1
瞳は血の様に朱かった……
髪は夜の様に黒かった……
肌は雪の様に白かった……
「ああ、アンタが噂の通り魔さんか…」
笑う…ニヤリ、と…
寒気がした…ゾクリ、と…
何人もの人と会い、拳を交えてきたけれど…こんな人は初めてだった
いや、本当に人間なのだろうか…?
まるで、世界から切り取られたかのように…異質だった
この少年の周囲だけ、別次元に存在しているんじゃないか、と錯覚する様な…
瞳が血の様に朱く…髪が夜の様に黒く…肌が雪の様に白い…人間じゃない、超越者…
知っていた。私はそれを知っていた…でも、それは架空の存在だ…
人の頭の中にしか存在を許されない…幻想世界の住人だ…
少なくとも、私は今日、この日まで…そんな存在は信じてさえいなかった…けれど…
「…初めまして、吸血鬼さん」
「お、一年ぶりだな、そう呼ばれんの」
笑った…何かを懐かしむように…何かを慈しむように…
その笑みに、どこか幻想的な美しさを感じて…確信した
本当に、幻想世界の住人なのだ、と…本当に、超越者なのだ、と…
だったら、やることは決まっている。覇王を名乗る、この私がすべきこと…
例え、幻想世界の住人だろうと…例え、人間より高き超越者であろうと…
覇王流こそが、頂点なのだと…最強なのだ、と…
証明してみせる…今、ここで!
一年だ…
この世界に迷い込んで、なのはさん達に拾われて…一年の時が流れた
魔法を覚えて、家事を手伝って、バイトで金を稼いで、ヴィヴィオ達と打ち解けて…
あっという間に過ぎていった、一年という月日…
平和に、のどかに、穏やかに流れていった日々…
だから、久し振りだった。こんな、殺伐とした雰囲気は…けれど…
「初めまして、吸血鬼さん」
…バイザーで顔を隠した、通り魔の台詞…それは、一年前、ヴィヴィオが俺に言ったのと全く同じだった…
こんなことで…一瞬でも、毒気が抜けてしまった…それはきっと、俺が日常に…平和な日々に、慣れてしまったからなんだろう…
通り魔が、名乗りをあげる…はやてさんから聞かされていた通りの台詞…
やっぱり…俺には覇王を名乗っているとは思えない…この通り魔は、少なくとも自分が覇王だとは思っていない
覇王を騙る通り魔…そいつが、地面を蹴って接近する
前情報通り、拳や脚を使う、肉弾戦…咄嗟に、デバイスを起動し、飛行魔法で空に逃げる
肉弾戦は苦手だ…相手が、シューターや砲撃魔法を使う中~長距離戦を得意とする魔導士…あるいは、近接戦でも、一撃離脱のタイプなら、それなりに有利には運べる
遅いからだ…ビーム兵器が飛び交う戦場を駆けてきた俺からすれば、その程度のスピードならいくらでも対応出来る
身体ではなく、頭が覚えている…機械の…それも、自分の何倍もの大きさの巨人を動かすのと、生身の…自分自身の身体を動かすのとではわけが違う
反応は出来ても、体がついてこない、なんてことはざらにある。けれど、基本的に、反応さえ出来て、頭さえついて来るなら、この世界ではどうにでもなるのだ。
魔法、という存在があるから…身体がついてこなければ、防御の魔法で防げばいい。近くで爆発を起こして、反動で無理矢理体勢を変えて避けることも出来る
けれど…肉弾戦でそれは通用しない。
距離が近すぎるのだ。出来るのは反応まで…ナイフの訓練の経験があるから、それなりにはさばけるし、どうにか防御することも出来る
それでも、長い間は続かない。すぐに魔法の構築が追い付かなくなる…お陰で、ノーヴェさんには一度も勝てた試しがない
教訓だ…俺は、肉弾戦を主体とする敵と戦う時、接近されてはいけない。
追ってこない、ということは、通り魔は飛行魔法を使えないんだろう。ラッキーだ。多少卑怯でも、ここから延々と攻撃魔法を撃っていれば、負けることはないだろう
下から撃たれる中距離魔法を、かわしながら、なのはさんから教わった魔法を構築…
追尾機能を持った数発の魔力の球体を、一斉に通り魔へと撃つ…直撃……
かわさなかった…ということは、防御魔法か何かで防いだのか……って、え?
