1
白アリス(アヴィスの意思)「どうして貴女がアリスな…」
シン「なんだ、アリス…お前、またドラマかよ?瓜二つな奴が出演してる番組が気になるのは分かるけどさ、1日のほとんどを画面と向き合って過ごすのはどうかと思うぞ?」
白アリス「ちょ、ちょっと、シン!今、大事なところなんだから、邪魔しないでくれる?」
シン「…そんなにリアルタイムに拘らなくても…録画くらいしてるだろ?」
白アリス「…またよく分からないことを…いつも思うけど、ドラマとか録画って、なんのこと?」
シン「あ、もしかしてこの世界、録画機能のある装置とか普及してないのか…そもそも、テレビもなかったっけ…」
白アリス「え?どういうこと?」
シン「えっと…ドラマってのは、今そこでやってるようなこと。で、録画ってのはそれを記録できるんだけど…まぁ、この世界ではまだ出来ないんだろ?悪かったな、邪魔して」
白アリス「え…邪魔って…ああ!?皆、もう帰ってる!?」
シン「…そんなに重大なシーンだったのか?」
白アリス「ジャック…ジャックぅぅ…」
ぬいぐるみA「あ、アリスを泣かせた!?」
ぬいぐるみB「あ、アリスが泣いてる!?」
ぬいぐるみC「元気だして、アリス!」
ぬいぐるみD「きっと、ジャックもすぐに来てくれるよ!」
ぬいぐるみE「あやまれ、兎!」
ぬいぐるみF「死んじゃえ、死んじゃえ!」
シン「あ…ああ…悪かったよ、アリス。ほら、クッキー作ってきたんだ、そろそろおやつだろ?」
白アリス「…食べ物で釣るつもり?」
シン「う…い、いや」
白アリス「……うん、おいしい。おいしいから、許してあげる」
シン「そ、そうか…良かった。そういや、今日はネコのやつ、いないんだな」
白アリス「ええ、チェシャなら、ちょっと外に出てくるって」
シン「へぇ…アリスも、たまには外に出たほうがいいんじゃないか?」
白アリス「私は…出られないのよ、ここから」
シン「え?なんで?」
白アリス「なんででも。そういうものなの…貴方の方こそ、どうやってここから出入りしてるの?普通、何度もこんなところには来れないはずだけど…」
シン「転移魔法のことなんて言っても、分かんないよな…ま、お前と一緒だよ。そういうものだと思っとけばいいさ」
白アリス「そういうもの…ねぇ」
シン「なんなら、あっちの世界に連れて行こうか?違う世界なら、お前も外に出れるかも…」
白アリス「その申し出はありがたいけど…でも、ダメ。そっちに行ってる間にジャックが来るかもしれないし…それに、最初に外に出るときはジャックのお家って、決めてるの」
シン「そっか…なら、仕方ないな。じゃ、俺はそろそろ帰るよ」
白アリス「…え?もう!?」
シン「最近忙しいからな…でも、今日で目処はつきそうだし、もう少ししたら、前みたいに泊まっていける日もくると思うよ」
白アリス「そう…ジャックほどじゃないけど、心待ちにしておくわ」
シン「ああ、今度はケーキでも持ってくるか?」
白アリス「うん!」
シン「よし…ああ、あとこの猫缶、ネコが帰ってきたら渡しといてくれ」
白アリス「…これ、おいしいの?」
シン「猫にとってはな…俺は食べたことないから、人間にとってどうかは分かんない」
白アリス「へぇ…」
シン「じゃ、またな」
白アリス「うん…またね」
白アリス「あら、おかえり、チェシャ」
チェシャ「ただいまぁ、アリス…ん?なんか、あの兎人間の匂いが…」
白アリス「…ねぇ、チェシャ」
チェシャ「ん?なになに?」
白アリス「よく、あんなのをおいしそうに食べれるね?」
