ウェイバー・ベルベットは、魔術師としては非才な方に部類される少年だ。

 家門はさして名のあるそれではないし、血統もたったの三代ぽっちと極めて浅い。
 世代を重ねる中で受け継がれ、蓄積・開拓されていくものである魔術回路も刻印も、由緒正しい魔術師の家門の末裔達には大きく劣る。少なくとも彼が招聘された魔術協会の総本部、時計塔には六代以上も血統を重ねた名門の末裔が珍しくもなくごろごろ在籍していた。
 しかしそれでもウェイバーは、自分が優秀で才に溢れた人材であると信じて疑わなかった。
 ほとんど独学で時計塔という最高学府の招聘を勝ち取ったのがその証拠だ。
 我こそは同期の学生共の中では勿論、時計塔開闢から今に至るまでの間でも類のない逸材であり、そんな自分の才能を理解しない者は自分に嫉妬しているか、そもそも崇高な考えを理解できない頭の残念な馬鹿のどちらかだろうと、日々周りの愚かな者達を見下しながらウェイバー少年は今日まで生きてきた。

 彼が言うところの"才能"が正当に評価されたことは、これまで只の一度としてない。
 生徒はどいつもこいつも揃いも揃って名門出身の優等生の礼賛に明け暮れ、講師でさえその例外ではない。
 彼らはウェイバーに微塵の期待もしていないことを杜撰な態度で存分に表現し、秘術の伝承はおろか、学習目的での魔導書の閲覧に許可を出すことすら渋る有様だ。
 ウェイバーが血筋と年の功だけを基準に人の価値と理論の信憑性を評価しようとする風潮に異議を唱えれば煙に巻くような形で言いくるめ、それで論破は成ったと彼を適当にあしらった。
 あまりにも当たり前に横行する理不尽。時計塔はお世辞にもウェイバーにとって居心地のいい場所ではなかったが、それでも彼は奥歯を噛み締めながら我慢し、いつか目に物見せてやると反骨心ばかりを胸に積もらせていった。
 彼が本当に自分が思うほど優秀な人物なのかどうかはさておいて、その忍耐強さは確かに評価に値するだろう。
 魔術師特有の陰湿さと腐敗したと言ってもいい時計塔の内情を、彼は当事者としてずっと味わい続けてきたのだ。

 そしてそんな彼にも、遂に我慢の限界がやって来た。堪忍袋の緒が切れた。
 その出来事はウェイバー・ベルベットに、人生で最大と言ってもいい耐え難い屈辱を与えた。
 横行する理不尽と旧態依然とした体制を是正する為、構想から執筆まで、合計四年もの時間を費やした一本の論文。
 屁理屈で煙に巻かれぬように持論を極限まで噛み砕き、重箱の隅を突くような底意地の悪い指摘をさせないように熟考に熟考を重ね、一分の隙もなく自分の抱く思想を敷き詰めた。
 会心の出来だった。必ずこの論文は時計塔に、それどころか魔術協会にさえも波乱を巻き起こすだろうと確信していた。
 しかし結論から言えば、それは改革を成すどころか、査問会の目に触れるにすら至らなかった。

"馬鹿にしやがって――馬鹿にしやがって、馬鹿にしやがってッ!!"

 ウェイバーの論文は、ただ一度流し読みしただけで、無惨に破り捨てられてしまったのだ。
 その度し難い蛮行を働いた愚物の名を、ケイネス・エルメロイ・アーチボルト。九代を重ねる名門アーチボルト家の嫡男であり、『ロード・エルメロイ』などと持て囃されている、降霊科所属の講師だった。
 ウェイバーは元々ケイネスという男を軽蔑していた。
 若くして講師の椅子に座り、学部長の娘ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリとの婚約を取り付け、ウェイバーのように泥水を啜る思いをしたことなど一度もないだろう恵まれた男。ウェイバーの嫌悪する権威という概念を体現したような人物だ。
 自分の中に渦巻く嫌悪感を僻みなどとは決して思わない。あのような男が幅を利かせているから時計塔はこのザマなのだとウェイバーは心の底から確信している。
 冷ややかに。憐れむように自分を見下ろしたケイネスの眼差しは、今も瞼の裏に焼き付いて離れない。
 あろうことかあの男は、自分の論文を読み、その素晴らしさに嫉妬して蛮行に及んだのだ。今まで散々軽視し、冷遇してきたウェイバー・ベルベットという魔術師の才能の大きさを初めて自覚し、それに自らの立場を脅かされるのではないかと恐れ、曲がりなりにも人に物を教える人間のすることとは思えない行為を働いた。

