創作発表板 ロボット物SS総合スレ まとめ@wiki内検索 / 「3-part1」で検索した結果

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  • 3-part1
    それがなにか?と問われるならば舞踊だった。 一人の少女は町外れの小さな劇場の舞台で踊る。 少女の衣服は赤を基調にした軽いもので肩から腰まで伸びる羽衣が特徴的だった。 少女の舞踊がみるも無様なものだったのか?と問うならばそれは否定される。 いや、もし形容するならばそれは天女を思わせるような美しさがあった。 暗い舞台に一つのスポットライトという演出がまたそれに妖艶な…とでもいうべき美しさを与えていた。 見るものの心を掴む美しさ、これこそがまさに天から彼女に与えられた才能だったのだろう。 その最中、彼女は宙に浮く。 飛び跳ねたような様子もなく、本当に宙に浮き、留まった。 少女は宙に浮いてそのまま舞踊を続ける。 これこそが彼女の一族が代々口伝してきた技術であり、秘術だった。 人はそれを天女舞と呼ぶ。 もし、何も知らぬ人が見るならば劇場は驚きに声にならない声を上げて感動し拍手...
  • 3-part5
    「ちょっと、待ってくれないか?」 クーガの発案した妖魔撃退案を踏まえ、これからのシャドウミラージュの行動に決を採ろうとした時の事だった。 一人の男が立ち上がった。 眼鏡をかけた細身の男。 そう、この会議でクーガの発言をことごとく反対してきたレイズだった。 「決を採る前に一つ、クーガ・ラグナグに一つ聞いておきたいことがあるんだがいいだろうか?」 「いいだろう、認めよう。」 場を仕切っていたホークアイはそれを認める。 クーガはそれを見て、まだレイズが折れていなかった事を知る。 この男とはどうも平行線を行くことになりそうだ、とクーガはその時、思った。 「今更なんでしょうか?あなたの言ったことに対して全てこちらなりの対論を用意し答えたつもりですが・・・。」 「そうだな。」 レイズは即答した。 「簡単に認めるんですね、それではこれ以上、何を言いたいんですか?」 きっと、ま...
  • 3-part3
    リング状の円盤の上。 そこには二機の鋼機が立ち双方が太刀を構え向き合っている。 その片方の鋼機の中に自分はいた。 目の前のモニターには一機の黒い鋼機。 ただ、ただ、ただ、全ての区切りを付けたかった。 相手は祖父を陥れた張本人、そして――に陥れられた被害者。 ジャミング。 決着が付く。 傷ついたものが復讐を傷をつけた者に復讐を行いその結果傷ついた別の人間がまた復讐を行う。 言うなればこれは復讐の連鎖だった。 それを終わらせたかった、それは相手も同じだったのだろう。 だからあの男は最期に言ったのだ「俺にはなるな。」と・・・。 それは善意だったのかもしれない、違う道を行くことで永遠に苦しめという意味だったのかもしれない。 ――おい リプレイ。 映像が巻き戻される。 二体の鋼機の剣戟が始まる。 片方は二刀、もう片方は一刀だった。 二刀を持つ鋼機は...
  • 3-part2
    「はぁー、では話の続きをしようか…。」 溜息を吐きつつカタリナは心底疲れたように椅子に腰かけて、背もたれによしかかった。 「だよな、お前が話を脱線させるからだぞ、話が進まないのは…。」 セイムが頷きながら言う。 そう言うセイムを見てカタリナの体が震えている。 それが寒いとか何かに怯えているとかそういう震えでは無いのはクーガの目から見ても明らかだった。 「ん?どうしたカタリナ寒いのか?」 鈍感なのか、わかってやってるのか、セイムはさらに追い打ちをかける。 「こういう時はちゃんと言わないと駄目だぞ、カタリナ、施設でも言われてたじゃないか、紫陽花組のカタリナちゃんは口籠る癖があるので――」 「あのな、少し、黙ろうな?な?」 出来るだけ平静を装っているつもりなのだろうが、それでも抑えきれない怒気が彼女の体が漏れてきていている。 傍から見ているクーガでも足に震えを感じた程だ。 ...
  • 3-part4
    「あくまで可能性にすぎない話ではあります…。」 報告者はクーガの解答に補足する。 「うーん、というか十中八九確定かな、ディスプレイを見てみて…。」 ミナはそう言って、ディスプレイの方を指さした。 ディスプレイにはここら一帯の地図が映し出されておりそこに地区ごとに数字が散りばめられている。 「これは明後日の妖魔達の各地で分布を表したものだったよね?」 ミナの問いを報告者は肯定した。 そのままミナは続ける。 「となると北東部の大体…そう、大体この辺りかな、ここに一つの集まりができてるよね?数にして20前半の個体数といったところじゃないかな? 『名無し』があるのは北部のこの辺りだったよね?」 ミナがディスプレイの地図を北部を指さした。 そこは『名無し』ある地区である。 そこからほんの少し北に妖魔の群れが集まっていた。 「まあ、皆、知っての通り妖魔達は馬鹿じゃない、そもそ...
  • 3-part6
    D型鋼機D-40 グレリーナ・コックピット。 クーガの大声はスピーカー越しにミナの鼓膜に大打撃を与えていた。 「あー耳がキンキンする、もっと音量下げて喋ろう?」 からかいがいがあって中々に可愛いものだとミナは思う。 名誉騎士と聞いてどんな奴が来るのかと思っていたのだが、思いのほかまとも、いや、ある種抜けている奴で面白い。 それがクーガへのミナの評価であった。 「あのな―――」 クーガが言葉を続けようとしたその時、レーダーが音を鳴らす。 さきほどまでの軽い空気と違う、重たい空気が一気に流れる。 妖魔の反応だ。 「数は24、獣種の群だ、目的地についたみたいだな。」 「把握、打ち合わせ通りに落としてくれればいいよ。」 「了解、でも本当にこれでやるのか?フライトユニットもなしに・・・。」 ミナは深呼吸する。 ここからはミスが許されない。 心を冷たく細く保つ。 今から...
