イスカリオテのユダ

【クラス】バーサーカー
【真名】イスカリオテのユダ
【出典】新約聖書、及び関連書籍
【性別】男性
【身長・体重】176cm、66kg
【属性】秩序・悪
【ステータス】筋力:B 耐久:B 敏捷:B 魔力:B 幸運:D 宝具:A+

【クラス別スキル】

狂化:EX
バーサーカーは理性と正気を保てている。その上、言語能力にも全く異常はない。
しかしバーサーカーは、基督教における神の子である『あの男』への尊敬と敬愛、敬服などと言った感情を隠しもせず、
バーサーカーの行動原理は、その男が喜んでくれるか、認めてくれるか。そして、自分を愛してくれるか、と言う事だけである。
『彼』の敵になる、不利になる事があった場合、バーサーカーはボイコットを起こすどころか、マスターにすら反旗を翻す事がある。

【固有スキル】

奇蹟:-
時に不可能を可能とする奇蹟。星の開拓者スキルに似た部分があるものの、本質的に異なるものである。適用される物事についても異なっている。
しかし、神の子を裏切った……『と言う事になっている』バーサーカーは、このスキルの発揮は出来ない。彼は当世の人間から見捨てられている。

十二使徒:-
神の子直々の高弟として生きた者達だけが有するスキル。聖人スキルの上位互換。
聖霊の加護、聖人、殉教者の魂の効果を兼ね備える特殊スキルであり、所有するだけでAランク相当の精神耐性を保証し、
洗礼詠唱よりも上位の奇跡である洗礼礼賛の使用をも可能とする強力なスキルだが、バーサーカーはこれを失っている。

無辜の怪物:EX
神の子である男を銀貨30枚で裏切った、世界で最も有名な裏切り者の代名詞として、人々に抱かれ続けた幻想。
バーサーカーは裏切りと不和の具現としてこの世界に現出している……筈だった。
本来なら、並のサーヴァントでは口調・性格どころか存在すら変貌する程の想念を一身に背負って尚、バーサーカーは己の性格や在り方が失う事がなかった。
バーサーカーの場合は己の宝具が変質してしまっている。このスキル(装備)は、未来永劫外せない。

信仰の加護:A+++
一つの宗教観に殉じた者のみが持つスキル。加護とはいうが、最高存在からの恩恵はない。
あるのは信心から生まれる、自己の精神・肉体の絶対性のみである。……高すぎると、人格に異変をきたす。

洗礼詠唱:A+
キリスト教における“神の教え”を基盤とする魔術。その特性上、霊的・魔的なモノに対しては絶大な威力を持つ。
洗礼礼賛を使えぬバーサーカーは、嘗て『あの男』から教えて貰った洗礼詠唱を代用として使う。

ヤコブの手足:B+
ヤコブ、モーセ、そして様々な聖人へと脈々と受け継がれてきた古き格闘法。
極まれば大天使にさえ勝利する。伝説によれば、これを修めたであろう聖者が、一万二千の天使を率いる『破壊の天使』を撲殺している。
神性・悪魔・死霊の属性を宿す存在に対して常に特攻効果を得、この格闘法に則った型で動き、技を放っていると、
常時全ステータスに『+』が二つ追加されているものとして扱う。十二使徒の必修科目。当然バーサーカーもこれを扱う事が出来る。

【宝具】

『絆を知らぬ哀しき獣よ(イーシュ・カリッヨート)』
ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
世界で最も著名な、裏切り者の代名詞たるバーサーカーが内在している性質と、彼の生前で最も有名なエピソードが宝具となったもの。
バーサーカーの霊基はそれ自体が、裏切りの代名詞であり、『裏切り』の属性を宿している。
彼の攻撃の一つ一つにはその属性がマスクデータとして付与されており、この攻撃に直撃し続けると、その裏切りが発動する。
対象となるのは『英霊と宝具の関係』、『サーヴァントとマスターの関係』、『発動させた神秘とそれによって本来起こる筈の結果』である。
バーサーカーの攻撃を受け続けると、英霊にとって半身とも言うべき宝具と、所有者である英霊との間に亀裂が生じ、所有者を裏切らせる。
裏切りが完全に発動してしまうと、当該英霊の宝具所有権を宝具自らが『放棄』、真名を唱えても発動せず、召喚にも応じない『裏切り』を再現させる。
また、サーヴァントとマスターの間にも、余りにも唐突かつ理不尽な不和が発動するだけでなく、宝具に拠らない、英霊やマスターが本来有している筈の、
様々な異能や魔術、スキルが、メリットとなるその結果が全く得られないと言う事すらも起ってしまう。この宝具を防ぐには対魔力等の防御スキルでは不可能。この宝具のランク以上の結界宝具及び、神性スキル、そして、裏切りが絶対に起こらない程の強い関係か、強固な精神耐性を保証するスキルが求められる。

