~ハマーンさん家のシン君~ 01

ハマーン「シャア、話があるのだが」
クワトロ「シャアじゃない、私はもうクワトロだ」
ハマーン「そんな事はどうでもいい。今朝貴様の部屋を掃除していたのだがな…」

スッ

クワトロ「ッ!?」
ハマーン「姪のミネバちゃんの写真ばかりのアルバムが何で貴様の部屋にあるのだろうなぁ…」
クワトロ「こ、これはッ…その、姪の成長記録というのはだな、やはり…」
ハマーン「ほう…貴様がそんなに子供好きだったとはなぁ…ウチの子供たちは多くてもシンの写真だが。それでもミネバちゃんの半分程度なのになぁ…」
クワトロ「そ、それはだな、ハマーン、私はずっと女の子が欲しくてだな…」
ハマーン「貴様が私に御手付きをしたのはそういえば15になる前くらいだったか…」
クワトロ「!?」

ハマーン「アムロ」(アイコンタクト)
アムロ(こくり)「カミーユ」(アイコンタクト)
カミーユ(こくり)
シン「?」
アムロ「シン。兄ちゃん達とあっちの部屋でゲームでもするか?」
シン「ええッ!?アムロ兄も相手してくれるの!!」
アムロ「ああ、兄ちゃん今日は課題も無いしな」ナデナデ
カミーユ「ガンダムVSガンダムでもやるか?」
シン「うん!!俺マスターガンダム~!!」

アムロ(シンは可愛いなぁ、カミーユ)
カミーユ(そうだね、だから出来るだけああいう情操教育に悪いの(クワトロ)は近付けさせないようにしないとね)

シン「??何二人でぶつぶつ言ってるの?早くゲームやろう」

~お隣~

セツコ「明日こそ…明日こそシン君を映画に誘う、明日こそ…」

セツコ・オハラ、ピカピカの大学1年生。携帯を前に2時間葛藤中。

ハマーン「シン、食器の片付けが終わったら話があるのだが。」
シン「うん、解った。少し待ってて!」
クワトロ「ハマーン、シンに何を?」
ハマーン「なに、奴ももう16だ。そろそろまともな情操教育と女心を教えねば、とな(クワトロを睨みながら)。」
クワトロ「…あ、ヘキ○ゴンⅡの時間ではないか。スザ○ヌ可愛いなぁ。」
アムロ「……逃げたな。」
カミーユ「ええ、ベタな逃げ方ですけどね。」
アムロ「しかし母さん、何故今になって?」

ハマーン「いやな、最近シンによく話し掛けている隣の娘。―――奴から得体のしれん感触(NT専用語)を感じてな…。」
カミーユ「ああ、セツコさんか。彼女なら安心じゃないかな。yaga○iとか冥王と鉈女や便乗とかよりはさ。正反対の性格だし…」
アムロ「へぇ…珍しいなカミーユ、お前がシンに近寄る人を許容するなんて。」
カミーユ「兄さん、俺は誰でも敵視してる訳じゃないんです。確実に息の根を止めた上で突撃かけたい、あの見ててムカつくサラサラ王子ブロンドをむしってやりたくなるおはようからおやすみまでクライマックスな野郎が鼻持ちならないだけで。」
ハマーン「………アステロイドベルトから帰って来る間、人類はここまで憎しみに捉われたというのか……。」
アムロ「いや、母さん……これは極端な例外だから(レイ、よく普段カミーユと喧嘩して生存フラグ折れないな…)。」
シン「おーい母さん、終わったよ。」
ハマーン「うむ、シン、お前に言って置きたい事があってな。」
シン「?何?」
ハマーン「難しい事では無い。たった一言だ。――――避○具は常備しろ。以上だ。」
一同『『『何だそりゃぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!』』』

