青空を見た。――何処までも果てなく広がる青空を、彼女と一緒に見た。
その記憶を胸に、少年は一人空を見上げる。白み始めた夜明けの空は灰の色を湛えていて、空気には微かに水の匂いが混ざっているような気がした。頭上に広がる景色に、巨きな光の輪は見当たらない。それこそが、哀しき王の大偉業が阻止された事の何よりの証左だった。
いや、厳密には違う。この世界は、自分達が作った世界じゃない。無限に広がる多元宇宙の何処か、混沌の演算機が作り上げた電脳の街。天文台との通信はそもそも成立しておらず、頼もしくも騒がしい天才の解説を聞く事も叶わない。真実孤軍と言っていい心許ない有様で、人類最後のマスター・
藤丸立香は混沌月の聖杯戦争に放り出されたのだ。
…………はあ
この一年間、本当に色々な事が有った。嬉しい事、辛い事。納得出来ない事、腹の立った事。間違いなく自分が生きてきた十数年の中で最も濃密な一年間だったと自信を持って断言出来る。立香は、余りにも多くの困難を超えてきた。それこそ、このくらいの事態は霞んでしまうくらいに。
第一特異点、オルレアン。
第二特異点、セプテム。
第三特異点、オケアノス。
第四特異点、ロンドン。
第五特異点、イ・プルーリバス・ウナム。
第六特異点、キャメロット。
第七特異点、バビロニア。
そして、終局の冠位時間神殿にて――彼は世界を救った。未来をその手に取り戻した。
そんな彼だから、突然見知らぬ街に召喚され、其処で行われる聖杯戦争にマスターとして参加しなければならないと言われても、驚きはしたがすぐに順応する事が出来た。加えて、彼は既に何がきっかけとなって此処に足を踏み入れてしまったのかについても理解している。人理復元の立役者を混沌の月海に引き寄せた元凶は、彼が天文台……カルデアの廊下で偶然拾った、とある"鉄片"であった。
何かの機械の破片らしいそれを拾い上げた事に、物珍しげな理由が有った訳ではない。言ってしまえば、見慣れない物が落ちていたから拾ってみただけだ。カルデア内の何らかの装置から脱離したパーツだったりしたら大変だし、自分を心配してカルデアに残ってくれているサーヴァントの誰かの持ち物かもしれない。もし何てことないゴミだったなら、その時は改めてゴミ箱にでも投げ込めばいいだろう。その程度の軽い気持ちで立香は、その"鉄片"を手にした。
次の瞬間には、彼は見知らぬ街並みを眺めていた。街の名前が冬木市と言う、自分にとっても覚えの有る地方都市である事を知ったのは暫くしてからの事である。尤も、地力で調べて突き止めた訳ではない。自分のサーヴァントを名乗る男が、困惑を露わにする立香に色々と教えてくれたのだ。
聖杯戦争。あらゆる願いを叶える、万能の願望器。究極の聖遺物たる聖杯を争奪する血塗られた戦い。
無論、立香もそれについての知識は有している。人理修復の旅の中で聞いたり、召喚したサーヴァントから教えて貰ったり、イレギュラーな参加者として介入したり。……更に言うなら、彼はもう何度も"聖杯"を見ていた。それどころか実際に回収し、持ち帰っている。特異点であったり、別口のアクシデントであったり、時には呆れ返るようなバカバカしいイベントで回収した事さえある。
"この"冬木市では、今まさにそれを争奪する戦いが行われている真っ最中だと、彼のサーヴァントは言った。立香が『これはまた面倒な事に巻き込まれたみたいだぞ……』と思わず溢してしまった事は、きっと誰にも責められないだろう。
カルデアとの通信は完全に封じられ、現状聖杯戦争に参加する以外の脱出手段は確認出来ない。立香の戦いをこれまでサポートしてきた、彼の使役するサーヴァント達も、此処には居ない。自分が唯一頼れる"彼"の戦いをサポート出来る、カルデア製の魔術礼装を装備しているのがせめてもの不幸中の幸いか。
また、この街の住人として聖杯戦争に臨むに当たって、"藤丸立香"にも日常生活を送る為のロールが与えられていた。彼の身分は、アパートで独り暮らしをしているごくごく普通の学生。学生証や制服なんかも仮の家にはきっちり完備されており、何から何までまさに至れり尽くせりだった。
サーヴァントの彼によれば、自分は記憶を取り戻すのが異様に速く、冬木への転移とほぼ同時に記憶を取り戻すマスターはほぼ居ないとの事だったが、それが凄いのか凄くないのかは立香には今ひとつ分かりかねる案件だ。
空から視線を下ろし、眼下に広がる街並みを俯瞰する。
平和な街だ。過去、一番最初に訪れた時のこの街はどこもかしこも炎上して、地獄絵図の様相を呈していたが、"この"冬木にはそうした汚染の気配は全くない。
所詮電脳世界、作り物の街なのだから当たり前と言えば当たり前だが、それでも立香は、これからこの平和が聖杯戦争の舞台となる事で崩れていくと考えると陰鬱な物が込み上げるのを禁じ得なかった。藤丸立香と言う少年は、善性に満ちている。七つの特異点を巡り世界を救った今でもそれは変わらない。彼は、悪の素養を全く持たない。
その彼だからこそ、聖杯戦争に対して思う心は一つ。
セイバー、居る?