 ……と、ウェイバーはそう思っている。仮にも講師の座を勝ち取った人間があの論文の内容を理解できないわけがないのだから、ケイネスは自分に嫉妬してあんな真似をしたとしか考えられない――そう早合点して、自分の力作を妄想と一蹴した男への怒りに鼻息を荒げながら、その後の日々を過ごしていた。
 そんな日々の中。彼は一つの噂を耳にする。

 曰く、極東の地で行われる魔術師の競い合い――聖杯戦争。その内容は、ウェイバーの心を鷲掴みにして離さなかった。
 肩書きも権威も糞ほどの価値も持たない、正真正銘の実力勝負。個人の優秀さ以外のあらゆる要素が介入しない、魔術師の優劣の決定。これこそまさに、ウェイバーが長年望んでいた好機であった。
 これに名乗りを上げ、見事勝利することが出来たなら……これまで押されてきた不名誉な烙印を全て消し去れる。
 不遇の天才ウェイバー・ベルベットの名は全ての魔術師の間に轟き、これまで自分を冷遇してきた愚か者達は皆、その間抜けさを恥じて掌を返し始めることだろう。散々上から見下してきた相手の足元にひれ伏し、その叡智を恵んでくれと懇願に明け暮れることだろう。その想像はウェイバーを最高の上機嫌へと導いた。


 と。
 興奮に浮足立つウェイバーの下に、更なる幸運が舞い込んでくる。
 ある日、管財課の手違いで一般の郵便共々ウェイバーに取り次ぎを託されたそれは、ケイネスその人が恐らくは聖杯戦争の為に手配した、マケドニアより届けられた"重大な"荷物だった。
 ――聖遺物。聖杯戦争において目当ての英霊を引き当てる為に不可欠な、召喚の触媒となるアイテム。
 これだ、とウェイバーは思った。これしかない、とも思った。
 これを持ち去って聖杯戦争の舞台となる冬木市に飛び、サーヴァントを召喚すればそれだけで聖杯戦争を戦い抜く為の準備が整う。同時に憎たらしいケイネスに痛い目も見せられ、まさに一石二鳥だ。

 勝手に開封しないよう厳命されていたそれの包装を剥がすべく、弾む足取りでカッターを探そうと部屋の中を歩き回り。


 そこでウェイバーは、自分のデスクの上に、見慣れないものが載っていることに気が付いた。


 何だ、これ。訝しげな顔で拾い上げたそれは、何かの断片らしき、『鉄片』だった。
 身に覚えのない奇妙な物品をゴミ箱に放り込もうと手に取ったその時、自称・天才の視界は唐突にホワイトアウトする。
 強烈な目眩にも似た感覚と、自分という存在が世界から消失していく耐え難い悪寒。
 思わず情けない叫びすらあげながら――ウェイバー・ベルベットは"混沌の月海"へと放り出された。


 本来なら、彼は無事横取りした聖遺物を手に冬木へと旅立ち、そこでさる征服者の英雄の召喚に成功したのだろう。
 そして英雄の奔放さに振り回されながら、頭を抱えながら、がむしゃらに聖杯戦争を走り抜けていき。
 行き着いた結末は、最初の彼が望んだものとは遠い敗残でも。
 今後の彼の人生を大きく変える得難い経験と、かけがえのない友を得るに至ったのだろう。
 しかし、この世界ではそうはならなかった。『鉄片』に導かれ、魔術師の少年は本来の運命から外れてしまった。
 ――だから、この話はこれでおしまいなのだ。