その頃、お隣では… 

セツコ「シン君に電話…シン軍に電話…シン軍に電話…駄目…緊張する…そ、そうだ。確か人って字を手のひらに書いて(カキカキ)、えっと、『吹っ飛べ~っ』…って!違うわ私!それパルマフィオキーナよ!うぁーん、また今日も失敗…はぁう。」 

ハマーンは主婦兼ノンフィクション作家という山崎豊子なイメージで。

シン「母さん一息入れたら?ハイお茶」
ハマーン「ありがとう、シン。ん?ダージリンか?」
シン「母さん好きだろ?それとスコーンも焼いたから」
ハマーン「ふふふ、全く気が利く。息子にしてくには勿体ないな、お前は」
シン「?ありがとう(何だかよくわからないけど母さんに褒められた♪)」

アムロ「母さん…それはかなりキワドイ発言だよ…」
カミーユ「ていうか母さんシンだけだよね、笑顔見せるの」

ハマーン「それにしても…」(チラッ)

クワトロ「ランカちゃんは…うむ、やはり可愛いな。やはり人類の進化は歌にあるのか…」

ハマーン「あれと私の間から生まれたのが…」(チラッ)
シン「?どしたの、母さん?」
ハマーン「いや、何でもない。ただ遺伝子で全てが管理できるという学説を唱えた学者が最近学会で物議を醸しているんだが…やはり遺伝子だけではわからないものだな、人というものは…」

ナデナデ

シン「???」
ハマーン「なぁに、下らない戯言だよ。さ、夜も遅い、もうおやすみ」
シン「うん、わかった。おやすみ、母さん」
ハマーン「ああ、おやすみ、シン」

シン「あ、そうだ母さん」
ハマーン「?」
シン「あんまり無理しちゃ駄目だからね。お隣のセツコさんも遅くまで勉強で起きててこの前貧血で、俺部屋まで運んだんだから」
ハマーン(多分夜遅くまで起きていた理由は違うのだろうな…)
シン「俺、母さんが倒れるの、見たくないから…」
ハマーン「……シン…」(手招き)
シン「??」

ギュッ

シン「か、母さんッ。恥ずかしいよ!!」
ハマーン「馬鹿者、母親が息子を抱き締める事の何が恥ずかしいものか」
シン「母さん…////へへへへ…」
ハマーン「全く…こやつめ…それにしても…」(チラッ)

クワトロ「キャロタソかわゆす。これが『萌え』というものか…」

ハマーン(遺伝子とはわからないものだ)
シン「へへへ…/////」

シン「あ、おはようセツコさん。」
セツコ「おはようシン君。今から学校?」
シン「うん。セツコさんもこれから大学?」
セツコ「そうよ。今日は早めに講義があってね。」
シン「へー…俺、大学生ってテスト中だけ通ってればいいんだって思ってた。」セツコ「……うん、それはね、理想だから……淡い夢なの…。」
シン「…………ごめん…何か地雷踏んじゃったみたいだね。」
セツコ「あ、ああ、気にしないで。」
シン「とにかくさ、行こうよ。途中まで一緒なんだし。」
セツコ「え!?あ…うん、行きましょう(シン君と一緒…はぅ。)!」

カミーユ「(電信柱の陰から)……こちらゼータ、警戒目標とシンが接触。現在共に登校中(ピキーン)。」アムロ「(ラーメン屋の暗がりから)こちらニュー、確認した。現状会話以上の肉体的接触は見られない(ピキーン)。」
ハマーン「(駅前の噴水で)こちらキュベレイ、了解。些細な事象でも随時報告せよ、以上(ピキーン)。」
アムロ、カミーユ『了解!(ピキーン)』
ハマーン「……しかし便利だ、NT能力は。携帯要らずだな…。」
クワトロ「(出勤姿で)いや、ハマーン…私としてはそんなスケールの小さい事にNT能力を使うなとか、シンの色恋位見守ってやれとか、私の見送りに来たのではないかとか…様々な疑問があるんだが。」
ハマーン「黙れ。」
クワトロ「…………(ララァ、私を導いてくれ…。)」
ララァ(幽霊)「私を巻き込まないで…」
クワトロ「………。」

