「ドウモ、ミノンガンデス」
【名前】 |
ミノンガン・モウズ |
【読み方】 |
みのんがん・もうず |
【声】 |
関智一 |
【登場作品】 |
王様戦隊キングオージャー |
【初登場話】 |
第27話「宇蟲王の到来」 |
【退場話】 |
第45話「王を継ぐ者たち」 |
【所属】 |
宇蟲王 |
【分類】 |
宇蟲五道化 |
【BMA】 |
ミノムシ |
【異名】 |
昆虫界のタイムキング 「秘匿」のミノンガン |
【昆虫採集奥義】 |
マルチバースデイ |
【観察ポイント】 |
ミノンガンの体の奥は時間の秘密とつながっているようである。 |
【分布】 |
ゴッカン(白夜) |
【好物】 |
可愛いヒルビル |
【モチーフ】 |
ミノムシ |
【名前の由来】 |
ミノムシ、ガの英語読み(MOSS) |
【詳細】
吐いた糸で枝を固めて巣を作る蛾の幼虫「ミノムシ」のBNAを備え、「秘匿」の異名を持つ「宇蟲王」ダグデド・ドゥジャルダン配下の宇蟲五道化の一人。
黒いボディスーツに無数の枝を組み合わせた鎧を着込んだような、トップヘビー体型が特徴的。
ひときわ巨大な両腕はミノガントレットという武器であり、大きく振り回して戦闘する桁外れの怪力戦士。
凄まじいパワーと耐久力を有するが、その反面あまり知能が高くない、もしくは精神面が幼いのか意思疎通に問題があり、辿々しい口調で喋る。
言葉を発するよりもジェスチャーで自己主張する場面も多く、作戦会議めいた場所ではその場にいこそすれ彼の意見が取り入れられたり聞き届けられる場面は見られない。
第28話ではダグデドのチキュー滅亡の実行プランをプレゼンするよう宇蟲五道化達に言い渡した際には、「叩き潰す」とでも言わんばかりの動きをしていたものの、誰も話に加えたりしていなかった。
一人称は「ミノンガン」、あるいは「オデ」。
しかしコミュニケーション能力の低さに反してダグデドやヒルビルからは可愛がられているようで、ミノンガン自身もヒルビルを「可愛い」として慕っていた模様。
好物も「可愛いヒルビル」と書かれているほどで、ヒルビル以外にも可愛い女の子なら好みなのか、後述するエピソードではアイドルに対して熱く語る場面も見られる。
その熱量には
ゴーマ・ローザリアもやや引き気味だった。
パワー自慢キャラではあるが、その真の能力は時の理りを歪めることで人間の姿や心の時間を進退させる能力。
肉体から発する光線が当たった相手の年齢を強制的に操作し、若返らせたり老化させたり、さらには体はそのままに心の年齢だけを赤子レベルまで若返らせることが出来る。
シュゴッダムの国民達の進退年齢を操作させたり、王様戦隊の面々もまた被害を受けチキューのお片付けの一翼を担った昆虫界のタイムキング。
この能力はミノンガンが発する光線に当たらなければ問題がないが、周辺の時間そのものを操作しているのか複数人まとめて年齢操作している場面も見られる。
弱点、欠点としては、ミノンガン自身は積極的にその能力を使おうとしないこと。
理由は不明だが、第38話から見られる人格面の成長が関わっているのではないかとする考察も見られる。
ジェラミーを倒して狭間の国として再スタートしていたバグナラクを滅ぼした後、「非人道農業機械所持容疑」で捕縛されていたカグラギが不在の
トウフに単身で乗り込んで滅亡させようとしていたが、
ゲロウジームから現状を教えられたことで脱獄したカグラギが寸前で駆けつけ撃退された。
その後、最後の宇蟲五道化、
グローディ・ロイコディウムが封印されている場所を見つけ出した
カメジム・ウンカに付き従って氷の封印を破壊しグローディを解放。
そしてダグデドの怒りを買った王様戦隊が地球に飛ばされ半年間不在になっている間、他のメンバーがそれぞれ五王国に配置されたのに対し、
ミノンガンのみどこに配属されるわけでもなく放置状態となっていた。
ミノンガンの性質上、一国の統治は不可能と考えられたかも知れないし、後述する理由から表に出すのを避けていた可能性も考えられる。
