一回戦の組み合わせは以下の通りになった。話し合いでなく、チカの独断で決められたが
ある意味、それが公平なのかもしれない。

 【一回戦】
  リョータ VS ナツミ(スパッツ)
  コウジ  VS チカ(半パン)
  ツバサ  VS ユウキ(ミニスカート&ブルマ)
  (メグミ)VS カズミ(メグミ:ロングスカート、カズミ:ジーンズ)

(良かった……ブルマを穿いてて)
ユウキがホッと一息つく。いくらお遊びとは言え、パンツ一枚の状態で男子の足に大事な
所を踏まれるのは勇気が要る。カズミのジーンズやチカのショートパンツほどは効果は
無いだろうが、それでもパンツ一枚より全然ましだ。
男女比が3対5なので、恥かしがり屋のメグミがする側に回るように配慮された。

「一番手はボクだね~! ねぇ、チカちゃん。男子には電気アンマ返ししちゃだめなの?」
ナツミが元気に中央に出てチカに問いかける。リョータは一瞬青くなった。
「フフン……今回はダメ。だって、許可するとナツミがあっさり勝っちゃうでしょ?」
「あ……それもそうだね、アハハ!」
屈辱的な会話を聞かされ、ワナワナと震えるリョータだが、隣にいたコウジにポン、と
肩を叩かれる。悔しいが、あいつらの言う通りなのだ。だから――。

(だからこそ、このチャンスを生かしてナツミに制裁を加える!)
スポーツや運動系の遊びで負け続けの屈辱を晴らすのだ――ちょっと情けない方法だが
成り行き上仕方が無い。

「じゃあ、ナツミは寝転んで。リョータは立っても座ってもいいよ。それとも、ナツミを
うつ伏せにする?」
一応、レフェリー役のチカが指示をする。電気アンマには、立った状態で仕掛ける立位式、
相手と同様座った状態で仕掛ける座位式、相手をうつ伏せにして仕掛ける逆式の基本三種が
ある。どれも初心者から熟練者に渡って使える技だ。電気アンマは形態のバリエーション
だけでなく、技一つ一つについても奥が深いのだ。
上級者にはさらに相手を立たせて下から仕掛ける逆立位式やうつ伏せにして立位式で
仕掛ける逆海老式などもあるが、流石に初心者では使いこなせないだろう。

「こ、このままでいいよ……」
リョータはそう言いながら、立ったままの状態でナツミの両足を掴んでVの字に開ける。
「やらし~! 見ないでよ、リョータ。アハハ……」
ナツミはまだ冗談の延長の様に笑っているが、リョータはもう笑えなかった。
勿論、リョータは女の子に電気アンマをするのは始めてである。男相手でする時は
基本はただの遊びだ。感じさせるとか、そんな意識は全く無く、やった後もゲラゲラと
笑っているだけ――。

だが、目の前に寝転んでリョータを待つ平川ナツミは女の子なのだ。それが証拠に、
彼女のスパッツを穿いた股間はなだらかなカーブを描き、平らである。
しかし、何も無いという事は無い。ストレッチ素材のショートスパッツはピッチリと
張り付いて体のラインを細かく浮き立たせる。ナツミの股間を見ると、しっかりと
女の子の象徴である割れ目の筋の形に食い込んでいるのだ。

(あそこを、責めるのか――?)
思わずリョータはゴクリと唾を飲む。ナツミのその割れ目は彼女が無邪気に動くたびに
形を変え、それ自体が別の生き物の様に動いていた。リョータの幼い性中枢がナツミの
股間や太股の動きに刺激される。

「リョータ?」
リョータが何も言わなくなったのでナツミがちょっと不審そうに声を掛ける。それに
リョータの視線の先が自分の女の子の大事な所に向いていたのでちょっと恥かしくなる。
だが、その声掛けが切欠となった。
「いくぞ――」
リョータはさっきまでじっくりと見ていたナツミの股間に右足をセットする。
「あっ……」
ナツミが思わず呻いた。普段の彼女では聞けない、吐息にも似た喘ぎ声――それを
聞いたとき、リョータの性衝動に火がついた。

「で・ん・き・あ・ん・ま……開始!」
リョータはあてがった土踏まずをだだだだ……と震わせた。
「ひゃあん!?」
ナツミの体が一瞬ビクンと反り返り、ギャラリーたちも息を思わず呑んだ。

ついに男子と女子の意地を掛けた?電気アンマバトルが始まったのだ。


「ううん……うん……」
リョータの電気アンマに呻くナツミ。何かに懸命に耐えているその姿に、当のリョータも
ギャラリーたちも視線が釘付けになるが――。

「クフ……! くふふ……」
ナツミが堪えきれない、と言う表情で体を揺すっている。太股がプルプルと震え、もう
限界なのか? とみんなが思ったその時――。
「キャハ……キャハハハハハハハ! ……も、もうだめぇ~~!!」
ナツミは涙を目にため、体を反らせて笑い出した。
「な、なんだぁ?」
リョータが目を丸くすると、
「りょ、リョータ! くすぐったいよ、それ! ……アハハ……キャハハハ!!」

ギャラリーたちは唖然とする。そう言えば、ナツミは一番のくすぐったがりだ。だから
普段、女子同士では一番のターゲットになるのだが……。
「な、ナツミ……。その……感じないの?」
「な、何が……? キャハハ……!! だ、だめぇ……!! リョータ、くすぐったい
ってば! ……キャハハハ!!」
ユウキの問いかけにもくすぐったがって答えられないナツミ。体を捩って必死でリョータ
から逃げようとするも、股間を守ったり、足を退けようとする様子は無い。
(電気アンマ、効いてないのかなぁ……?)
メグミもナツミの様子を見つめる。この調子なら私にも耐えられるかも――メグミの
メガネの奥の大きな瞳に希望の光が灯り始める。