今日は日曜日

コンビにでばったり出くわしたシン君とセツコさん。
セツコさんの本日のお買い物…450円の唐揚げ弁当と野菜サラダ。

セツコさん意中の少年に料理下手が露呈して鬱だ死のうと思うもシン君が料理を教えてくれる展開に。
どうやらシン君、年頃の娘さんの不健康な食事生活にご立腹。
思いもよらぬ棚ボタ展開に、セツコさんうろたえつつも幸福。

セツコ「痛ッ…」
シン「ああ、大丈夫ですか?」
セツコ「う、うん。ごめんなさい、不器用で…私教え甲斐ないよね…」
シン「弱音禁止!最初は誰でも下手なんですから。手は猫の手猫の手」
にゃーんと冗談めかして猫の手を作るシン君。
セツコ「/////」
妙に様になってるポーズに赤面するセツコさん。

アムロ「母さんは何も言わないのかい?」
ハマーン「何だ?私に小姑役でも期待していたのか?」
アムロ「期待じゃなくて不安に思っていたんだよ…」
ハマーン「全く貴様は私を何だと思っているのだ?」
アムロ(女帝です…)
カミーユ(女帝だよ…)
ハマーン「そうか、そうか、どうやら我が身が可愛くないようだな。今度新市場開拓を目指してゲイを題材にした社会派小説を書いてみようと出版社から打診されていたのだが、格好のサンプルがここに二人も…」
アムロ「全くもって冗談でございます母上様。本日も聖母の如く麗しい」
カミーユ「本当に勘弁してください、お母様。本日も慈愛の女神も翳むたおやかさ」
ハマーン「フン…調子の良い。だが、まぁ私もシンの母親だからな。可愛い息子の優良な嫁候補が料理一つ満足に出来ないのは拙い」
アムロ「えらく寛大なんだね…」
カミーユ「てっきり、まだ早いとかなんとか」
ハマーン「セツコ・オハラはブロックワードで飛び掛ったり、魔法をぶちかましたりしないだろう。空鍋も回さんし、空気でもない。打算も無くシンを危険に曝さん、常識で考えれば一番息子の嫁に欲しい娘だろう」
アムロ・カミーユ「……」
ハマーン「それに、アムロを奴(クワトロ)に孕まされたのはシンくらいの時だったしな…早すぎることもあるまい」
カミーユ(いや、そっちが早すぎるんだよ…)
アムロ(というか孕むとかそういう生々しい単語をシンのいる時に言わないでくれ…)

シン「そうそう、セツコさん上手じゃないですか」
セツコ「シン君の教え方が上手いからよ/////」

カミーユ「まぁ、確かに。僕も彼女だったらシンを安心して任せられるけど」
アムロ「随分彼女には優しいじゃないか、弟離れか?」
カミーユ「それは無いです」(0.1秒)
アムロ「即答か…」
ハマーン「その割にはシンの奴の交友関係には随分とチェックが厳しいようだが」
アムロ(母さんがそれを言うんだ…)
カミーユ「兄として弟の幸せを願うのは当然じゃないですか。ただ、親友と違って、恋人は一人しか選べませんから、慎重にしなきゃいけないと思ってるだけです」
アムロ「そのわりにはレイ君には手厳しいな。親友は多いに越したことはないというのと矛盾していないか?」

カミーユ「……奴は別なんですよ…奴は危険だ…ただの親友というポジションに満足するか甚だ疑問なんですよ…いつ頬を赤くして抱きつくとも判らない、シンの貞操にとって危険すぎる存在なんです…」
アムロ(…何か魂かかってる…)
ハマーン(まぁ否定材料は確かに乏しいな)

