カメジム・ウンカ

「真に嘘を、火には油を 血で飾り立て、残るは虚ろ 虚飾のカメジム、いざ泰平に混沌を!」

【名前】 カメジム・ウンカ
【読み方】 かめじむ・うんか
【声】 三木眞一郎
【登場作品】 王様戦隊キングオージャー
【初登場話】 第27話「宇蟲王の到来」
【退場話】 最終話「俺様たちが世界を支配する」
【所属】 宇蟲王
【分類】 宇蟲五道化
【BMA】 キボシマルウンカ
【異名】 「虚飾」のカメジム
昆虫界のライアーキング
【昆虫最終奥義】 キョショクリティカル
【観察ポイント】 かつてはバグナラクの宰相としてデズナラク8世に付き従い、
戦いを激化させるために怪ジームを出撃させていたようである
【分布】 シュゴッダム(荒廃)
【好物】
【モチーフ】 カメムシ、キボシマルウンカ
【名前の由来】 カメムシ?キボシマルウンカ

【詳細】

てんとう虫に擬態する虫【キボシマルウンカ】のBNAを備え、「宇蟲王」ダグデド・ドゥジャルダン配下にして「虚飾」の異名を持つ宇蟲五道化の一人。

性別すら偽る高い精度の擬態能力を有し、様々な人間になりすまし標的の懐に入り込んでは欺き、悦に入る昆虫界のライアーキング。
声さえも変えられることからそれを見抜くのは難しいものの、カメジム自身が知らないことを利用すれば偽物であることを証明することは可能。
つまり成り代わった本人として振る舞うために必要な演技力は高いが、記憶を読み取る能力は持たないのでその人物を中心とした人間関係まではおろそかになりがち。

長針針ムシマルピンで武装し、虫ピン型のエネルギー弾や影を縫い付け動きを封じるなど怪しげな技を駆使し相手を嘲笑いながら戦う宇蟲王に仕える宰相。
五道化の中での戦闘力は高い方ではないがそれでもカグラギを戦い圧倒するほどの実力はあり、それ以上に回る悪知恵で2000年以上生きて人間とバグナラクの戦いを演出したり、ヒメノに化けてイシャバーナを支配する等、意地の悪い作戦を立ててはチキューのお片付けを実行している。
宇宙由来の毒物を操りそれで毒に侵して戦闘力を削ぐという行動も多用し、ムシマルピンで奇襲するキョショクリティカルという正面攻撃ではなく暗殺めいたものであることから、本人も自分の戦闘能力を過信したりはしていない。

名前からわかるようにかつてカメジムとして地帝国バグナラクの宰相となり暗躍していた人物そのもの。
主であるはずのデズナラク8世を裏切った末、ゴッドキングオージャーに敗れ死亡したはずだったが、その2年後何事もなかったかのように再びチキューへと姿を現した。

宇蟲王の部下の一人として襲来。
それに伴い頭とムシマルピンに宇蟲王陣営のシンボルマークであるブラックホールを意匠化したものがついている。

ジェラミーを倒して狭間の国として再スタートしていたバグナラクを滅ぼした後、「労働基準法違反」により自ら投獄されていたためリタが不在のゴッカンに出現。
ゲロウジームから現状を教えられたことでリタは休養を終え、パピヨンオージャーとなった彼女と交戦する。

その場はあしらって撤退するもバグナラクを操ってのチキュー滅亡を失敗したことからダグデドから「一回休み」と称して動きを封じられてしまった。
その後は独自に最後の宇蟲五道化の居場所を探しており、ゴッカンを離れたシロンがカーラス・デハーンの居場所を探し当てたことでミノンガン・モウズを連れてその場に向かい、カーラスが封印していたグローディ・ロイコディウムを解放することに成功。
再度封印を試みるカーラスと用済みとなったシロンを殺害するとグローディを連れて宇蟲王の部屋へと帰還する。

その後、王様戦隊が地球に飛ばされ半年間不在になった間にイシャバーナを支配下に置き、奪還に動いたヒメノを返り討ちにして牢獄に叩き込んだ上、自らヒメノに成りすまして「イシャバーナを取り返した」と宣伝。
それに伴い伴侶を決めるとして王様戦隊の面々(国王達)を呼び集めて一網打尽にしようと目論んだ。

高い精度の擬態に加えて本物からオージャカリバーを奪い取っていたことから身分証明としイシャバーナの偽の女王として君臨していたが、チキュー上には存在しない毒物を使ってヒメノを始めとした面々を倒れさせ行動不能にしたことで慢心していたのか、まんまとやってきたギラ達を始末しようと度々毒を打ち込もうとするが、尽くロマーネ・ディアーボーンの横槍で失敗。
ロマーネ・ディアーボーンこそが、これまでセバスチャンと名乗って行動していたヒメノの執事であることを見抜けず、さらにはヒメノが自分の体を使い毒物の性質を分析して解毒剤を作るという想定外の事態も重なって彼女の脱獄を許してしまう。