気の毒なのは仕掛けているリョータだった。一念発起して女子に電気アンマを仕掛けた
のに、感じるどころかくすぐったがられるだけとは――。同じ男子であるコウジ達からも
同情の目で見つめられ、まるで男女の睦み事で前戯に失敗した男の様に、リョータの精神
にどんよりとした雲が掛かってくるように思えた。

しかし――。

(大丈夫だよ、続けて――)
チカがリョータの背後に忍び寄って耳元で囁く。その声は笑っているナツミには聞こえ
なかったが、ユウキとメグミ、そしてカズミにはしっかりと聞こえた。
チカは何を言ってるの――? ユウキとメグミが不審とも非難とも取れる視線をチカに
向ける。チカはにんまりと微笑を返すだけで元の立ち位置に戻った。

「りょ、リョータ~! もう許して……くすぐったいよぉ~~」
ナツミが涙目で息を切らし、リョータに頼み込む。
「それはギブアップなの、ナツミ?」
チカがナツミに確認するとナツミはとんでもない、と言う風にかぶりを振る。
「だって、こんなのただのくすぐり虐めだよ~……チカの話だと電気アンマって、こんなの
じゃないよね」
グサッ……とリョータの胸に突き刺さる言葉。コウジ達も同じ男の切なさを見てられない
とばかりに視線を逸らせる。だが、チカは真顔で言った。

「そう、じゃあそのまま続けて、リョータ。5分間、続けるのがルールなんだから」
「え~~? だってさぁ……」
ナツミは不満そうだ。彼女の場合、挑発でも駆け引きでもなく、素直な感想しか言わない
ので、リョータには余計に堪える。既に3分が経過しくすぐったがらせる以外の成果が
ないが、チカが励ますような視線を送って来るので、リョータも開き直った。

「言ってくれるなぁ、平川。時間はまだ2分あるんだぜ?」
「うん、そうだね……その間にリョータが『これこそ電気アンマ』と言うのを味あわせて
くれたらいいなぁ~」
「…………お前は俺を怒らせた」

ごごご……とリョータが真顔になる。そして、土踏まずで踏んでいた所に今度は踵をセット
した。さっきより強い食い込み感がナツミを襲う。
「あ……そ、それは……」
「女子だからと手加減していたが、これ以上は最早容赦しねぇ……踵グリグリアンマで
天国に送ってやる――いくぞ!」
気合を入れなおし、リョータは再び電気アンマを開始した。
ナツミの股間にはリョータの体重の乗った踵が割れ目に食い込んでいる。その状態でリョータは
踵を中心に、足をドリルの様にグリグリと動かしながらの振動を与えた。

グリグリ……どっどっどっど……。

「あうぅぅ……!! はぁん……!!」
今度はナツミもかなり効いたらしい。さっきのくすぐったがり様とは全く違い、ビクビク
……!と、腰の辺りからせりあがる様に痙攣する反応を見せる。
(ん……? 今度は効いたか?)
リョータはそう思い、この機会を逃がさないとばかりに右足に力を入れて電気アンマした。

グリグリグリ……ダダダダ……!

「うっく……。ふぁ……あっ!」
リョータの力強い股間責めに流石のナツミも内股になってプルプルと震えている。思わず
口元に手をやり、指を噛みながらリョータの電気アンマに耐えている。スパッツの股間には
深々とリョータの踵が食い込んだ状態で振動し、割れ目の形が動きに合わせて捩れていく。
リョータより短いナツミの両足はピンと伸ばされ、これ以上遊びはなく、辛うじて膝を
動かして一箇所に圧迫が集中しないよう頑張っているだけだ。

「う……あっ……! だ、だめ……!!」
リョータの右足を掴んで頭を振り乱して悶えるナツミ。その表情はいつもの彼女とは全然
違う女の子らしさをそこかしこに滲ませていた。頬は上気して顔だけでなく体全体がじっと
汗ばみ、熱い吐息は喘ぎ声と共に子供らしくない雰囲気を放っている。

(も、もう少しか?)
4分を越えたあたりからナツミの様子が一気に変わってきた。踵グリグリタイプの電気
アンマがどうやら効いているようなのだ。だが、もうすぐタイムアップ。時間が無い。
「こ、これで止めだ!!」
リョータはこれが最後とばかり、ナツミの股間を力一杯グリグリする。振動も強く送り、
ナツミの腰がガクガクと揺れるぐらい力強い電気アンマをした。すると――。

「いたたた……!! いたい! いたいよ、リョータ!! やめてぇ~~!!」
さっきまでビクビクと震えながら悶えていたナツミが、激しく体を揺すって抵抗した。
どうやらリョータの止めの電気アンマが痛かったらしい。
「は、反則だよ、佐藤君!!」
「そうだよ! リョータ、やりすぎ!!」
ナツミの痛がる様子に、それまで見入っていたメグミとユウキも抗議する。
「え……? あっ……!!」
リョータは慌てて力を緩めた。電気アンマで女子の急所を痛くするのは本意ではない。
ホールドされている力も緩んだのでナツミはゆっくりと転がるようにしてリョータの
電気アンマから逃れる。両手で股間を押さえて内股になる。
そして、そこでタイムアップだった。5分間終了でギブアップなし。ナツミの勝ちで
最初のポイントは女子チームが獲得した。
最終更新:2010年04月22日 19:39