はじめに

BlueStacksをアップグレードすると、これまで正常動作していたアプリが不動または不安定になったりする可能性があり、その問題解決が長期化する場合がある。
アップグレードしたBlueStacksは基本的に旧バージョンへダウングレードできないが、前提条件を満たせば可能である。

この記事の目的は、新しいBlueStacksがリリースされるたびに、古いバージョンのダウンロードリンクがBlueStacksのサポートページから削除されてしまうため、以前のインストーラーに関する入手情報をまとめたものである。

アップグレードには目立った問題が伴うことが多いが、アプリの修正やAndroidのシステムライブラリ（WebViewなど）の更新も含まれるため、必ずしもアップグレードが悪いとは限らないことにも留意したい。

なお、本記事はWindows版 BlueStacks 5を対象にしている。

ダウングレードの実施

ダウングレードの前提条件は、元に戻したい旧バージョンのインストーラーのインストーラーを所持していること、および元に戻したい旧バージョン時に実施したバックアップデータが必要である。
条件を満たさなければ、旧バージョンのBlueStacksをインストールを正常完了しても、ユーザーデータが元に戻ることは無い。つまり、ゲームなどのセーブデータ全て失うリスクがある。

前提条件を満たしたなら、おおまかな流れは以下のとおり：

BlueStacksを完全アンインストールする（Data.vhdあるいはData.vhdxといったユーザーデータが含まれているフォルダは完全に削除する必要がある）
対象の旧バージョンのBlueStacksをインストールする（ユーザーデータを削除していないと、この時点でインストールを拒絶・失敗する）
バックアップデータをインポートする（正常完了すると消されたユーザーデータは全て元に戻る）

バックアップやインポートの方法は、BlueStacksのサポートページ https://support.bluestacks.com/hc/articles/360059480692 も参照。

作業するにあたっての注意事項として

［重要］バックアップを行うこと
あなたが全責任を負う事

本記事はダウングレードを推進・推奨しない。
いい加減な知識でダウングレードに挑むのは愚かな行為であるため、諦めることもかしこい選択のひとつであると言える。

定期的なバックアップを推奨するが、一度に数十～数百GB単位のデータ量となるため、ディスクに十分な空き容量が必要である。また、BlueStacksに備わっている「ディスククリーンアップ」を実施することでデータサイズが縮小する可能性がある。

インストーラーの入手

ここで言及されているMicro Installer（マイクロインストーラー）とは、 https://www.bluestacks.com/download.html から入手できるBlueStacks 5最小インストーラーのこと。
本記事ではMicro Installerのことを「インストーラー」と称す。

またBlueStacks側の負担を考慮して、URLをリンクとして掲載することはしない方針である。
各自でURLの書式を組み立てるか、バージョンナンバーとハッシュリストの横にある「Copy」ボタンを押すことでクリップボードにインストーラーの形成済みURLを得られる（ただし、ブラウザがクリップボードへのアクセスを許可する必要がある）。

Micro Installerの特徴：
- オンライン環境が必須であるが、必要なデータを最小限にダウンロード、そしてインストールを自動で行う。
  通常のインストールを行うにはMicro Installerを入手するだけで良い。
Full Installer（フルインストーラー）の特徴：
- メインインストーラーやイメージが全て内包されており、オフライン状況下でも完全にインストールすることが可能である。
  ただし、すべてのイメージが含まれるため、非常に多くのディスク容量を消費する。通常のインストーラーとしての使用には適さない点に留意したい。

またダウンロードしたインストーラーの実行ファイル名を変更してはならない点にも注意が必要である。

実行ファイル内に含まれているファイルの取り出しには 7-Zip を用いるのが便利である。

ダウンロードURLの書式について

くりかえしとなるがURLをリンクとして掲載することはしないため、次のURLを書式に従って組み立る必要がある。

Micro Installer（推奨）

https://cdn3.bluestacks.com/downloads/windows/nxt/{VERSION}/{HASH}/BlueStacksMicroInstaller_{VERSION}_native.exe

Full Installer（オフライン向け）

https://cdn3.bluestacks.com/downloads/windows/nxt/{VERSION}/{HASH}/FullInstaller/{ARCHITECTURE-1}/BlueStacksFullInstaller_{VERSION}_{ARCHITECTURE-2}_native.exe

{名前(NAME)}の部分を書式に従い全て置き換えることでインストーラーのダウンロードURLを獲得できる。

アクセスに成功するとブラウザは https://cdn3.bluestacks.com/downloads/* から https://ak-build.bluestacks.com/public/app-player/* へと転送される。
本記事では一貫性を保つために前者のアドレスで表記する。

