【クラス】アーチャー
【真名】后ゲイ(こうげい)
【出典】中国神話
【性別】男
【身長・体重】185cm・88kg
【属性】秩序・中庸
【ステータス】筋力A 耐久C 敏捷B+ 魔力B 幸運E 宝具A
【クラススキル】
単独行動:A
マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。
ランクAならば、宝具の使用以外ならほとんどマスターに負担をかけずに戦闘可能。
対魔力:B
魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。
Bランクでは、魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。
【保有スキル】
神性:E
神霊適性を持つかどうか。ランクが高いほど、より物質的な神霊との混血とされる。
后ゲイは本来神霊そのものであるが、太陽を射落とした咎により神性を剥奪されてしまっている。
千里眼:B+
視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。遠方の標的捕捉に効果を発揮。
遥か天空の太陽へと正確に狙いを定められるその視力は、ほとんど遠隔視の領域に至っている。
怪物殺し:A
古代中国の各地で人々を脅かしていた悪獣を次々に退治した逸話によるスキル。
「怪物」としての属性を持つ敵に対する攻撃のダメージが増加する。
無私無欲:A
何も求めず何も欲しがらない。先天的に魂の在り方として「英雄」である。
精神に影響を及ぼすスキルや宝具の影響を最小限に抑えるが、その在り方は他者の共感を阻む。
【宝具】
『射日神箭・落為沃焦』
ランク:A+ 種別:対人・対城宝具 レンジ:10~500 最大捕捉:9人
九つの太陽を射落とした偉業の具現。天地を貫く神域の一射。
真名開放によって解き放たれる射日神話の膨大な幻想をただ一矢に集中させて放つ、必殺の因果反転宝具。
太陽を射抜いたというその伝説により、この矢によって射られた者は必ず『太陽となる』。
矢が当たった場所を中心に生成される、最高温度1500万℃に及ぶ恒星の灼熱をもって対象を内側から焼き尽くす。
その性質上、この宝具に対して防御はほとんど意味を成さない(矢に触れた時点で太陽化は発動する)。
欠点は、Aランクの単独行動スキルをもってしても完全には相殺しきれない魔力消費の大きさ。
なお、対象が「はじめから太陽である」場合に限り因果反転は起こらず、この宝具は純粋な太陽特効射撃となる。
【weapon】
無銘・弓:
大英雄・后ゲイの逸話が具現化した、火烏の意匠を持つ剛弓。
中国史上最高の弓兵である后ゲイは、これを用いて戦車砲めいた威力の矢を百発百中の精度で速射できる。
【解説】
中国神話における最大の英雄のひとり。
古代中国の民を苦しめていた十の太陽のうち九つまでを撃ち落とした「后ゲイ射日」の伝説に名高い、偉大な弓兵。
同時に天界を追放され、妻に裏切られ、最期は弟子によって謀殺されるという、悲劇の英雄でもある。
こうげい。名は単に「[羽廾](げい)」とも。
また後世にあたる夏王朝時代に存在したと伝わる同名の英雄と区別するため「大ゲイ(だいげい)」とも呼ばれる。
元々は神であったが、十の太陽によって苦しむ地上を見かねた天帝によって妻・嫦娥(じょうが)と共に地上に遣わされる。
十の太陽の正体は先代の天帝の子である十羽の火烏(かう)であり、彼らが一斉に天へ昇ったため地上は荒れ果てていたのである。
それを見た后ゲイは弓矢をもって十のうち九つまでを撃ち落とし、地上に平穏をもたらしたとされる。
その後も天の命を受けた彼は地上の各地を巡り、怪物たちを退治していた。
しかし先代の天帝は我が子を殺した后ゲイを疎ましく思い、后ゲイとその妻から神性を剥奪してしまう。
后ゲイは妻・嫦娥と西王母の許へ赴き不老不死の薬を分けてもらうが、嫦娥に裏切られて薬を月に持ち逃げされてしまった。
この逸話を「嫦娥奔月」と言い、今でも嫦娥の名は月と結び付けられることが多い。
こうして永遠の命を失った后ゲイは狩人として地上で生活し、弟子を取って弓を教えていた。
しかしある夜、彼の夢の中に自分が撃ち落とした火烏たちが現れ、人間の手を借りて復讐すると告げる。
師がいなくなれば自分が最高の弓使いになれると考えた弟子が后ゲイを撲殺したのは、その次の日のことであった。
【特徴】
黒い長髪を後ろで結い、古代中国風の装束を身に纏った精悍な男。
額には太陽を思わせる茜色の手拭いを鉢巻のように巻いている。
生涯ただひたすらに自分以外のために生きた、滅私の英雄。
およそ自分自身にとっての欲というものを持っておらず、誰かのためにストイックに戦う。
しかし我欲を持たないその在り方はあまりに人間離れしており、生前は結局誰にも理解されなかった。
不老不死を求めた妻、嫦娥も。名声を求めた弟子、逢蒙も。
彼らは欲を持つがゆえに后ゲイという男を理解できず、最後には彼を裏切った。
裏切られた男は無欲ゆえに彼らを恨まず、しかし無欲ゆえに「何故裏切られたのか」を未だ理解できずにいる。
【サーヴァントとしての願い】
無し。
強いて言うなら「英雄として他者の願いを叶えること」自体が願いだと呼べるかもしれない。
最終更新:2017年11月07日 14:21