  ◇  ◇


 意味が分からない。
 冬木市で暮らすごく普通の留学生――という役割を与えられた魔術師、ウェイバー・ベルベットは頭を抱えていた。何に、かは言うまでもない。自分の置かれた状況全てに、だ。
 あの『鉄片』は何で、自分は何だっていきなり冬木に飛ばされてしまったのか。
 何より腹が立つのが、自分がつい数時間前まで、この状況を疑うこともなく平然と受け入れていたことである。
 覚醒のきっかけは日々の中で感じた微小な違和感だったが、もしそれに思い当たらなかったらと考えると背筋が冷える。
 その場合、自分は白痴のようにこの偽りの平穏を享受して、何も知らないまま世界の歯車に成り果てていたことだろう。自分の聡明さにウェイバーは心から感謝した。
 分からないことは山のようにあるが、そんなウェイバーの右腕には、彼があれほど欲していた三画の刻印がありありと刻まれていた。形は歪んでいるが、どこか王冠のようにも見える。

「……………………はあ」

 ウェイバーは深い、深い溜め息をついた。しかしその口元はだらしなく緩んでいる。
 過程はやや聞いていたものと違ったが、それでも自分が聖杯戦争に参加できたことに変わりはない。
 この令呪がその証拠だ。誰もが軽んじてきた自分の才能を、聖杯はしっかり認めてくれた。
 後は勝つのみ。この地でサーヴァントを召喚し、それを用いて全てのライバルを倒す。
 そして元の世界に聖杯を持ち帰り、自分の才能と優秀さを証明する。
 やることは極めて明白だが、簡単ではない。それくらいはウェイバーも承知している。
 この地にはきっと、これまでウェイバーに辛酸を嘗めさせてきた名門の魔術師も呼ばれている筈なのだ。
 それらを蹴散らす為には策が要る。立ち回りの巧さが要る。そして何より、優秀なサーヴァントが要る。

「やっぱり聖遺物はこっちにはない、か……いや、でも」

 ケイネスの聖遺物を置いてきてしまったのはあまりに痛い。
 それでもウェイバーに不安はなかった。自分ならばきっとやれると、確固とした自信があった。
 それよりも問題は、どうやってサーヴァントを召喚すればいいのかということだ。
 本来の冬木聖杯戦争と同じ要領で儀式をすればいいのか、それともまた別な手順が必要になるのか。
 魔術関係の文献を漁ることさえ困難なこの電脳の冬木市で一から調べるとなると相当に手間だ。もし儀式の手順が変わっているのなら、まずどこに儀式の資料があるのかから調べて行かなければならないが――そんなウェイバーの危惧は、結論から言えば杞憂に終わった。

 この混沌月海において、サーヴァントの召喚に決まった手順は存在しない。
 皆それぞれ何かしらの引き金を有していて、それが引かれた時に英霊が現れる。
 一概に言い切れない部分もあるかもしれないが、説明としてはある程度的を射ているだろう。
 そしてウェイバー・ベルベットにとっての引き金は――記憶を取り戻すことだった。


「――問おう。醜く憐れな者」


 凛と響く声に、ウェイバーは思わずその背筋を凍らせる。
 女の声だった。美声と呼んでいい音色だったが、ウェイバーがその声に対して抱いた感情は恐怖。
 何故かは、分からない。分からないが、とにかく女の声は魔術師に本能的な恐怖を覚えさせた。
 唸りをあげる虐殺装置が背中のすぐ後ろに突然現れたような、言葉にし難い恐れ。

「貴様が、私のマスターか」

 バッと勢いよく振り向いた先に立っていたのは、青髪に鋼鉄製と見えるバイザーを装着した鎧姿の女だった。
 人相ははっきりとは分からないものの、恐らく美人であろうことが両目が覆い隠されていても分かる。
 全体的に冷たい、氷のような雰囲気を醸したその女の口元は、薄い笑みの形に歪んでいる。
 その笑みがどういう種類のものかを、ウェイバーはすぐに理解することが出来た。
 時計塔の講師達が、才能主義の生徒達が、血筋に恵まれた優等生共が――ウェイバーに対して度々浮かべていたものと同じ。他人を見下し軽んじる、"持つ者"の嘲笑だった。