書式

書式名	項目	説明
`{VERSION}`	バージョン	バージョンナンバー。
`{HASH}`	ハッシュ（MD5）	0から9そしてaからfで構成されてる文字で、長さは常に16バイトである。
`{ARCHITECTURE-*}`	CPUアーキテクチャ	32 bit - 1と2共に`x86`に置き換える 64 bit - 1は`x64`、2は`amd64`に置き換える

CPUアーキテクチャの種類によって決められた値があり、それ以外は公開されているインストーラーのURLから情報を入手しなければならない。

置き換え例

Micro InstallerのURL書式を次のように置換する。

{VERSION} → 5.21.111.1002
{HASH} → e2f8251e3685537aaec19bc07d65a51a
64bit版Windowsを前提とするなら {ARCHITECTURE-1} → x64 , {ARCHITECTURE-2} → amd64

このように置き換えることで以下のように正しいダウンロードURLを得られる。

https://cdn3.bluestacks.com/downloads/windows/nxt/5.21.111.1002/e2f8251e3685537aaec19bc07d65a51a/x64/BlueStacks-Installer_5.21.111.1002_amd64_native.exe

バージョンナンバーとハッシュ

5.22

Version	Hash
`5.22.80.1027`	`9765d9d44b7937bb54724dd3d4b7bb71`
`5.22.75.1026`	`b81d5fb081df1f755e1c828051fcb743`
`5.22.71.1006`	`658ec9cd7a2d5a081ff58673fd4819a0`
`5.22.70.1039`	`53cc259666f2a9a31461c050ba6c3914`
`5.22.55.1007`	`fb688c77445c060cb288bd21057fdd61`
`5.22.53.1001`	`41883a5e091bb34522380d95d8017a7c`
`5.22.51.1038`	`62ec7a01a32909dfa20042adb2086069`
`5.22.50.1036`	`55ba5279a28117f1b6e81e99c53f92f8`
`5.22.0.1102`	`05d8f0c866456671405d769a653cb88d`

5.21

Version	Hash
`5.21.661.1002`	`492f6f1f9830fafc08a2521ed7c3a57c`
`5.21.660.1042`	`8acc722c0096f71dc5981632d7627e60`
`5.21.656.1001`	`5f4ab2f6a4100aa8b0ce6afcdc3faccf`
`5.21.655.1002`	`fb600a6f47b6fe3aa8d89fb6dd675ce9`
`5.21.651.1003`	`0345b0fe2dedb48ce2c51933ecae248a`
`5.21.650.1063`	`5726796c1f6cad73f3c75166c8a94f8d`
`5.21.642.1004`	`aa6a4b7ba302837029847d4100338382`
`5.21.631.1001`	`723b2d873b18566e7441e0a6b6f9cedf`
`5.21.630.1018`	`fbf29a5d1c7762cab097cb32d2e9b2e5`
`5.21.615.1011`	`6fde6ee3edfa227c28626d5d94e24788`
`5.21.610.1003`	`25343c4e28853b01095c62342d9cbc16`
`5.21.600.1019`	`f6945d044544789909820ed9a02fcb0e`
`5.21.580.1017`	`e39c08284fe5415d2a039d8ad41091f0`
`5.21.560.1027`	`596465dd87d735cb84d7446f8115ed9b`
`5.21.556.1001`	`e8b53fb304580cc24a91ef991c2148d3`
`5.21.550.1031`	`5a99b4c3b70826e26cecb85b296b66c5`
`5.21.511.1001`	`9053b39accd6f762b3f619b4f6c9f31a`
`5.21.510.1003`	`24385d0e4eea25f5e6ceba87516f7d42`
`5.21.505.1008`	`bd6d435364ee3f4188cf2c29ec46cefa`
`5.21.501.1013`	`4a5e553e8462d465639514f9ff3defcd`
`5.21.300.1070`	`945c505c4ae1f8d2241035b2075b06df`
`5.21.219.1001`	`234d6912fe93a2e4b219934381a7f1f2`
`5.21.218.1001`	`f5c0481043481fe011575dd74a2d5434`
`5.21.217.1010`	`34bc5e825952381d64fb1149ff79ec84`
`5.21.215.1042`	`1f36287dcb845b0407bb4c6cd52f4bd8`
`5.21.212.1027`	`371dc8f3e5fb81ee63e628a5fe53b07a`
`5.21.210.1023`	`572a07115cad3ea268eb2d4afcef5910`
`5.21.206.1006`	`fd635697cba53775f487aac3f41c0184`
`5.21.205.1001`	`10d8bf41715123286e8fc772fc1e32bc`
`5.21.201.1029`	`802ebd388b824281c902ef8a3d8fae98`
`5.21.200.1021`	`3888bec6d0ab20e33fb6ef40c272d940`
`5.21.150.1021`	`d609a59f30013d283c409178a0bffe5a`
`5.21.120.1025`	`429486c7a53fb77612aae8146812aac3`
`5.21.111.1002`	`e2f8251e3685537aaec19bc07d65a51a`
`5.21.110.1018`	`c8f2cfda313dc551d1cb8319bb1fb747`
`5.21.100.1011`	`ec50484c18be330f28974161e907b683`