シン「出来た~やったねセツコさん」
セツコ「あ、ありがとう…////でも、カレー一つ作るのにこんなに手間取って…恥かしいやら情けないやら…」
シン「何言ってるのさ、出来なかった事が出来るようになったんだ。後はそれを一つずつ増やしていくだけだよ。それに…」

切り傷だらけの手をそっと取る。

セツコ「あ…////」
シン「こんなになっても頑張ったんだ、誰にも文句は言わせない。これから一緒に色々覚えていこう?」
セツコ「……こ、これからも…教えてくれるの…/////?」
シン「セツコさんが迷惑じゃなきゃね」
セツコ「全然!!全然迷惑なんかじゃないです!!!ふ、不束者ですが…す、す、末永くよろしくお願いします//////」
シン「?(変わった挨拶だなぁ)うん、よろしくね」
セツコ(ううう…幸せすぎる…19にしてようやく訪れた幸せがこんなに大きくていいのかしら…もう私死んでもいいかも…)

ふらっ

シン「ああッ!?せ、セツコさん!!また貧血ですか!?」

倒れるセツコを慌てて受け止めるとお姫様抱っこで運ぶシン。

セツコ(トビー兄さん…セツコは幸せになります…///////)


天気は良好。時空も安定。
ハマーン母さんも無事原稿を上げて人心地。
何はともあれ、世界はおしなべて良好に平和に運行中。


6

シン「アム兄、宿題教えてよ。」
アムロ「ん?いいとも。科目は何だ?」
シン「科学なんだけどさ、高校ってやたら化学記号覚えなきゃいけなくて…」
アムロ「ははは、確かにな。(ピキーン!)……すまないシン、急用を思い出したよ。」
シン「ええーっ!?期待してたんだけどな…」
アムロ「ほ、本当に悪い。だが大丈夫だ、お前に科学を教えてくれそうな人がもうじき来るから。」
シン「?誰それ(チャイム音)――あ、はーい…」
アムロ「……行ったか。しかし母さん、手回しが良すぎないか(ピキーン)?」
ハマーン『(注:ピキーン通話)なに、嫁最有力候補の娘を到達点に近付けたいだけだ。その為ならばどのような手段も辞さん。』
アムロ「………流石というか…女帝健在というか…」
ハマーン『何か言ったか?』
アムロ「いや、何も。」
セツコ「ご、ごごごごめんねシン君、突然お邪魔しちゃって。」
シン「いやいいよ、むしろセツコさんこそいいの?科学教えてもらっちゃってさ。」
セツコ「だ、大丈夫。ほら私大学で理系先行してるし!」
シン「セツコさん、やけに顔真っ赤だけど大丈夫?それに今『専攻』を『先行』って間違えてたよ?」
アムロ、ハマーン、セツコ(誤字に突っ込まれた…恐るべし突っ込みスキル…)
セツコ「それにそれにね、電話貰って急いで来たから――あ…」 
ハマーン『(…馬鹿者…)』シン「電話?あ、そっか、アムロ兄に代理頼まれたんだ?」
アムロ、ハマーン『天然っこで良かった…』
セツコ「そ、そうなの!アムロさんからね!」
シン「そうなんだ。…じゃあセツコさん、お願いしていい?」
セツコ「勿論!料理のお礼も兼ねて、ね?」


アムロ「はぁ…何とかなったか。―――で?お前はいつまでそうやって隅でいじけてるんだ?カミーユ。」
カミーユ「………俺が…俺のポジションが……。」
アムロ「まあ、少しは彼女にも譲ってやれ。良い兄貴には余裕と広い心も必要だぞ?」
カミーユ「…ぶつぶつ…」
アムロ「……当分は無理か…はぁ。」