  • 2-part1
     童が泣いている。  その童の周りにあるのは数多の死体。  頭を砕かれた死体。  腕を潰された死体。  頭から下が無い死体。  腸を引きずり出された死体。  頭から脳髄が引き出された死体。  死体、死体、死体、死体、死体、死体、死体、死体。  見渡す限りの死体の山。  原型を留めていない死体も多く、もはやそれが元はどのような人間だったのかもわからない。  ただ、その死体から流れ出る血が辺り一面を染め血の海と化している。  そこら中に臓物が散乱しており、血で満たされたその地は誰が見てもそこは地獄にしか見えなかった。  ただその中心で童の泣き声が響いていた。  ―シャドウミラージュ 第2話― 「飛翔する鋼」 「あ~熱い。」  荒野を走るトレーラーの中、そこには男が二人いた。  一人は銀髪で黒い瞳の男。  もう一...
  • Spartoi
     高校全体が静まりかえった試験期間中の放課後、尾崎晴道は謎の少女・来栖貴子にゲーム対戦を挑まれる。 『神速機動ラゲリオン』。この精緻な戦術性が売りのロボット格闘ゲームでネットにその名を轟かせる晴道は、しかし周囲には秘密にしていたはずのそのHNを言い当てられて動揺する。  美しくもどこか異質な雰囲気を備えた貴子に誘われるまま、携帯ゲーム機GPGでの対戦に臨む晴道。少女の正体、そして目的は何なのか? ゲーマー少年尾崎晴道の、新たな『ゲーム』が幕を開ける。 Spartoi_001 Spartoi_002 Spartoi_003 名前 コメント
  • 2-part5
     第三機関の停止、これは『Polar Acceleration Mechanism』、略称PAMの停止を意味する。  第三機関は当初の予想であった8秒を待たず停止してしまったのだ。  別にこれは予想外の事態というわけではなかった。  そう元々、先の泥種との戦いで受けたダメージにより第三機関がなんらかの損傷を受けたとAIは自己診断していた。  その為、今回の戦いにおけるPAMの使用は危険と判断されプロテクトがかかり、使用することが出来なかった。  つまりはそもそもこのPAMの起動は第三機関がなんらかの理由で爆発し、機体ごと消滅するという事態が起こってもおかしくはなかったというような状況であった。  そう、今の状況は幸運といえる。  第三機関の異常による機体の自爆、そしてそれによる搭乗者の死、その最悪の状況は回避できたのだから。  だが求めたのは最高の稼動だった、想定できる中で...
  • 2-part4
     ―――左脚部 電気神経切断  ―――――右腕肘部 破損、右小指 破損  状況Dと判断  機体の放棄と自爆を推奨  D-42スラッシュゲイルのコックピット内にあるモニターに機体の状況が表示される。  それは今、自身がどれほど窮地にあるのかを示していた。  左足の電気神経が無理な高度からの着地、そして即座に走るという行動を取ったために機体の脚部に多大な負荷をかけてしまったようだ。  もはやスラッシュゲイルの左足は地面に踏ん張る事すら出来ない、無用の長物に近いものであった。  また、右腕も動かなくなったとまでもいかないまでも大きなダメージ受けている、ワイヤーで機体を引っ張った際、それに直結していた右腕に機体の全体重がかかった為だろう。  無理な動きはさせることは出来ないという事は想像するのに優しかった。  クーガはスラッシュゲイルにムラマサを鞘に刺し込み、それをつっ...
  • part1
     その時からずっと俺は考えていた  死とはなんなのだろうかと  生物ならば必ず死ぬそれは誰もが逃れられぬ宿命だ  それは人にとっては最大の恐怖であり  誰もがこれから逃げようとする  だが人とは不思議なもので自己犠牲ということをすることがある  自分がなによりも大切にしていた命をとあるきっかけを元に簡単に投げ出してしまうのだ  人間とはなんて馬鹿な生き物なのだろうか…  でもそれをしたものは後悔をせずに逝ったのかもしれない  シャドウミラージュ 第一話 「贄」  「み…ず…。」  その時、俺は死にそうなぐらい喉が渇いていた。  なにせもう5日も食べ物どころか水すら飲んでいない。  いくら体を鍛えてあろうがこればかりはもうどうしようもない。  ここ数日間はありえないことばかり起こる。  「あつ…い…死ぬ。」  なんとして...
  • 2-part2
     俺は機体に乗り込み、機体の起動の準備をする。  起動プログラム   認証パスワード…認証  網膜スキャン……本人と認定  搭乗者心拍数…安定  機関…第一機関――――正常、第二機関―――正常、第三機関――――破損の疑いあり、この状況で起動するのは危険です。  知るか、そんな事気にしてたら、どっちにしろ俺達は全滅だ。  素早くパスコードを入力する。  強制起動コードを確認―――0078787認証  無線からセイムの声が聞こえてくる。 「30秒で貨物コンテナごと切り離す、準備はいいか?」  俺は素早く起動の手続きを踏み、起動コードを入力していく…。  各部のチェック―――  背部ブースター全壊、右腕部、左脚部の電気神経に異常の可能性あり、左手、小指破損  様々なダメージが報告される。  その時、トレーラーの運転席側から大き...
