「スネーク先生?」
知恵先生が尋ねてきた。
「む?なんだ?庭に毒蛇でも出たか?」
「いいえ、違うんです。今日の体育のことなんですけど・・・」
「ああ、それなら心配ない。疲れ果てて明日筋肉痛になるほどハードな鬼ごっこに決めてある。」
「それはやめてください!授業ができなくなるでしょう!」
さすがに怒られた。
「じゃあ、何をやらせればいいんだ?」
「私は、スネーク先生が子供のころにやっていたことを教えてあげてほしいんですけど・・・」
「子供のころ、か。」
子供のころというと、あの死に掛けた日々しか思い浮かばない。
トラップ回避、サバイバル訓練、発砲訓練、忍耐・・・
だめだ。皆死ぬのがオチだろう。
射撃だと魅音が、
トラップだと沙都子が容赦ないものを設置するだろう。
俺まで死に掛たら・・・。
ん~~~、ほかに危険じゃないことで教えられると言えば・・・
「・・・決めた。」
「ん?何ですか先生。」
「だから今日の体育の授業を決めたんだ。」
「本当ですか?何なんですか?」
「CQCだ。」
「え?しーきゅーしー?何なんですか?それは。」
「まぁ見ていればわかるだろう。それ以前にもう授業が始まる時間だ。急いだほうがいいのでは?」
「あ、本当ですね。今日の体育の授業を楽しみにしていますよ。」
知恵は戸を閉めて、小走りでクラスへと行った。
体育の授業になった。
男子はすぐ着替えるから、と言う理由で魅音率いる最強女子軍団に追い出されている貧弱男子たち。
確かにそうなんだが・・・ひどすぎないか?
突然戸が開いて、
「ヤッホーゥ、一番乗り!圭ちゃ~ん、庭で待ってるよぅ~~!」
と叫びながら走りすぎていく魅音。
「コラァ!廊下は走るんじゃない!」
自分なりにまじめにしかってみたが、
「気にしない、気にしない♪先生も早く外行かないと~♪」
と陽気な声で返事をされて、何もいえなくなった。
- って言うか、あいつどうやってあんなに早く着替えたんだ?十秒も経たない間に着替えたぞ?
その後、しばらくしてから
「魅ぃちゃ~~~~ん!少し待ってよ~~~~!」
「・・・みぃ~~~~~♪沙都子は遅いのです♪」
「梨花たちが早いだけじゃなくて!?」
と言う声がした後に、部活メンバーの女子が走っていった。
その後、少しあまった女子が出て行って、やっと男子が教室に入った。
当然、男子は早いもので、五分足らずで皆出て行った。
外に出てみると、走り回ってはしゃいでる生徒たちがいた。
深く息を吸ったあと、
「ピィ~~~~~~~~!」
とホイッスルを鳴らした。
「あっ、スネーク先生だ。」
生徒の一人が言った。
「よーし、皆。今日はいつもと違ったことをするから、よーく体を伸ばしておけよ~。」
そう言うと、
「違うって、何をするんですか?」
富田が聞いてくる。
「まさかマラソンですか?」
岡村が違うほうから言ってくる。
「えぇ~~~~~~~~!?」
皆息を合わせて言った。
こう言うときは皆よく息が合うよなぁ。
結束の力というか、なんと言うか。
とりあえず、石でも投げつけられそうな感じだ。
雛見沢、恐るべし。
「いや、マラソンじゃない。俺が昔教えられた護身術だ。」
ピクッ!
