~ハマーンさん家のシン君~ 02

1


ピンポーンピンポンピンポーン

シン「はいはい、そんなに押さなくても出ますよっと…セツコさん?」

セツコ「見てください!シン君!ほら、茶柱ですよ!茶柱!縁起がいいです!」

シン「は、はぁ…(茶柱でこんなに喜ぶ人なんて初めて見たな…)」

セツコ「きっと良いことが起きるに違いありまry」
ドスン
????「おっとごめんよ」
ガシャーン
セツコ「ああ!?わ、私の茶柱が…」
アサキム「HAHAHAHHA、ぶつかって済まないね。これで新しい茶飲を買ってくれ」
つ一万円
シン「あんたって人はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
セツコ「アサキムぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
アサキム「そうだ、それが聞きたかった!怒り憎しみそして悲しみの果てに僕の願う結果を生み出すがいい!ではさらばだ(脱兎の如く逃げるアサキム)」

セツコ「うう、私の茶柱…チーフ、トビー、もう私は駄目かもしれません…」
シン「い、ぃゃなぜ茶柱にここまで…」


2


明日は期末テストです。


シン「兄ちゃんズ~!!」
カミーユ「複数形一括り!?」
アムロ「どうしたんだシン、半べそで」
シン「テスト勉強がヤバイから教えてくれーーーー!!」

アムロ「シン…いつも言ってるだろう?そういうのは毎日の積み重ねが大事なんだ。予習、復習をしっかりとこなして、重要なポイントは抑えておく。これだけで直前に慌てなくてもテストの出来は雲泥の差なんだぞ?」
カミーユ「まぁまぁ、いいじゃないか兄さん。どれ、シン、何の科目を見ればいいんだい?」

つ数学、物理、化学、英語、古文

アム・カミ「「全教科だーーーーーッ!?」」

カミーユ「な、何でそんな万遍なく無駄に網羅してるんだい!?」
アムロ「シ、シン…お前…前はそんなに酷くなかったじゃないか!?精々物理、化学くらいで…」


シン「……お言葉ですがお兄様」


アム・カミ(敬語ッ!?)

シン「最近の私の一日のタイムスケジュールをご存知ですか?」
アムロ「はぁ…」

シン「朝は五時に起床。兄さんズと父さんと俺のお弁当と朝食とその後片付け。母さんの昼食の準備までしたら空手部の朝練」
カミーユ「う…ハードだな」

シン「授業が終わったら部活。一年は雑用があるからその後に先輩達の道着洗って、道場の掃除。しかも俺だけレギュラーだから組み手もしなきゃいけないし…」
アムロ「そういえば空手部で一番強いんだっけ……」

シン「その後夕飯の買い物してから夕飯の準備。幼女に声をかけて警察に連れて行かれた父さんを母さんと迎えに行って、帰ったら母さんに半殺しにされた父さんの手当てと後片付け」
アム・カミ「………」(目頭を押さえている)


シン「勉強なんて出来るかーーーーーーーーーーーー!!!!!!」


アム・カミ「このシリーズ初のツッコミきたーーーーーーーー!!!!!」


シン「そういうわけで普段タンクトップと縞々トランクスのくつろぎルックで機械弄りをしている兄さんに力を借りたいと」
アムロ「…随分昔の話を蒸し返すな…」
カミーユ「シン!!兄ちゃんいつも家事なら手伝うって言ってるじゃないか」
シン「カミ兄は壊滅的に家事が出来ないじゃないか!!家事っていうか寧ろ火事になりかけて母さんに一年小遣いカットされたのもう忘れたのかよッ!」
アムロ「そんな事言ったら母さんだって家事なんて全くやらないじゃないか」
シン「母さんは良いんだよ!!一番の稼ぎ頭だから。大半の税金を上手く遣り繰りして逃れても長者番付に載ってるんだぞ!?」
アムロ「それは母さんのエゴだよ!?兄さんハロの収入に掛かる税金はきちんと払ってるんだぞ」
シン「国の予算よりウチの家計です!!」
カミーユ「この子可愛い顔して凄い事言ってる」
アムロ「じゃ、じゃあ父さんはどうなんだ!?」
シン「父さんはもう(色々な意味で)手遅れだからいいんだよッ!!」

