最大の疑問を言い掛けたその時、
Bibiー!!『襲撃だ!!連合のMS、数は不明』
8が警戒を知らせる音をやかましく鳴らし襲撃を知らせた。
「また~!!?どうしよう!!」
パニックに陥る樹里。
Bp『バカ、早く非難しろ!!』
『正体不明の1機が物凄い速度でこちらに向かってきている!!』
「「え!?」」
ふと前方でいくつもの爆発が起きた。
戦いの合図だ。死の花火だ。命が、散っている光だ。
そして戦いに、闘いに、狂った声が聞こえた。さも楽しげな声だった。狂人の声だった。
『ハーハハッ!! 』
画面に映る映像を拡大する。
赤い、怪鳥のようなモノが現れた。鳥のようで翼はなく、人の腕を生やし、輝く1つ目があった。
『この機体はまあまあだなあ!!』
両脇にMk39 低反動砲、AQM/E-M11 ドッペルホルン連装無反動砲を抱え向かってきていた。
“ソレ”をさらに後ろからギガムーヴ警備隊が追いかけてきた。
“ソレ”は急停止し、振り向くと警備隊の中心に極太のビームを放った。
何機かがそれに巻き込まれ蒸発した。
さらにパニックに陥り散り散りになったシビリアンアストレイJGカスタム達にトリッキーな動きで乱雑な攻撃をかわし向かいながら誘導ミサイルを10数発と右わきに抱えた連装無反動砲撃ち込み全てを破壊した。
“ソレ”は突然変形し、MA形態からMS形態になった。
ディエチはその顔に見覚えがあった。
「あれも・・・・ガンダム?」
あっという間に武装した黄色い巨人達をガラクタにした“ソレ”は弾が空になった連装無反動砲を投げ捨て、左わきに抱えていた連装無反動砲を右わきに抱えなおした。
だがディエチは違うことを考えていた。
(嘘・・・・死んだの?)
青ざめた。
信じられなかった。動いていたものが動かなくなる。
“死”というものをはじめて見た。こんなにも簡単なものだとは知らなかった。
こんなにも怖いものだとは知らなかった。
(これが・・・・“死ぬ”ということ)
虚無そのものである。
パイロットの1人1人に自分とは違う長く深い人生と人間関係があった筈だ。
それがほんの少しの間に“無”になる。0(ゼロ)になる。
それはとてつもなく、割り切れるものではない。
“ソレ”のカメラアイが光り、こちらを見据え誘導ミサイルを1発と連装無反動砲を数発撃ってきた。
Bp『危ない!!』
8のサポートにより、シールドで誘導ミサイル防御するも、それを狙っていたかのようにシールドに連装無反動砲の砲弾が数発命中し左肩ごと砕けてしまう。
ワザといたぶっているのだ。
樹里は悲鳴をあげ、ディエチは恐怖で声が出なかった。
しかし、それもすぐに終わった。飽きたのだ。
誘導ミサイルを3発放ってきた。避けられもせず、撃ち落すこともできない。
時間が遅く感じた。
なぜシンはあんな風に怒鳴ったのか?こんな時に不思議とそんなことを考えた。
あんな風に怒鳴る必要があったのか?
あんな風に怒鳴らなければならなかったのか?
あんな風に怒鳴らざる状況に追い込まれていたとしたら?
