ADX2およびADX2LEのエフェクトについてゲームでよくありそうなパターンを考察してみます。 *目次 #contents() *おさらい ADX2は、バスセンドによる、センドリターン系のエフェクトがあります。 基本的にDSPバス設定で設定し、エフェクト効果をかけたいキュー/トラック/ウェーブフォームのバスセンドを上げる事でエフェクトを通します。 また、各バスには、さらに他のバスへのセンド先があり、それぞれ他のバスへセンドしたり、最終的なバス0の出力へと繋ぐことで、 エフェクト効果のかかった音が出力されます。 *何はなくともリバーブ ADX2にはリバーブが2系統あります。それらを掘り下げてみたいと思います。 - リバーブ これは昔からあるリバーブ。 特徴:エフェクトの流れとして、まずモノラルの入力にダウンミックスされ、それらが4ch(L,R,sL,sR)へ残響が加わります。 Dryセンドはなく、Wet100%出ます。ので、通常バス1にセットし、リバーブを掛けたい音に対してバス1のセンド量で調整します。 純粋にリバーブエフェクトの効果を狙うもので、非常にはっきりとリバーブのエフェクト感がでます。 なので、あまりかけすぎると、カラオケのリバーブ効果のような、風呂場のような効果になってしまいます。音も増幅します。 歴史:Xbox360/PS3の開発初期に登場した4chサラウンド対応のリバーブ。 用途:環境リバーブとして、全ての音にうっすらと、ほんの少しセンドして使う。 ボイス(声)などにつけることで、印象を操作する。 NG:バス0につけてしまうと、フルで残響効果がオンになり、コントロール不能になります。バス1以降に付けるのがおすすめ。 - I3DL2リバーブ これは標準化されたリバーブの一つ。詳しくはこちらなど参照→[[環境リバーブ>http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/cc354477.aspx]] 特徴:リバーブ効果はとても薄く、プリセットではかけても効果がとても薄い。 これは、音楽/ボイスに付ける用途ではなく、3Dの空間を表現する時に使う事が前提とされています。 歴史:PCやコンシューマゲーム機などで、リバーブのエフェクト設定が著しく異なると作成側が非常に調整に困るので、統一された規格。様々なゲームエンジンなどでもそのプリセットは流用されるので環境が変わってもとりあえず設定に困らない。(出音を保証するものではない) *リバーブ量のコントロール リバーブのコントロールはバス1へのセンドとして説明します。 バスセンド量を変化させる事で、低コストで残響付与具合を調整し、空間表現をする事ができます。 ADX2ではAISACを作成し、バスセンド1カーブに設定することで、プログラムからコントロールがしやすくなります。 例えば |トンネル|残響効果コントロール|平原から洞窟といった変化、地上から地下といった変化時、&br()バス1へのセンドを上げる事で効果音の変化を特徴付け、ユーザーに没入感を与えます。| |距離|残響効果コントロール|近接音は残響がなく、中距離は残響効果とまざって、遠距離は残響効果のみ。&br()音の距離感が大事な時に使えます。音がスカスカなデザインの場合に特に効果的です。(例:ホラーものとか)&br()また、音量を減衰させたくないが距離感のメリハリを付けたい場合などにも効果的です。| |遮蔽|Dry&Wet操作|バス0センド(Dry)、バス1センド(Wet)を操作することで、&br()壁の裏側などは残響効果のみといった形で、音の変化をつけることができます。&br()敵が隠れたり、現れたりでゲームの状況が変化する場合などに使うと効果的です。&br()画面外などの予測などにも使えます。| |2Dパン|舞台袖効果|2Dゲームなどで、画面外の音を表現する場合に使うと面白いかもしれません。|