チェシャ「…え?」
白アリス「にしても、シンが持ってきたこのテレビってすごいね…外から集めた情報を、映像として映し出せるなんて…」
シン「…どこでもやってないよな…」
エリオ「シンさん、どうしたんですか?」
シン「いや、このテレビって、他次元電波の受信機能、あるよな?」
エリオ「はい、そのはずですよ」
シン「…どこでやってるんだ、あのドラマ?」
2
シン「よ、アリス、久しぶ…」
ジャック「エナジー、発射♪」
白アリス「~~♪」
シン「!?」
ジャック「まだ本気とか、言う訳じゃない♪でも、体はしょうがな~い♪」
グレン「…ん?」
ジャック「夏も秋も冬も春もそれは、熱い扉でもしょうがな~い♪」
グレン「シン・アスカか?初めまして、グレン・バスカヴィルだ。あっちはジャック・ベザリウス」
シン「ジャック!?あれが?」
ジャック「ANSWER?感じてつたえろ♪ANSWER!!饒舌な火照り♪」
シン「てか、何で普通に出てきてんですか?ジャックさんって、滅多にここに来れないんじゃあ…」
グレン「…?週に一回くらいは、二人でアリスの顔を見に来てるんだが…?」
シン「…嘘だろ?アリスのやつ、なんかしんみりしたムードだったから、てっきり…てか、そんなホイホイ来れるもんなんですか?」
ジャック「そりゃ、魂とタマシイ♪もっと強いempathy♪」
グレン「どんな世界にも、ご都合主義ってのはあるさ。まぁ、偶然日程が噛み合わなかったんだろう」
シン「はぁ…で、あの人は何してるんですか?」
ジャック「胸、汗かいた?だったら、もっと爪をたてて♪」
グレン「いや、君が持ってきた…テレビ、といったか?あれをいじくり回していたら、丁度ある曲が流れていてな」
ジャック「言葉でも傷だらけ♪愛された壊された、my dream♪」
白アリス「~~♪」
グレン「それで、その声がジャックにそっくりだったから歌ってみよう、と…」
ジャック「止めないよ♪愛されて壊されてみれば、KA☆GE☆KIなSI☆GE☆KI♪」
シン「歌ってみようって…これ…」
ジャック「やっと、僕は知った君を知った♪戦いでdengerous player♪」
白アリス「~~♪」
ジャック「どんな、ピンチだった?チャンスだった?聞きたいね♪声で、player♪」アイ フィール ファイヤー
白アリス「ジャック、かっこいい~」
ジャック「ありがとう!そして、初めまして、シン君。私はジャック・ベザリウス。しがないオルゴール職人さ」
シン「は、はぁ…初めまして」
ジャック「アリスからよく聞かされてるよ。うん、赤い瞳に黒い髪、か…」
シン「…?」
ジャック「……ちょっと、女装してみない?もしかしたら、レイシーっぽく…」
グレン「いや…どうだろう?」
ジャック「グレン、もしも成功したら、ツンデレなレイシーができるんだよ?ツンデレイシーだよ?このチャンスを不意にするつも…」
シン「ちょっと…お話しましょうか?」ナノハジキデン メーオーオーラー
シン「俺はね、ホントに尊敬してたんですよ、あのアリスにあそこまで慕われてる、なんて…」
ジャック「はい…」
シン「それが、まさか他人を女装させるのが趣味なんて…」
ジャック「ち、違うんだよ!君だけだ…いや、赤い瞳に黒い髪の子だけだ!」
シン「赤い瞳に黒い髪って…ネコのやつは…」
チェシャ「…シクシク」
シン「…ジャックさん?」ギロ
ジャック「ひぃっ!?」
グレン「もういいだろう、それより、ジャック…」
ジャック「な、なんだい?グレン…」
グレン「あの曲、もう一度歌ってもらえないか?」
