ADX2のマルチチャンネルとして 2023年から
12chがサポートされるようになった。
チャンネルの内訳
内容は
L R C LFE LS RS LBS RBS TFL TFR TBL TBR
内部レンダリングチャンネルと最終出力の違い
これらは、CRIの内部でレンダリングする時のチャンネルになり、
最終的にハードウェアがどう処理するかは規程されていない。
ハードウェア側の解釈による。
WindowsでDolby Atmosで鳴らす場合
Dolby Access をインストールしたWindowsであれば、
HDMI接続でAtmos対応AVアンプに繋ぐことで確認できる。
バイノーラル出力でのステレオ再生の罠
UnityのCRILibraryInitializerで
Windowsのバイノーラル出力という選択をすると、
これら12chをステレオのヘッドフォンバイノーラル出力に最終的に変換してくれる。
Craftの場合は「スピーカー設定」
この場合、L,Rの音は前方-30度、30度の位置から再生されるため、
ステレオ波形を-90,90で鳴らしたいといったことはできなくなる。
どうしても左右90度から鳴らしたい場合は、パススルーや5.1ch素材などを用意し90度の位置で鳴らすなど工夫が必要そう
バイノーラル出力をしない場合はダイレクトにスピーカー出力される
もしバイノーラル出力を選択しなかった場合、
PCの設定で、各チャンネルがどうマッピングされるかはPCの設定次第になる。
ハードウェアや途中のミキシングがどう解釈されるかはユーザーの環境次第となる。
例:ステレオ再生が、スピーカーの場合とヘッドフォンの場合の違い
例:LFEの無い環境の場合は、LFEは鳴らない
例:センタースピーカーはセンターからのみになるため、センターが無い環境だと鳴らない。→ダウンミックス指定やバイノーラルなら鳴る
ステレオを-90 90で鳴らす工夫
ステレオを鳴らしたい場合はライブラリの初期化でのバイノーラル出力はせず、
バスエフェクトの「バーチャルヘッドフォン」をバスにさすことで、途中で2chにダウンミックスさせることができる。
ステレオで鳴らしたい場合、ハードの2chにそのまま流したい場合はバーチャルヘッドフォンを通さない形で出力するようになる。
(ソースごとに経路が異なるバスを用意する手間が増える)
あるいは、L,Rをモノラル素材として2ボイス消費して-90 90で鳴らす(あまり効率はよくない)
あるいは、5.1ch素材として再生し、-90 90の位置に配置する。 6ch分のサイズになるためメモリ消費や負荷が高くなるためおすすめできない。
ステレオを-90 90で鳴らすパススルー
Craft3.52.00からは、パススルーの指定も可能になったので、さらに用意になった。
ヘッドフォン環境において、
ステレオで鳴らした時に、前方左右30度に配置されないようにするには、
ステレオ素材を用意し、パススルー設定をすることで鳴らすことが可能になる。
スピーカー環境でパスルーの場合は、スピーカーのLRの位置から鳴る。
なぜステレオ再生をしたいか
モノラル素材を使う意図は定位感をつけたい
ステレオ素材を使う意図は定位感を薄めたい(つつまれている感じにしたい)
バイノーラルだとつつまれる感じにするのに手間がかかりすぎる。
また、バイノーラル出力の場合低音が削れてしまうことが多い。
→これらは、パススルー音を用意し重ねることで緩和可能になる。
ステレオ残響の罠
もともとモノラル素材に対して残響(余韻)が付与される系のものは
定位を曖昧にする意図もある。
これが単純に12chに拡張されても、広がらない。(12chの個別の処理が行われていない)
残響では音は広がらずつつまれる感じにはならずにむしろモノラル化してしまう。
チャンネル数が増えることで顕著化する。
マルチタップディレイで広がるか
マルチタップディレイを行っても音像が曖昧になる効果が強くでてしまう
つつまれている感は有効だが、水平面にしか位置を展開できない
ランダム3D再生
球状などの位置で再生時にランダムな位置で鳴らす仕組み。
単発音の組み合わせの環境音などでは有効。(風、葉音、鳥、波など)
ただプリミティブな指定なため限定された使い方になる。(上方だけにとか、偏りのある配置にしたいとかは難しい)
最終更新:2024年03月27日 10:57