防御魔法を展開…魔力の障壁にから、振動が伝わる。冗談か何かかと思ったが、それは間違いなく現実だった
通り魔が、投げ返してきたのだ。俺が撃った、魔力の球体を
「…何でもありかよ」
こうなったら、根比べだ。取り敢えず、高度をあげよう
その辺の建物を足場や踏み台にすれば、ギリギリ届くであろう位置に飛んでいた俺は、更に高く飛ぶ。
不意をついたつもりで殴りかかってくるであろう通り魔に、カウンターを入れる予定だったんだけど…この分だと、その位は簡単に返されかねない
迫る魔法をかわしながら、辺りで最も高い建物の最上階付近まで高度をあげる。まだ通り魔は肉眼で見えるし、この位が妥当な距離だろう…
もう一度、魔法を構築する…再び展開される、魔力の球体。
さぁ、根比べを始めよう。俺の魔力と、通り魔の集中力…どっちが先に果てるか…
球体の着弾と同時に、砲撃魔法を放つ。投げ返された球体を呑み込んで、砲撃が通り魔を襲う
今度は、投げ返されなかった。砲撃は投げ返せないのか、それとも、連続で使える技ではないのか…
そもそも、投げ返すつもりがなかったのかもしれない。これだけの距離だ。避けるのは簡単だろう
着弾による土煙が晴れる…けれど…
そこに、通り魔はいない。当然だ。なんせ、例の人物は別の位置にいたのだから…
そびえるビルの側面を走って…
「…なんでもありかよ」
何でもありなんだろうな…魔法だし…
通り魔が、ビルを蹴って跳んでくる…
振りかぶった拳…身体をこれでもか、というほどひねって、その拳撃をかわす
ギリギリまで接近した通り魔の身体に、手のひらに生み出した魔力の刃を振るう…もう片方の手が、その手首を掴んで、俺を真下に投げる…
流れには逆らわない…そのまま、飛行魔法で真下に飛ぶ…あんまり派手に飛ぶとしょっぴかれるから、高度をあれ以上あげるわけにはいかない。つまり、通り魔の射程圏外に逃げるのは不可能、か
けれど、距離はひらいた。今は、それでいい…
真上から、通り魔が迫る…飛行魔法を使えるないはずなのに、それなりのスピードだ。それでも、飛行魔法で逃げている俺は捕まえられないだろう
地面まで、まだそれなりに距離はある…それまでに、何とかなることを祈って…
飛行魔法を、解いた
途端に、俺と通り魔の距離が縮まりはじめる。すぐに、通り魔の拳が届くまでに接近される
降りおろされる、拳…障壁を展開し、防御に徹する
次々と打ち込まれる、拳や脚… 自由落下しながら、障壁一枚を盾に通り魔のラッシュを受け止める
ピシッ、と嫌な音が聞こえた。それでも、雨霰と降り注ぐ拳の大群から、目をそらさない
視なければいけない。視て、視て、視て……脆くなった障壁に、更なる魔力を注ぎ…
パキン、という音と共に、障壁が割れた
「……えっ!?」
同時に、通り魔が真上に押される…魔力の暴発に煽られて…バイザーが砕け、その下にあったオッドアイがあらわになる
あの障壁は割られたのではなく、俺が自分で割ったのだ。脆くなった障壁に、構成も何も考えず、大量の魔力を注いで、内側から破裂させた
お陰で…もう一度、距離ができた。
とるに足らない距離だ。また、すぐに詰められ拳を降りおろされる…
それでも…新しく魔法を構築するには、充分な距離だった
迫る拳を、障壁で防ぐ…大丈夫だ。充分視た…
二撃目…タイミングをあわせる…ゴン、と障壁が震える寸前…通り魔の拳が、障壁に当たる瞬間…
赤い鎖が、通り魔の腕を絡めとる
「っ!?」
今更慌ててももう遅い…チェインバインド…鎖は障壁から伸びて、瞬く間に通り魔の身体を縛り上げる
ホント…なのはさんに教わっといて良かったな、この魔法…
地面は、もうすぐそばだ。飛行魔法を再構築して、落ちてくる通り魔を受け止める
「…さて」
慎重に…間違っても鎖が解けないよう、ゆっくりと通り魔を地面におろし…
拘束された身体に、手をかざす
かざした手は、手袋をはめていた。赤い、手袋…これが俺のデバイス…
取り敢えず、暴れられても困るから…
手のひらに生成された魔力が、砲撃となって通り魔の意識を奪う。鎖に巻かれていた体が、ゆっくりと傾いて地面にたおれる、が…
「……え?」
その身体は、12、3歳程度の大きさまで縮んでいた
2
逆に考えるんだ。
確かにシンは『男』だから大会には出しづらい。
だからこそこう考えるんだ
「もういっそのこと誰かに女性としてエントリーさせられた」と
シン「・・・で?」
なのは「うん、シン君似合ってるね。メイド服」
シン「・・・だから?」
はやて「私としては裾の長い伝統的なクラシックタイプが好みなんやけど、
シンみたいに活動的で反骨精神が強そうなんはやっぱりミニスカやね!!」
シン「・・・それで?」