シン「…は?」
ジャック「…へ?」
グレン「いや…どうやら、中毒にかかってしまったようで…」
シン「…いったい、なんなんだよ…あんたたちはぁ……ハァ」
3
真新しい制服に身をつつむ。中学の頃とはネクタイの色以外は全く同じ制服だから、わざわざ新しくする必要はないのだが、海外で暮らす家族がわざわざ帰って来てまで新調た制服を着ないわけにはいかなかった。
「じゃ…行ってきます」
誰もいない家に、意味のない挨拶をする。
今日から高校生…というか、高等部。敷地は中等部の頃とは変わらないが、校舎は別のものになる。
シン・アスカ…両親と妹は海外に行き、一人暮らしとなったアスカ家の長子。そんな俺の、高校生活がはじまる。
「シン、おはよう」
「おはよう、レイ。今年も同じクラスだな」
「ああ、今年もよろしく、だな」
教室に入ると、どんな女性でも羨むような美貌をした、俺の親友が声をかけてくる。
「シン、私も同じクラスだよ?忘れてない?」
「まさか、そんなわけないだろ?」
赤毛の少女が拗ねたように言う。俺とレイと、そしてコイツは、初等部からの付き合いで…
「今年でもう、六年も同じクラスだね」
「ああ、これが嫌いな奴じゃなくて良かったよ」
クスリ、と少女が笑う。コイツも、見てくれはかなりいい部類に入るから、そういう表情をされるとたまにドキッとする
「今年もよろしくな、メイリン」
「うん、よろしく!」
ポンと、赤毛の上に手をおく…昔から、年齢以上に幼い言動が目立つ少女で…なんとなく、妹のように接していたが、マユが両親に連れられて海外に行ってからは、ますますそんな感覚が強くなってきている気がする。
「ちょっと、シン!メイリンは私の妹なんだけど!」
背後から、勝ち気そうな…聞き覚えのある声が聞こえる
「…ホーク先輩、いくら友人が少ないからといって、入学式前の一年の教室に潜り込むのはどうかと…」
「うるさい!大体、白々しいわよ、レイ…今更後輩面したってねぇ…」
怒りか、羞恥か…顔を真っ赤にして、メイリンの姉であるルナマリアが叫ぶ
「もう…私とアンタたちは同級生なのよ!!」
シーン、と教室が静まり返った。さっきまでそこかしこで聞こえていた話し声が、一切聞こえない。
「ルナ…りゅうね」
「ステラ…それ以上言うな」
「うお…噂には聞いてたけど…まさか、な」
ステラ、スティング、アウル…中等部からの友人がひそひそと話はじめたのを皮切りに、そこかしこでざわめきが蘇った…ルナマリアの、留年についての話題がほとんどみたいだけど…
「…スザクでさえ進級したってのに…ルナ…」
「うるさい…大体、なんで留年なのよ…一年ズラせばいいだけじゃない。ここ、シンが高一、なのは達が高二なのにヴィヴィオちゃんが小四で、アインハルトちゃんが中一、なんて世界なのよ…別に、一年くらい…」
ぶつぶつ、とルナがぼやく…うん、なんのことを言っているのかさっぱりだ。
「にしても、なんでエスカレーター式の学校なのに、わざわざ入学式とかするんだよ」
「さぁな。まぁ、そういうものだと思っておけ…ほら、担任が来たようだぞ」
レイの台詞の数瞬後、教室の扉が開いて、妙なマスクをした教師が入ってきた。ぞろぞろと、皆が席につく
「おはよう、私はラウ・ル・クルーゼ。君達の担任を務めることになった」
…なんか、声がレイと似てるな。そう思って、レイの方を盗み見ると…顔が真っ青になっていた。
「…レイ、大丈夫か?」
「…あ、ああ。だいじょうぶだ。もんだいない」
いや、確実になんかあったろ、レイ