  • 2-part3
     クーガと妖魔達との戦いの数日前の地下室。   周りには数々の細かい部品や設計図、電子機器が放り投げるように置かれている。  その部屋には二人の男女がいた。  男女といっても恋人同士や夫婦などというような間柄には見えない。  片方は眼鏡をかけた白髪の老いた男性でだらしなく白衣を着ている。  もう一方の女性は口にタバコを加えた女だ。  黒髪の長髪が特徴的で、黒いスーツを着ていた。  まあ、あえて言うならその大きな胸のふくらみは目の毒だと回りからは言われている。 「しかし、ここでタバコを吸うのはやめてくれんかのぅ・・・カタリナ、老体には色々堪える」  黒髪の女性カタリナはそれに対し 「くく、あんたみたいな奴が堪えるって?くくくく、あんたみたいな変態親父はたとえここでスパナを脳天目掛けてぶつけても死にはしないよ」  カタリナはそれを心底おかしそうに笑う。 「まったく、ワシ...
  • シャドウミラージュ
    シャドウミラージュ 第1話 「贄」 part1 part2 part3 part4 part5 part6 あとがきじみたもの+? 舞台設定 第2話 「飛翔する鋼」 part1 part2 part3 part4 part5 あとがき+α 舞台設定 第3話 「変幻する糸」 part1 part2 part3 part4 part5 part6 エピローグ おまけ あとがき+α 舞台設定 鋼機設定 妖魔設定 世界観設定
  • 四話:【Red Dragon Part1】
     街中で銃弾が飛び交う。その中を平然と歩く男と、背後をついて回る少女。男が歩いた道の後にはスクラップと化したアンドロイドが横たわる。  次から次へと現れるアンドロイドの襲撃者は、どちらが機械か解らない程の正確な射撃で破壊されていく。  警官に見つかれば面倒だが、敵が代わりに片付けてくれているようだった。。 「所構わず撃ちやがって。街を戦場にする気か?」  ハタから見ればそこは既に戦場だが、ヘンヨにはまだそうは思えない。なぜならば、彼は本物の、それも最悪な戦場をよく知っているからだ。  それに比べれば、今の状況などちょっとしたアクシデントに過ぎない物だった。 「どうやって逃げるの……?」 「今考えてる。安心してついて来ればいい」  四話:【Red Dragon Part1】  今、ヘンヨはアイス店の裏口から出て道路へ面した建物の角に...
  • カインドオブマシーン
    カインドオブマシーン 一話:【1st impression】 二話:【豚と美女とメタルボディ】 三話:【襲撃、再び】 四話:【Red Dragon Part1】 五話:【置いてけぼり】 六話:【無価値な者共 1】 七話:【無価値な者共 2】 八話:【無価値な者共 3】 九話:【万魔殿】 十話:【Red Dragon Part2】 十一話:【サルベイション】 最終話:【Kind of Machine】 【エピローグ】 カインドオブおまけ 【a kind of Santa Claus】
  • Spartoi_003
    ○5  閑静な住宅街の一角に、その高校は敷地を広げていた。  校庭に隣接する私鉄駅はもう下校する生徒たちをあらかた吐き出し終えて、プラットホームは閑散としている。校門に面する狭い道路にも、この高校には無関係の往来があるばかりだ。  午前中のうちに定期試験を終え、放課となって数時間。すでに学生の姿は外ではほとんど見られない。  常日頃からそうであるように、この県内有数の公立進学校に通う学生たちのほぼ全員は今日この日も、校則が定めるところと自らの目標が要求する行動規範へと従順に従っていた。  だから彼ら彼女らの大半は明日以降に残った試験に万全の態勢で臨むべく、各々に自分を律して励んでいる。ほとんどの生徒は早々に下校して自宅や予備校へ向かうか、あるいは図書館の整った環境で勉学に励むかだ。  あえて禁止を破って部活に励む者、教室や部室に居残って友人同士の談笑や、人気のない校内でここぞと...
  • part3
     よく見れば血痕は一箇所ではなく神輿の上にマバラにあった。  一体、この村でなにが行われている、何があった、この血が示す事実はとはなんだ?  自分が知るうる知識を総動員して考える。これがこの村の隠したい秘密に繋がる手がかりである事は間違いない。  何故、この村を守るために人が血を流さなければならない。何故、血を流すことで村を守れる。  人の血を欲するものは何だ、人の血肉を必要とするものは何だ…。  そもそもなんで『ミムがここにいる』んだ。 「そうか、つまりこの村は…」 「そうです、この村は妖魔と取引した村なんです。」  彼の顔を見ればわかる。おそらくは彼はこの村の秘密にほぼ気づいてしまっているのだろう。   もう隠す事は無理だ…ならば私が出来ることは一つしかない。 「もう、隠す事は無理なようですからお話します。ただ、お話をする前に一つお願いがあります...
  • part5
     私は儀式台に儀式用の白いドレスを来てそこに立っていた。  神輿に担がれて私に付いてきていた村人達ももう村に帰った。  色々な謝罪の言葉を言う人もいたが、やはり妖魔と相対するのは怖いのだろう。  後ろにいるのは儀式の執行を見届ける儀式の執行人だけだ。  これで良かったんだと思う。クーガさんは生きて村から出られるんだし、村人達も守られる。  彼が私を救ってくれるというのはちょっとした夢ではあったけど…  まあ、仕方ないかと思う。  だってそんな事は夢にすぎないのだから。  夜が深くなり半月が強く輝く、そのとき大きなうなり声が聞こえた。  黒い覆面を被った儀式執行人が手をあげる。 「偉大なる妖魔グラス様、我らが月が二分にされる時に生け贄を捧げに参りました。」  大地が割れるその中から巨大なものが飛び出してきた…。  形容するならば蛇だろうかただその大きさは蛇などとは段違...