【weapon】


【解説】

銀貨30枚で神の子であるイエスを裏切り、その応報を受けた(或いは自殺した)とされる、世界で最も有名な裏切り者。それが、イスカリオテのユダである。
今日ではユダと言えばそれだけで、自動的に裏切り者として認知される程影響力が大きく、後世の芸術・文学に与えた影響は計り知れない。
一方で彼の裏切りには謎が多い。その中でも最も有名な謎が、『全知』であった筈のイエスが何故、よりにもよって十二使徒の一人であったユダの裏切りを、
見抜く事が出来なかったのか、と言う物である。今日に至るまで様々な神学・哲学者がこの謎に取り組んで来たが、結局解釈は多岐に解れるがまま。

イエス及び、自分以外の十二使徒とユダの関係は、実際の所かなり良好な物で、十二使徒は互いに互いを尊敬しあい、そして助け合って生活していた。
だがある時イエスはついに、夕食の席で、自身が十二使徒の誰かの裏切りによって処刑されねば、この世から原罪と試練、悪魔を消滅させられない事を伝える。
敬愛するイエスを自らの手で、磔に処させる。そんな事を喜んで引き受けてくれる者など、誰もいなかった。
「他に手立てはないのですか」、「私達が力を合せれば」、と侃侃諤諤の議論に発展するも、遂にその貧乏くじを自ら引き受けてくれる者がいた。
それこそが、イスカリオテ出身のユダであった。彼は十二使徒の中でも一番最後に使徒になり、しかも実力もやや低めだった為、それがコンプレックスになっていた。
今まで自分が、イエスの為になった事はなかったと身の上を恥じていたユダは遂に、己自身の手でイエスの幕を引き、十二使徒の汚れ役となる事で、
他の面々の面子を保つ決意をする。それが、嘗てはカリオテで帳簿役として一生を終える筈だった自分を、
巡礼と救済の旅に誘ってくれ、素晴らしい体験をさせてくれたイエスに出来る最大の献身だと思っていたからである。
十二使徒達も、ユダの決意と思いをよく知っており、当初は彼の事を讃えていたのだが、使徒の死後になるにつれて、伝聞の行き違いか、
ユダが私利私欲で裏切ってしまったと言うエピソードに書き換えられてしまう。そちらの方がストーリー的に、盛り上がると教会や聖職者、語り部が考えたからである。
これが、世界で一番有名なユダの裏切りのエピソードの真相である。銀貨に纏わるエピソードなど嘘っぱち。イスカリオテのユダとは、己の捨て身の献身を後世の人間によって徹底的に歪められた末に生まれた怪物であった。

バーサーカーとしての召喚、そして、無辜の怪物による属性付与の中にあっても、イエスへの敬愛をユダは失っていない。
裏切りに関しては、己の身の上を全く恥じておらず、イエスを神の座へと祀り上げさせ、他の使徒に出来なかった事をして見せたと思っており、寧ろ誇っている程。
だが、己の人生に彩りを与えてくれたイエスに対してはある種の狂愛を抱いており、彼の事を馬鹿にし、けなす者に対しては容赦の欠片もない。
そしてユダにとって聖杯戦争の景品たる聖杯は、イエスの聖性を汚す汚物にしか映っておらず、これを破壊する為ならば彼は一切の容赦もしない。
従って、この男には聖杯に掛ける願いなどない。あるのはただ、嘗て愛した男の名誉に傷を付けん聖杯を、完璧に解体せんとする願望である。

【特徴】

鍛え上げられた上半身を露出させ、その上に裏地の紅い黒マントを羽織った、赤い髪をした眼鏡の青年。ボトムスには、カーキの長ズボンを選んでいる。
目の下には不健康そうな隅が出来ており、平素の不摂生、或いは、無辜の怪物によるストレスと変性を窺わせる。

【聖杯にかける願い】

聖杯に掛ける願いはない。彼の願いは、聖杯の解体である。

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最終更新:2017年11月07日 22:16