アム・カミ(ああ……)

クワトロ「無邪気な言葉というのは時として千の刃にも勝る武器となるのだな…これが若さか」
ハマーン「貴様は馬鹿さだがな」

アムロ「ハァ…わかったよシン。じゃあまずはどれから行こうか」
シン「明日は物理と化学の試験だからそれから。でもさ、自分から言っておいてアレだけど、一夜漬けで大丈夫かな…?」
カミーユ「あはははは、大丈夫、大丈夫、俺も兄さんも理系科目は勉強殆どしなくても出来たから」
アムロ「そういえば、あまり理系科目は勉強した記憶無いな」

シン「すっげぇぇぇ…何かコツでもあるの?」(尊敬の眼差し)


アムロ「そうだなぁ…こうテスト中に『ピキーン』ってなってな」
シン「……へ?」
カミーユ「わかるわかる。問題見てると『キュピーン』って来るんだよね」
アムロ「ああ、それで暫らく考えてると意識が跳んで『刻』が見えて答えがわかるんだよ」

シン「………」

カミーユ「へぇ、俺はこう沢山の『意識』が流れてきてアドバイスをこう表現してくれるって言うか」
アムロ「そうそう」
カミーユ「そういう感じなんだけど、わかったかい、シン?って…あれ?シンは?」

ハマーン「貴様らが頭の悪い擬音語を使っている間に全てを諦めて悟りきった顔でお隣に行ったぞ」

アムロ「シーーーン!!」
カミーユ「シン…ort」
ハマーン「愚か者共め…」


ピンポーン
セツコ「はーーい。シ、シンくん!?」
シン「う、うわぁぁぁぁーーーセツコさーーーーん!!!」
セツコ「シ、シシシシシシシ、シンきゅんッッ!?だ、駄目よこういうことはまず交換日記から入って順を追って…」

セツコの丁寧且つわかりやすい指導の下夜通しテスト勉強をしたおかげか、シン君は無事に追試を免れました。
極度の緊張と疲労と、降って湧いた余りにも大きすぎる幸福にセツコさんは次の日熱を出しましたが、その表情は満ち足りたものでした。


3



補足:これが投下される少し前に
411 :名無しさん:2008/10/23(木) 04:48:35 ID:/Iqct7Gc
402
これ見て思ったけど、なんでハマーン母さんはクワトロ父さんと離婚しないんだ?
あのハマーン母さんなら何時クワトロ父さんに離婚を切り出してもおかしくないだろ。
話を見る限り、クワトロ父さんがこの家族に居る理由がネタ供給の為にしか見えないし。
だから、ハマーン母さんがクワトロ父さんとなんで夫婦していられるのかよく解らない。
実は……な事があるんだろうか?

という書き込みがありました。



無事期末試験も終わり、時間に余裕が出来たシン君は夕食の片付けを終えるとハマーン母さんの為にケーキを焼き始めます。

加速、迅速、覚醒がモットーのハマーン様はとうに自分の原稿を書き終えているのですが、直○賞の審査員を任されているので選考作品に目を通さねばなりません。
ハマーン様的には持って回ったような言い回しや難解な比喩表現を多様したり、逆に若年層に媚びすぎた近年の本など全て焚書にしてしまえと思っているのですが、
某空気の読めない東京都知事とは異なりNT能力でその辺りは察して無難なコメントを載せます。
ハマーン様は自分の評論の載ったそれらの本など妥協の産物に過ぎず、甚だ不本意な文章なので一度たりとも目を通すことなど無いのですが、それでも出版社を始め、世間一般の
ハマーン様の批評は、未だに選考委員に居座り続ける、遥か昔に旬の過ぎ去った元・大作家達の批評よりも遥かに的を射ている上に的確なものとして評判が良いのです。
もっとも、ハマーン様はそんな事知ったことではないと思っているのですが。

ともあれ、長年家事をしながらそんな母の仕事ぶりを見てきているので、この選考委員の仕事がかなり彼女のストレスを増すことを承知しています。せめて気分がリフレッシュ出来る様にこうしてyくシン君はお菓子を作ります。
稀に焦がしてしまったり、珍しく失敗してしまっても心優しいお父さんの朝ご飯に回されます。(ハマーン法典25条)
食べ物を粗末にしてはいけないというハマーン母さんの教育が良く行き届いていますね。
勿論、彼はマザコンではありません、母親想いなだけです。仮にマザコンだとしてもマザコンという名の紳士です。
紅茶の入った香りの良いシン君特製ケーキはハマーン様の好物の一つです。

