【クラス】セイバー
【真名】アテルイ
【出典】史実(日本:生年不明~AC802年9月17日)、続日本記等
【性別】男性
【身長・体重】183cm、75kg
【属性】混沌・悪
【ステータス】筋力:A+ 耐久:A 敏捷:A 魔力:B 幸運:D 宝具:A
【クラス別スキル】
対魔力:A+
A+以下の魔術は全てキャンセル。事実上、魔術ではセイバーに傷をつけられない。
騎乗:D
騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み程度に乗りこなせる。
【固有スキル】
神性:D
神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされる。
堕天の魔:A+
魔性や悪性の属性を付与された時に獲得するスキル。このスキルのランクは、その付与された属性の強さの度合いを表す。
ランクA+は、意図的に第三者の手によって属性が付与された訳でもない限りは、主神或いはそれに近しい神格の神霊が、悪魔や鬼にでも貶められねば、獲得は不可能なランク。悪属性のサーヴァント達による全ての害意ある干渉の威力を、ツーランクダウンさせる。
鬼種の魔:B+++
鬼の異能および魔性を表すスキル。天性の魔、怪力、カリスマ、魔力放出、等との混合スキル。
魔力放出の形態は、セイバーの場合は『嵐』であり、相手の身体を爆散させる程の風や、低ランクの剣宝具並の切れ味を誇るカマイタチ等の創造を可能とする。
セイバーは厳密には鬼ではない。ただ、古の昔、数多く喰らってきた鬼に含まれていた、鬼の因子と、生来備わっていた神の因子が融合を起こし、このような値になってしまった。
心眼:A
修行・鍛錬によって培った洞察力。窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、
その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。逆転の可能性がゼロではないなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。
【宝具】
『天十握剣』
ランク:B++ 種別:対人~対軍宝具 レンジ:1~10 最大補足:1~10
セイバーに残された、スサノオの司る武芸の権能及び超常の絶技の体系が宝具となったもの。
記紀神話に度々名前の語られる神代三剣の名前を司っているが、上記の通りこの宝具は『剣が宝具となったものではなく』、セイバーの有する技術と能力が宝具となったもの。
セイバーは手にした剣及び、剣に似た形状の武器に、宝具ランク相当の神秘と切れ味及び攻撃力の付与が可能となる。
そして、この宝具によって強化された武器は、相手の身体を斬り裂くだけでなく、『相手の存在していると言う事実』を斬り裂く。
これによって、相手は如何に高ランクの防御ステータスを持ち、どんな防御スキルや防具、宝具を持っていようとも、其処に在ると言う事実が斬られている為、
直撃してしまえば元のダメージに加算される形で更に大ダメージを負い、神秘を帯びた防具や宝具で防御しようにも、存在すると言う事実を斬られている為、
一見して無傷で攻撃を防いだと思っても、実際にはダメージを負っているので、防御し続ければいつかは破壊されてしまう。
防御には最低でもAランク以上の、空間遮断以上の防御能力が必要。それ以下のランクでは、セイバーの超常の膂力と技術力で、空間を遮断したとてその空間ごと破壊されてしまう。
『朝征陽殺』
ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:-
セイバーが生前喰らって来た、朝廷によって住処を追われた力ある種族及び妖怪達、そして真正の鬼達の力及び能力の、全呪解放。
発動すると刻まれた刺青から黒い瘴気が噴出し、それが厳めしい鬼をモチーフにした鎧を形成。その状態になると、全てのステータスに+の補正が一つつくだけでなく、
攻撃どころか呼吸、目線に及ぶ、セイバーが行う、及び発散する全ての物事に、上述の『天十握剣』の効果が適用される。
目線を合せて睨みつけるだけで、相手の身体はズタズタに斬り裂かれ、呼吸をするだけで周囲の存在は真っ二つになり、高速で移動するその余波で、
C~Bランク相当の斬撃が刻まれ続けると、この状態のセイバーは生きた斬撃兵器と化す。唯一の欠点は、魔力の消費量であり、現状のマスターの弱点を鑑みるに、乱発は出来ない切り札である。
【weapon】
無銘・骨剣:
生前殺した鬼の骨を加工して作り上げた、刃渡り一mを大きく超える直剣。