(そっか・・・・。そういうことだったんだ。)
ディエチは“死”と、“死”を振りまく“人殺し”というものが近づいてくることによってシンのやろうとしたことをようやく理解した。
“人殺し”という行為。
“人殺し”という存在。
“人殺し”という認識。
それらを“当たり前”にしないために、触れさせないためにあのような行為をとったのだ。
“悪役”になるしかなかったのだ。
受け入れさせたくなかったのだ。
触れさせたくなかったのだ。
あの優しい人のことだ、自分がそのことを気にしているに違いない。
それなのに、自分の傷を自分でえぐらなければならなかったのだ。
それは。
想像できない。
想像したくない。
さらに自分が怯えたことで。
どれほど心が傷ついただろうか。
どれほど心が苦しかっただろうか。
どれほど心が痛かっただろうか。
たとえそのことを言っても。
「悪役と騙されることは慣れてる」と言って誤魔化すのだろう。
彼は悲しく微笑んで誤魔化すのだろう。
それは全て。
(・・・・私のために。)
「私・・死んじゃうの・・かな? シン・・さん・・・・」
絶望の声が漏れた。手で胸を押さえた、手と胸の間には――シンのくれた翡翠の首飾りがあった。
『死なせるもんかァァアアア!!』
絶望を打ち砕く声が響いた。
「シ・・ンさん?」
突然迫り来ていた3発のミサイルがビームに撃ち抜かれ爆発し、紫煙が広がった。紅い瞳をギラつかせて“ソレ”は盾になるように、守るために現れた。
『デ・・ィエチ? ということは2人とも無事か?!』
「う、うん」
『ディエチ・・・聞いてくれ』
音声だけが送られてきた。顔は見せたくなかった。
『俺が怖いと思う、それでいい。俺もあの赤いヤツと同じ“人殺し”だから。でも――』
怖がられてもいい。俺はそれ相応に戦場で人を殺し続けている。
どんな敵も正義を持っている。なら俺はたった1人の悪役(ヒール)だ。
でも足掻いてやる。暁(戦場)からの雨(銃弾)と風(爆風)から俺は花を。
『俺は花を守る・・・ッ!!』
真っ直ぐな心から溢れてくる声だった。
強い思いから溢れてくる熱い声だった。
回線から聞こえてくるシンの声を聞いてディエチは何故かあの時の会話を思い出した。
【実は深く考えたことはないんだ。俺にとって守りたいものは、みんな“花”なんだよ】
【ふーん。じゃあ私も“花”ってこと?】
【そうなるな。】
【・・・・そう】
「シン・・・さん」
『樹里、シン、無事かッ!?』
「ロウ!! 遅いよ・・・バカ」
樹里は目に涙をためながらも、安心していた。
『わりいわりい』
後からロウとレッドフレームが駆けつけてきてくれた。
機体の汚れからして、戦いの中を文字通り道を斬り開いてやってきてくれたのだろう。
『シン・・・あいつは?』
「俺より強くて、俺と同じ最低な奴さ」
『隙がない・・・・強いな』
「ああ。ロウ、樹里さんとディエチを安全なところに誘導してくれ。俺がアイツの相手をする」
レッドフレームはシールドを持っていなかった。
隙を見せないようにガイア2ndのシールドをレッドフレームに渡す。
『おい、シン・・』
「頼む。それにアイツは“囮”だ。かといって野放しにはできない、敵母艦をモーガンさんと一緒につぶしてくれ」
“死”を覚悟した声だった。
『くッ・・・分かった! 死ぬなよ!!』
ロウには分かった。
シンは死ぬかもしれない。
たとえ2人であの赤いMSに立ち向かっても中途半端なコンビネーションでは勝てない、むしろさらに状況を悪くするだけだということ。
優先すべきこと、シンの望むことがなんなのか。
「ディエチ、俺が帰れなかったら、俺を忘れろ」
『え? シンさ――』
一方的に非情なメッセージを送り、回線を切る。
聞こえかけたディエチの声に応じる余裕はない。絶対に生きて帰る自信もない。
両目で敵を睨み、背中で3人を見送った。
シン・アスカはただの愚かな馬鹿ではない。目の前にいる奴の強さは知っている。“コイツ”を野放しにしておく危険性も知っているつもりだ。
証拠に凍てつくような殺気にブルいそうになっちまている。
だが“恐怖”と“脅威”を知り、受け止めた上で踏み込む気持ちを“覚悟”と人は言う。