もっとも、ハマーン様はその事を口には出しませんが。


シン「ねえ母さん」
紅茶入りのケーキとアップルティーを淹れると、シン君はふとした疑問を切り出します。
ハマーン「どうしたシン?」
ケーキを一口食べ、アップルティーの優しい甘さに微かに、家族にしかわからない程度に表情を緩めながら愛息子の方を見ます。
話す時は、ちゃんと人の顔を見て話すものだと常々息子達に言い聞かせているハマーン様は流石に有言実行です。


ちなみに、お父さんが声をかけるときは仕事の手を一瞬たりとも止めることなく、たまにスルーしたりします。
お父さんは『これがツンデレというものか…』と感慨深げに呟くので、そんな時は息子達も何も言いません。
人と人の思い遣りがこうして家族としての繋がりを維持していくという良い例ですね。


シン「母さんはさぁ、何で父さんと結婚したのさ?」

アム・カミ「ッ!?」
それまで微笑ましげに末っ子と母の遣り取りを見ていたお兄ちゃん達の表情がわかりやすく引き攣ります。
そういう質問は普通小学生までに済ませておくものだと思いますが、女難や家事やお父さんの不祥事に追われて今まで聞くタイミングをずっと逸していたようです。

ハマーン「どうした、藪から棒に?」
シン「ふと、気になってさ」
411さんの台詞が気になったからとは言えず、シン君は適当に言葉を濁します。
NT能力を使えば思考は読めますが、ハマーン母さんは末っ子には使いません。
唯一NT能力を家族で待たない末っ子が、密かにその事を気にしているのを知っているハマーン母さんは昔から末息子のシン君にだけはどれだけ時間がかかっても上の息子二人のように念波ではなく言葉でコミュニケーションをとるようにしているのです。

ハマーン「そうだな…顔が良かったからだな」
シン「うぇッ!?」

見も蓋もありません。

人間の第一印象の九割は外見で決まるとは聞きますが、流石にその結果生まれた結晶が自分となるとショックなようです。
見る見るうちにシン君の肩が下がっていきます。カミーユ兄さんが慰めようと慌てて駆け寄って行こうとするのをアムロ兄さんが止めます。
ハマーン母さんがからかっているだけだと知っているからです。

ハマーン「はは、冗談だ冗談。お前は全くもっていつも簡単に騙されるのだな」
シン「母さん!!からかうなよ!!」
ハマーン「まぁ、冗談はさておき。…そうだな、あれは私と出会った頃から今と良くも悪くも変わらぬ奴だった。物腰こそ大人びているくせに、自分の行動や考えに少しでも矛盾があるのを許せない何とも不器用な融通の利かない奴だった。だからこそ、そんな純粋なある意味大人になりきれていない部分に惹かれたのだろうな」
シン「////////」
自分の親から惚気とも取れる事を聞かせれ、ムズムズとした何とも気恥ずかしい思いにシン君は顔を赤くしてしまいます。
そんな息子を横目で見遣ると、ハマーン母さんはイタズラっぽく笑います。
ハマーン「何だ?自分で振っておいて赤面などしおって」
シン「じ、自分の息子に惚気話を聞かせんなよ!!恥かしいに決まってるだろ!!」
ハマーン「怒るな、怒るな。聞いたお前が悪い」
シン「う~~~」

そう言われてしまえば返す言葉がありません。
生まれて16年間、一度たりとも口で勝てたことなど無いシン君に出来ることは精々唸ることだけです。
もっとも、そもそもシン君とハマーン様では役者が違いますが。

ハマーン「さぁ、納得したのならさっさとケーキなり何なりでも作るのだな」
シン「母さんまだ食べるの?」
ハマーン様はきょとんとしたシン君を見遣ると溜息を吐きます。

ハマーン「馬鹿者。お前、この前の期末試験を一夜漬けでそれなりの成績を出せたのは誰のおかげだ?」
シン「あ…」

シン君は徹夜で連日お隣のセツコさんに勉強を教えてもらった事を思い出しました。
その後倒れてしまったセツコさんの看病にさらにテスト後連日看病に行ったのですが、その流れで正式なお礼をするのを忘れているとハマーン母さんは暗に示しているのです。

