東方ネタ 簿記入門氏-01

一通り仕事が終わり、暇を持て余していたシンは紅魔館地下の大図書館を訪れていた。

「あ、頼まれていた本。あそこに置いておきましたから」
「ありがとうございます、小悪魔さん」

シンはまとまった暇な時間ができるとなるべくこの図書館に顔を出すようにしていた。
この図書館はどういう仕組みかは知らないが空間を歪める性質を持っているという、そして
自動的に本を蒐集するという特徴も持っていた。結果、本が増えるとこの空間自体も必要に応じ
広くなっていく。まるで成長しているかのように……。と説明はこれまでにして何故本とは無縁
であろうシンがこの図書館に来るのは、以前里に買い物を頼まれたとき、この図書館の主パチュリー
が作った水上バイクがきっかけであった。どうやら、この図書館は魔法に関する書物以外にも蒐集
というか書物と名のつく者を蒐集しているのか実用書の類の物もあった。例の水上バイクもパチュリー
がこれらの本から知識を得、作製した。(まぁロケット製作のための副産物ではあったが)
これを知ったシンはこれらからもしかしたら元の世界へ帰れるヒントが得られるかもしれないと思い
、こうして図書館に訪れているのである。ちなみに、小悪魔に本の検索を頼んでいるのは彼女が図書館
の書物を把握している為と以前自分で調べようとした際に迷子になってしまった事があったからだ。
なお、迷子というよりは遭難といった方が正しく、迷ってから3日後ようやくシンは救助された。

「誰でもできる園芸入門、家庭農園の作り方、君にもできるゲートボール、モッヂボール入門etc、etc
 うーん、やっぱりかぁ」

シンが頼んでいたのは実用書のような本の数々。それらの本をまずシンは後ろの発行日から見て行く。
つまるところ『CEXX年○月○日発行』の文字を見たかったのだが。結局、頼んだ本にその字を見ること
はなかった。どいつもこいつも200X年だの昭和XX年だのかすりもしなかった。しかし、ただ古すぎて
CE表記ではなかったりそもそもCE表記を採用していない所かもという可能性もあるので、一応は目を通
しておく事にする。そして、シンが歴史書に一通り目を通しため息をついたところで

「その顔をみると、今回もダメだったようね」
「あ、こんにちは。パチュリーさん」

部屋の奥からのそのそとパチュリーがやってきた。シンはそのパチュリーの言葉に対し「ええ」と返す。

「私は今の外の歴史は知らないけど、この本に載ってある歴史は正しいかったのかしら」
「それが・・・、大雑把には俺の知ってる歴史と同じなんですが細かいところは違ってるところが多いんですよ」
「まぁ、時がたつにつれ過去の歴史は模造されていく事もあるから。そういう事があってもおかしいのではないの
 だけれどね。」
「ええ、そうだといいんですけどね。ただちょっと不安な事があるんですよ。」
「へぇ、どこかしら」

と、シンは地図帳を引っ張り出す。

「ちょうど、ここあたりですね。俺の故郷でオーブって国があるはずなんですが、それがまったくないんですよ。」
「それは、昔の事だからではなくて?」
「最初はそうだと思って、ここの歴史を調べてみたんですけど。ダメですね、俺が習っていた歴史とは違いました。」
「そう、という事はやはり……『外』と『あなたの世界』はまったく別の世界、という可能性が高くなった。
 ってとこかしら」

シンはその言葉を聞いてまたも、ため息を吐いた。元々この本から外に戻るヒントを掴むというのはパチュリーが提案
した事だ。なのでそれを聞き入れて行動に移してみたのだが、調べ続けてみると自分のいた『CE世界』の知識と幻想郷
の『外』からやってきたであろう本から得られた知識とはどこかズレたところがでてきたのだ。
さきほどのパチュリーが言っていた、歴史におけるズレがその最たる所であるし、そもそもCE世界に『モッヂボール』
なる球技は存在しない。

「本から得られる情報はここまでが限界かしらね」
「ですかねー、そうなるとここから出て情報収集する事になるんでしょうかね。」
「そうなるわね」

パチュリーはクスッと軽く笑った。

「ふぅ、そろそろ仕事だ。これ片付けないとなぁ。すいませーん、小悪魔さ……「邪魔するぜー」
 イエア゛ァァァァァ!!」

本を戻そうと小悪魔を呼びに行こうとしたらいつものように本を死ぬまで借りに来た魔理沙に轢かれ、
おおよそ人があげないような悲鳴をあげてシンは吹っ飛ばされた。消え行く意識の中ではっきりと
「必ず元の世界に帰ってやる」と決意したという。





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最終更新:2008年09月06日 17:52
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