「……ッ」

 鎮静化していた苛立ちが、再びウェイバーの中に蘇ってくる。
 時計塔で長年味わってきた理不尽。ケイネス・エルメロイ・アーチボルトに舐めさせられた苦渋。
 折角聖杯戦争の舞台へやって来て、漸くそんな思いともおさらばかと思えば、その矢先にこれだ。
 自分の使い魔であり道具である筈のサーヴァントまでもが、自分を腐った笑顔で見下している。

「あ――ああ、そうだ! このボクがオマエのマスターだ! マスターなんだぞッ!!」
「そう。見たところマスターとしては並……いえ、それ以下のようね。精々下の中、下の上と言ったところかしら」

 ウェイバーの顔が、かあっと熱くなる。
 顔だけじゃない。頭全体が急に熱されていくのを、ウェイバーは感じていた。

「使えない。さては無能ね、"マスター"? よくもまあ貴方如きが、この私を引き当てられたものね」

 なんだ。なんだ……こいつは。
 召喚された瞬間からウェイバーを見下し、口を開けば使えないと、無能と罵倒する。否、その才能を侮辱する。
 ウェイバーは元より怒り易い質ではあったが、仮に彼でなくとも、面と向かってこう謗られたなら自尊心を沸騰させるのが当然というものだろう。
 たかがサーヴァント。たかが使い魔の分際で、こいつは今自分を何と言った?
 マスターと呼ぶ声に敬意らしいものは全くなく、皮肉交じりの蔑称であることがウェイバーにはすぐに分かった。

「オマエなッ――」

 怒りのままに口を開き、吼えようとする。ふざけるなと。自分の立場を分かっているのかと。

「……ごッ!?」

 しかし最後まで言い終えることは、ウェイバーには出来なかった。
 その腹にサーヴァントの爪先がめり込み、背後の壁まで勢いよく吹き飛ばされたからだ。
 ゴホゴホと荒い咳をし、逆流しかけた胃液を押し戻しながら、歯を食い縛って女を睨む。
 女は相変わらず、笑っていた。嘲笑っていた。その時ウェイバーは、初めて気が付く。


 ……違う。
 あれは、自分の才能の有無を嘲笑っているんじゃない。
 仮にウェイバーがケイネスのような優れた魔術師だったとしても、あれは全く同じ嘲笑をぶつけたことだろう。
 彼女はどんなマスターを引いたとしても、必ず見下し、軽蔑し、劣等と罵倒した筈だ。
 何故なら、今自分を蹴り飛ばした女の顔に浮かぶ笑みは――子供が蟻やバッタを痛め付けながら浮かべるような、自分より劣る存在に対して向けるそれだったからだ。

「身の程を弁えなさい、人類種。本来貴様など、私の前で呼吸をすることすら許されない存在なのだから」
「なんっ、だと……」
「ああでも、その幸運だけは褒めても良いわ。おまえはとても運が良い――何故ならこの私を呼び出せたのだもの」

 人類種と、女はウェイバーのことをそう呼んだ。
 遠回しに自分はおまえとは違うと、そう発言したようなものだ。
 そして事実、彼女は人間由来の英霊ではなかった。
 人間から上位種に登り詰め、その身で働いた暴虐の歴史を以って反英霊になった……彼女はそういう存在。


「我はサーヴァント・アーチャー。麗しき氷の花園を統べる眷星神が一。
 光栄に思いなさい、出来損ない。おまえは今宵、最も優れた英霊を召喚した」


 彼女は、ウェイバー・ベルベットの生きた世界とは異なる並行世界の英霊だ。
 文明の大半が一度崩壊し、星辰の粒子が地上を満たした世界。
 とある国がそれを利用して、人工的に異能者を開発、戦場の環境を一変させた世界。
 そこで彼女は歴史に名を残した。――人々の心に痛ましい爪痕を刻んだ大虐殺の下手人として。
 そう、彼女は間違っても英雄などではない。むしろその逆。英雄に悪として一度は滅ぼされた存在こそが彼女だ。
 人の名を捨て、新たに得た真名(コード)を……ウラヌス。ウラヌス-No.ζ
 人の枠を超越した存在となり、醜き人類全てを嫌悪し侮蔑する、無慈悲なる天空神に他ならない。