ハマーン「お詫びとお礼では違うだろう?」
本当は、連日夜通し二人きりの時間を過ごせただけでセツコさんは天にも昇る気持ちだったのですが、シン君はそのことなど当然気付いていません。
ハマーン様は気付いていてあえて気付かぬフリをしています。
可憐な容姿と、薄幸で病弱な少女を思い遣って自慢の息子とさっさとくっ付けてしまいたい ―――― と思っているのかどうかは知りませんが、少なくともハマーン母さんの一番のお気に入りはセツコさんのようです。

シン「うん、ありがとう母さん」
そんな母の気遣いを知ってか知らずか、シン君は早速お礼にお菓子を作ることにします。
和風好みのセツコさんには水羊羹か栗の茶巾絞りが良いかな~等と呟きながら必要な材料を頭の中で反芻しているようです。

そんな息子を柔らかな眼差しで見遣りながら、一口アップルティーを啜ると、ハマーン様は再び原稿に向かう事にしました。

ハマーンさん家は今日も平和です。

シン君が歌を口ずさみながら上機嫌でお菓子作りに取り掛かります。
本人も中の人も歌は上手いのですが、歌は『トライア○グラー』と色々とツッコミどころ満載な歌です。
せめて持ち歌にすべきでしょうが、ここは本スレと違い平和なのであまり気にする必要はありませんね。

そんな弟の様子をみつつ、アムロ兄さんとカミーユ兄さんはハマーン母さんに近付きます。
正座をして心持ち緊張気味なのは、母の末っ子と、その二名に対する愛情に明確な差があると熟知している所以でしょう。普通ならグレてます。

アムロ「……あのさ、母さん」
ハマーン「何だ?」
無駄に女帝オーラが噴出します。効果音をつけるとすれば『ドドドドド…』といった感じでしょうか。
カミーユ「さっきシンに言っていた事だけど、本当なのそれ?」
まるで正気か否かを真剣に心配するように尋ねます。普段、上の息子二人がどういう眼差しで父を見ているのかが大体窺い知れます。

ハマーン「フン…嘘は吐いていない。少なくともアムロを孕むまでは概ねシンに言ったとおりだ」
孕むとか、末っ子のいない所では平気で生々しい言葉を使います。

アムロ「……それ以降は…?」
離婚するチャンスは幾らでもあっただろう?そう言いた気なアムロ兄さんは心持涙眼ですが、20過ぎの男の涙眼など見苦しいだけです。
ハマーン「アムロ、カミーユ。もしだ、仮に、核が一カ国だけ保有できるとしたら、何処が保有すべきだと思う?」

アムロ「バランスを保つ為に弱小国が保有するとか?」
カミーユ「一国の独裁体制を防ぐために、それなりの国力を持つ国?」

ハマーン「違うな、それは理想論だ。アムロの言葉通りであれば、そういった弱小国は悪知恵を働かせて核をちらつかせながら経済力のある国から経済援助を可能な限り毟り取るだろう。カミーユの意見も一見正解に近いが、それは一歩間違えればバランスどころか世界を二つに割ってしまう恐れがある」
一口、唇を湿らせる程度に紅茶を啜ると、ハマーン様は皮肉気に唇を歪めます。
ハマーン「正解は、最も強い国が保有、いや管理することだ。核などなくとも武力、経済的影響力の強い大国に管理させることだ。独裁体制には違いないが、無理に使う必然性がない分実は核の使用の恐れが小さいからな」

アムロ「……それって父さんが…」
カミーユ「管理しなきゃいけない存在だって事…?」


ハマーン「犠牲になって歪んでしまう少女は一人で十分であろう?」

遠くを見遣りながらアップルティーを飲むハマーン母さんの顔を、アムロ兄さんもカミーユ兄さんも直視することは出来ませんでした。



猛獣は猛獣使いに預けておくべきというお話し。


4


シン「お~い、皆、俺の家族を紹介するよ~」

エイジ、イスラ、ルルーシュ、スザク「家族?」

シン「うん、家族(パラレル的な)だよ。まずはハマーン母さん!!」
ハマーン「ほう…ここが噂に聞く女難スレ(本スレ)とやらか…なるほど、肌を焦がすような心地良い殺気が渦巻く世界だ」