そうして偽物と本物が対峙することになり、みすぼらしく汚れた彼女に対し「自分こそがヒメノであり、薄汚い女がイシャバーナの女王であるはずがない」と言い放つ。
本物のヒメノは臆することなく言葉を紡ぐ。

「身を汚せど魂は輝く。力を奪えど心はきらめく。美とは生き様!我が名はイシャバーナの女王、ヒメノ・ラン!」
「ただ我がままに、我が道を征く。散ることを知らぬ華、その気高さを知るが良い!」

輝かんばかりの美しき魂を見せつけた彼女の言葉は、真実を否応なく感じさせるだけの熱があった。
この言葉を受けたヒメノを前に狼狽するカメジムの回りには最早誰もおらず、ついには側仕えのメイド達までもが本物の方についてしまったため、身を震わせながら擬態を解除し、大量のサナギム(カビのようなものが顔に浮かんでいたことからグローディが呼び起こした死体と思われる)とともに皆殺しを宣言して王様戦隊達と戦い始める。

自分の国を蹂躙された怒りに燃えるヒメノはサナギムを蹴散らしてカメジムを圧倒。
大鎌のように変化したキングスウエポンとオージャカリバーの合体状態から振るわれた大技に対して逃げを選択しその場から転移する形で逃亡した。

第39話でのンコソパ奪還作戦を計画した王様戦隊の面々を他の五道化らと共に待ち受け正面から激突。
序盤戦ではカグラギと戦い圧倒し、彼が持っていた天上天下唯我独尊のダミーを破壊する。
それらはオージャカリバーのリミッターを解除するまでの時間稼ぎであり、その作戦を見抜けず王鎧武装・凌牙一閃を発動した王様戦隊を前にしても不遜な態度を崩さず、

「宇宙最強の戦闘能力…その身に刻んであげましょう!」

と言い放ちカグラギど再度戦い始める。大幅なパワーアップを果たしたハチオージャーと互角に渡り合ったが、ゴーマ・ローザリアが昆虫最終奥義を発動したため興が冷めたのか即座に撤退していった。

その後ゴーマ、ヒルビルミノンガングローディが討ち取られていく中、ダグデドと共に最後まで生き残っていた。

そしてダグデドを倒すための計画を練る一方、「倒せなかった場合の避難計画」も同時並行で手配していた王様戦隊達の作戦を読む形で避難民に紛れていた。
ラクレスが手動する形で各国の側近たちを含めて民達がゴッドコーカサスカブトやシュゴッドに乗り込んでチキューから別の惑星に移住する計画だったが、何も知らされていなかった側近達が王の真意を知ってしまい、踵を返す形でダグデドとの戦いに参加しようとし、それにラクレスも呼応する形で向かおうとしたタイミングで声を張り上げる。

「行かせるなぁ! 王の証を持っていかれたら、この先生きていけねえぞ…?奪え――――!」

実は密かにゴローゲに成り代わって避難民に紛れ込んでおり、側近達とラクレスがやり取りしている緊迫した場面でありながら一人興味なさげな態度を取っている等、よく見るとゴローゲ本人ではないことが分かるような動作を見せていた。
民達が展開に全くついていけず困惑していたことと、声を張り上げた直後ボロボロのゴローゲ自身が自分こそ本物であると姿を見せたことから計画が破綻してしまう。
度々ゴローゲが声を張り上げる場面に居合わせた経験のある

ラクレスがいるとはいえまともな戦力に乏しい彼らを皆殺しにしようとして「多すぎるほどの借り」を抱えたラクレスと、「かつては仲良くさせていただいた」とうそぶくカメジムがぶつかりあう中、彼らの背後でいつの間にか現れた扉が開き、その向こうから光に包まれてデズナラク8世が姿を現す。

ラクレスもボシマールという側近の一人になり変わられていたが、デズナラクもまた長年宰相として潜り込み人間とバグナラクの戦いを演出していたことからカメジムとは因縁浅からぬ仲。
死の国から迎えに来たというデズナラク8世は、かつては人間達に使っていた侮蔑を込めた言葉を今はカメジムに対して言い放つ。
「下等生物」、と。

ラクレス達はその場をデズナラクに任せることにしたようで、国民達を率いて己の王を救うべく彼らの元へ向かっていった。
かつては「宇宙最強の戦闘能力」と自身を持ち上げていたカメジムだったが、デズナラクとのタイマン勝負は分が悪すぎたようで、シュゴッダムの跡地まで吹き飛んできた。
どうやらデズナラクにボコボコにされた挙句、強力な攻撃を食らって吹き飛んできた模様。
直接戦闘では奈落王に対し分があると判断したのか、ジェラミーに狙いを定め襲いかかろうとするも、上空から勢いよく落下してきたゲロウジームに踏み潰される。