前述の通り第38話ではゴッカンに出現し、半年間国を支配していたゴーマを差し置いて「面白いお片付け」を提案。
その内容がなんと宇蟲王専属のアイドルオーディションだったことから、さしものゴーマも呆れ返る。
さらに登場したミノンガンは、どういうわけか一人称が「ボク」でカタコト喋りのエセ外国人風の喋り方になっていた。
辿々しいこれまでの喋り方に比べれば流暢に喋れているものの、アイドルにこだわる姿勢はゴーマにも疎まれていたがそれをダグデド自身が承認し推し進めたことで、ゴッカンでアイドルオーディションが開かれることに。
そしてオーディションの中には五道化の内情を調べようと潜入捜査のつもりで参加者として潜り込んでいたリタの姿があった。
ゴーマはリタを落選させようとンコソパの支配に携わっていた
ヒルビル・リッチをンコソパ国民達もろとも入れ替わりの術で召喚し、圧倒的多数でヒルビルがオーディションに勝利しリタは落選してしまう。
リタがアイドルオーディションに参加するという普段の彼女を知っている側からすれば乱心ないし、操られていると考えてしまっても無理はなく、事実王様戦隊の面々はリタが操られていると判断し彼女を正気に戻そうと精神的な揺さぶりを隠していた黒歴史を晒しながら仕掛けるも、潜入調査のつもりでしかなかった彼女からしてみれば、仲間が自分を疑って過去の黒歴史を掘り当てて見せてくるという凄まじいストレスに晒される謎の状況であったこともあってついに爆発。
激怒したリタが王鎧武装してパピヨンオージャーとなった彼女を相手に、ゴーマと共に戦い始める。
ゴーマは入れ替わり能力を使ってリタを仕留めようとするも、それを上手く使われてしまいミノンガンが攻撃を食らってしまう。
それに腹を立てたのか、ミノンガンは先程の意趣返しとしてリタの放ったオージャシューティングを寸前でかわしたため、不意を突かれたゴーマの顔面にそれがヒットし入れ替わりの印が破壊されてしまう。
本来自分が任されていたゴッカンの支配に横槍を入れてアイドルオーディションを仕切られていたことといい、この戦闘での応報もありゴーマは戦闘への意欲を失い「付き合いもこれまで。勝手にすれば良し」としてミノンガンをおいて一人だけ撤退した。
その後ミノンガンも撤退したのだが、リタの攻撃を受けた際、その体の奥には無数の幼虫、あるいは幼虫の脚のようなものが見えていた。
どうやらミノンガンには何らかの秘密が隠されているようだが…
なお作戦を失敗させたことに関してゴーマの怒りがまだ燻っていたのか、ダグデドのスペースに戻った後ゴーマに踏みつけられていた。
その後、第39話では王様戦隊が再度の奪還に動くであろうことを察知し、ダグデドに檄を飛ばされたこともあって宇宙五道化全員がンコソパに集結。
タワーの中でリタを待ち受け彼女と戦い、ミノンガントレットを振り回して圧倒する。
自分が強いと語り、リタからミノンガンが秘匿していることに関して問い詰められるも一切を無視し、彼女が持っていたダミーコンピュータを破壊する。
しかしそれらはヤンマが仕掛けたオージャカリバーの隠しコマンドの分析にかかる時間を稼ぐための作戦。
オージャカリバーに秘められた力、王鎧武装・凌牙一閃が発動し大幅にパワーアップを果たした王様戦隊の面々と相対する。
その直後ゴーマの昆虫最終奥義によって自分の能力を奪われてしまったため、興を削がれたカメジムらと共にンコソパから撤退した。
その後はしばらく目立った活動は無かったが、ハスティー兄弟の奮闘によってダグデドが倒された直後に突然流暢な言葉で語り始める。
「今より時の理を歪める」
五道化達は様子の変化したゴーマに対して跪き、各々からエネルギーを注がれる。
そしてシュゴッダムに出現すると、国民達の年齢を操作する時間操作能力を使い大混乱を引き起こす。