遂に本スレにこの方がいらっしゃいました。
普段と変わらぬようで、明らかな異界の空間をいち早く察知したようです。

エイジ「な、なんだってんだ…」
イスラ「この空間に渦巻く魑魅魍魎達の殺気と欲望を受け流してる…」
スザク「というより、女帝オーラが全てを弾いてるんだ…」
ルルーシュ「シンの母君と聞いていたが…これほどのプレッシャーを父以外から受ける日が来るとは…」

女難スレ時代からシン君を見守り、時に身を挺して見守っていた友人達は、威風堂々たる佇まいに萎縮しきっています。
しつこいようですが、ハマーン様のご職業は作家です。


アムロ(母さんだしな…)
カミーユ(母さんだもんね…)
兄さん達は慣れたものです。この異界に匹敵するプレッシャーを伊達に日々感じては居ません。

シン「母さん!!俺の友達紹介するよ!!」

スザク「枢木スザクです」
イスラ「イスラ・レヴィノスです」
エイジ「まぁ、俺は今更かもしれないけど、紅エイジっす」
ルルーシュ「ルルーシュ・ランペ…痛ッ…」
シン「ルルーシュ!!」
スザク「駄目だよ、君はまだお腹の傷が塞がってないんだから…」
スザクの言う通り、ルルーシュは車椅子に乗った状態から挨拶をするために立ち上がろうとしたところです。

ハマーン「そんなにも畏まる事は無い。いつも不肖の息子が随分と世話をかけているようだな…」
ルルーシュ「いえ…そんな…(迷惑をかけているのは実際は『彼女達』なのだから)」

敢えて口にしない辺り、ルルーシュは賢い少年です。
折角拾った命、妹の為に、親友の為に命をかけれても、流石にyagami達に撃たれるのは勘弁な、といったところでしょう。
車椅子を押すスザクも気遣わしげに友人を見ています。

ハマーン「君達の戦いは(NT能力で)ずっと見ていた…拙いところも見受けられたが、初志貫徹をして、
     絶対悪と象徴的英雄としての茨の道を突き進んだサマは見事だったぞ」

険しい表情から一変して、微かに口元を和らげるハマーン様に、揃って母の居ない友人達は何だか面映いような、懐かしい気分になりました。
少し、シン君が羨ましいと思ってしまいました。

カミーユ(兄さん、あの優しい態度は一体どういうつもりなんだろうね…)
アムロ(母さんは基本的に頑張る男の子に弱いからね…)


シン「続いて、一番上の兄貴、アム兄~」
アムロ「よろしく、シンの一番上の兄のアムロです。いつまでもシンと仲良くしてあげてくれよ。特技は機械弄りだから、何か修理して欲しいものがあれば言ってくれ」

スザク(ハロに始まりνガンダムまで作り上げるのは機械弄りっていうレベルなのかな…)
ルルーシュ(黙っていろ!!ランスロットにファンネル付けられるぞ!!)

シン「それからセカンド兄貴のカミ兄~」
カミーユ「いつも弟がお世話になっています。それから、これからもうちの可愛い弟を頼みます。
     くれぐれも魑魅魍魎、悪鬼羅刹達にキズモノにされないように護ってやってください!!」


イスラ(ブラコンだね…)
エイジ(ブラコンだな…)
彼らはシスコンです。きっといずれは気が合うでしょう。

シン「終了~」
クワトロ「はっはっは、母と長男の間はミステリーブランクだね」

イスラ(グラサンだ…)
スザク(ノースリーブ…)

エイジ(……)←義兄で怪しげなオッサンに耐性あり。
ルルーシュ(……)←実父の方がかっとんでるので耐性あり。

シン「それからお隣の美人大学生、セツコさん!!」
セツコ「/////そ、そんな…シン君…嫌だ、美人だなんて…あ、あのセツコ・オハラです…よ、よろしくお願いします…////」

ルルーシュ(可憐だ…)
スザク(儚げだよ…)
イスラ(薄幸そう…)


友人達+兄二人(………このスレに来て大丈夫かな…(チワワを狼の集団に投げ込む的意味で))