フェイト「うわ、シン無駄毛がない・・・本当にお手入れしてないの?あ、もう一枚行くからポーズとって」
シン「あのな・・・なんで俺がわざわざ女装して年ごまかしてヴィヴィオたちと戦わなきゃならんのだ!?わけがわからん!!おかしいだろ色々と!!」
なのは「いやぁ、あれほどの才能を持ってるとねー、生半可な相手じゃ腐らせるだけだし・・・」
はやて「かと言って、シンが直接相手してもうたらあの子は勝てへんままで昇華しちまうからな」
フェイト「だからこそ、シンを相手に本気で勝ちに言ってもらえるようにお膳立てしたんだよ?あ、パンチラ撮らせて」
シン「なんなんだよ、こいつらは・・・」
3
ある日の事、シンのところにこんなお手紙が届いた。
「婚活パーティのお誘い。
おめでとうございます。貴方には天文学的確率の中から、幸運にも
このお誘いを受けられる権利を与えられました。
ぜひともふるってご応募ください。
運命の人にきっと出会えるパーティがここにはあります。
会場は海鳴市○○○
参加必須条件(男女別)
男:黒髪赤眼、時空管理局在職、運命の名を冠した機動兵器の操縦ができる方
女:首筋まで垂らした栗毛、時空管理局在職の関西弁の美少女、家に大きな犬がいる方
当日会場にて落ち合い、そのまま結婚式場まで直行できるフルコース設定です
ぜひともふるって参加希望や!」
シンは手紙を焼き捨てた。
4
確かにレイがいるといないとじゃ安心感が違うね、シンの精神的にも。
だがちょっと待ってほしい。
せっかくのクロススレなんだから原作じゃなく他作品のキャラでシンのパートナーに合ってるのは誰か考えたい。
やっぱりレイのように熱血漢なシンのストッパーになれてかつ理解者になれる人物がいいんじゃないか?
こういう条件が満たせるのはやっぱり年上の大人、でもそんなに歳が離れてない方が会話も弾んだりしていいと思う。
他にもここのシンは色んな並行世界に行ったり来たりしてるから自身も経験があったり理解を示せる人がいい。
そういう事に融通がきいて助けられる組織にいてそれなりの立場がある理解者であるとなお良い。
更に無茶しがちなシンを優しく受け止め諭すような包容力も欲しい。
そして男を支えるのはやっぱり女性がベスト!
ここから導き出される答えは一つ……!
シンのベストパートナーはわた、八神はやてちゃんで決まりやー!
???「送信……っと」
5
はやて「なんでや……」
なのは「……」ニヤニヤ
フィト「……」ニヤニヤ
はやて「なんで誰も私の
誕生日を祝ってくれへんのや、このスレのメインヒロインやのに!!」
なのは「メインヒロイン(笑)」
フェイト「メインヒロイン(笑)」
はやて「わざわざ同じ事言わんでええ!」
なのは「まぁしょうがないよ、私達の作品が終わってから六年近く経つし」
フェイト「最近スレで人気なのはプリキュア、カグラ、モバマス辺りだね」
はやて「見事に流行りものやな……」
なのは「時代の流れってやつだね~」
フェイト「こればかりはしょうがないよ」
はやて「せやけど……やっぱり寂しいやん」
なのは「それは、そうだけど……」
フェイト「一応このスレの立役者だもんね……」
シン「あれ、みんな元気がないみたいですけど、どうしたんですか?」
はやて「シン、良い所に……ってそれはケーキ?」
シン「えっと、その、お菓子は久しぶりに作ったんで少し不格好ですけど…八神隊長誕生日おめでとうございます!」
はやて「シン……シン、ほんまありがとうな!」ぎゅっ
シン「わぁっ! 抱きついたらケーキ潰れちゃいますよ///」
なのは「むぅ~っ、いいな~はやてちゃん。 ねぇ、シン君、私の誕生日の時にもケーキ作って欲しいな~」ぎゅっ
フェイト「わ、私もっ! シンに誕生日お祝いして欲しいな……///」ぎゅっ
シン「作りますから二人とも離れて下さいっ///」
はやて「シンの言う通りや、今日くらい私に良い所譲ってえな」
シン「八神隊長もです、早く離れてください」
はやて「ちぇっ、ケチやな~シン」
シン「そんな事言ってるとケーキあげませんよ?」
はやて「あぁっ! さっきのは嘘や嘘! せやからそれは勘弁してーな」
シン「分かってくれれば良いんです、それじゃあ改めてケーキをどうぞ」
はやて「ん、ありがとうな……シン」ニコッ
シン「いえ、いつもお世話になってるからこれ位は当たり前です///」
なのは「ふふっ、シン君照れてるね~」
フェイト「真面目な時の、はやてに弱いよねシン」
シン「っ! もう、知りません! 俺、仕事戻ります///」
なのは「あっ、待ってよシン!」
フェイト「歩くの早いよ!」
はやて(ふふっ、あーやって素直になりきれん所がかわええな……シン、大好きやで)
最終更新:2014年02月02日 12:48