世紀末的世界観(視覚的にはまったくそうは思えないところがツライ)で
スタンド系異能力(名称だけは沢山ある)が飛び交うシナリオ。

いきなりプロローグMIDIが鳴って萎える。
プロローグで、五代がクウガ1話のように迷子の子供をあやす場面だあるのだが、
Hide状態でただ「…っよっほっとっほっほっほっほ……」とか言わせているだけでは、
プレイしている方としては何が起きているか理解できないだろう。
原作ではお手玉やってたんだっけ? もう4年も前だから覚えてないな……。
「人を先入観でしか判断できないのはかわいそうな人」と言う五代。
この言い回しに微妙な違和感。なんだか、負け犬の遠吠え的な言い回しだな、とか。
この辺は好みの問題か。
クーガーの登場タイミングもアッサリとしすぎだろう。
彼の特徴でもある名前間違いも絡めて「迎えの人が来た」という明確な場面設定を示すべき。
全体的にHide状態の会話、つまりSRCの文法に慣れていないな、という印象が強い。
1話の戦闘では劉鳳がなかなか強く、クウガの登場の必然性が感じられない。
シナリオとデータの刷り合わせは重要だ。説得力を持たせるためにも。
この場合、劉鳳を敵より弱くしてしまうのも、後々の展開に障害をきたすことになるんだろうが。
2話は鋼の錬金術師1話の再現。こちらもやはり状況描写が薄い。
Hide状態では、会話だけでいかに状況を説明できるかが重要と言える。
もちろん、ただの説明口調では興ざめだろう。
ブギクロのようにコマとマップとエフェクトで寸劇をさせつつ会話をさせるという方法もある。
色々難しいだろうが、努力と工夫を怠っては良いシナリオは書けない。
話は変わるが、SRCの共闘においては、キャラクタの取捨選択・代替・置換が重要である。
原作のうわべだけをなぞり、そこに別の作品のキャラクタを居合わせるだけ、などというストーリーは
もっとも受け入れられないタイプのシナリオである。
このシナリオにおいては、水守と桜子、一条と劉鳳。この辺は同じキャラにしてみると
クロスオーバー的にも面白くなるのではないか。人によっては違和感があるかもしれないが……
劉鳳に向かって「見てください!」という五代は受け入れられないかなァ、とか。
何が言いたいのかと言うと、このシナリオは版権作品を並べて同じ世界にブチこんだだけ、という印象が強いということだ。
アルター、スタンド、錬金術、オルフェノク、忍空、ゾンビパウダー……
様々なファクターが序章で陳列棚のように並べられていく。
アルターとスタンドを明確にわけるものは何か? ゾンビパウダーと錬金術は並存しうるのか?
世界観レベルでの刷り合わせ、整理も必要だろう。
個人的には、エルリック兄弟はゾンビパウダーなんて物があったら、
そっちを求めちゃったりしないか? とか単純に思っちゃうんだがな。

正直、シナリオとしてはオススメできるものではない。
また、このシナリオが後々面白くなっていくだろう、という期待感もない。
形こそ違うが、その本質はいわゆる「SRW系シナリオ」と何ら変わるものはないだろう。

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最終更新:2007年08月29日 19:26