽん、と頭を優しく叩いて紙袋を持ちあげる。
その紙袋の重さこそが早苗の好意の表れだと僅かに自惚れて。

「チョコ、ありがとうな早苗」

そう言い、確かに受け取った。
照れ臭そうに鼻をこすり、わざとらしいほどに大きな伸びをする。


「さぁって、俺はもう少しここにいるよ。お前はどうする?」
「んー、そうですねー……うん、おうちに帰ります。ご飯の準備もしなくちゃですし。シンさんはまだお祈りするんですか?」
「まあね。白玉楼の知り合いから、自分の分も代わりに祈っといてくれって頼まれてるし。でもま、もうちょっとしたら帰るかな」
「そうですか……風邪引かないようにしてくださいね?」
「あっはは、それだけは大丈夫だ。体が資本なんだ、無理はしないって」
「わ、嘘くさい。いっつもそう言って無理してる気がしますよー?」
「そいつは気のせいだっ、絶対気のせいだうん、そりゃ何度か死にかけてるけど多分気のせい……だと、いいなぁ?」

二人して何ともない会話でくすくすと笑う。
今はこれでいい、と早苗は思う。今は似たような境遇の友人で。だけど、いつかは。

「………ああ、シンさんでよかったなぁ」
「ん、何がだ?」

不思議そうな目を向けるシンをかわすように空を見上げて、目を閉じる。
願わくば、死んでいった人々が安らかであるように。
願わくば、残された人々がまた失う恐怖にさらされないように。

「ナイショ、です♪」

そして、いつかちゃんと幸せになれるように。与えられる神の奇跡なんかじゃなく、自分の手で幸せを掴めるように。
風祝ではなく、一人の恋する少女としてただ願い続ける――――



おまけ

「にしても………チョコかぁ。なあ、早苗」
「は、はい、何ですか?」(え、何、何なのこの真剣な目! あれ、もしかして、立った? フラグ、立ったの?)
「こんなこと言うのもなんだけどさ………」
「は、はひっ!」(ああ、ごめんなさい神奈子様諏訪子様、私、今日限りで巫女やめちゃいます☆)

「その、本命以外に渡すのはどうかと思うぞ?」
「……………………………………ゑ?」
「あのなんだ、そういうことされると、勘違いしそうになるから、な?」
「…………………………………………………はッ!? い、いけない、あまりのボケっぷりに意識がトびそうに!?」
「ボケって……ひでぇなぁ、俺はむしろツッコミだって」
「くそうッ、そりゃあこの人の鈍感ぶりを忘れてた私が悪いんだけどさぁ! だからって何なんですか、っていうかマジボケ!?」
「いや何の話だって?」

「こ、こうなったら仕方がない! シンさん、あのチョコは正真正銘のほんめ「ああっ、いたいたいた、いましたよー!」……」
「おお、文さんか。その節はどうも」
「そうですねー、って違う! ちょっと貴女のとこの二柱がなんか神話大戦起こしかけてるんですよ早いとこ何とかして下さい可及的速やかにハリーハリーハリー!」
「あ、あのすいませんちょっとまtt「ええい、じれったい! こうなれば力ずくで!!」聞いて下さいよ!?」
「じゃ! そういうことで!」
「頑張れよ早苗。応援してるぞ」
「うわぁ止める気ゼロだ!? 待って下さい、私ホントはあなたのこと」
「それじゃ、とばしていーきーまーすーよー!」
「うわぁぁぁああぁあああん神奈子様と諏訪子様のアホオォォオオォオオォォォォーーーー――――」


おまけ・2

「………なんだったの? なんか騒がしかったけど」
「ああ、キラさん。いや、早苗も大分幻想郷になじんだんだなぁ、って」
「へー………まあ絶対そういうことじゃないんだろうけど。君も来てたんだね」
「ん、まあ一応は……あんたも来てるとは思わなかったですけど」

「そりゃ来るさぁ、僕だって色々思うとこぐらいあるよ………ああ、アスランも来てたよ。もう帰ったけど」
「へぇ? 珍しいですね、アスラン来たのに嫌そうじゃないですけど」
「ん、アスランは今日だけは真面目になるよ。今日は、命日だし」
「………ああ、母親が、でしたっけ」
「うん。ホント、いい人だったよ。学生の時ちょっと会っただけだけどね」

「ふぅん………」
「うん…………」
「………………」
「………………そういえばさ。チョコ、もらえた?」
「は? え、ええまあ、早苗から一つ」
「ふーん。よかったじゃない」
「………な、なんか企んでます? 妙に素直ですけど」

「あはは、ないない。今日だけは変な企みは無し、普通にしてるよ」
「ふぅーん………」
「…………」
「…………なんか、飲みます? 酒とか」
「ああ、いいかもね。きっついの飲んで、色々忘れるのもいいのかも」
「そうですね。んじゃ、決まりってことで。アスランはどうします?」
「誘おうか。瓶で呑ませてぶっとばすのもいいんじゃないかな」
「あはは、そりゃいいな。それじゃいったん帰って霊夢から酒もらってきます」

「うん…………ねえ、シン」
「ん、何ですか?」
「…………なんでも、ないよ」
「そうですか、なんでもあるんですね。まあ俺は何考えてるかは知りませんけどね、そういうことを忘れるために飲むんでしょうが」
「………うん」
「まったく………あー、似合わね、素直なキラさん似合わねー」
「なにそれ、ひっど。ほら、きりきり行ってきなよ、僕がアスラン誘っとくから」
「へーいへい」

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最終更新:2010年03月06日 17:50
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