7


ハマーン「シン、出かけるぞ。準備をしろ」
シン「(洗濯物を取り込みながら)え?母さんと?」
ハマーン「不服か?」
シン「ち、違うよッ。でも原稿はいいの?」
ハマーン「ふん、私をそこらの俗物と一緒にするな、とうに書き上げてる。出版社の人間共が満足する程度のものなぞ三日もあれば出来る」
シン(相変わらず速筆だなぁ)
ハマーン「納得したのなら準備をしろ」
シン「うん、わかった」

アムロ「相変わらず有無を言わせないなぁ…」
カミーユ「まぁシンも母さん大好きだしね」
クワトロ「シンは私の事も大好きだぞ」
アムロ「シンは出来た子だからな…(遠い目)」
カミーユ「シンは良い子だからね…(遠い目)」

クワトロ「何故二人とも目を逸らす?」

某ブランド店
店長「こ、これはハマーン様。毎度ご贔屓に…」
ハマーン「下らん挨拶などいらん。息子との憩いの一時に水をさすな。失せろ」
シン「か、母さん!スイマセン。悪気は無いんです」
店長「いえいえ、そのようなことはございません。ハマーン様に罵っていただけるとは光栄の極…げふんげふん。ハマーン様は当店のお得意様でございますから」
シン(何か今この人凄いこと言ったような…)

ハマーン「シン、何をしている。こっちだ。これをまず着てみろ」
シン「出かける用事って俺の服を買う事だったの?」
ハマーン「秋物が揃ってきているからな。去年の服など着る必要はない」
シン「でも…いつも思うんだけどさ、いいの?ここ服の質は確かに良いんだけど、高いのに…」
ハマーン「子供が親に下らない気を遣うな。金なら(クワトロのが)十分にある」

~物陰~
アムロ「やっぱりか…母さん俺たちにはユニ○ロにでも勝手に行けとか言うのに」
カミーユ「まぁ仕事柄外出する機会が少ないからね、母さんは。シンと出かけるのが一番の気晴らしなんだよ」
アムロ「……お前…不満とかないのか?」
カミーユ「どうしてだい?いいことじゃないか、母さんの息抜きで俺達に八つ当たりが来ないし、シンは新しい洋服が着れるし。父さんのお金は無くなるから無駄遣いも防げるし」
クワトロ「父さんマク○スFのDVDBOX買うつもりだったのだがな…」
カミーユ「それが無駄遣いっつてんだ、修正すんぞ」

シン「どうかな?」
ハマーン「ふむ…(フードつきのダボダボ服だと可愛いな)次はこれだ」

シン「どう?母さん」
ハマーン「ふむ…(このセーターだとシンのスタイルの良さが映える上に大人っぽくなるな…やはりシンには黒と赤系が似合うな)」

~物陰~
カミーユ「いいなぁ、母さん…俺もシンを着せ替えしたい…」

シン「母さん、どれにしよう?」
ハマーン「やれやれ、お前は本当に服に疎いな。仕方ない」

パチン

店長「お呼びでございますか?ハマーン様」
ハマーン「これと、これと、あと其処のジーンズとクリムゾンのパンツを買おう。それと今着ているセーターはこのまま着て帰る」
店長「ハッ」
シン「母さん…こんなにいいの?」
ハマーン「ふん、相応しいものに着られてこそ服には価値がある」
シン「その…母さんこそ服買わなくてもいいの?いつも俺のばっかりじゃん。母さんもスタイル良いんだから色々買いなよ」
ハマーン「ふふ、可愛らしい事をいってくれるな、こやつめ。だが私は構わん」

~物陰~
アムロ「そういえば、確かに母さんが自分の服を買いに行ったの見たことないな」
カミーユ「高そうなブランド品を頻繁に身に付けてるのにね」
クワトロ「おや?君たちは知らなかったのか?彼女の服やアクセサリーは全て出版社とファン達からの贈り物だからコストは0なのだよ」
アム・カミ「……」