  • part6
     なにが起こった?  俺にはそれがまったく理解できなかった。  たしかに先ほどまで妖魔は今、俺が向いている方にいたはずだ。  一瞬で背後まで移動したっていうのか?  俺は即座にブーストをかける、だが驚愕に囚われたために反応が一瞬遅れた。 「ちぃ…。」  回避は不可、ならばせめて衝撃を反らす。なんとしても直撃はさけなければならない。 「ぐおっ。」  機体全体から衝撃が走る。  その衝撃に耐えながら、機体の状態をチェックする。  背部ブースター大破   左腕損傷軽微、第一指の動作不可  右脚部損傷軽微  腹部の回路―――  様々な情報がディスプレイに映し出される。  それを読み取り、現在の機体の状態を確認する。  背部のブースターを失ったのは痛い、これで先のような緊急的な急加速が出来なくなってしまった。  だがそれ以外においてはまだ動く、動作にお...
  • part4
     目を覚ます…俺が起きたところには彼女がいて…笑いかけてくる。 「まったくあなたが朝に弱いのはあいかわらずですのね」と呆れた顔で言ってくる。  まったくこの人も相変わらず、自分の立場を理解しているのかわからない人だ。  ―――  目を覚ます…俺が起きたところは鋼機の中で、目の前には鋼機が一体いて襲い掛かってくる。  そしてあの男が下劣な笑い声を上げて言う。 「所詮、貴様はあの男の血を引いている、そんな男に誰かを守ることなどできんよ。」  ―――じゃない  目を覚ます…円盤上、決闘場、あの男との最期の戦いの場所。  己の存在意義を賭けた戦いに負けた男はこう言って奈落の底に落ちていった。 「さよならだ、クーガ…お前は俺にはなるな…決してな…。」  今はこんな夢を見ている場合じゃない!!!!  そうして俺は目を覚ました。  そこは石と...
  • part2
     そこは暗く、寒い空気の漂う場所だった。  清潔さを保とうとしている為か、消毒薬の臭いが充満しており、最初はその臭いを吸うだけで気分は悪くなる一方だった。  だが数日間過ごす内にその臭いにも慣れた。嫌なのは自分にその臭いが自分に染み付いているのではないかという事だ。  私は、そこで待っていなければならない。  「儀式」が始まるまでそこに待っていなければならいない。  私のすぐ横には明日着なければならないドレスがある、白でコーディネートされたそれは美しいものであったが、私には自分の人生の終点がどのようなものか嫌でも教えてくる。  明日そのドレスは真っ赤に染まる、純白なそれは赤い液体に染まり、そして黒く変色していく…  それを思い描くたびに私は酷くここから逃げ出したい思いに駆られるが、それは出来ない、そしてしてはいけないことなのだろう。  そんな中、ある男の事を思い出す。  ...
  • Spartoi_002
    ○4 「尾崎くん。君、サッカーは好きかな?」 「……え? いや、……別に……」 「面白いよね、サッカー。運動量多いし、ゲームのテンポも早いし。キーパー以外、基本的に手とか使えないし。でね、私、思ったんだけど――」  なぜ持っていたのかもよく分からない鍵で体育館の扉を開き、下駄箱から持ってきた体育館シューズへ足全体を押し込むと、無人の館内すべてを輝かせるような笑顔で少女は言った。 「サッカーしながら空いた両手でゲームも出来たら、もっと最高に面白いよね!」 「…………、は……?」  相手が何を言っているのか分からない。  思考と表情を完全に停止させた晴道の前で、来栖貴子は制服姿のまま両足に体育館シューズを整える。照明も落ちたまま無人の体育館へ勝手に上がり込み、奥の倉庫に消えていく。  そして引っ張り出してきたのは、車輪付きのスコアボードと、腰までの高さの直立式の足付き網が一対...
  • Spartoi_001
    ○1  その少女は、後光を背負って現れた。 「尾崎晴道君。君、このゲームが上手いんだってね」  夏の日差しは昼下がりのころを過ぎても、まだ勢いを失っていない。だから窓から差す白い閃光は、踊り場に立つ少女の影をひどく鮮明に切り抜いていた。呼び止められて首だけで振り向く、少年の顔へ刻みこむように。 「――は?」  唐突な呼びかけに振り仰いだ少年の網膜へ、少女は強烈に焼き付いてくる。  太陽光の粒子を艶やかに孕んだ漆黒の黒髪が真っ直ぐ、胸あたりにまで降りている。女子としてはやや長身の部類だろう。制服の下の身体は細くしなやかに引き締まりながら、女性の甘みを要所要所に主張していた。  涼しげな目をしている。口許には飄々とした、得体の知れない余裕がある。はっきりと整った目鼻立ちは凛々しくも得体の知れない不敵さを発散しながら、独特の圧力を伴って階下の少年を見下ろしていた。 「これだよ、こ...