セツコ「わ、私上手くやっていけるかな…?」
シン「大丈夫だって、セツコさんなら!!それでも駄目なら一緒に強くなろ?」
セツコ「うん…//////」

ハマーン(微笑ましいものだな)


5


yagami「ノーモア巨乳!!ノーモアヒロイン!!ノーモア年上!!」
なのは「本スレ解禁っていうことは、私達の武力介入も解禁っていう事だよね?」
フェイト「そうだよね!解禁だね♪」


カミーユ「ムッ来たな天敵(シンの)兼ヒロイン(スレの)!!」
アムロ「さようなら穏やかな日々……こんにちは暴虐の日々……」
クワトロ「随分と華やかなものではないか」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~某・大型デパート~
セツコ「ええっと毛糸、毛糸は……」
シン「セツコさん?」
セツコ「えッ!?」
シン「やっぱりセツコさんじゃないですか。買い物ですか?」
セツコ「シ、シシシし、シンくんッ///////////!?」
シン「そ、そんなにおどろかなくても…」
セツコ(嫌だ、私ったら年上なのにみっともない/////////////)
シン「もし、この後時間があるんでしたらどっかでお茶でも飲んでいきません?」
セツコ「ッ!?う、うん!!行く行く//////(嬉しいよぉーーー)」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

yagami「いややなぁ~そんな警戒せんでもお義兄様」
カミーユ「君にお義兄様呼ばわりされる覚えは…ッていうか君たちの方が年上だろ!!」
なのは「そんなの関係ないよ、シンのお兄様なんだから、すなわち私たちのお義兄様だよ」
アムロ「エゴだよ、それは!!」
フェイト「お義父様はどう思われます?」

つキャロbyスク水

クワトロ「ナイチンゲール!!??(MSの破壊力的な意味でも、天使的な意味でも)」

流石に攻撃に優れた御三方、自己PRに躊躇も手加減も在りません。セツコお姉さんの数ヶ月分の勇気を嘲笑うかの如き攻めの姿勢。
自重?何それ?何ペソ?ってな感じです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~☆バックス~
シン「へぇ、マフラーを編むんですか?」
セツコ「う、うん。といっても覚えたばかりだから自信ないんだけど…シン君も?」
シン「ええ、俺はセーターですけどね。母さんに毎年編むのが恒例になってて」
セツコ「お母様に?」
シン「母さんエアコン嫌いだから滅多に付けたがらないんですよ。でも仕事柄徹夜が多いでしょ?だから」
セツコ「へぇ~、あ、そう、その、一つ聞いてもいい…?」
シン「ハイ?何です?」
セツコ「シンくんは…たとえば自分よりも編み物の下手な子からプレゼントされたら……迷惑かな?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

yagami「いややなぁ、次回作では共演するやないですか」
カミーユ「するものかよ!?しても携帯ゲーム機にテッカ○ン辺りと共演だ!!」
アムロ「もしくはボ○太くんとな」
なのは「シンもBJ装備すれば携帯ゲーム機に……」
カミーユ「他所のシンちゃんは他所のシンちゃん!!」
クワトロ「なぜオカン口調なのだね…?」
アムロ「父さんがツッコんだッ!?」

フェイト「そうだね、二人がスパロボに出てる間は私はこっちでのんびり一緒に過ごしてるよ♪」
yagami「裏切りおったッ!?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~☆バックス~
シン「迷惑なんかじゃないと思いますよ、少なくとも俺は違います」
セツコ「そ、そう?」
シン「ハイ。さっきも言ったけど、徹夜が多くて、子供心に風邪引くんじゃないかって心配で、初めて編んだのが9歳の時だったんですよ」
セツコ「お母さん想いなんだね、シン君は(いいなぁ……)」
シン「あはは、最初はもうヘッタクソもいいところでしたよ。雑巾の方がマシなくらいで」
セツコ「9歳の男の子が編んだだけでもすごいよ」
シン「あははは、今にして思えばね。でも、ガキの頃はショックでしたよ。何せ三ヶ月もかかって出来たものが見本と違い過ぎてて」