ガイア2ndは、襲い来る赤いMSに立ち向かっていく。先に仕掛けた。
「やってやる。やってやるさッ!!」
2連装ビームライフルを上下交互フルオートで正面に連射、両肩に追加装備した3連ミサイルポットから全弾を左右囲むように同時発射。
だがその3つ又の攻撃を苦もなくかわす。
相手はを正確な狙いでドッペルホルン連装無反動砲を撃ってきた。
それらをかわしながら接近する。
相手はドッペルホルン連装無反動砲を捨ててビームサーベルを抜く。
それでいい。シンの狙いは意識を自分に向かわせることにあった。
ガイア2ndはマガジンが空になったビームライフルを投げ、撃ちつくした3連ミサイルポットを切り離し、ビームブーメランをサーベルモードにして立ち向かっていった。
傭兵は状況に適した武器を使う、なら相手に“ビームサーベルを使うのが最適な状況”を自分でつくってやればいい。
相手も接近戦を好む類だと知っている、乗ってくる筈だ。
接近戦で自分を身を使い釘付けにしなければさらに被害が広がることを知っていた。
なぜなら、シンの知っている限りこの世界で1番強く、狂っている危険人物だからだ。
いや、本来“人”というカテゴリーに入っていること自体が不思議な危険物だからだ。
『よお!! シン・アスカぁぁ!!』
「なんでお前が“カオス”に乗っているんだ!?」
シンはその機体に見覚えがあった。
それはかつて今の愛機ガイアとかつての愛機インパルスともに開発され、セカンドシリーズと呼ばれた機体の1つ。
それはかつて奪取されZGMF-X24SとRGX-01、ザフトと連合の2つナンバーを持った3機のうちの1機。
それはかつて『平和のための兵器』という矛盾の思いを孕んだ機体の1つ。
カオス。
カオスガンダム。
ただしカラーリングは2度と見たくもなかったあの血の様に黒みのある禍々しい、赤。
赤という色はもううんざりだ。
宇宙でカオスと戦うということ。
前とは違い制限のないゲーリー・ビアッジと戦うということ。
この状況は間違いなく“最悪”である。
ガイア2ndとカオスは互いの攻撃を受け止めながら拮抗していた。
左肘のビームコーティングクローをシールドの代わりにし受け止める。
ナイフで剣を受け止めるような危うさだ。
『いちいちテメーの許可がいるのかよォ!!』
「ならもう一度破壊してやる!!」
ガイア2ndの右肩に120mmガドリングが固定され火を吹く。
『隠し武器ッ!?』
カオスは少し位置を低くし、上半身に降り注ぐ筈だった銃弾とビームの雨を機体を低くすることでかわし。
『こっちにもあるんだよォ!!』
そのまま右足のつま先のビームクローからビーム刃を発生させ回し蹴りのようりょうで振るう、右足の脛から先が斬り捨てられた。
『物足りねえな羅刹!!』
その次にビームサーベルのが来る、回避が間に合わず胴体が軽く切りつけられる。
「ぐぅッ!」
コックピッドの周辺の機器が砕け、破片が体に刺さるが気にしない。気にしたら命がない。
幸いなことに眼球や首には刺さってはいない。
力が・・・・足りない。
速さが足りない。
技術が足りない。
経験が足りない。
もっと力が・・・欲しいッ!!
もっと、もっともっとだ。もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと、もっともっとだ。
もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと
もっともっとだ!!
「もっとだァァア!!」
シンの何かが弾けた。初めて“意識的”に開放された。
ガイア2ndは、後退し距離をとりながらバック転をしながら後ろにあったデブリを踏み場にし、跳んでカオスに追撃をする。
カオスはMA形態に変形、上昇し横なぎの斬撃をよけると。
『そらよォ!!』
MS形態に変形するとガイア2ndをビームサーベルで斬りつける。
ガイア2ndは即座に上を向き、防ぐ。
「ぐッ!!」
斬撃は防いだ。だがその後にくる蹴撃の衝撃で吹き飛ばされた。
カオスが追撃してきた。
対してガイア2ndはバーニアを全開にして突っ込む!!