「おうよ」
呼び掛けに応えて実体化したサーヴァント・セイバーは、身長六尺を超える長身の偉丈夫であった。血染めの花を思わせる赤髪は毬栗のように逆立ち、東洋の英霊である事を同色の麻呂眉が物語っている。背負っている武器は、セイバーらしく大剣だ。彼の背丈に匹敵するその長さから、素人目からしてもかなりの破壊力を持つ武装なのだと言う事が解る。
立香が初めて彼と対面した時、連想したのは第七特異点、ウルクで出会った数々の神霊達だ。イシュタル、エレシュキガル、ケツァル・コアトル等の錚々たる面々に限りなく近い物を、この英霊は有していた。そういう存在に慣れている立香で無ければ、対面の瞬間に腰を抜かしていたかもしれない。
自分のサーヴァントが凄まじい、本来聖杯戦争に召喚出来る事自体が奇跡のような存在である事は、立香にも何となく解った。だからと言って立香は彼に萎縮したり、畏怖の念を抱いたりはしない。先程言った"慣れている"と言うのも理由の一つでは有るが、実のところ、其処にはもっと大きな理由が有る。――雰囲気だ。セイバーが醸している雰囲気は紛れもなく、立香を幾度となく助けてくれた人類史に名高き益荒男達のそれと同一の物だった。
それだけで全面的に気を許してしまうなんてと、一般的な感性の魔術師には笑われてしまうかもしれない。だが、生憎とこの少年は合理的思考に基づいて行動し、人道に悖る行いも厭わない"魔術師"とは根本からかけ離れた人物なのだ。身も蓋もない事を言えば、魔術師としては大成しないタイプ。倫理の限界にぶち当たり、一定以上の成功を見込めない、魔術師と言う職にそもそも剥いていない人間。
――そんな彼だからこそ、人類史を取り戻せた。彼でなければ、世界は救えなかった。
「腹ぁ括ったって顔してんな。良いぜ、聞いてやろうじゃねえか。あんたは、どうしたい?」
自分は――
願う事の意味は理解している。聖杯に願い、何かを叶えようとした者達の事を、立香はよく知っている。
それは必ずしも、正しい行いではなかったかもしれない。それでも其処に有った願いだけは、否定してはならないと思う。数多のサーヴァントを使役し、絆を深め、彼らを理解してきた立香だからこそ、"聖杯で願いを叶えるのは間違っている"なんて陳腐な台詞を吐くことはしなかった。彼らの願いに嘘はなかった。どんな手段を使ってでも願望を成就させたいと願う心を否定すれば、それは今まで共に闘ってきた皆を侮辱する事になる。
――然し、この冬木の聖杯戦争に並び立った者達は、誰もが覚悟を決めて舞台に立った訳ではない。自分のように殆ど事故と言っていい"鉄片"の入手から迷い込んでしまった者も、セイバー曰く少なからず存在するとの事だ。そしてそうした巻き込まれた側、謂わば被害者達にも、聖杯の定める規範は容赦しない。敗者は最後には消滅、死同然の末路を辿る。その事を、立香はどうしても受け入れられなかった。
聖杯戦争を止めたい。力を貸してくれる?
誰かを、助けたい。力を貸してくれる?