さらにデズナラクに放り投げられた後、形だけ復元されたグローディ・ロイコディウムがネフィラに蹴り飛ばされたのと激突し、ゲロウジームのバグナラッシュクローをまともに食らって「マ゛!?」とも聞こえるような奇妙な声を残して吹き飛び、崩れた建物に突き刺さる。

それでもなお死なず、超絶怒涛究極完全体キングオージャーを完成させるため「永遠の命」の代用品を構築している面々の元へと現れるとコフキに狙いを定め襲いかかろうとしたが、ジェラミーに阻止される。
ダグデドを王様戦隊5人が対処していることを察して揶揄するような言葉を発したが、ジェラミーが口にした「彼らを信じている」という発言にアレルギーを起こしたかのように瞬間的に沸騰し激しく罵倒した上「信頼なぞ裏切りの前座」とまで言ってのけたものの、そこへやってきたラクレスが振り上げたオージャカリバーZEROに滅多切りにされる。

両親を、側近を殺された挙句、その人生のほとんどを良いように弄ばれてきた幾千の恨みは凄まじく、その滾る感情を込めた邪智暴虐の王が繰り出す激しい剣戟を叩き込まれ、防御のため構えたムシマルピンも両断された挙句、吹き飛んだ先にいたデズナラクの攻撃も喰らいついに倒れ伏す。

そしてハーカバーカに戻っていくデズナラクはカメジムの首根っこを掴んでそのまま引きずっていき…

「死の国で永遠に殺してやろう…下等生物!」

あらゆる陣営に潜り込み、数千年もの間数多の生き地獄を自らの嘘と虚飾で演出してきた昆虫界のライアーキング、カメジム・ウンカ。
その末路は生きながら死の国に閉じ込められ亡霊たちの怨嗟がつきまとう文字通りの「生き地獄」に叩き落される因果応報の末路を迎えることとなった。

ハーカバーカは死の国、死者が行き着く場所。
そこには先に堕ちたグローディという同僚もいたが、彼もまた自分同様死者の怨嗟の声に苦しむ身であり(最終話では馴染んでいるように見えたが…?)、生きながら引きずり込まれたものの、案内人の手引がない限り自分から外に出ることはまず出来ない。
さらには幾千の恨みを抱えたデズナラクが直ぐ側にいる上に、たとえ彼に殺されたとしても死者としてハーカバーカに流れ着くだけだろう。

つまりカメジムが味わうべき地獄はまだ始まったばかりであり、そしてそれは永遠に続いていく。
肉体が死ぬか、心が先に死ぬか。血で飾るは自分自身。

嘘も真も何もない。虚っぽの悲鳴が、死の国に響き渡った――――

【キングオージャーVSキョウリュウジャー】

解釈的に並行宇宙の宇蟲五道化として登場。
最終決戦ではキョウリュウブルー、トンボオージャーと交戦し、2人の必殺技を受け倒された。

【余談】

宇蟲五道化として登場する以前のカメジムに関してはリンク先を参照。

肩書である「虚飾」とは中身が伴わないのに外見ばかりをかざること、またうわべだけの飾りを意味する。
他者からの評価をあげようとして体裁を整えたり、無理をすることなども指す。

カメジムはボシマールやヒメノ・ランに成りすまして行動しており、高度な擬態技術を有することがその由来だろうか。
外見を偽ったところでその中身まで似せることは出来ず、表面上の情報だけでヒメノの人物像を演じ、彼女の周りの情報収集を怠ったことが原因で詐称が見抜かれるなど底が浅い面があり、文字通りの「うわべだけ飾り立てる」虚飾の肩書持ちにふさわしいと言える。
また正体が露見することを想定していないのか、毎回偽装が見抜かれると慌てふためく場面があるのも彼が中身を見ておらず、相手からも自分の中身を見抜かれることを想定していない空っぽな人物こそがカメジムの本質なのかもしれない。

最終話後のデータ更新によって、BNAがカメムシではなくキボシマルウンカであったことが判明した。
キボシマルウンカとは黄色い身体に黒斑を持つてんとう虫によく似たカメムシ目マルウンカ科の昆虫。「黃星丸浮塵子」…と書くとわかりやすいか。
マルウンカ科はその名の通り丸い体を持ち、てんとう虫に似ていることから一種の擬態であると見られている。擬態の理由は不明。カメムシも苦い液体を分泌するのも、てんとう虫が同様の苦い液体を分泌するのと共通している。

最終更新:2025年05月03日 10:21