「では、早速だが廊下に整列してくれ。お待ちかねの入学式だ」
「なぁ、シン、バスケ部見に行かね?」
入学式が終わり、HRも終わり、ようやく解散した教室でアウルが声をかけてくる。
にしても、相変わらずここの集会は凄い。
デュランダル理事長に、アズナブル校長…そして、フロンタル教頭…目をつぶると、誰が喋っているのか分からなくなる。
「見に行くったって、メンバー、中等部の頃と一緒だろ?」
エスカレーター式の学校だと、部活のメンバーなんて初等部から高等部…果ては、大学部まで面子が一貫している
「いいだろ?雰囲気ってのを味わいたいんだよ。どうせ暇だろ、お前?」
「まぁ、確かに暇かといば…」
『一年D組のシン・アスカ君、至急、生徒会室まで…』
「…ごめん、暇じゃなくなった」
「ああ、分かった…分かったから…」
ポンと、俺の肩にアウルの手がのる。
「シン…はやまるなよ、まだまだ人生、捨てたもんじゃないぜ!」
爽やかな笑顔で、去っていく…まさか、そこまで言われるとは…
この学園はエスカレーター式だ。だから、新入生でも上級生のことはよく知っているし、その逆もまた然り、だ。
と、なれば実績さえあれば、高一でも生徒会長になるのはそこまで難しくもない…そうやって、生徒会長に就任したのが、昔からの付き合いがあるこの八神はやてである。
「ようこそ、生徒会へ。私達は、シン・アスカを当代生徒会の書記として歓迎します」
生徒会長、八神はやて。副会長、高町なのは。副会長、フェイト・テスタロッサ。会計、アリシア・テスタロッサ。当代生徒会の全員が、盛大な拍手をする
「え…っと、どういうことですか?」
「ん?知らへんの?生徒会長には、生徒会役員の任命権があるんよ」
「いえ、そうではなくて…俺、今日入学したばっかりなんですけど…」
「もう、九年もここの敷地で学園生活をしてたんだから、今更かってが分からない、とかないよね?」
ニコッと、なのはさんが笑む…
「シンのために書記の椅子、空けてたんだから…座って、ね?」
「うん、座ってね、シン」
畳み掛けるように、アリシアさんとフェイトさんが続ける。まぁ、この人達にはいろいろ世話になっているし…生徒会に入っとけば、内申もそれなりに期待できるし
戸惑いはしたものの、よく考えたら特に断る理由も…
「…分かりまし」
「ちょっと待て!!」
頷きかけた、その時…バン、と派手な音をたてて、生徒会室の扉が開いた。
4
「おはよう、シン。初日から色々あったらしいな」
親友の声に、机の上に横たわっていた頭をあげる
「…よく知ってるな、レイ」
「こういう学校の新聞部は仕事が早い、というのは定番だ」
「あー、そうだったっけか?」
ということは、昨日の件はもう学校中に知れわたっていると考えていいのか…
「シン、中等部の頃はフライデーされたこともあるのに、よく忘れてられるわね」
「あ、おはようございます、先輩。その、フライデーって表現、やめてもらえませんか?」
確か見出しは[中等部二年のシン・アスカにロリコン疑惑!!相手は初等部五年の覇王っ子!?]だったか…一週間近くは周囲から白い目で見られてたな。
まぁ、暴走したはやてさん達をいさめるのに必死で、そんなこと気にしてられなかったけど…
「シン、私はもう同学年なんだけど…」
「何を言うんですか、ホーク先輩。例え学年が同じでろうと、貴女は俺達より年上…いわば、人生の先輩というやつで…」
「レイも…あんたたち、同学年になった途端に私を先輩扱いしだして…」