5.20

Version	Hash
`5.20.0.1037`	`9f60d7a73e01319f46d6a579314d41cb`

5.14

Version	Hash
`5.14.21.1004`	`26a5440b147b9f4dd572002e7cb38f05`
`5.14.10.1007`	`fe50c81b3a7c18dd3877055af2012c7f`
`5.14.0.1061`	`d75165d249f1c056560eb337d13e0f9c`

5.13

Version	Hash
`5.13.210.1007`	`f37bb277487d406341947a3b97c3cf1a`
`5.13.200.1026`	`da48399b2d54784bf86f15276aac6b95`
`5.13.100.1019`	`ee788d3ecf4d20ae2936bd180951aa93`

5.12

Version	Hash
`5.12.115.1001`	`05740216d3cd05f4d3a026caefc7f2c4`
`5.12.0.1085`	`6cd0438b6c9d5946806882195416902a`

5.11

Version	Hash
`5.11.55.1003`	`16c5ec4352bc7ae425dcaaf0e108ac98`
`5.11.50.1017`	`1a0a79a2cef10192a8a84eb11209c964`
`5.11.40.1003`	`8ca5e4a05d52bb59d600572426af1450`
`5.11.1.1002`	`a7fc42682e92780335ddcabe6fd9b6e8`

5.10

Version	Hash
`5.10.250.1004`	`4f9fa23185f636ddef6789cb98493ccc`
`5.10.150.1016`	`60e0f04ca055d1762efacc6bcc46b83f`
`5.10.10.1013`	`bc20f2d6dcedf968c6bcbd7ff2dacaf3`

《リストの追加編集についての表示》

技術ログ

この節はインストーラーの技術ログとして記載する。
目的がインストーラーの入手なら、関係の無い章である。

《技術ログを表示》

イメージ

Root.vhdやfastboot.vdiなどのイメージファイルが格納された実行ファイルのこと。
通常インストーラーが自動でダウンロードするため、補完する必要ない。

URL書式

https://cdn3.bluestacks.com/downloads/windows/nxt/{VERSION}/{HASH}/Android/{IMAGENAME}/{IMAGENAME}.exe

他の書式はインストーラーの項目で説明したものと同様なので省く。

書式

書式名	項目	説明
`{IMAGENAME}`	イメージコードネーム	Android 7 Nougat - 32bit = `Nougat32`, 64bit = `Nougat64` Android 9 Pie - `Pie64` Android 11 - `Rvc64` Android 13 - `Tiramisu64`

{VERSION}と{HASH}はインストーラーの項目の書式を参照。
イメージによってはリンク切れがある。これは特定の版からリリースを開始したイメージが存在するためである。

イメージのメタデータ

各イメージのメタデータ（イメージファイルのハッシュのみ）がJSON形式で格納されている。
インストーラーにとって必要な情報。

URL書式

https://cdn3.bluestacks.com/downloads/windows/nxt/{VERSION}/{HASH}/Android/metadata.txt

他の書式はインストーラーの項目で説明したものと同様なので省く。

インストーラー

マイクロインストーラーがダウンロードしてくるインストーラー本体。
パラメーターを指定しない限り、実行してもインストールに失敗するので、普通は使わない。

URL書式

https://cdn3.bluestacks.com/downloads/windows/nxt/{VERSION}/{HASH}/{ARCHITECTURE-1}/BlueStacks-Installer_{VERSION}_{ARCHITECTURE-2}_native.exe

他の書式はインストーラーの項目で説明したものと同様なので省く。

URLのハッシュをローカルファイルから見つける

現在ではHD-Common.dllから見つけることができる。

BlueStacksがインストールされているフォルダを開く。
アドレス %ProgramW6432%\BlueStacks_nxtをWinキー+R あるいはエクスプローラーで開く。
HD-Common.dllのプロパティを確かめる。
バージョンナンバーを控えておく。
バイナリエディタなどでバージョンナンバーを検索する。
先ほど確かめたバージョンナンバーをUTF-16 LE（ユニコード）として検索する。
バージョンナンバーがいくつかヒットしてしまうがそのうちのひとつは、バージョンナンバーと1バイト挟んだとなりから長さ40バイトにハッシュがUTF-16 LEで記録されている。