これが特異点なのかどうか、それすら立香には解らない。
全ての終わりに出現すると言う聖杯が自分の知る通りの物であるのか、それを自分はこれまで通りに回収して持ち帰るべきなのか。カルデアからの指示が無い以上、立香は自ら選択し、決定しなければならない立場に有った。方針を定めるドクターも、万能の天才も、此処には居ない。如何なる時も無窮の盾で自分を護ってくれた穢れなき盾の少女(シールダー)の頼もしい声も無い。
もしかしたらこの決断は、間違いなのかもしれない。誰かの尊い願いを踏み躙り、希望を消してしまう、蛮人の選択だったのかもしれない。自分が間違っていると言う可能性を捨てず、常に頭の中に置きながら、それでも立香は選んだ。誰が聞いても彼らしいと思うだろう、救済者の一手を。
聖杯戦争を止めるのではなく、誰かを助けたい。其処に生まれる、非業の涙を掬いたい。
いつだって、藤丸立香と言うマスターはそうだった。その戦いに関わる事に一切の得が無いと解っていても、そうしたいと言う気持ち一つで飛び込んでしまう。――今回も、いつもと同じ。世界を救っても尚、人類最後のマスターの大馬鹿は治っていないのであった。
「へ――上出来だぜ。あんたはこの俺様を召喚した果報者なんだ、そうでなくちゃいけねえ」
そしてその無謀な選択を、赤髪の益荒男は豪放磊落な笑い声と共に賞賛した。
もっとよく考えろだとか、本当にそれで良いのかだとか、そんな説教臭い事を言うのは野暮って物だと彼はそう心得ている。人間として生きてきた年月を含めても自分よりずっと年下で、うんと平和な市井で育ってきた男。そんな言ってしまえば普通の人間が、こうして無茶と解っていながら理想を貫こうとしているのだ。一体どうして、それを否定出来るだろう。出来るとしたら其奴は利口なのではなく、只の臆病者であるとセイバーは思う。
先人として、サーヴァントとして。やるべき事は、おまえは正しいと認めてやる事だ。
サーヴァントはマスターを教え導く師父ではない。彼らの戦いを支え、"勝利に"導く剣であり、槍であるのだから。
「俺も乗ったぜ、その話。一丁俺とお前で、無謀な挑戦ってのを貫いてやろうじゃねえか!」
ああ。ありがとう、セイバー!
「良いってことよ。にしても、大したもんだぜ、あんた。
言葉にしちまえば簡単だが、"誰かの為"に命を張るってのはとんでもなく勇気の要る事だ。余程、あんたの言ってた……特異点の戦いだっけ? それが素晴らしい物だったんだな。あんたを見てるだけで、よく解る」
セイバーの言葉に、立香は静かに微笑んでみせる。
それは間違いなく嬉しさ、誇らしさから来る笑顔であったが――何故か其処には、一抹の寂しさが滲んでいた。
失くしたものがあったんだ。そしてその分、手にしたものもあった
世界を救う旅は楽しかった。天文台で過ごした一年間はかけがえのない時間だった。
その分、失う物も有った。助けられなかったものも、思い知らされた事も、山のように有る。
けれどその末に――少年と少女は、美しいものを見た。果てしなく広がる青空。2017年の空を。
だからこそ自分は、帰らなくてはならない。あの天文台に。明日を手に入れた、可愛い後輩の待つ場所に。
「……成程なァ。俺があんたに召喚された理由が、何となく解った気がするぜ」
え?
「まあ俺も――"俺達"にも、色々有ったんだよ。
断崖絶壁なんて軽く見えるくらいの、深い絶望しかない戦いだった。勝ち目なんて、何時だって零に等しかった」
セイバーは、懐かしそうに彼方を見据える。その瞳にはやはり、立香と同じく少しの寂しさが同居していた。
永い過酷な旅の果てに、多くの別れと出会いを経て、何かを成し遂げた者の顔だった。
ああ、と立香は思う。このセイバーも、自分と同じなのだ。
「一寸先も視えない暗闇の中を、訳も分からず足掻き続けて……漸く全てを理解して闇が晴れたと思えば、その先に広がってるのは更に馬鹿でかい闇だった」
覚えは有る。
初めて人理焼却の実行者と相対した時に覚えた絶望感は、全てが終わった今でも忘れられない。
知る、と言う事は必ずしも希望ではないのだ。知ってしまったが故の絶望と言う物が、確かに世界には存在する。
「それでも我武者羅に闘って、闘って、闘って――最後には曙光を以って、無明の闇夜を打ち破った。
あんたと同じだよ。俺も、世界を救った事があるのさ。とびきり愉快な仲間達と一緒に、失われる筈だった明日を奪い返してやった。ヒトとして過ごした時間は今思うと一時の夢のような短さだったが……ああ、何て言うんだろうなこういうの? 冒険絵巻ってのは格好が付かねえし、英雄譚とでも――」