  • ヴィルティック・わっふる! Heart to Heart 予告
     黒煙が立ちこめる街を、指先に備わった小型のビーム砲で破壊しながら、鋼鉄の巨人が数機、闊歩していた。  目玉の様な、だがしかし無機質なカメラアイが、上下左右と絶え間なく動き続け、見る物を威圧した。  イルミナスの無人機、マリオネットだ。対人戦を目的とされたそれは、必要最低限の機能しか持たされておらず、対アストライル・ギアには不向きな機体である。  だが、問題はない。抵抗組織には、もはや満足に戦えるアストライル・ギアなど数える程しか残っていないのだから。  ぬいぐるみを抱えて、一人の少女が瓦礫の中を逃げ回る。背後には複数のマリオネット。絶望的な状況に心を折られそうになりながら、少女は叫ぶ。 「誰か、助けて……!」  果たして、少女の願いは天に届いた。突然、マリオネット達が爆散したのだ。  何が起こったのか理解できない少女の眼前に、黒衣を纏った仮面の戦士が舞い降りた...
  • 十話:【Red Dragon Part2】
     白い尾を引き、高速で飛翔する鉄の塊。困惑するアンドロイド二体の横をすり抜け、するすると飛んで行く。  それは向こう側にある建物の変電設備に命中した。爆発と同時に白い火花が散り、二度目の爆発。  直結十センチ程のロケット弾一つで、その建物は電力供給を止められる。だが、すぐに施設内部の予備電力が回され、全開とはいかないまでも、またぼんやりと暗闇に光を燈す。 『なんだあいつは!?』 『社長に報告……いや、通報しろ!』  建物の前にある守衛小屋に居た二体のアンドロイドは有り得ない事態に困惑する。  ロケットランチャーで襲撃など、そこらのギャングやマフィアでもやらない。どう考えても攻撃そのものが目的のテロリストの襲撃に思えた。 『早く通報しろ!』 『ダメだ! 回線がやられてる!』 『最初の一発目でか!?』 『解らない! 内線を繋げ! 社長に逃げるように――うわ...
  • パラベラム!
    パラベラム! 本編 Prologue Episode 01 春の陽気と白ウサギ ~どこの誰かは知らないけれど~ Episode 02 鈍色チェイサー ~本日ハ厄日ナリ~ Episode 03 舞い降りた、漆黒の巨人。 Episode 04 激突、黒騎士vs白ウサギ~乱入してくるとはとんでもないやつだ~ Episode 05 ――――それでは諸君、慎ましくいこう。 Episode 06 なんでも屋“やおよろず”へようこそ! (接触篇) Episode 07 なんでも屋“やおよろず”へようこそ! (接触篇あなざー) Episode 08 『なんでも屋“やおよろず”へようこそ!』(発動篇) Episode 8.5-A まずはお互いを理解するところから始めましょう 前篇 Episode 8.5-B まずはお互いを理解するところから始めましょう 後篇 Episode 09 はじめてのおつかい~...
  • 長目氏
    イラスト ROST GORL  Sweet joke, Bitter Heart  ティマ ep.1より,ティまつり,epilogueより  マキ・シゲル ある男の個性について パラベラム!  この先生きのこるためには  一条遥 励まし遥さん,リアル遥さん  リヒター・ペネトレイター Schwarz Ritter  ヴァイス・ヘーシェン SD壁紙  リタ・ベレッタ Episode8.5より,SDきょうのわん子,珍獣リタ 廻るセカイ  タイトルロゴ Diver s shell  第一話冒頭(漫画風)  メリッサ&ウィスティリア The Oppai Empire  ジュリア&クラウディア ぼくのかんがえたDS2ひろいんず 武神鋼臨タケミカヅチ  春日・祈 嘘パイスー 記念絵  10スレ突破記念絵「メンズ」,間違い探し  20スレ突破記念絵「ロリーズ」  30スレ突破記念絵「ボインズ」  40ス...
  • eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ―― Act.9B
    「――よし、これで準備完了だ。」  リョウの手によって立ち上げられたディスプレイ群。  青を背景にどの画面にも等しく“Xi‐column”という文字が並ぶ。 「あとは……ディー君、これを。」  そう言い手渡されたのはいかにもと言った感じの物々しいヘッドギア……らしき何か。  黒い革張りに無数の電極が打ち込まれており、それから伸びるケーブルのどれもがXiカラム本体へと繋がっていた。 「それを付けて瞳を閉じ、知りたい事を頭にはっきり思い浮かべるといい。後はXiカラムが何とかしてくれる。」 「これを被って、なぁ……」  手に取りまじまじと見つめてみる。  作り自体は嫌にしっかりとしているのが却って怪しさを倍増してくれている。もうちょっと何とかならなかったんだか…… 「見た目は被れば気にならないよ。」 「そりゃ見えないもんな……」 ...
  • ARTIFACT LEGACIAM
    ARTIFACT LEGACIAM 第一話 第二話 猫とマシン 第三話 ファーストステップ 第四話 バタフライ・ドリーム 第五話 夏の扉 設定
  • Episode 13-B:Si Vis Pacem, Para Bellum――汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ。 後篇
    ひとしきり適当に暴れ回り、耳障りな警報が鳴り始めたのを確認して、レオン――――フォルツァ・レオーネは心中でほくそ笑んだ。これでようやく、戦える。  パワーレベルを徐々に上昇させていく。全身に力が漲ってきた。  足音が近付いてくる。数は二、オートマタと人間が一人ずつだ。 <来たか、リヒター・ペ……>  だが、そこにいたのは、赤毛の男と青いオートマタだった。どちらも手にはポールウェポンを保持している。 「誰だお前……誰だぁお前!?」 <今のは大事な事なので二回言いました> <あの……リヒト様もヴァイス様も真面目にやってください>  どうやら男の持っているそれはオートマタのようだ。しかしながらこのお笑い劇団っぷりは、アンサラーの連中にも勝るとも劣らない。 <ほ、ほら、レオーネタイプの人が哀れみの目でこっち見てますよ! あの、すみません、ここで暴れるのはやめてい...
