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雪風の使魔 正月予告編?

この物語は前回同様とてつもなく平和な状態になったハルケギニアの物語です。
そして以前同様登場人物の頭のねじが緩みきっている所があるのでご了承ください。

トリステイン魔法学院 サイトの部屋

シュヴァリエとなったこと、貴族の一員になった事で与えられたサイトの個室に三人の男が集まっていた。
一人は水精霊騎士隊の隊長であるギーシュ、もう一人は副隊長でありこの部屋の主であるサイト。
そしてもう一人は今は水精霊騎士隊の副隊長だが二ヵ月後に新生される平民出身者だけを集めた騎士団の隊長を就任するシンの三人であった。

ギーシュ「いや、実にめでたいね、シンの実力が正当に評価された証だよ」
サイト「そうだな、正直軍人って考えだったらギーシュも俺もシンには敵わないって改めて教えられたしなぁ…」
シン「二人ともそういう言い方はやめてくれよ、正直隊長になるって決まって気が重いんだからさ…」

三人が集まった理由はシンの隊長就任確定を祝ってのことだったが、その当人であるシンは少し浮かない顔をしていた。

ギーシュ「とはいってもね、水精霊騎士隊の中でもあの集団の暗躍に気づいたのはシンだけだったじゃないか」
サイト「そうそう、年末だからこそ逆にああいうやつらが動くって考えて、あの犯罪者集団とっ捕まえたのシンだろ?」
シン「俺のもといた世界で、ああいうゲリラ戦をしつこく仕掛けてくる宗教集団がいたから予測できただけだよ。
   それにさ、隊長になるってことは責任も増えるんだ、隊員の命を自分一人で背負う必要だって出てくる… 正直キツイよ」

シンはそれだけ言うと苦笑しながらギーシュが持ってきたワインを煽る。

サイト「ま、決まっちまったからにはもうどうしようもないだろう? いざって時は手伝ってやるからそんなに背負い込むなよな、シン」
ギーシュ「そうだよ、親友の手助けもできなくて貴族なんて名乗ってられないからね」
シン「…サンキュー、サイト、ギーシュ」

三人はそれぞれお互いのグラスにワインを注ぎあうと、まったく同じタイミングで乾杯をし、そして同じタイミングでそのワインを飲み干す。

ギーシュ「そういえばサイト、何か姫様から報告書の提出を望まれてたようだけどあれはなんだったんだい?」
サイト「あぁ、俺の故郷の風習に関して教えてほしいってさ、何時か東方の国と外交を行う際の事前知識になるかもしれないからって」
シン「サイトの故郷というと… ニホンだっけ?どんな風習があるんだ?」

シンの言葉にサイトは「日本の風習」として『花見』や『夏祭り』、そして『紅葉狩り』等の四季折々な物について語ってみせる。

シン「へ~…… コマとかタコアゲって言うのはあんまり聞きなれないけど、殆どオーブの風習に近いのが多いんだな」
サイト「そうなのか? 案外オーブって日本からの移住者が多かったりしてな~」
ギーシュ「お互い異世界から来た割には類似点が多いね、君たちは…」
シン「そう言われてもな…… でも、そういえば後少しで正月なんだよな」
サイト「あぁ、こっちの正月も気になるけど、やっぱり日本の正月も恋しいよなぁ……」
ギーシュ「姫様の事だ、君達の苦労を労うと言う意味と文化理解の為にとかいってニホンのショウガツをやるかもしれないよ?」

ギーシュの言葉に「流石にそれは無いだろ~」と笑いながら返すシンとサイトだったが、そのギーシュの予想は外れてはいなかった……

トリステイン王城 アンリエッタ姫の寝室

アンリエッタ(以下アン姫)「…と、言う事でシンとサイトの苦労を労う意味と、東方の文化理解のためにでニホンのショウガツを行う事に
               しました」