……いや、それは違うよ
セイバーがどんな戦いを繰り広げてきたのか、藤丸立香は知らない。
正規の人類史に刻まれた戦いすら人並みにしか知らない彼が、多元宇宙の彼方、"神座"等と言う概念が存在した世界の戦いを知っている筈もない。それでも彼には、一つだけ解る事が有った。セイバーが最終的にどんな存在になったとしても、ヒトとして生きた時間が有るのならば、それは英雄譚の一言では片付けられない。
人間の一生は永遠ではない。最後には苦しみが待つ、終わりへの旅路だ。
だがそれは、断じて絶望なのではない事を、立香は知っていた。とある男に、そう教わったからだ。
限られた生をもって、死と断絶に立ち向かう。
終わりを知りながら、出会いと別れを繰り返す。
輝かしい、星の瞬きのような刹那の旅路。
これを、そう――
愛と、希望の物語
「へえ……ハハ、そいつは良い。案外良い事言うじゃねえかよ、誰かの受け売りかい?」
うん
……ちょっとね
人の一生を絶望と形容した魔神王に、ある優しい王はそう言った。
無論、あの一年間だけが少年の人生だった訳ではない。これからもずっと、何十年も時間は流れていく。彼の人生は寧ろ、救い出した2017年から再スタートを切ったとすら言えるだろう。それでも、あの旅路を一言で言い表すとするならば、これだろうと立香は思った。そしてそれは、セイバーにしても同じ。数え切れない程の絶望と別れが有ったが、赤き益荒男は結果的に世界を救ったかの旅を、陰鬱で救いのない物だった等とは思わない。
確かに愛は有った。確かに希望は有ったのだ。だから、世界は救われた。
「そんじゃ、早速行こうか主さん……いや、立香よ。何、心配するこたァねえよ。
あんたが召喚した英霊は神州一の益荒男、覇を吐く曙光の伊邪那岐だ。誓って無様に負けはしない」
そっか――よし。行こう、セイバー!
「応ともォッ!!」
斯くして――嘗て世界を救った者達の聖杯戦争が、勇ましくその幕を開けた。
◇ ◇
天(かみ)を知らぬ。
地(みち)を知らぬ。
死後の浄土も奈落も何も、概念自体存在せぬからこの生にのみ総てを欲する。
他者への敬意や友情、愛など、つまるところ素晴らしき我を彩る風流に過ぎない。
その咒、大欲界天狗道――魂の消えた魔界の理。
誰もが己を神と崇め、ゆえに誰も神に成れない。
嘗て何処かの宇宙を、そんな理が満たしていた。
自愛こそ正道、利他は気狂いの思想である。
そんな孤独の宇宙(ソラ)は、然し今となっては、無限に広がる多元宇宙の何処にも存在しない。
神が宇宙を統治する世界。
一つの治世を終わらせる為には次代の神かその自滅因子が働くしか無いにも関わらず、自愛の天を統べる邪神は余りにも強大で、無比なる者であった。数言の呟きで幾つもの宇宙を滅ぼし、腕の一薙ぎで神と呼ばれる存在を粉砕し、視認しただけで魂が自壊しかける程の質量を持つ――外道狂天狗。
然し天が滅びた以上は、かの天狗もまた滅ぼされたと言う事。黄昏時を滅ぼして具現した綻びのない最強の闇夜を照らしたのは、本来彼の宇宙では生まれ得ぬ絆の光。夜明けを告げる曙の光は、眩き命の輝きで以って天狗を消し去った。
最期に邪神に引導を渡したのは、絶対無欠の神の自我を持つ畸形嚢腫のその触覚。自愛の神に見付かる事を恐れ、震え、何もかもを忘れ去っていた触覚が、仲間と触れ合う中で確たる力を得、自閉の闇夜を打ち破るに至ったのだ。
その後神として新たな宇宙の統治に携わったとされる男の神号を、伊耶那岐命。
そして、彼が地上を生きる人間であった頃の名前を――
坂上覇吐と言った。
【クラス】
セイバー
【真名】
坂上覇吐@神咒神威神楽
【ステータス】
筋力A 耐久A+ 敏捷C 魔力B 幸運A 宝具A
【属性】
秩序・善
【クラススキル】
対魔力:C
第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
騎乗:B
騎乗の才能。
大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。
【保有スキル】
神性:A++
求道神・伊邪那岐命。
一つの宇宙を統べた最高位神格の一人。
化外を生まぬ八百万、他者の法あってこそ初めて機能する絆の覇道――天照坐皇大御神の理に所属した彼の神性は本来EXランク相当、聖杯戦争に召喚できる存在では断じてない。
今回セイバーは自身の神性をランクダウンさせ、サーヴァントの規格まで自分を矮化させて参戦している。
心眼(真):A
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。