「ま、まぁまぁ、お姉ちゃん…二人ともお姉ちゃんと同じクラスになったのが嬉しくて照れ隠ししてるんだよ」
凶暴じゃないほうの赤毛が姉を宥める。
「で、どうだったんだ?生徒会は?」
「激務だよ…まだ疲れが残ってる」
「みたいだな…こんなにぐったりしてるお前は初めて見るよ」
「シン…大丈夫?」
「ああ、大丈夫…ステラはホントに癒されるなぁ…」
ひょこっと顔を出した金髪を撫でる。スティングとアウルは、猫のように目を細めるステラを見て笑っていた。
「で…シン、結局どっちにするんだ?」
「まだ決めてないよ。大体、風紀委員の方はまだなんだから…」
昨日、生徒会室の扉を開けたのは、三年、風紀委員長のアスランだった。この学校の各委員長にも、自分の委員会のメンバーの任命権がある。
どうやら、俺が高等部に慣れはじめてから風紀委員に任命する予定だったのを、生徒会に先を越されそうになって、乱入したらしい。
二時間近く、アスランと生徒会役員達の罵りあいが続き、最終的に、四日間、生徒会と風紀委員の仕事をして、どっちに入るかを俺が決めることになった。
「そうか、風紀委員の仕事は今日だったな…まぁ、頑張れ…」
ポン、とレイの手が俺の肩にのる。そして…
「では、そろそろタイトルコールといこうか」
「タイトルコール?」
「…そうだ」
[生徒会書記、シン・アスカ ~EP.1 書記職、就任~]
「まぁ、こんなところだろう」
「思いっきりネタバレてるな、これ。ってか、前回は?」
「あれは
プロローグだ」
「いいか…なんとしても、シンを風紀委員に入れるぞ!皆、いつも以上に張り切っていけ!」
風紀室…この学校には、各委員会毎に部屋が割り当てられており、俺が長を勤める風紀委員の部屋は、この長い机が四角く並べてある一室である
「絶対に手を抜くな…生徒会なんかより、よっぽど快適だと思わせるんだ!」
「…それに異論はないし、シンが嫌いな訳じゃないが…アスラン、貴様、いくらなんでも強引じゃないか?聞くところによると、シンはほとんど頷きかけていたんだろ?だったら…」
イザークが呆れたように俺を見る。まぁ、いつものことか、と数瞬後には納得しているが…
「俺は、シンの両親に頼まれているんだ、シンをよろしく、と。だから…俺はシンを正しく導かねばならない。その為にも、シンには風紀委員会に入り、次代の風紀委員長を勤めてもらわなければならないんだ!」
「それは何度も聞いた…だが、アイツを立派に育てたいんなら、別に生徒会でも…」
「俺はシンを正しく導く…だが、別にライオンになって、アイツを崖から突き落とすつもりもない。ましてや、子羊を狼の群に放り込むなんてこと…」
そうだ…あの腹黒狸にシンを任せるわけにはいかない!
俺が…シンを!!
「で?風紀委員はどうだった?」
翌日の昼休み、レイから声がかかった
「生徒会よりはよっぽど楽だったな…まず、書類がほとんどないし」
なんでも、風紀委員の仕事は校内の見回りが主で、デスクワークは副委員長がほとんど済ませてしまうらしい。
「今のところは、風紀委員のほうが優勢ってこと?…」
メイリンの発言を受け、考え込むようにレイが腕を組む。
「そう言えば、ルナは?」
教室にいないメイリンの姉のことを訪ねる
「お姉ちゃん、昨日の小テストで酷い点数だったらしくて…今、再テスト」
「おい…ルナ、二回目じゃないのか?」
「…重症だな」
普段は表情の変化に乏しいレイでさえ、呆れたような顔をする。
「あれ、再テスト引っ掛かったの、ルナさんとスバルだけみたい」
隣のクラスのティアナがあらわれた!
