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「重轟機譚ブラスバルター」(2010/08/22 (日) 17:52:24) の最新版変更点
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125 :名無しさん(ザコ):2010/08/17(火) 06:12:48 ID:/f8Ii7jQ0
ブラスバルタープレイしたんで燃料代わりに感想投下。
まず、好き嫌いがハッキリ分かれるシナリオという印象を受けた。
良くも悪くもノリと勢いで進んでいくから、ついて行けない人はとことんついて行けないという感じ。
戦闘中の行動によってポイントが増減する『ナイスガイシステム』も、
作品のノリについて行けない人には煩わしい制限にしかならないと思う。
あと俺が耐性ないからかもしれないけど、主人公とヒロインの恋愛模様は見ててムズムズしてくる。
描写が上手いか下手かと言うより、この作品だったら軽く流すくらいで良かったんじゃないかと思った。
批判的なことばかり書いたけど、俺はストーリーもシステムも楽しめた。
良い意味で頭の悪いノリとツッコミ所を「考えるな!感じろ!」で流せる人なら、プレイして損はないと思う。
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執筆日:2010-08-22
&bold(){【重轟機譚ブラスバルター】}
「SRC人気作家が集結し
一大シリアスオリロボ巨編を執筆
裏監督:RIOT
否監督:アン武
大監督:おずまん
総監督:ハシモト
超監督:ワトソン熊
※五十音順、敬称略
以上のメンバーが送りだす渾身のシナリオを見逃すな!」
オフ会を介して勢いとノリで突っ走り続けた産物。5割は公開者のハシモト氏の頑張りらしい。
誕生までに構想、企画3分! 制作2週間! だとか。
どのみち軽いノリで挑むのが最適だと思って遊んだら結果は予想以上に印象を残す代物だった。
※文章の見直しはできてもネタバレコントロールが不安定かもしれません。
「百聞は一見にしかず」と言い聞かせて書きあげましたが、ネタバレに敏感な方は注意を
※「一大シリアスオリロボ巨編」とありますが、これは今日日珍しい純粋なハッタリ表現です。
心の準備をして遊ぶ場合は理不尽系ギャグに挑むつもり、がオススメです
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&italic(){・絵と話}
画像演出面に関しては製作に取り組んだ経験がほとんどないので評価できてるのか不安だが、
二週間という製作期間とオフ会あがりのテンションでの進行を考えればよくできた方ではないだろうか。
主軸のナイスガイたちをめぐるお話はシリアスであろうと、ギャグであろうと、パッションみなぎる場面であろうと
&bold(){終始「考えるな、感じるんだ」を地で行く内容である}。これとテンポの良さが相まって、
あまり思考回路をフルに働かせなくとも、好きな人にはたまらない楽しみを味わえる。まさに言葉に偽りなし。
逆に「考えるな、感じるんだ」。その言葉に甘えを感じた場合は流石に楽しむのが厳しくなる。
なにせ全編、他にも辞典機能にすら漂うだけに、好き嫌いは激しく分かれるだろう。
脇道の恋愛模様は個人的にはどうにでもなった。ただ手抜かりがなく、青春描写に力の入り具合を感じる。
そのため人によっては目に付くかもしれんし、清涼剤になるかもしれんし、
自分のようにナイスガイたちの因縁の方に目を向けるためにそこそこ軽く感じ取る程度に抑えられるかもしれん。
一応、ある程度目を向けて感情を向けると終盤のサプライズに重みを感じることができる、というメリットはある。
あとこの項目における個人的な最大の難点は、
最終話では敵の全身画像が現れナイスガイでないごつさをアピールすることに成功した半面、
その反動でブラスバルターの全身画像が見られなかったことを再認識してしまったこと。
この点に関しては製作陣全員の誤算だったろう…いやまぁ自分も、直面するまで予想できんかったのですけれど。
#region(まったくの余談)
余談ではあるが最終話でナイスガイならぬナイスレディ候補生が出てきたときは流石に驚いたぜ!