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  • ヴィルティック・わっふる!
    注意 ※この作品も二次創作であり、本編のヴィルティック・シャッフル、ビューティフルワールド、パラベラム! とも深い関連性はありません。多分。 ※それゆえ、一部というか殆どのキャラの立ち位置、性格が本編のキャラとは違っております。予めご了承ください ※なお、この作品を読む時は、部屋を明るくしてモニターから20mほど離れてご覧ください。 ※それとこの作品を読んで気分が悪くなった、頭が悪くなった、命中率91%の攻撃が避けられた、  星のカービィスーパーデラックスのセーブが消えた等の苦情は受け付けません。予めご了承ください。                      それでは本編をお楽しみくださるといいよ。 Episode 01 Start! Episode 02 Shout! Episode 03 Strike! THE LAST Episode Vi・Vid! Epilog...
  • 連載中作品紹介
    ロボット物SS総合スレにて連載中の作品の紹介です。 【荒野に生きる(仮)◆8XPVCvJbvQ】 再生暦164年、コンクリートの荒野が広がる未来――。 獣の耳と尻尾を持つ「ヒューマニマル」の少女達はひたすらに戦う。対鋼獣用人型兵器・ヴァドルを駆って――!! 怪獣VS獣耳っ娘!? 話題騒然のデスマッチ!! 【CR ―Code Revegeon―◆klsLRI0upQ】 これは、悪夢に立ち向かうちっぽけなひとりの人間と、「怨嗟の魔王」と呼ばれた機神の物語。 アンノウンの襲撃で家族を失った潤也は、漆黒の鋼機・リベジオンの玉座に身を沈める。反逆と復讐を遂げるために……! 人類震撼! 暗黒のレコードオブウォー! 【瞬転のスプリガン◆46YdzwwxxU】 スーパーカーから伸びる鋼の腕――神速の挙動と極微の制動を可能とする、エーテル圧式打撃マニピュレータがその正体! ...
  • 作者別・作品一覧
    TロG◆jj8wkTPAaY氏 ROST GORL +... 小雨の降る夜、ロボット修理士マキ・シゲルはひとりの少女と出会った。 彼女の名はティマ。鮮やかな金髪と透き通った青い目を持つアンドロイド。 「空箱を埋める空箱」でしかないはずの彼女の中に入っていたのは、「心」と「秘密」―――― ヴィルティック・シャッフル +... 普通の少年・鈴木隆昭の前に現れたのは、普通じゃない少女・メルフィーだった。 時を同じくして、平穏な日常に忍び寄る悪魔、オルトロック・ベイスン。 その「カード」を引く時、「未来」は訪れる。果たしてそれは「希望」か、「絶望」か―――― 1スレ目16氏 厨二病万歳 ◆rTnJeRmLss◆NN1orQGDus氏 へなちょこロボット 1スレ目44氏 SRWOG out runner 1スレ目562氏 マクロスF ランカ ◆9MC6FR8U...
  • 投下順・作品一覧・2
    番号リスト ◇見出し page1 投下順・作品一覧1(1~50)各号機ジャンプ 1号機作品名:白銀の騎士 作品名:厨二病万歳 作品名:へなちょこロボット 作品名:幸せな終末 ─ 「意味」 作品名:SRWOG out runner 作品名:堕天雷人 星海王 作品名:マクロスF ランカ 作品名:荒野に生きる(仮) 作品名:パラベラム! 作品名:電光石火ゼノライファー 2号機作品名:瞬転のスプリガン 作品名:CR ―Code Revegeon― 作品名:『ロボットのロマン』 作品名:ザ・シスターズ 作品名:ノリと勢いだけで書いたモノ 作品名:ハルとデイブ 作品名:海上都市姫路守備隊戦記 作品名:tueun 作品名:最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ 作品名:劇場版ネクソンクロガネ 異世界からの来訪者 作品名:シャドウミラージュ 3号機作品名:少女機甲録(仮) 作品名:スーパー創作ロボ...
  • Episode 13-A:Si Vis Pacem, Para Bellum――汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ。 前篇
     たまと別れてから野良の襲撃にこそ遭遇しなかったものの、戦闘に巻き込まれていたせいで車体が少なからずダメージを受けていたようで、途中で停止して点検と修理をする事になった。  おかげでリタとライ、スティーヴは大忙しだが、他のメンバーは客車の中で暇を潰すはめになる。  修理は思ったよりも長引いてしまい、気付けば東の空から太陽がひょっこり顔を出している時間になっていた。  早く寝た遥とまどかが起きたのと入れ代わるように、リタとライが夢の世界へ。リヒトとルガーは夜遅くまで起きていたらしく、未だ睡眠中だ。 「出発進行」  どこか疲れを感じさせるスティーヴの合図と同時に、再び列車が走り出す。目的地は、もう目と鼻の先だった。 「遠くで見ても凄かったけど、近くで見るともっと凄い……」  立ち込める朝靄と乱立する針葉樹の中をどこまでも伸びている巨大な塔を列車の窓から見上げて、遥が...
  • GEARS
    GEARS 第零.五話前編・後編・終 第一話 第二話 第三話 第四話 第五話 第六話 第七話 第八話 第九話 第十話 第十.五話 第十一話 第十二話 第十三話 第十四話 第十五話 第十六話 第十六.五話 第十七話 第十八話 第十九話 最終話前編 最終話後編序・終 最終話後編.5話 EPILOGUE GEARS in X mas GEARS in X mas 2010 GEARS in Halloween 設定
  • ヴィルティック・わっふる! Episode 01:Start!