「はあああーッ!!」
シールドを保持した左手を殴るように突き出す。シールドがかわされた。
だがすでにシールドを手放した左手は変形し、先にある爪は光を帯び。
カオスの左顔面をえぐった。
ガイア2ndはそのままMA形態に変形し跳びぬける。
両者は一瞬向き合った。
そして再び互いに向かって進みだす。
本来、破片により血だらけのはずだが、ありがたい事に脳内麻薬により痛感は無い。
数時間後、この世で痛みによる地獄を感じられていたらまだ幸せだ。
「・・・・。」
『ククッ・・ハハッ・・・ハハハッ!! こうでなくっちゃ!』
戦いに狂っている。
闘いに酔っている。
進みながら両肩のガトリング砲で弾幕を張った。
当り前のようにかわされる。かわしながらカオスは近づいてくる。
すぐにマガジンが空になった。
カラカラと銃身が回る。これでビーム系の射撃武装はなくなった。
これで――いい。どうせ当たるとは思っていない。
『バカな質問をしてやるよ。俺は楽しいから戦う、テメーはなんで戦う?』
「“そんなこと”戦場でいちいち聞かなきゃならないんなら、戦場になんか出るなァ!!」
『クククッ・・やっぱなァ!! やっぱテメーも最低最悪だ!! さあ、やろうぜ!! 同類同士の殺し合いをよォ!!』
「俺は『羅刹』だ!! “共食い”が仕事だッ!!だから――」
平和な世の中には俺もお前も必要ない。だから――
「薙ぎ払うッ!!」
【熱くなりやすい感情は捨てろとは言わん。しかし、身をまかせるな! ブルいそうな足に込めろ!!そして・・・“ここ”はいつもクールにな!!】
冷静・・・・だった。
凍りつくようなゲーリー・ビアッジへの“恐怖”と“脅威”が冷静にさせた。
静かだ。“死”が直前にあるということが分かる。心臓の鼓動が馬鹿に大きく聞こえる。
自然に荒くなる呼吸を意図的に落ち着かせる。タイミングと呼吸を合わせる。
“恐怖”と“脅威”を理解し覚悟することで、モーガン・シュバリエの言葉が理解できた。
業火のような怒りはおさまらない。おさめる必要がない。
むしろ必要だ。これからやろうとすることを考えれば。
怒りを勇気かえるためにはまだ足りない。
ゲーリー・ビアッジについて分かったことは2つだけ。
1つ目はカオスに装備されているドラグーンが使えない可能性があること。
証拠に背中の機動ポットを固定装備としてでしか使っていない。使う場面はあった。
2つ目は接近戦での連撃と回避能力は自分よりはるかに上手だということ。これは自明の理。
つまり接近戦で一撃で決めなければ。
必中の一撃で決めなければ。
必殺の一撃で決めなければ。
待っているのは“死”。
自分を嘲笑いたい。“この感覚”でこの冷静さだったのならあの大戦の最後も勝てたかもしれないのに。
いや、目の前の相手が格上だから恐怖で冷めているのか。
どちらにせよ目の前の相手はキラ・ヤマトより、アスラン・ザラより―――強い。つまり今ある力でつくられた平和を壊せる存在。
頭の中を整理する。
相手はビームライフルをもっていないことと、左顔面を抉られていることを除けば目立った破損はない。
こちらはシールド、ビームライフル、右足がなく。胸に損傷あり、実弾でも命中すれば危うい。
やっぱり“アレ”だけか。
迷いはない。選択肢は1つしかないから。
ガイア2ndの左手が右腰からビームブーメランを抜いた。
まだビームは発生させない。
コンソールを操作しビームブーメランへのエネルギー供給率を倍にする。
狙うは一瞬。どんな猛獣もその一瞬、無防備となるその一瞬。
カオスがビームサーベルを振り上げている。
振り下ろしてくる。まだだ・・まだ・・・
「今だっ!!」
ギリギリ半身ずらしてかわす。胴体の表面がビームサーベルに炙られた。
ガイア2ndの頭部の20mmCIWSが火を吹く。VPS装甲(しかも強度最高の赤)のカオスには意味がない。
本来ならば。
だが抉られた左顔面の断面に降り注いだ鉛の雨はカオスの頭部を破壊した。視覚が、情報が、頼っていた感覚が一時的に遮断される。