あれ以上の描写が想像しづらいのであくまで「候補生」と記しておいたが。
#endregion
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・戦闘面
後半で例外はあれど、ほぼ完全な無双スタイルで突き進むのが本作の戦闘。
ブラスバルターは至れり尽くせりの性能で、そう簡単には沈まない装甲と防御能力だけでなく、
驚異的な射程により反撃・せん滅能力も高い。更にマルチロックというアビリティでの行動稼ぎにより、
ユニット数の少なさを補って大暴れできるという気持ちよいユニット。
この&bold(){圧倒的な強さで、群がる雑魚を沈め、最終的にボスとの一騎討ちで〆る}のが
後述するナイスガイポイント的にも美しいパターン。とはいえ、さすがに単騎ということもあって
一騎討ちの際には瀕死時特殊能力発生の調整も重要。特にヤマ場とイベントの多い第五話では必須である。
もちろん自動回復力とビル地形を活かして、消極的に安全に闘うという選択肢もなくはない。
しかしポイントを狙うには、雑魚敵の全滅を重視した立ち回りなども要求されるし、何より加減間違えて
ナイスガイではない判定をもらう結果に落ち込むのは美しくあるまい。全体的には爽快感重視の簡単路線だし…
戦闘中の行動によってポイントが増減する『ナイスガイシステム』は、後のアイテム交換や
貯め込んでクリアすることにより最終結果でハイスコアが狙える、ちょっとしたお遊び要素。
一切手をつけずとも、資金稼ぎも考えて改造に精を出しておけば最高ランクは夢ではない。
ただし、初回で見つけるには難しい条件のものも3~4箇所は紛れ込んでいる。
狙うのにクイックロードに走って「俺はナイスガイなのか?」という自問自答に陥ったこともあったが
流石にそれは思いつめすぎというか調整も難しすぎるだろうか…
※はじめのうちはマルチロック、後の方では消耗の加減とタイミングが重要になってきます
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・音楽
選曲とBGMの切り替えに関しては最低限からそれ以上は出来てて、マズいと思わせた点もなく平穏。
強いて言うならばSRCの機能を活かして第五話→最終話と続く間のIMを無音で通すことにより、
ちょっとした驚きを増幅できる余地があったかもしれない。
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・その他
本作はハシモト氏のブログでの発言を借りると、
&bold(){「誰が何話担当という事は無く書きたいシーンを各人が書く形なのでリレーではなく、共作シナリオ」}
という形である。そのため遊ぶ前には各話ごとのクオリティの剥離みたいなものを危惧していたこともあったのだが、
それはノリと勢いで突き進むという作風によりほとんど感じさせていない。
ノリの誤魔化しがききそうにないラブコメ部分も、実績のある人が担当したお陰で、下手に混ざるよりはいい書かれ方に。
つーわけで、これは突き詰めれば&bold(){「各人の向き具合と才能を最大限に生かすことができる」}という
評価の余地のあるスタイルに思える。リレーに代わって、もっと流行ってもいい土壌では?
さらに全話一挙公開で、ゲームのテンポをそぎ落とす致命的なバグも無し。
連載消滅の負のスパイラルとかに悩まされることなく一気に遊べるってやっぱり重要だと思うんです。
ただ、創作でゲームを送り出す人たちの意気込みも人それぞれ。全てにこれは望めないよね、うん…。
あと辞典機能があるが重要度は低い。データベースというよりファンブック感覚で見た方がいい。
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・改善を要してほしいと思う点
#region(ネタバレ注意)
好みの分かれる点以外で明らかに残念だった箇所は、第五話→第六話の流れにおいて。
途中参戦によって修理費請求と改造引き継ぎを生み出す結果になってしまったのだが、そんなことはせずに
「第五話でイベント→登録抹消→最終話開始→改造はブラスバルターのを引き継ぎ出撃」でよかったと思う。
#endregion
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・私考
実はこの作品、&bold(){ハシモト氏の才能と実力が一番いい形で昇華された}作品ではないかと思う。
共同シナリオとはいえ、5割をメインライターとして手掛けたそうなので、そしてそれをさらっと触れた過去作品と
比較すると、とても遊びやすく、とても砕けたノリで楽しみやすく、それが別の成分を阻害せずという訳で…
本人のやりたいことに反するかどうか分からないが、この路線に身を投じて経験を積めば
スラップスティック・ギャグ路線にこの人ありの域を目指せる可能性もあるのではないだろうか。
背伸びして硝煙の香りとかロボアニメ路線を鍛錬するより、強く輝くことができるのではないかと思う。
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・総評
ただの勢いの産物だと思ったら、随分楽しませてもらっただけでなく
評価するべき点を腰を落ち着けて探すにまで至ってしまった。どのみち終わるときはサクッと終われるし、
&bold(){バカゲー路線が好きな方は食わず嫌いせず飛び込んでしまうこと}をオススメする。
この夏における、予想外の良作でした。
-&font(b,blue){こんな方におすすめ}
--&font(blue){短編・バカゲー路線・勢い重視路線でパーっと癒されたい方}
--&font(blue){SRCシナリオでも一騎当千で敵を蹴散らしまくりたい方}
--&font(blue){考えるより感じることのほうが楽しい作品というものをお求めの方}
-&font(b,red){こんな方には厳しいか}
--&font(red){一大シリアスオリロボ巨編とか重みとリアルさ重視の展開を期待してしまう方}
--&font(red){勢い重視は認めたくない方}
--&font(red){途中のラブコメパートが悪い意味で気になって、というか無視できないと嘆いてしまう方}