サンドブラスト加工を施した様にざらついた表面の剣身を持った、灰色の剣であり、これが正真正銘の天十握剣、と言う訳では勿論ない。
【解説】
アテルイ、或いは悪路王と時に呼ばれるこの存在の正体は、今も謎に包まれている。
平安時代初期、当時の大和朝廷から敵と認識されていた、蝦夷の軍事指導者であり、坂上田村麻呂と激戦を繰り広げた後、処刑された、
と言う事が歴史書には記述されているが、彼の詳しい人となりについては一切が不明。
性格は元よりその体格、何よりも、田村麻呂との戦いの模様についても、田村麻呂の戦力数とアテルイの戦力数についてざっくばらんに説明し、
どちらが勝ったのかと言う結果のみしか記されていないと、ヒステリーとしか思えぬ程、アテルイについて詳しい記述が控えられている。
その正体は、『高天原から追放される際に、記紀神話の神々から強制的に分離させられた、素戔嗚尊(スサノオノミコト)の純粋なる悪の部分』そのもの。
スサノオは幼年時代と青年時代とでは、余りにも性格に違いがあった。幼年~少年期は、それこそ邪悪その物と呼ぶべき悪行を度々繰り返して来たが、
青年期になると少年期の悪逆非道さが嘘のように消え失せ、落ち着いた性格になり、神としての威厳や、大人物と呼ぶべき風格を取り戻した。
この性格の違いの真実は何て事はなく、姉である天照大神が天岩戸に閉じこもらざるを得なくなった程の悪行であった、逆剥ぎの一件で、
とうとう天津神達が我慢の限界を迎え、強制的にスサノオから、悪の部分を全て抽出、分離。その上で二名を、地上へと追放したのである。
この一件で、善の方のスサノオは力が完全な状態の9割にまで低下させられてしまうが、悪の方のスサノオは、残りの1割の力しかなかった。
当時はまだ神代の世界であったが為に、如何に悪のスサノオとは言え、1割の力しか発揮出来ぬようでは死んだも同然。と言うのが、神々の見解だった。
だが、悪のスサノオは生きのびた。己の力で、妖怪や鬼を殺し、喰らい続け、力を蓄え続け、魔性の者と成り果てながら、彼は生存。
それどころか、多くの天津神、それこそ姉のアマテラスや善のスサノオですら、他の神霊同様に世界の裏側に隠れてなお、悪のスサノオは地上に残り続けた。
永い時をかけて成長した悪のスサノオは、己を地上に叩き落とした天津神や、姉であるアマテラスの直系である、天皇家を滅ぼさんと画策。
それはつまり、日本の転覆に等しかった。そこで悪のスサノオは、当時の東北を拠点に、鬼や魔の者達で構成された大軍勢を結束。それが、蝦夷であった。
この時から己の名を『アテルイ』と改名、それこそ日本が本当に滅ばん限りの悪逆非道を尽くそうとしたが、流石に此処までの暴挙は許されない。
天津神のみならず、仏達の加護を得た坂上田村麻呂が、鈴鹿御前とのタッグを組み、二名が死ぬ一歩寸前まで追い込まれて漸く倒された魔王。
それこそが、このアテルイであった。これだけ特徴的だった男が、異様に記述の少なかった訳は、単純明快。彼の正体が曲りなりにも日本人の総氏神とも呼ぶべき女神の弟、それから別たれた悪の部分であり、しかも別たせた者がよりにもよって天津神であった、と言う事を記述する訳には行かなかったからに他ならない。アテルイは、意図的に存在を秘匿された侵略者であった。
スサノオから抽出された純粋悪な物であるから、およそ善の要素など欠片たりとも存在しない。正真正銘の悪性そのもの。
加えて、抽出した元がスサノオであるから、その趣味趣向まで似たり寄ったり。早い話、マザコン、シスコン、ロリコンの三重苦。
ただ殺し、ただ犯し、ただ盗む、悪の中の悪であり、通常こんな存在は狙っても呼び出せない。
それにもかかわらず、クロエがこんな化物を呼び寄せられたのは、彼女がイリヤから分かたれた存在であり、アテルイもまた、
スサノオから分かたれた存在である事に起因する。聖杯に掛ける願いは、日本と言う国家の転覆と荒廃。嘗て敵視した姉や善のスサノオが消えた世界と解っていても、この男はこんな荒唐無稽な行為に身を染めるのである。
ちなみに宝具の天十握剣は、スサノオの有する武神・戦神としての権能が、これでもかと言う程落魄してあのランク。
真実本物のスサノオで、かつ本物の天十握剣を握った状態で行われるこの宝具は、このアテルイが振うそれを遥かに超越する程の威力を誇る。
【特徴】
唐草模様の風呂敷を肩に掛けた、茶色の髪をした褐色の肌で、黒い褌を一丁巻いただけの姿の男。
ギリシャ彫像を思わせる黄金比を体現したような均整の取れた鍛え上げられた身体つきを誇る。
身体には刻まれた、黒色に光る、大樹の根が絡み合うような意匠の刺青が刻まれている。
【聖杯にかける願い】
国家転覆
最終更新:2017年11月07日 14:01