研究方法論その2-問題の発見-


問題解決の本質

問題解決の本質は解決にあるのではなく,発見にある

 問題解決において,最も必要なのは「良くしたい」という向上心である.
 この「良くしたい」気持ちが "問題を見つける", "問題を意識する" 原動力になる.
 見つけた課題を精査し,改めて問題として設定できれば,問題解決の半分ができたことになる.

見える問題と見えない問題

 問題には「目に見えるもの」と「目に見えないもの」がある.

見える問題

 誰が見ても明らかに問題を分かるもの.
 発生型の問題
例)学校の宿題
  自動車の故障

見えない問題

 そのままでは気づきにくい,本質を見逃しやすいもの.
 設定型の問題
例)販売実績と利益が比例しない
  薬の薬理効果と副作用

問題を見つける

 「見えない問題」を見つけることが出来るかどうかは,普段のものの見方・考え方に依存する.
 問題を見つけ,より良い状態にしたいと思うには,自身の目標とするレベルを常に高い状態に置くことが必要である.
 問題を見つけるには,次のことを意識することが大切である.

1. 誰の問題か

 意識や立場が違えば,問題に対する考え方・解決方法が異なる.
 意識の違い:問題と思うか,思わないか
 立場の違い:同じ問題でも立場によって目標が異なる.

2. 問題意識を持つ

 自分のしていること,置かれた環境に疑問を持つ.
 立場を変えて,相手の目線になって考えてみる.

3. 視野を広げる

 自分にない知識・情報を積極的に学ぶ.
 素直に他人,特に意見の異なる人の考えに耳を傾け,新たな視点や考え方を学ぶ.

4. 正確な現状の把握

 事実を正確に把握する.
 誰の発信した情報か,どこで作られたデータか,信頼に足る情報か等を常日頃から考える.

5. 定量的な把握

 事実を定量的に把握する.
 数値化することにより,過去からの変化の様子や将来予測が可能になる.
 また,他のデータとの比較で問題の理解が深まり,全体像が見えてくる.

6. 問題を書き出す

 思いついたことは.先ず書き留めていく.
 書き出すことで,考えを整理しやすくなり,また別の考えと合わせて,新しい考えが浮かぶこともある.
最終更新:2012年11月21日 13:30