アンリエッタは呼び出した人物達―タバサ・シエスタ・ティファニア・ルイズの四人―を前に複製した書類を渡しながらそう宣言した。

ルイズ「…えっと、姫様、理由は理解できますし、ティファニア達が呼ばれた理由もうすうす理解していますが… なぜ私まで…?」
アン姫「何を言っているのルイズ、サイトの苦労を労うのは恋人である貴方の役目、だから呼んだのですよ」
ルイズ「な、なななぁあっっ…!? わ、わちゃしとサイトはこ、恋人なんかじゃありません!! ただの使い魔と主の関係です!!」
アン姫「あら?本当にそうなの? だったら仕方ないわね…親友のルイズの恋人だからやめていたのですが…
    アルビオンの貴族からサイトに求婚の話が上がっているし、サイトにもお見合いをさせたほうがいいのかしら」
ルイズ「だ、ダダダダメデス!! 使い魔とその主は一心同体、死が二人を分かつまでは傍にいなきゃ駄目なんです!!
    だからサイトがアルビオンの女と結婚しちゃうなんて、絶対に駄目なんです姫様!!」

親友であるルイズをパニックに陥れながらそれを「やっぱり可愛い」と思いつつ宥めるアンリエッタ。
そんな二人の掛け合い漫才を生暖かい目で見ながらも渡された書類を読み漁るタバサ達。

シエスタ「えっと… アンリエッタ様、どうして私達にまでこの情報を…?」

シエスタの言葉の中に含まれた意味を正確に理解したアンリエッタは微笑みながらタバサ達に向かってこう声をかける。

アン姫「過去に私は愛した人に嫁げない自分の立場を恨みました、だからこう考えたのです、「恋愛は立場に縛られるべきではない」と。
    そう、恋の争いは平等であるべきのはず、もっとも、負けるつもりもありませんけど……」

アンリエッタはそこまで言うと手で合図をし、メイド達にとある物を持ってこさせる、ハルケギニアでは非常に珍しいその物とは。

ティファニア「これは……もしかして」
タバサ「……キモノ」

そう、どうやって調達したのか、そのメイド達が持ってきたものはサイトの故郷の民族衣装である和服であった。

アン姫「流石に完全再現とは行かないでしょうけれど、何とか此処にいる私を含めての五人分のキモノは用意できました」
ルイズ「ひ、姫様、一体どうやって…? 御言葉ですがニホンに近いと思われる東方の国とはまだ国交はありませんし…
    仮に、このキモノを作るにしても流石に時間が…」
アン姫「えぇ、正規の手段でも、王族としての権限を使ってもショウガツには絶対に間に合わなかったでしょうね。
    ですからとある方に頼みました、サイトの薦めもありましたし、そうしたら僅か一日でこの数を用意してくれましたよ」
そのアンリエッタの言葉に、ルイズも、シエスタも、タバサも、ティファニアもまったく同じ人物の姿を思い浮かべていた、その人物とは…


あったまてっかて~か♪ さっえてぴっかぴ~か♪ そ~れがどぅしぃ~た、私コルベール~♪
魔法のせか~いの~♪ 禿型天才~♪ どんなもんだいお~れコルベール♪
という感じの歌が激しく似合いそうな学院の講師であるコルベールであった。
コルベール「フエックション!! いかん、風邪かな…だが、今休むわけには… 姫様の依頼の品を何としても明日までに作らなければ…!!」
コルベールはそう呟くとコマやサカズキ等をサイトが提出したレポートを参考に完成させていくのであった…
それはさておき

アン姫「サイトも、シンも、ショウガツの期間中は休みを取れるように手配してあります、無論、この場にいる全員も…」
アンリエッタの言葉にタバサ、シエスタ、ティファニアの視線がお互いに交錯し、火花が一瞬だけ飛び散る。
一方ルイズはサイトの報告書を読んで自分とサイトの『ショウガツ』光景を想像しているのか真っ赤になってもだえていた。

アン姫「お互い正々堂々」
シエスタ「シンさんの心を射止めるために…」
ティファニア「当然、手加減なんてなしで、後悔が無いように」
タバサ「……決戦」

まるでショウガツを制するものがシンの心を制すると言わんばかりの勢いで四人の乙女が動き出す宣言を行ったのであった…
ちなみにこの後、四人ともショウガツに対する情報集めに必死で「オオミソカ」というイベントに気づいたのは一月が半分以上過ぎたころだったと言う…

そして、そのオオミソカをシンと一緒にすごした人物とは…

シルフィード「きゅいきゅい~~、最近御姉さまもシンお兄様も仕事仕事でシルフィードとお話してくれなくて寂しかったのね」
シン「わかったわかった、明日からしばらく休みになるし今日は限界まで付き合うから機嫌を直してくれよ」
シンに頭を撫でられながらオーブのお話を一杯聞けて御満悦なシルフィードだったと言う…





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最終更新:2008年08月01日 13:33
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