1999年は実に平和な年だった
ナチュラルもコーディネイターもいない世界で人々は過度に割れることはなく、
来るはずだった恐怖の大王はドタキャンし、日本は無事に世紀末をやり過ごした
瞬間移動装置の開発中に異界への扉が開くことも、
古の悪魔に祝福された司令官ゴトウによる自衛隊のクーデターも、
神々に遣わされた米国大使トルーマンによって東京がICBMで焼き払われることもなかった
だから、誰一人として気付かなかった
人間の生み出した歪みが、だんだんと世界に蓄積し始めていることに
それは我々の知らぬ間に、
我々が隣まで迫る紛争や食糧危機を一瞥し、環境汚染や廃棄物から目をそむけ、
身の回りの平穏を貪っている間に、
我々のすぐ隣まで忍び寄っていたのだ
シン・アスカ
この次元では、彼は普通の人間として生を受け、普通の生活を送っていた
戦争などという遠い国の現実よりも明日の講義の内容を気にする毎日
友達がいて、先生がいて、家族がいて、勉強が出来て、腹いっぱいご飯が食べられて、遊びには不自由しない
新しいゲームの発売日とか、それを果たして今の資金で買えるのかとか、また妹のマユもやりたがって五月蝿いだろうなぁとか、
そんなことのほうが彼には余程身近な現実だった
だが、彼もまた『他のシン・アスカ』と同じ過酷な運命に身をおくことになる
──────そこにあったのは、『戦い』
私立月光館学園への転入
人を襲うシャドウとそれに立ち向かうペルソナ使い
特別課外活動部の新しい仲間
──────そこにあったのは『出会い』
意識と無意識の狭間に住まう者『フィレモン』
破滅を願う不滅の邪神『ニャルラトホテプ』
鍵を握る女性 境界を操る者『八雲 紫』
──────そこにあったのは、彼自身の『過去』
十年前に起こった爆発事故の真実
シンの家族を巻き込んだ交通事故の真相
目覚めてはならない存在と目覚め始めた力
果たして、シンはタルタロスを昇った先で何を見るのだろうか
君はこの物語の続きを望んでもいいし、見なかったことにしてもいい。
最終更新:2010年05月01日 01:04