ハマーン「さて、次は服に合うアクセサリーを買わんとな」
シン「ちょ、か、母さん」
ハマーン「どうした?そんな情けない声を上げて」
シン「う、腕組むなよ!恥かしいよ…」
ハマーン「馬鹿者。母親と息子はこうして腕を組むものなのだといつも言っているだろうが。それともお前は私に触れられるのが嫌だと…?」
シン「そんなことないよ!う~…もうわかったよ、観念します」
ハマーン「ふふん、最初から素直になれば良いのだ。行くぞ」

~物陰~
カミーユ「兄さん…」
アムロ「何だい、カミーユ?」
カミーユ「母さんってさ、外見年齢20代そこそこだよね?」
アムロ「まぁ、そうだな。一種のサザ○さんワールドに近いからな。だから父さんもかなりキッツイながらもノースリーブを着ていられるわけだし」
カミーユ「母さんってもしかしてかなりオイシイポジションじゃない?」
アムロ「ああ、シンにべたべた出来るからな」
カミーユ「それだけじゃないよ。『母親』にだけは例えyga○iでも冥凹でも危害を加える訳にはいかないじゃないか?」
アムロ「まぁ、普通交際相手の親には好かれる努力こそすれ、危害なんて普通加えないな…」
カミーユ「しかもシンは家族大好き(公式)、お母さんっ子(ここの設定的に)だろう?一番安全な立場で、堂々と引っ付けるわけだ」
アムロ「ッ!?」

クワトロ(……私には仮にyaga○iが危害を加えようとしても、ハマーンが遅れを取るとは思えないがな…)

ハマーン「さぁ、行くぞシン」
シン「わぁッ、引っ張らないでよ母さん」


8


一緒に料理を作るシンとセツコを身ながら物陰で。

ハマーン「思えば、私も昔はあんなだったな・・・・」
アムロ「・・・は?」
カミーユ「・・・か、母さん?」
ハマーン「・・・なんだ、貴様ら、その鳩が豆鉄砲食らったような顔は。」
アムロ「い、いやだって」
カミーユ「母さんがセツコさんみたいに初々しいなんてありえな・・・」
ハマーン「アムロが受けでカミーユが攻め・・・いや、その逆こそが世のニーズなのかもしれないな。」
アムロ・カミーユ「「すいませんごめんなさいBLの題材だけは勘弁してください。」」
ハマーン「ふん・・・シャア、あれを。」
クワトロ「ハマーン、今の私はシャアではなくクワトロだと何度言えば・・・」
ハマーン「マ○ロスFのDVDボックスの代金は立て替えておいたぞ。」
クワトロ「キミ達見たまえ。これが彼女の若かりし頃の姿だ。」
アムロ(父さん物に釣られすぎだろ!)
カミーユ(修正してやる――――!!!)

とりあえず、二人は気を取り直して、その写真を見た。
―――瞬間、目も耳も鼻も、というか五感の全てを疑った。
ピキーン、ピキーン、ピキーンと何度もニュータイプ的な音が聞こえます。
だって、その写真の中の母は・・・・

アムロ「か、可愛い!?」
カミーユ「う、嘘だ!!何でこれがあれになるんだよ、父さん!!」
ハマーン(あれ呼ばわり・・・・ふん、今度の新刊はやはりカミーユ×アムロだな。)

ぞくぞくと悪寒が走るアムロ。

アムロ(な、何だ、このプレッシャーは!?)
カミーユ(この感覚・・・BLか!?)