「我が願いは英雄への復讐。この手で下す壮絶なる死を以って、舐めさせられた苦汁への報いとする」

 令呪を用いてでもこいつを縛るべきだと、ウェイバーは心からそう思った。
 ウェイバー個人が気に入らないとか、そういう話ではない。直接痛みを浴びせられて、彼は漸く悟ることが出来たのだ。
 このサーヴァントは危険すぎる。こいつは本当に、主従関係なんて微塵も考慮する気がない。
 ウェイバーを殺しはせずとも、死ぬ寸前まで痛め付けるくらいなら、こいつは躊躇いもなくやってのけるだろう。
 そう思い、顔を上げて――その考えがまず浅はかだと思い知った。
 歪んだ口元が語っていた。令呪で縛る? いいだろう、やってみるがいい。但し仮に自害を命ぜられようと、事が住む前におまえを八つに引き裂いてばら撒いてやる……と。



 ――ウェイバー・ベルベットの不運は、全て元の歴史から外れてしまったことに集約される。

 彼があの時『鉄片』を見つけてしまったこと、或いはそれに触れてしまったこと。
 その時から結果的に見れば幸運な方へと向かう筈だった彼の運命(Fate)は崩れ、坂道を転げ落ち始めた。
 行き着いた先、混沌の冬木市。数多の世界が交差する大地で、呼び出した英霊は栄光の反対に位置する虐殺者。

"ちくしょう――畜生畜生畜生ッ! どうしてこうなるんだよぉぉッ!!"

 ウェイバーの未来には、奇しくも本来の彼が辿る道と同じように、見果てぬ暗雲が立ち込めていた。
 ただ一つそこに違いがあるとするならば、その暗雲に喜々として向かっていく王者の姿はそこにはないということ。
 あるのは微笑する魔星の姿だけだ。王者を引きずり下ろし、殺すことを渇望する復讐の星が一つ瞬いているだけ。
 自らを最強と自称する星の英霊を従えながら、或いは彼女に従いながら、ウェイバーはこの先を戦い抜くしかない。


「待ち遠しいぞ、ヴァルゼライド。全ての英霊を生贄にくべたその先で、この積年の恩讐は漸く果たされるッ」

 喜悦を浮かべて吐かれた言葉の意味は、ウェイバーには分からない。
 いや――理解したくもなかった。今はとにかく頭を抱えて、これからのことを考えなければならない。
 カードは配られ、自分は聖杯戦争を、この鼻持ちならないサーヴァントと共に乗り越えなくてはならないのだから。

 彼がどれだけ現状を嘆き、不満を吐き散らしても。
 豪快に笑ってそれを導く王の姿は――此処にはない。


【クラス】
アーチャー

【真名】
ウラヌス-No.ζ@シルヴァリオ ヴェンデッタ

【ステータス】
筋力C 耐久B 敏捷C 魔力A 幸運E 宝具B+

【属性】
混沌・悪

【クラススキル】
対魔力:C
 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。

単独行動:C
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 ランクCならば、マスターを失ってから一日間現界可能。

【保有スキル】
魔星:B
 正式名称、人造惑星。星の異能者・星辰奏者(エスペラント)の完全上位種。
 星辰奏者とは隔絶した性能差、実力差を誇り、このスキルを持つサーヴァントは総じて高い水準のステータスを持つ。
 出力の自在な操作が可能という特性から反則的な燃費の良さを誇るが、欠点としてアーチャーは、その本領を発揮していくごとに本来の精神状態に近付いていく。本気を出せば出すほど、超人の鍍金は剥がれ落ちる。
 また魔星は人間の死体を素体に創造されたいわばリビングデッドとでも呼ぶべき存在であり、死者殺しの能力や宝具の影響をモロに受ける。