「隣のクラスだと、モンスターボールは弾かれるんだろうか…」
「何わけの分かんないこと言ってるの?」
本気で、何か可哀想なものを見るような目で言われた…地味に傷つくな、これ
「ルナのやつ…また留年したりしないだろうな…」
「二年連続で留年したら退学になるらしいけど…」
なんか、本気でヤバイ気がしてきた…
「でも、シン達はいいよね。そういう心配はいらなくて…私なんて、不安で不安で…」
「ああ、まぁ身内がああなったら、確かに不安になるかもな…」
「本当だよ…大体、なんでシンは成績いいの?見た感じ、お姉ちゃんのほうが頭良さそうなのに…」
「酷いこと言うな、メイリン…まぁ、これはアスランのお陰なんだけど…」
「アスランさんの?教えてもらったりしたの?」
「いや、そーいうのじゃなくて…」
アスランと俺は結構長い付き合いで…あいつとは、兄弟みたいな関係で育ってきたんだけど、こと成績に関しては、俺とアスランは徹底的に対立してた。
中等部のころ、俺がクラスで真ん中辺りの成績をとって、それがアスランにバレたとき…小一時間ほど、この不況時にこんな成績でどうするんだ、と説教されたことがある。
それが何か悔しくて…次のテストで学年三位をとった、すると、アスランのやつは学年一位という自身の成績を見せつけ、次のテストで学年一位をとると、今度は全国模試三位を見せつけられた。
今になって思えば、あれもアスランなりの叱咤激励だったのだろうが…今更引くわけにもいかず、その対立…というか、追い掛けっこはまだ続いている。
「はたかた見たら、ただ嫌がらせだったがな」
感心したような仕草のメイリンに、レイがポツリと呟いた
「うん、これだけあれば充分やろ」
目の前には、書類の山。風紀委員会を除いた、全ての委員会から集め回った書類
「この時期、生徒会は暇やからなぁ…仕事探すのは苦労した…」
他の委員会の書類を肩代わり、なんて、普通はありえないのだが…シンのことが学校中に広まっていることもあってか、皆快く了承してくれた
コンコン、とノックの音が響く…これで三日目、か。
「俺、生徒会に入ります」
最終日、アスランとはやてさんの目の前で、そう宣言した
「な…何故だ!?俺達は完璧だったはずだろう!?なにがいけなかったんだ!?」
今にも掴みかかってきそうな剣幕で、アスランが詰め寄る
「いけないことなんて何もありませんでしたよ。確かに快適で、完璧でした」
「だったらーーー」
「でも…あんなに完璧なら、別に俺が入る必要はないでしょう?」
そう言うと、アスランはポカンとした表情を見せる…この人のこんな顔は、初めて見るかもしれない
「対して、生徒会のほうは企画書とか始末書とか、色々大変で…だから、俺は生徒会に入って、手伝いをしたいんです」
呆然としたアスラン…それとは対照的に、いかにも余裕そうな笑みを浮かべたはやてさんが、近づいてくる
「ホントにええんやね?」
「はい…よろしくお願いします」
「うん、分かった」
頷くと、はやてさんは鞄から書記と書かれた腕章を取り出し、俺に差し出した
「一年D組、シン・アスカ…貴方を、当代生徒会の書記に任命します」
いつもとは似ても似つかない、芝居がかった口調ではやてさんは言葉を続ける
「おめでとう…我々生徒会は、貴方の書記就任を、歓迎します」
ヴィーノ「なぁ、ヨウラン」
ヨウラン「ん?」
ヴィーノ「一体、どのくらいの人が俺達の不在に気づいたと思う?」
ヨウラン「言うな…まだ一話だから、二、三話くらいで登場するだろう、と思ってる人もいるかもしれないだろ?」
ヴィーノ「…でも、俺達、連合三人組をクラスにねじ込んだおかげで、別クラスに…」
ヨウラン「言うな…大体、そんな俺達のための次回予告だろ?」
ヴィーノ「まぁな…というわけで、ここは出番の少ないキャラによる次回予告コーナーです」
ヨウラン「多分、ギンガさんやユーノさんもその内…」
ヴィーノ「バカ!控え室で聞いてるかもしれない人達に何てことを…」
ヨウラン「あ、ああ…すみませんでした、ギンガさん、ユーノさん」
ヴィーノ「では、次回[生徒会書記、シン・アスカ~EP.2 生徒会顧問は誰?~]をお楽しみに!」
ヨウラン「本当に…楽しみにしてもらってたらいいけどな…」
最終更新:2012年07月03日 09:39