そんな二人を置いてクワトロが語り出す。サングラスを外して、遠い世界を見るように。

クワトロ「嘘ではない。彼女の若かりし頃は可憐と言わざるを得なかったほどに可愛かったのだ。そう、本当に可憐だった・・・・・。」
アムロ「じゃ、じゃあ、セツコさんもいつかは母さんみたいに・・・・」
カミーユ「お、俺止めてくる!!シンが、シンの貞操が!!」

むんずとカミーユの首根っこ掴むハマーン。締まってる締まってる。

ハマーン「錯乱してどうするカミーユ。放っておけ。青春に横槍するのは無粋だろう?」
アムロ「と、父さんはセツコさんのことをどう思ってるんだ?」
クワトロ「私か?私は・・・そうだな。」

そう言ってジロジロとシンとセツコを眺めるクワトロ。

クワトロ「・・・・ハマーンがアムロを生んだのはシンくらいの時だから悪くは無いと思うが。あとス○ライクウィッチーズのDVDボックスを買うのに文句を言わなければ問題は無い。」
アムロ「エゴだよ、それは!!」
カミーユ「大人はいつもそうやって!!」

そんな喧騒はどこふく風と、シンとセツコは初々しい料理教室をしていくのでした。


9


クワトロ「きーみは誰とキッスをすーるー♪」
アムロ「…いい年したオッサンが上機嫌でまぁや歌うなよ…」
カミーユ「痛い…絵的にも精神的にも痛すぎるよ…」
シン「あ~…精神ポイント-20位減るかも…」
ハマーン「―――行け、ファンネル!」
クワトロ「ぐはぁぁぁぁっ!!」
ハマーン「フン、二次元の重力に魂を引かれた愚か者めが…。」 
カミーユ「母さん、微妙に俺の台詞と被ってるから!」
シン「母さんすげえな~、俺も真似したいけど…俺、NTじゃないし…」 
アムロ「あ、いや、シン気にしては駄目だ。それはしょうがないんだからな。」
シン「そもそも何で俺だけNTじゃないんだろ…」
ハマーン「シン、確かにNTとは進化した人類ではある。だがな、それゆえに抱えねばならぬ事もあるのだ。」
カミーユ「そうだ、母さんの言う通りだよシン。NTなんて良い事より厄介な事の方が多いんだからな。」
シン「例えば?」
アムロ「いきなり宇宙が目の前に広がる。死人が突拍子もなく出てくる。」
カミーユ「四六時中妙な念を感じてしょうがない。」
ハマーン「ファンネルの射程と回避、命中に差が出る。」
シン「……それ…何て電波な人…?」
アムロ、カミーユ、ハマーン『……そう思うだろう?』 
シン「俺…普通でいいや。」
アムロ「それが一番平和だぞ、シン。」
シン「確かにな~、セツコさんがいきなり『見えるっ』とか『ピキーンっ』てやってたら何か引くし。」
セツコ「(隣の庭から会話聞いてた)良かった…私、オールドタイプで本当に良かった…!」


10


アルバムを整理する事になりました。
誰が言い出したかというと、それは当然シン君です。
爪切りの入ってる棚から、クワトロ父さんの秘蔵のコレクション(秘蔵というのは児ポ法に抵触するという意味です)の場所まで、家の中の事を隅々まで知り尽くしている彼だからこそ、彼に家のことに関しては全ての決定権があります。
誰が決めたかというと、それは当然ハマーン様です。
クワトロの金は私の金。アムロの金は私の金。カミーユの金は私の金。出版社の経費は私の金。私の金はシンの金(学費から交際費諸々雑費に至るまで)とハマーンさん家の法律で決まっているからです。ハマーン法典にはこう記されています。
第五条『家の中の事、これ全てシンに決定権委ねたり。これに反する者裸大気圏ヒモ無しバンジー』と。

何はともあれ、写真の量が半端なくなってきたのでシン君が家族総出で整理を進言。
ハマーン様0.1秒後に承認。
アムロ兄さん0.3秒後に同意。
カミーユ兄さんには聞くまでもありません。

クワトロ「何故私は意見すら求められてないのかね…」
心の琴線に触れたのかゴールドスモーのマスターグレード化希望のはがきを書きながらクワトロ父さんが寂しげに呟きますが、お父さんの肩身というものは得てして狭いものです。