駆けつけた王様戦隊の面々(ラクレス裁判中のリタを除く)もその能力の対象とし、10年ほど時間を巻き戻して子供へと戻してしまった。
ギラから攻撃を受け彼の若返りが解除されると、ダメージを受けることで能力が解除されることを見抜かれ王様戦隊は次々元の姿へと戻る。
そしてオージャフィニッシュに切り裂かれ倒された…かと思いきや…
「秘匿を…破る時…!」
ミノンガンの体の中から、無傷のダグデドが姿を表した。
ミノンガンの昆虫最終奥義、マルチバースデイ。
秘匿を破り、自身の体内から別の時間軸のダグデドを誕生させる、それが昆虫界のタイムキングであるミノンガンの真の能力だった。
体の奥は時間の秘密と繋がっているとされるミノンガンは、ダグデドのバックアップとして存在していた。
別の時間軸のダグデドを呼び出すというマルチバースデイは、ミノンガン自身をタイムゲートのように扱い、ダグデドの別個体を呼び出す。つまりミノンガンがいる限りダグデドが倒されても別の時間軸のダグデドが現れる。完全に滅ぼしきれない。
マルチバースデイの発動した際の様子から、攻撃を受けるとさらに別の時間軸からダグデドを召喚しかねない、最悪の無限増殖が実現する可能性が高いことから、昆虫最終奥義の内容が発覚してから迂闊にミノンガンへ攻撃ができなくなってしまった。
その後気に入っていたヒルビルが戦死したことから、その敵討ちのつもりか単身イシャバーナへ出現。
精神の時間を巻き戻すビームを発射しその場に居た面々の心を巻き戻した。
スズメやモルフォーニャ、ギラ、ヒメノ、ヤンマが被害にあい、子供の心に戻したことで王様戦隊の面々のほとんどの無力化に成功したため、ダグデドの助力を願い彼へと呼びかけたが、そんなミノンガンの叫びを「何言ってっかわかんねえからいいよ」とダグデドは無視し、パピヨンオージャーの攻撃で国外へと吹き飛ばされてしまい、その先だったのかゴッカンにいた。
そしてやってきたリタ、カグラギを相手取り二人の猛攻に圧倒されてしまったため自分がやってきたことを棚に上げて「酷い」と抗議し地団駄を踏むも、リタの氷の秘術をカグラギが持つ王の証が発する炎の力でサポートするコンビネーションにより己だけが凍りついていく。
本来リタの封印術は自分もろとも相手を氷漬けにする自爆技めいたものだが、カグラギのサポートによってリタは凍らず、ミノンガンのみが氷結封印されることになった。
時間の理を操り、人々の体と心を弄んできたミノンガン・モウズは、永遠の眠りについた。
時の進まない氷の中という、究極の孤独の中で。
そんなミノンガンだが、彼が第45話で奮闘している際に、他の五道化のカメジムやグローディは動くこと無く、主であるダグデドすら要望に全く答えること無く無視していたあたり、宇蟲王陣営の中でもミノンガンは孤独だったことが伺える。
ヒルビルはミノンガンをかわいがっていたようなシーンもあり、彼もまたそれを喜んでいたようだが、逆に言えばミノンガンを個として認識していたのはヒルビルのみだったとも言える。
仲間扱いされていなかったミノンガンだが、本人には多少なりとも仲間意識があったのは皮肉と言える。
実際にダグデドからは「中身空っぽの俺様のスペアごとき」、「何言ってっかわかんねえ」と露骨に見下されていた。
アイドル回ではお気に入りとでもいうかのように、唐突なミノンガンの発案を推し進めていたにもかかわらず、である。
その理由として、ダグデドにとってミノンガンは自身のバックアップ=マルチバースデイ発動の器という価値しかなく、それ以上でもそれ以下でもなかったのだろう。
普段のミノンガンは愚鈍なキャラであり、子供のようでもあるためそこまで持て余すことはないが、突然流暢に喋りだしアイドルについて語りだした際にゴーマが引いていたことと、そのときに限ってダグデドがその提案を強引に推し進めようとしていたことから、明らかな意図がダグデドにあったのは間違いないと見える。
