千八十の夜行の列…執着を断て。
その冬、おおつごもり、ヘンなネコの霊を連れて、あたしのダンナがやってきた。
ユルくて、ビンタぐらいで泣いて、寒さに鼻水流して、紅白歌合戦でボブなんか見たがって、
スケベで、昼間からいやらしいこと思い浮かべる変態で、あたしの苦しみも哀しみも痛みも怨みも
何一つ分かりやしないくせに立ち入って、立ち入って、あたしの心に立ち入って、
ふすまごしに「なんとかなる」って約束して、初詣に連れ出して、
かけがえのない人になって――『恐山ル・ヴォワール』。後編を収録。
第169廻 恐山ル・ヴォワール sept7 第170廻 恐山ル・ヴォワール huit8 第171廻 恐山ル・ヴォワール neuf9 第172廻 恐山ル・ヴォワール dix10 第173廻 恐山ル・ヴォワール onze11 第174廻 恐山ル・ヴォワール douze12 第175廻 恐山ル・ヴォワール treize13 第176廻 恐山ル・ヴォワール quatorze14 第177廻 恐山ル・ヴォワール quinze15 第178廻 それからそれぞれ 第179廻 禊 ザ・蓮 おまけ四コマ きもだめし |