     自宅に到着。鍵を開けると、既に玄関と言うか部屋が明るかった。  珍しい……お父さんもお母さんも妹の彼方もまだ帰ってくる時間じゃないと思うんだけど。まぁ、そういう事もあるのかな? 「ただいまー」  声を掛けたけど、反応無し。もしかしてシャワーでも浴びてるのかな。という事は、帰って来たのは、カナ?  耳を澄ましたがTVの音は無し。お父さんなら帰ってきたらまずTVを付けるから、お父さんでも無し。そして最後の線。  私がただいまーと言うとすぐにおかえりーと返してくれるお母さん。しかし声が何も返ってこなかったからお母さんでも無し。  この伯方の塩よりしょっぱい推理からして導き出される答えは、カナ。それにしても最近は部活が忙しいからこんな時間には帰って来ないはずなんだけど、どうしたんだろう。  外が暑かったし、汗掻いてるからシャワー浴びたかったんだけど……カナがシャワー使...
  • 3-おまけ
    『メイガス』 これはとある一族の繁栄と衰退を書き記したものである。 その一族は代々、一つの技術を口伝で血縁者に伝承を行っていた。 それは剣糸術と呼ばれる技能だった。 十指でそれぞれにつけた糸を操る。 術者の意思で自由自在に動く糸は遠くにある人形を他者に気づかせないように動かしたり、糸を用いて自分の体を持ち上げてまるで空を飛んでいるように見えたりといったようなモノであった。 何も知らない人間から見ればそれはまさに魔法だった。 彼らはそれを扱い一つの劇団を作り上げる。 劇団「幻想館」。 剣糸術を用いて行わる演目の数々は幻想的であり妖艶であり多くの人々を魅了し、大きな人気を呼ぶことになった。 この高い人気が王都にまで届き、ついには国からメイガスという魔法を扱う者という意味を持つ芸名が送られた。 おそらく、これがこの一族の絶頂期であっただろう。 ある日、幻想...
  • SPORTS・GEAR・EPISODE
    ※この作品はGEARSを元に作った二次創作であり登場する人物、団体、その他諸々は一切関係ありません。  各作品の権利は作者様のものであり、無断使用を深くお詫びいたします。   スポーツ・ギア 規則要綱 十七番 二十三章  チームバトルにおいて、ギア同士の合体を禁止する。  この文章が作られたのはおおよそ五年前。統合暦でいうと365年頃です。  ギア・バトルを見ないでこの文章読んでも疑問に思う人は絶対にいないでしょう。  もちろんこれとは別にバトル中の換装や装備の交換など、そういった部分に関することも当然書かれています。  しかし、何故私がこの一文を抜き出したのか。それが今回のお話のメインです。  それでは参りましょう。  SPORTS・GEAR・EPISODE  事の起こりはビッグボンバーズ対ブロンズイーグルズのマルチバトルから始まった。  マ...
  • eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ―― Act.3B
    ――Alice. part  この街の空は汚い。  粉塵にスモッグと様々な有害なモノを溶け込ませ、黒いベールとなって街を覆う。対策も碌々取っている様子は見られず、およそこの事で身体を病んでいる人も多い事だろう。 「………………」  だが私にとっては関係ない事だ。  この街の事はこの街に住む者達が決めるべき事。蚊帳の外の人間が一々口出すものでもない。 「………………」  ……今無意識に、自分の事を人間と言ってしまったが果たして本当にそうなのだろうか?  銀の装甲を身に纏い、身を包み、そもそも身そのものを銀として、存在するモノが  異形の式にて宙を舞い、工場群の上に佇むモノが  果たして人間なのだろうか? 「――――」  答えなど無いだろう。例えあったとしても、求める必要もない。  そもそも誰も――それこそ出題者である私自身...
  • 3-舞台設定
    シャドウミラージュ第三話 舞台裏設定集  ここでは第三話に出てきた用語や設定、三話のみに登場するものとかを説明していきます。  バレが入ってるので3話読了後に読むのがオススメです。  あとどう見てもネタなのは鵜呑みしないように、嘘はついてないけれど…。 【イアナーラ】  イングラ王国領土の南部に存在していた貿易都市のひとつ。  現在は閉鎖されているが、かつては地下列車を使い、イングラ各地に資源や商品を送っていた。  その為、商人達が集まり、ひときわ裕福な街だったが、クロロスペッツゥナに妖魔が救い始めた為、対抗する術もなく滅んだ(当時は第一次型の鋼機が主流) 【クロロスペッツゥナ】  山脈の名称である。  山頂まで森林がおいしげっているため、別名『妖魔の森』『深淵の森』とされる。  イングラで数少ないディールダインが採掘される場所。  その深部に...
  • 3-エピローグ
    【エピローグ】 夢を見ていた。 始まりはなんだっただろう…。 ああ、そうだ、母の笑顔だ。 母はいつも優しかった。 母は劇団『幻想館』の花形だった。 母の操糸は誰よりも綺麗だった。 糸を使ってまるで自分が空を飛んでいるように見せたり、遠くにあるモノを糸で使ってもってきてまるで物体が意思を持ったように動かす一族の技能、剣糸術を使い、見に来たお客さんに幻想を与えていた。 そんな母を持っていたのがあたしの何よりの自慢だった。 あたしは母のようになりたかった。 だからあたしがお母さんに糸操りを教えてもらうようにお願いしたのは自然な事だった。 初めてそう母に教えてお願いしたとき、母は少し困った顔をした。 そうして母はこういった。 「剣糸は一歩間違えれば人を傷つけてしまう、そんな危ない技能なの、だからね、お母さんと一つ約束しよう。絶対この技を他人を傷つける為に使わない...