アムロ「こういう作業してるとついつい昔の写真に見入っちゃうよな…はは、シンが幼稚園の時の写真だ」
カミーユ「可愛い…今も可愛いけどこのシンも女の子みたいで可愛い…チッ…バレルめ、こんな頃からシンと一緒に写真に写りやがって…」
アムロ「お前…本当にレイ君敵視してるな…」
セツコ「あの…家族のこういう作業に私までお邪魔してしまっていいんですか?」
アムロ「ああ、気にしないでくれ。母さんも構わないって言ってるし。良かったらこれ持ってくかい?」

最近撮ったシンの寝顔写真。写真の季節は夏頃だろうか、タンクトップで暑さのせいかほんのり頬が上気している。

セツコ「こっ…こここここここ、こ、これは…/////////」
アムロ「家事が一段落して休憩してたんだろうね、研究室から帰ってきた時についイタズラ心でね。ってカミーユそんな顔するな。お前の分も焼き増ししてやるから涎を拭け」
セツコ「シン君……かわいい…////////」
クワトロ「これからの君の頑張り次第ではこの顔を毎朝隣りという特等席で見られるようになるのだよ、セツコ君」
セツコ「?………(言われた意味がわからず沈黙)……!?(意味把握)///////////////」
アムロ「どこから湧いてきたんですかロリコンでぺドフィリアの父さん」
カミーユ「こんなところでセクハラ発言かましてる暇があったら全てのノースリーブに袖でもつけてきたらどうですか父さん」


クワトロ「これが若さか…」

シン「この人誰?」
アムロ(そ、それは母さんの若かりし頃の写真…!?シンは初めて見るのか…ッ)
カミーユ(今では欠片も面影が無いけれど通称ハニャーン様とも言われる母さんだ…)
シン「可愛いなぁ」
ハマーン「それは私だ、シン」
シン「ええッ!?」
ハマーン「そんなに驚くこともないだろう。失礼な奴だ」
アム・カミ(そりゃ驚くさ…)
ハマーン「まぁ、私も随分と苦労させられたからな、どこぞの誰とも知れぬ地に堕ちた彗星に…」

アムロ兄さん、カミーユ兄さんは思わずクワトロの方を見てしまいます。
その目はまるでお風呂場の排水溝に詰まった髪の毛の束かゲジゲジを見るような目ですが気にしてはいけません。

クワトロ「……みっくみっくにしてやんよ~♪」
何処までも不器用なお父さんは場の誤魔化し方も不器用です。余りにも不器用すぎてイタイので心優しい上の息子二人はそれ以上の追及はしないでおきます。
仲良し家族、いいですね。

セツコさんはテキパキと整理をしつつも、幼稚園、小学校、中学校、現在のシン君の写真をそれぞれ20枚ずつせっせと厳選してマイ・アルバムに貼っていきます。(ハマーン様の認可済)
作業に没頭すると周囲の声が遮断されるタイプのようです。確かに研究者向きですね。心なしか、お人形遊びをする少女の如き可憐さと無邪気さが顔に表れています。本当に大学生なのか疑わしく思えてきます。

ハマーン「環境は人を変えるとはよく言ったものだが、我ながらここまで変わり果ててしまうとはな…」
アム・カミ(自覚はあったんだ…)
シン「でもさ、確かに昔の母さん可愛いけど、やっぱり俺今の俺の知ってる母さんの方が好きだな。凛々しくて格好良いし////」

ハマーン「………ふん、男が女を賛辞するのに『凛々しい』とは余り褒め言葉にならんぞ」

そういいながら微かに口元を緩ませるとハマーン様は末っ子を手招きします。
末っ子は何の疑いもなく、子犬のように近付いていきます。

ナデナデ

ギュっ

シン「か、母さんッ…セツコさんもいるんだから…///」
ハマーン「恥かしいのは我慢しろ。母親に向かって相応しくない賛辞を送った息子への罰だと思え」




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最終更新:2008年11月07日 00:39
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