照れ臭そうに俯くシン君と、そんなシンを微笑ましげに見つめるセツコさん

シン「こんなの渡せないって、捨てた後何だか泣けてきて、アム兄に泣き止ましてもらって……
それで泣き疲れて寝ちゃったらしくて、朝になって母さんを見たら捨てたはずのボロキレみたいなセーターを当たり前に着てて…」

懐かしむように、カフェラテを一口飲む大人っぽい仕草に、思わずドキッとするセツコさん。

セツコ(ふ、不意打ち……//////////)
シン「それが嬉しくてね。それから毎年の恒例になってて…だから、きっと思いを込めて編んだのなら嬉しくないはずありませんよ」
セツコ「ほ、ホント?」
シン「はい。(セツコさん……誰かに編むのかな………ムカッ……何でだろ、面白くないな…)」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

なのは「やっぱりシンには一個師団でも適わないような強さと美しさを兼ね備えた喫茶店の娘が…」
yagami「いやいや、頭脳明晰、腹芸にも長けた関西弁の美人のお姉さんが…」
フェイト「金髪、ナイスバディ、ツインテール、基本スペックって大切だよ?」

カミ・アム(マジ、パねぇ…)

クワトロ「ふむ…(キャロの写真を見つつ)隙が無いな…これが若さか」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~☆バックス~
セツコ「ほ、ほんとうに喜んでくれるかな……?」
シン「大丈夫ですって絶対。セツコさんからプレゼントされて喜ばない奴なんていませんよ!(ムカッ…チクショウ何でこんなに腹が立つ?)」
セツコ「絶対……だよね…?」
シン「ハイ、約束します(っていうか突き返すようなら俺がブッ飛ばしてやる)」

こっそり握りこぶしを作ったのはご愛嬌です。
そんなシン君の様子にも気付かず、というか気付く余裕もなく、セツコさんは何かを決意したように頷きます。

セツコ「……シンくん……あ、あの、小指出してもらえる?」
シン「???ハイ、こうですか?」

不思議そうに差し出したシン君の小指に、セツコさんはおずおずと自分の小指を絡めます。

シン「///////////!?」
セツコ「///////や、約束だからね…?/////ぜ、絶対に、どんなに下手でも笑わないで貰ってくれる……?//////」
シン「ハ、ハイッ!?お、俺に……ですか?/////」
セツコ「………迷惑?」
シン「いえ!!全ッ然嬉しいです!!」
セツコ「////////////////」

そこで、シン君はふと昔ハマーン母さんに教わった事を思い出します。ゴソゴソと、カバンを漁るシン君を不思議そうに見つめるセツコさん。
シン君が取り出したのは、中途半端な長さになっている毛糸が二つ。高校生の男の子のカバンに?というツッコミは無しです。

セツコ「赤い…毛糸?」
シン「これを…ちょっとゴメンねセツコさん」

そういうとセツコさんの小指に毛糸を蝶ちょ結びに結びます。余談ですが手を握られてセツコさんの顔も毛糸と同じく真っ赤です。

シン「で、俺もむすんでっと。これ、母さんに教わった約束のおまじないなんだって。セツコさんはどんな出来になっても捨てたりしない事、
俺は絶対に喜んで受け取るっていう約束ね」
セツコ「うん……/////////絶対に約束するね/////」
シン「へへへ…/////////」

セツコさんは何故かキャラメルラテが普段より甘く感じました。シン君も不思議とカフェラテが甘い事に疑問を覚えます。
でも、二人とも、小指の毛糸をみていたら「ま、いっか」とすぐさま思い返しました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ハマーン様「ムッ」ピキーン!

三馬鹿(ヒロイン)と三馬鹿(ハマーン家)の喧騒を遠巻きに眺めながら、紅茶を飲んでいたハマーン様は何かを受信しました。

ハマーン様「ふふふ、私の後押しなど無くともやれば出来るではないか」

そう微笑みを微かに浮かべると、三馬鹿vs三馬鹿の喧騒をBGMに再び手元のニューヨークタイムズに目をやります。
今年のセーターは何色だろうかと、毎年この時期に密かな楽しみとしている物を想像しながら、ハマーン様は何処までも優雅でいらっしゃいます。


三馬鹿(ヒロイン)「あるぇぇぇ?何かどこかで出し抜かれた感がするぅぅぅ???」





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最終更新:2008年11月22日 19:18
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