復讐者:D
 魔星として起動する前、自分を玩弄し辱めた"とある人物"への憎悪。
 彼女はかの英雄を殺す為ならば、いかなる犠牲も厭わない。

忘却補正:C
 時がどれだけ流れようとも、彼女の憎悪は決して晴れない。
 英雄に死を。無惨な幕切れを。己の味わった屈辱に釣り合うだけの痛みを。
 アーチャーは英雄への憎悪を忘れない。自分にとって都合の悪い真実は目を背け、忘れ去ったまま。

超越者の傲り:B
 人間だった頃にアーチャーが持っていた貴種の傲りは、魔星に生まれ変わった瞬間から超越者のそれへと変じた。
 醜く憐れで救いようのない存在と人類種を侮蔑し、喜悦の色さえ浮かべながらそれを惨殺する殺戮者。
 軍事帝国アドラーに消えない傷痕を刻んだ"大虐殺"の実行者の片割れということも手伝って、アーチャーは人間と人属性の英霊に対して特攻効果を発揮できる。
 だがその効果は、彼女が不利に立たされれば立たされるほど弱まっていく。

【宝具】
『美醜の憂鬱、気紛れなるは天空神(Glacial Period)』
 ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~50 最大補足:1000人
 凍結能力。あらゆるものを凍結させる星辰光。シンプルで分かりやすいからこそ隙が無い。
 攻撃範囲が非常に広く、作り出された氷河期の如き空間に安全圏は存在しない。
 無尽蔵に次々と生えてくる樹氷が周囲を凍てつかせ、降り注ぐ氷杭は着弾点から氷華を花咲かせる。
 絶対零度に等しい氷気を周囲に纏っており、彼女に近付くという行動自体が自殺行為に等しく、動きが少しでも止まればそれだけで四方八方からの串刺しに合う。造り出された氷塊は外気の影響を受けず、熱力学の法則を完全に無視している。
 多方面の性質に優れているため、どのような場面でも高い戦闘能力を発揮できるのが強み。

【weapon】
 なし

【人物背景】
 アスクレピオスの大虐殺と名付けられた、帝国史上類を見ない大虐殺を生んだ張本人。
 彼女は魔星と恐れられる鋼鉄のアストラル運用兵器だが、元はカナエ・淡・アマツという貴種の人間だった。
 選ばれた者として栄華の限りを尽くしたが、不当な弾圧と権力の行使を忌んだ改革派筆頭――後に英雄と呼ばれる男、クリストファー・ヴァルゼライドによって断罪され、投獄の身へと堕ちる。
 ……それから絞首されるまでの間、彼女はヴァルゼライドから憤死しかねない程の屈辱を味わされた。
 その怒りと彼に対する憎悪は、英霊となった今もアーチャーの脳裏に深く深く刻まれたままである。

 余談だが、ウラヌスはアヴェンジャーの適性を持たない。

【サーヴァントとしての願い】
 聖杯を手に入れ、クリストファー・ヴァルゼライドに復讐する。


【マスター】
 ウェイバー・ベルベット@Fate/Zero

【マスターとしての願い】
 聖杯を元の世界に持ち帰り、周囲に自分の優秀さを認めさせる。

【weapon】
 なし

【能力・技能】
 優秀と自負しているが、魔術師としての力量は平凡。この時点では一般人への暗示も失敗してしまうくらいに非才。
 しかし実践方面の才能がない代わりに研究者としての洞察・分析の能力は秀でたものがあり、テキストの読解や記憶にかけては時計塔でも便利な見習い司書として扱われていたほど。
 一流魔術師ケイネス・エルメロイ・アーチボルトの教え子であるため、専門ではないが錬金術の心得もそれなりにある。

【人物背景】
 名門魔術師に対してコンプレックスを持つ、元時計塔の学生。
 師ケイネスに手渡される筈だった聖遺物を掠め取り、征服王イスカンダルを召喚。
 彼との出会いを通じ、大きく成長していく――それが本来の歴史における彼。
 今回は聖遺物を持ち逃げする前の時間軸から参戦しており、蹂躙の英雄は召喚できなかった。

【方針】
 聖杯戦争を勝ち抜く。……煩い煩い、勝つったら勝つんだよッ!!

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最終更新:2017年03月15日 18:20