逆転の可能性がゼロではないなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。
勇猛:A
威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。
また、格闘ダメージを向上させる効果もある。
戦闘続行:A+
往生際が悪い。
霊核が破壊された後でも、最大5ターンは戦闘行為を可能とする。
邪神の畸形:-
宇宙を残して邪神は消滅し、最早自愛の兆しはない。
このスキルが失われていることこそが、セイバーとその仲間達の勝利の証である。
【宝具】
『刃・無銘』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大補足:1~50
坂上家に代々伝わる無銘の刃。平常時は大剣の姿をしているが、特殊な過程を踏むことで形状が変わる。
全部で六つの形態を持ち、六つ目だけは別な宝具としてカウントされる。
基本形態の大剣、鞭のように撓り攻撃予測を困難にする蛇腹剣、待ちの戦法にて強みを発揮する大鋏。
気を砲弾のように放つ砲、そしてギロチンのように首を刈ることに長ける処刑鎌。
夜都賀波岐の主柱である
天魔・夜刀に引導を渡した"神殺し"の逸話から無銘の刃でありながら宝具としてのランクが高く、神性を持つサーヴァントには特攻効果を持つ。
『桃花・黄泉返り』
ランク:C++ 種別:対異能宝具 レンジ:- 最大補足:1
セイバーが所有する異能・歪み。敵の異能に対する不死性と反射特性。
彼が異能による攻撃を受けた場合、彼の総体を五百と仮定。その身に受けた歪みが千だとして、そこでセイバーは死ぬ。 だがこの宝具は受けた異能を増幅し、千五百の力を発生させる。内五百の力を使ってセイバーは蘇り、残った千の力を攻撃を放った対象に跳ね返す。ただし、その増幅率は必ずしも一定ではない。
その性質上異能飛び交う戦闘で死ぬ確率は零に近いが、肉体的損傷は当たり前に被るため、致命傷を負っても死ねないという拷問に等しい難点もある。
使用には甚大な負荷が掛かり、食らう死が強大であるほど元の彼に戻れる保証はない。常に発狂の危険が付き纏う。
また歪みを跳ね返す対象は指定が可能。敢えて味方から異能攻撃を受け、多くの歪みの特性を合成した攻撃を放つことも可能。
『曙光曼荼羅・八百万』
ランク:EX 種別:対神宝具 レンジ:1~10000 最大補足:∞
かつて邪神・第六天波旬を打ち破り、大欲界天狗道の治世を終わらせた曙光の一閃。
矮化した今の彼に、この宝具を使用する手段はない。
仮に聖杯戦争に参加した全てのマスターの令呪や魔力を燃料として燃やし尽くしたとしても、発動の前兆すらお目にかかることは出来ないだろう。
【weapon】
『刃・無銘』
【人物背景】
邪神の理を打ち破った曙光の戦士達、その一人。
黄昏を閉ざした無明の闇は、曙の光にて切り払われた。
【サーヴァントとしての願い】
立香のサーヴァントとして行動する。
――聖杯戦争にはどうもきな臭い物を感じる為、決して気は抜かない。
【マスター】
藤丸立香@Fate/Grand Order
【マスターとしての願い】
カルデアに帰る。救える者は救う。
【weapon】
なし
【能力・技能】
魔術礼装を装備しており、それを用いてサーヴァントの戦闘をサポートする事が出来る。
使えるマスタースキルは
・サーヴァントの攻撃火力を強化する"瞬間強化"
・傷を回復できる"応急手当"
・攻撃の回避をサポートする"緊急回避"
の三つ。
【人物背景】
男主人公。通称ぐだ男。
人理継続保障機関カルデアのマスター候補の中から、ただの数合わせとして呼ばれた素人の日本人。
自分に出来る事を、出来る範囲で努力する。
出来ない事なら、出来る範囲に収めようとする。
先達の助けを借りて、未来を夢見ている。
絶望的な状況下でも、人間として正しく抗い続ける。
時折挫けそうになる――振り返りもする。
だが、足を止めるのも振り返るのもほんの一瞬。そんな人物。
最初のレイシフト実験からは外されていたのだが、それが功を奏してレフ・ライノールの仕組んだ爆発事故に巻き込まれる事なく生存。以降、最後のマスターとして人理焼却を目論む魔術王との戦いに身を投じる。
そして彼は、人理焼却を食い止める偉業を成し遂げた。一年の旅の果て、少年は少女と共に青空を見た。
【方針】
聖杯戦争からの脱出手段を探しつつ、自分のように望まれずして巻き込まれたマスターを可能なら助ける。
最終更新:2017年03月17日 19:39