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BL-2-167

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「ひと夏の思ひ出」


167 :創る名無しに見る名無し:2011/09/19(月) 03:44:14.80 ID:/kT88vWn

【ひと夏の思ひ出】

あの夏、俺は初めて男に抱かれた。
それは唐突かつ不可抗力としかいいようがなかった。
男は何故か俺の秘密を知っていた
おちんちん
そう、生殖器の機能を俺は海外での事故で失っていたという事を事前に男は知っていたのだ
俺の沽券と股間に関わるデリケートな問題だった。
当時、俺には婚約者がいて婿養子となる身だった
彼女はそんな俺でも良いと言ってくれていたが、
彼女の両親は生殖機能のない男との結婚を許さないだろう
彼女は1人娘で子供が産まれないとしたら名家の血筋が絶えてしまう
彼女の両親には絶対に知られるわけにはいかないのだ
男は臭かった
いつも大量のコロンを使用しているスカした奴だった
当主の秘書であった奴は俺の身辺調査をして秘密を知ったのだ
俺は奴に服従するしか方法がなかった
そしてあの悪魔は俺にこう言った
「さあ絶望を見せてやろう。恥辱と快楽に咽び泣くお前自身の姿をな」
そこにはビデオカメラに映る無様な俺の姿があった。
俺は京子のことを片時も忘れたことがなかった。
しかし俺はあの時、ただ目先の快楽を求め続けていた。
男の眼鏡には何かに縋るような俺が映っていた。
ネクタイをきつく閉めすぎて、男は俺は死んだ。
男に惹かれた俺の京子への愛情というアイデンティティは、
…完全に死んだ。
今年の夏、また新しいアイデンティティを手に入れる


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