その後はマルチバースデイ発動可能状態と思われる厳かな言動になるまで、言語能力がある程度元の辿々しいものに戻ってしまったようにも見えるため、ダグデドの行動はミノンガンが得た欲求を満たすことでそれ以上のことを考えないようにする、自由意志の成長を妨げる行いだったのでと見る意見もある。
言動が一定しないのは異なる時間軸からダグデドの並列同位体を召喚するという都合上、体内で常にあらゆる並行世界と
リンクしているのでは?ともされているが詳細不明。
ただマルチバースデイを使った際のミノンガンは普段の子供のような言動と違い、威厳あふれる言動へと精神的な成長を見せていたものの発動後には元の状態に戻ってしまったこともあり、昆虫最終奥義の発動にはエネルギーを多量に消費するのか、体の奥にあるという時間の秘密が関係しているのか定かではないが、ミノンガンの精神的な成長が何らかの能力発動の解禁、秘匿を破る時となるのは正しいのだろう。
このことからマルチバースデイは連続発動が出来るわけではなく、それを使えるようになるまでミノンガンの精神が成長する必要があり、それが待機時間として機能しているのではないかと見ることが出来る。
ダメージを受けた際に肉体年齢操作が解除されたことから、ミノンガンの体そのものが時間を操る能力の起点になっているのは間違いない。
ミノンガンの言動に変化が見られたのは第38話におけるアイドルオーディションのエピソード。
エセ外人めいたカタコトの言動も、言葉を習得しそれを並べて意思疎通の完成が近づいていた証拠だったとも言える(ただ後に微妙に戻っていたが)。
マルチバースデイの能力からダグデドのスペア、バックアップであるミノンガンだが、上記の通り攻撃を受けることでミノンガンの能力が発動してしまうなら、封印こそが倒し方の正解だったのだろうが、ダグデドからしてみれも迂闊に能力を連発し自分自身が同じ時間軸に集結する状況は好ましくないだろう。
精神成長をトリガーとした昆虫最終奥義の性質も含め、ミノンガンという存在はどこまでも都合よく作られた宇蟲王の道具に過ぎなかったと言える。言動こそは道化のようにコミカルさもあるが、存在していた意味は道具に過ぎないという皮肉。
封印されたミノンガンだが、その封印という秘匿を破る時、もしかすると再び出てくる可能性も・・・
【キングオージャーVSキョウリュウジャー】
解釈的に並行宇宙の宇蟲五道化として登場。
最終決戦ではキョウリュウブラック、ハチオージャーと交戦し、2人の必殺技を受け倒された。
また、本来の宇宙の個体も登場している。
【余談】
モチーフはミノムシ。
ミノムシのミノを強固なアーマーに見立てたデザインで、頭部はミノの中にいるミノムシが顔を出したかのようでもある。
名前の通り木の枝等を利用してミノを作り上げそこで幼虫時代を生活する虫。
実は雄は普通の蛾の見た目になるが、メスはそうではなくミノの中に入ったまま暮らし、フェロモンを放出して雄を引き寄せ卵を産み付けると、孵化の直前にミノから外に出てそのまま生を終える。
またミノを作ってもその場から決して動かないというわけではなく、餌が無くなればその場からミノごと移動する。
異名の「秘匿」とはこっそり隠すこと。
声を担当したのは特撮作品では常連中の常連と言える関智一氏。
幹部怪人役としては『
電磁戦隊メガレンジャー』に登場した
ビビデビ以来となるが、単発怪人等では数多く出演しており、変身アイテムの音声などの担当も多い。
また何よりキングオージャーではゲロウジームの声優として出演済みであり、かつゲロウジームが退場せず現在進行系でレギュラー出演しているというかなりの変わり種。
そのためミノンガンの声優が発表されると、ゲロウジームとして既に出演済みの関氏であったことから、敵勢力に潜り込んだゲロウジームや、ゲロウジームの正体が宇蟲王配下だったなどとも推測されたが、同じ場面にてゲロウジームとミノンガンが映っていたことから少なくとも両者は別に存在している模様。
最終更新:2025年05月03日 10:22