一瞬であたりの空気が変わる。
な~んか、いやな感じだな。
「これから教える護身術は、軍や警察が多く使う技だ。日本じゃ習えないぞ?」
これぐらい言えば興味を持ってくれるだろう。
「これがいやなら無限鬼とか、やらせるぞ。」
ダメ押しで言ってみる。
「そんなこと言わなくても、俺は習いたいぜ、スネーク!」
奥のほうから圭一の声が聞こえた。
「そうだよ!園崎家の跡継ぎとしては習える護身術は習っておかないとね!」
魅音も威勢よく答える。
「魅ぃちゃんと圭くんが習うなら、レナも!」
「・・・みぃ~☆がんばるのです☆」
「わたくしもおしえてほしくて?」
そのうち、クラス全体から教えて~という声が上がる。
「後悔しないんだな?」
「そりゃそうだろ!楽しそうじゃねぇか!燃えるぜぇ!」
圭一の威勢のいい返答で皆の士気が上がる。
「フ・・・」
これから地獄を見せてやるのが楽しみになってきて、思わず笑みがこぼれた。
その間、校長室から知恵と校長はグラウンドを校長室から見ていた。
「何か、楽しそうですね。」
「そうだなぁ。」
「その前に校長。」
「ん?何だね知恵君。」
「CQCってなんだか知っていますか?」
瞬間。
校長の表情が凍った。
「ちちちち知恵君。そそそそそれを誰からききき聞いたのかね?」
明らかに声が震えている。
「え?スネーク先生からですけど。どうかしましたか?」
校長の顔からもはや笑みはない。
「やばいぞ・・・日本のCQCならともかく、本場のCQCはやばい・・・」
「え?どうしてですか?」
「昔、私は武道の達人として有名だったのを知っているだろう・・・」
「それがどうしたんですか?」
「彼の師匠のCQCは、私が唯一勝てなかった武術だ・・・それを完全に体得するのには、
幼少の時から血のにじむような訓練を絶えなければいけないと言う・・・」
「え・・・?」
「彼は・・・スネーク君は本当に本気だ・・・一応入江先生を呼んでおいたほうがいい・・・」
「ど、どういうことになるのですか?」
「・・・最悪、生徒が死ぬぞ・・・!」
そのとき、スネークの背後からはどす黒いオーラのようなものが出ていたことには、
誰も気づいていなかった・・・
「ククク・・・」
「せんせ~?どうしましたか~?スネークせんせ~?」
誰かに名前を呼ばれて、やっと我に返った。
「む・・・すまん、少し呆けていたようだ。とりあえず、皆体は伸ばしておいたか~?」
「「「「は~~~~い!」」」」
皆一斉に答える。
「よぅし、はじめるぞ!」
自分にも気合を入れて、叫んだ。
「まずは基本中の基本、銃器の持ち方からだ」
倉庫の前に行ってから言った。
「少し待ってろ、すぐに持ってくる」
倉庫に入って戸を閉めた。
「え~~と、前隠しておいたサブマシンガンの箱はどこだっけ?」
などと独り言を言いながら探していると、
「なぁ、CQCの基本は銃器の扱いってスネークは言ってるけど、何を持ってくるつもりなんだ?
まさか本物とか・・・」
「圭ちゃ~ん、そんなわけないでしょ。本物使っちゃったら死人が出るかも知れないし、
いくらあの人が物騒だからって、いつも銃持ち歩いてるわけないじゃん。モデルガンだよ、絶対」
などという会話が聞こえた。
そんなのを聞き流し、俺は箱を手にとって表は出た。
「うわ、スネーク先生、どーしたの?そんなに集めちゃって」
「いいじゃないか別に。とりあえずすきなのを持ってみろ」
箱を開いて銃器を取り出した。
さすがに死人は出したくないので、マガジンは抜いてある。
「うわ~、たくさん持ってるねぇ!MP5にM3A1、イングラムにG3!ここまでくると関心しちゃうよ!」
魅音以外の生徒は皆黙り込んでしまった。
さすが空気嫁、自分の世界に入り込んでずっと話している。
「皆、好きな銃を取って構えてみろ」
皆一斉に動き出して、あっという間に三十個あった銃器はなくなった。
その中でも部活メンバーは選りすぐりのサブマシンを取っていった。
「ほう、圭一はUZIを選んだのか」
「ああ、何かちょうどいいサイズだったから持ってみたんだ」
「いや、いい選択だ。銃器は持ちやすいのを選んだほうがいい」
「へぇ~、そうなんだ」
などといって、まじまじとUZIを見ている圭一を通り過ぎてレナの所へ行った。
「・・・ぁいい・・・」
「ん?レナ?どうしたんだ?」
レナの肩をつかんでこっちを向かせた。
その顔を見て、俺の背筋が凍った。
「かぁいいよぉ~~~☆おっもちかえりぃぃぃぃぃぃぃ☆」
かぁいいモードになったレナがM3をもって離してくれない。
本当に危ないことになった。
このまま実弾を持たせたらFOXの幹部を瞬殺できるんじゃないかと思うぐらい、
レナはヤバイ状態になっていた。
「もうこいつはほっとこう・・・」
そう思って、梨花のところまで逃げた。
「む、梨花はイングラムを選んだか」
それは梨花には少し大きすぎると思ったが、
「大丈夫なのです☆こんなもの、お祭りの鍬なんかよりも軽いのです☆」
などといいながらにぱ~☆と笑顔を浮かべられたら、何もいえない。
そのまま黙って沙都子のところまで歩いた。
「沙都子はブリスカヴィカか」
「ええ、見た目的にも持ち安そうなので、選びましたわ」
「うむ、身長が短いうちは、短機関銃のほうが持ちやすいからな」
そういったら、
「身長が短いなんて、子供扱いしないでくださいまし~~~~!」
などとものすごい怒声を上げて銃を振り回してきた。
俺は必死に逃げながら、魅音の所まで走った。
「み、魅音はM3A1を選んだのか」
「うん、これなら園崎の屋敷にもあるからね。撃ったことは何度もあるよ」
「そうか。そ、それなら、心配ないな」
「大丈夫だから、早く始めちゃおうよ。もう本当に習いたいんだからさ」
ああ、とうなずいて、みんなの前へ出た。
最終更新:2008年02月20日 22:49