一瞬の隙がもう一度できた。カオスが“初めて”シールドを構え、防御しようとした。
「それを――待っていた!」
本来ならばこれには対艦刀が必要であるがガイア2ndは装備していない。無い。
無いならば。ならば対艦刀の威力を、熱量を今あるもので再現するだけだ。
再現するしかない。『英雄』の真似事だとしても。
ガイア2ndはビームサーベルモードのビームブーメランで突く。
2つのビームブーメランを横に重ねてシールドの一点を突く。
線よりも点。“突き”とは剣技の中でもっとも威力のある技である。
「だァァァ!!」
二瞬、拮抗しビームブーメランのビームがカオスのシールドを溶かし貫いた。
この太刀筋ならカオスの胴体も貫いている筈。
だった。
『やって――くれやがったなァ!!』
次の瞬間、ビームブーメランを持ったままのガイア2ndの両腕が宙に浮いていた。
振り上げられているカオスの左足先のビームクローにより切り捨てられていた。
何より・・・・心が、折られた。
カオスは左腕の二の腕から先、右肩を丸ごと失いながらそこにいた。
胸はかすかにかすった痕がある。
しくじった。だがあの損傷ならこれ以上の対集団戦闘は無理だろう。止めをさすことを除けば・・・
カオスがMA形態に変形し、モノアイをもった頭部が下がる。
どうやらカオスの武装中一番の威力のあるMGX-2235B カリドゥス改複相ビーム砲で止めを刺すらしい。
「おいおい、オーバーキルかよ? ああ、死にたくないな。ディエチ、君は生きて家族に会えよ。俺は――」
死んでも家族に会えないんだから、と言おうとした。
覚悟した。諦めていた。
あの大戦中と敗戦後まわされた1年間に及ぶ地獄巡りで死んでいった多くの戦友たちにまた会える。シン・アスカは―――笑っていた。
「ん・・嘘だろ?」
だがシンはあるものを見つけた。左腕と右足を失ったシビリアンアストレイJGカスタムだった。運良く生き残っていた。
『ガイアのパイロット、無事か!?』
聞こえた声は、ここに来て最初に助けたシビリアンアストレイとそのパイロットの声だった。ビームガンを乱射させ助けに来た。
「バカ、来・・るな・・・来るなァァアーー!!!」
ファイヤーフライ誘導ミサイルを3発放つ、シビリアンアストレイJGカスタムはビームガンで必死に撃ち落そうとするが右肩に1発着弾する。
着弾し爆発し紫煙が広がる、シビリアンアストレイJGカスタムの背後でモノアイが光った。
『楽しみを邪魔すんじゃねぇよっと!』
『ウ・・ウワアアァァァ!!』
シビリアンアストレイJGカスタムはカオスのビームクローにより胴体が一文字に真っ二つになる、と思われた瞬間。
「止めろォォオーー!!」
ガイア2ndが全速力の体当たりをカオスにぶちかました。
攻撃の途中という隙を突いたのだ。
『ぐッ!!』
吹き飛ばされるカオス。
シビリアンアストレイJGカスタムの胴体はまだくっついている。
「はぁッ・・・はぁあッ!!・・・ ふざけんなよッ!!ふざけるなァァアアアーーッ!!」
怒りが再び燃え上がりだした。
カオスはすぐに姿勢を調整し、カリドゥス改複相ビーム砲をぶっ放した。
ガイア2ndのカメラアイが再び紅く輝き、4枚の羽を広げ放たれたカリドゥス改複相ビーム砲を避けた。
そしてそのまま三肢を失ったMA形態に変形、グリフォンビームブレードを展開して再度向かって征った。これ以上やらせないために。
「守ってみせる。だから・・お前は・・・ッ!!」
カオスのモノアイがその姿を確認する。
『まだやるか・・・そうだよなァ。そうでなくっちゃ!!』
口端を歪ませ獰猛な笑みを浮かべた。
「お前は」
灰色の大地は怒り、血の涙をこぼす。
戦場で誰かを守るということは誰かを“殺す”ということ。
『テメーは』
赤色の混沌は楽しみ、笑みをこぼす。
戦場で誰かと戦うということは誰かを“殺す”ということ。
だから、必然に互いに同じ言葉を使った。
『「殺してやるよ』」
シン・アスカは
戦いに
闘いに
狂いかけていることに気付いてはいなかった。
最終更新:2010年08月08日 17:49