  • Overture.
     「Overture.」  世界は末期症状を示しつつあった。  そして大昔に考えられた一つの巨大な概念、国家、政府、は徐々に力を失いつつあった。  人口爆発に伴う食糧不足、暴動、テロ、環境汚染、多発する紛争。それらを鎮圧すべく、国家群は自分達が所詮は砂上の楼閣に住んでいることに過ぎないこと自覚することもなく、軍事力を強めていった。  軍事産業とそれに繋がる、所謂軍産複合体は国家の需要に応え、瞬く間に膨れ上がり世界を席巻するまでになった。  国家は、その上層部は、気がつくことすら忘れていたのだ。  気がついたとき、六つの企業群は新たな秩序を構築すべく国家に戦争を仕掛けていた。脆弱なものは喰われるのが歴史の常である。  これが後の歴史書に記されることになる国家解体戦争であったことを、世界はまだ知らない。  ―――神話の御世にあって、神とは即ち力の象...
  • eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ―― Act.3D
    ――connection. part 「――――――」  影が見えた。  真っ白な背景に染みのような影。  カタチが定かになるに連れ、それが人の影だと分かった。  両手を広げ、大の字になった影。  更に鮮明になってくるとその奥に大柄な何かが見えた。  辛うじてヒトの形をしているが、それは人ではない。はっきりと見えていなくてもそれだけは分かる。 ――励起獣  「生」と「セカイ」をただひたすらに求めるこの世ならざる亡者。  地獄より響くような怨嗟の声をあげ、満たされぬ欲求を満たす為餓鬼の如くただ本能の赴くまま食らって、食らって、食らい続けるのみが行動原理にして存在意義。  だがその欲求はいくら食らったところで決して満たされる事はない。 「――――――」  だが食う事で満たされる事は無くとも、別な方法で飢えを満たす事は出来...
  • 投下順・作品一覧
    投下順・作品一覧1(1~50) 51~100はこちら 各号機ジャンプ ■1~10号機 +... ロボット物SS総合スレ 1号機 ロボット物SS総合スレ 2号機 ロボット物SS総合スレ 3号機 ロボット物SS総合スレ 4号機 ロボット物SS総合スレ 5号機 ロボット物SS総合スレ 6号機 ロボット物SS総合スレ 7号機 ロボット物SS総合スレ 8号機 ロボット物SS総合スレ 9号機 ロボット物SS総合スレ 10号機 ■11~20号機 +... ロボット物SS総合スレ 11号機 ロボット物SS総合スレ 12号機 ロボット物SS総合スレ 13号機 ロボット物SS総合スレ 14号機 ロボット物SS総合スレ 15号機 ロボット物SS総合スレ 16号機 ロボット物SS総合スレ 17号機 ロボット物SS総合スレ 18号機 ロボッ...
  • 04 page
    「―――リ、ユーリ、着きましたよ」 「…………んぁ」  車が止まった際のガクンという揺れに意識が覚醒する。  どうやら自分はぐっすり眠り込んでいたらしい、さすが荒野で運転することに特化した車なだけはある。  ……それとも自分の神経が太いだけだろうか。  目を擦りながらバギーを降りると、そこには見慣れた建物……小さな廃墟ビルがあった。  今ではここが、自分達のアジトである。  周りを見渡してみると、似たような建物がいくつかある。中には半壊した建物もあり、地面にはコンクリートの粉末や割れたガラス片が散らばっている。  錆びたドラム缶が倒れて中から得体の知れない液体を垂れ流していたり、鉄筋のはみ出したコンクリートの塊が落ちていたりと、この町の荒廃しきった様子が窺えた。  かつてはここも地脈の流れる『圏内』だったのだ、しかし――――数十年前だろうか、この辺...
  • War is over & This last game.
    『大華中央電子通信公司』 『大華中央グループ、大華中央電子通信公司のネットワークスペースへようこそ! シビリアンN25Y736X155FD28173-YUKARI-Yのネットワーク通信速度は230.3235 恒星系標準時誤差0.00752秒です 大華中央電子通信公司は高速で快適な情報通信を提供します』 ニア『最新情報の閲覧』 『最新のトピック 内惑星企業同盟、またも内乱か? EEI社とゼネカ社、小惑星アリタの開発権を巡って対立 ダイン社、新型航宙フリゲート「ダンタグラータ級」本日進宙 イオニス社の新合成食料プラント衛星、本日稼動開始 ウルス社の超遠距離通信衛星、破壊される ウルス社の防衛維持力に陰り? 株価低迷のオムニ社、シビリアンの契約解除と流出がついに200万人を突破 ニア『・ウルス社の超遠距離通信衛星、破壊される ウルス社の防衛維持力に陰り...
  • その1
    多元世紀元年、世界は崩壊した。 多元世紀一年。幾多の異なる次元の世界が交わり合って一年が経ち、世界の混迷は極限にまで達していた。 歪んだ闇の世界を破滅から救う為戦い続ける者達がいる。 本当に世界を救えるのか、最後は誰にも分からない。 未来は誰にも見えず、ただ目の前だけを見つめて突き進む。 限界知らずの戦いで、未来を阻む敵をブチのめし切り開く。 Si Vis Pacem, Para Bellum――汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ かつて百万人は住んでいたであろう都市は、廃墟となったビルが墓標のように林立するゴーストタウンになっていた。日々数え切れない程の車が行き交っていた道路は荒れ果てていた。縦横無尽に亀裂が走り、クレーターが幾つもあり、底の見えない穴が点在している。 在りし日の活気を全く感じない都市の荒れ果てた道路に、四体の鉄の巨人が静か...
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