世界史過去問2007-2008

★2007年度・・・やや難


<大論述>『農業生産の変化』難度:★★★★☆

自分の出来栄え:△

11~19世紀の農業関連とまぁ、取っつきにくい感じがする
指定用語を見ると、「湖広熟すれば天下足る」をもう一つの方と間違えてはいけませーん。
こっちは明代で長江中流域(下流域では織物などの手工業が発達)
一方、宋代の「蘇湖~」は、長江下流域。まぁ、これは頻出基本事項。
アイルランド、ジャガイモ飢饉また来ましたね。
「農業革命」の使い方に一番悩みました・・・
なんだっけって忘れてました。
答えはイギリスの話。
となると、ノーフォーク農法とかですね!
穀物法廃止とも絡めることができます。
まぁ、指定用語をざっと見る感じ、西欧、特にイギリス、中国について書けばいいことが分かります(+東欧もあり)

<小論述>『歴史上の暦』

(1)(a)『古代エジプトとメソポタミアの暦』難度:★★☆☆☆
自分の出来栄え:○
どちらも肥沃な大地ですね。農業が盛んです。
書き漏らしやすいのが、メソポタミアでの占星術。
(b)『イスラームの暦』難度:★★☆☆☆
これも非常に単純。太陰暦と知っていれば、ずれがあることが分かります。
では、何に不便なのか。生活に影響がある農作業などです。
(2)(a)『フランスの暦』難度:★★★★☆
「国民公会」が反キリスト教の立場から、グレゴリウス暦→革命暦
ナポレオンがグレゴリウス暦復活
(b)『ロシアの暦』難度:★★★☆☆
これは知ってるかどうかの問題。
革命政府はそれまでずっと使っていたユリウス暦(外国からすれば時代遅れ)からグレゴリウス暦(主流)にかえました。
(3)『元~清代の暦』難度:★★★★★
これは東大、ちょっと出題ミスった感があります。
というより悪問の類に近いです。
ただ、これだけ大問2の問題数を増やしているのなら、一問ぐらい差がつく問題が出るのもありかなーとも思いますし・・・難しいですね。
出来なくても、仕方がないと思います。

ともあれ、考えてみましょう。
最低限思い出さなくてはならないこと。
授時暦、崇禎暦書の二つ。崇禎暦書はとっさに思い出しにくいかもしれない。
まぁ、みんなここら辺までは書けるはずです。崇禎暦書の方を正しく使えてるかは怪しいけど。
でも、こんなんじゃ絶対に120字には到達しません。
てか、40字とか書いたところで採点の範囲外じゃないですかね?もしかすると0点。
暦の変化を聞かれているので、各時代ごとに考えてみます。
元・・・授時暦
明・・・???、崇禎暦書
清・・・???
となります。崇禎暦書はあくまで西洋の暦を用いた暦法書であって、これ自体が暦ではないです。
ちなみに実はこれ、明代で発行されたにもかかわらず、これをベースとした暦が作られたのは清代です。
まず、明代に何が用いられていたのか。
雰囲気からして授時暦を元に改良されたものっぽいですよね。
分かんなかったら、そう書いとけばいいんです。
でも、正確には「大統暦」と言います。
(※ここら辺は、実は用語集の「授時暦」の解説に載っています。日本の貞享暦も仲間)
次は清代は何が用いられていたのか。
明末の崇禎暦書で西洋風が入ってきたばっかでしたよね。
ここから想像するに西洋風太陽暦であると考えられます。
(※授時暦や大統暦はイスラーム天文学が元になった陰陽暦)
なら、そう書いとけばいいんです。
正確な暦の名前が分かんなくとも。「時憲暦」と言いますが。
(※ここら辺も、実は用語集の「崇禎暦書」の解説に載っています。)

上記のようにここら辺の詳しい名前を書かずにうまくまとめることもできます。

そしてさらに実は。
気づいた人も多かったはず。
東京書籍の教科書にも、山川書籍の教科書にも、
『暦』をテーマにしたコラムがちょこっと最初の方に載っています!!!
あ、大統暦とか時憲暦とかは載ってないけどね。
それと、用語集には一応解説ページには載っていた・・・
調べてないと分からないということですが。
要するにこれを出した東大の先生が言いたかったのは、
「教科書のはじめの方のコラム馬鹿にして飛ばしてんだろ?ああ?ちゃんと読んでるの?」
ってことと、
「そういうのに興味持って調べてる?」
ってことと、
「用語集なんかいらないとか言ってる奴、ちょっと出てこい」
ってことだと思う。

<一問一答>『植民地競争と民族主義運動』難度:★★☆☆☆

正解数 13/15
論述が少しいやらしいテーマだった分(えっちという意味ではなくw)、
こっちの一問一答は教科書基本レベルのオンパです。

あっ、引っかかりやすいのが問6。
ルワンダetc統治・・・と聞いて、普通は真っ先にベルギーが思い浮かぶ。
しかし、それは×になる。よく見ると、「19世紀末に」とある・・・
この頃はまだドイツ領!そして、WW1の敗戦でベルギー領になる。
それとベルギーの統治と民族対立云々、これも大論述テーマとして絡んでくることがありえます。
カタンガ州資源とか、ツチ族を上位に扱い統治に利用だとか・・・もろもろ。

ミュンヘン会談参加者。
イギリスを聞くのではなく、ここはフランスを聞いとけよw
ダラディエさんです。(用語集レベ7)
まぁ、答えはネヴィルの方のチェンバレンさん。

問10は難問。ポツンと変なの混ぜんなwww
もしかすると地理選択の人は普通に知ってるのかな?
人民革命党が一党独裁を放棄し、国名がモンゴル国になり、市場経済へ。
要するに社会主義からの脱却ですね。

★2008年度・・・普通~やや難


<大論述>『パクス・ブリタニカ』難度:★★★★☆

自分の出来栄え:○

すごく東大らしいこのグローバルすぎる問題。
イギリスを中心に、ヨーロッパ諸国、アメリカ、オスマン帝国、インド、中国、日本と全部触れなくてはいけないというスケールのでかさ。
もちろん、その他の国でも進出と抵抗を書けるならおk。
無論、最低限上のことには触れたうえでね。
それだけ大英帝国が世界帝国であり、影響を与えていたということですね。
こんだけたくさん要素がある時の長所・短所があります。
長所→それぞれ一つずつについての知識は少しずつで良い。
短所→全体のバランス(それぞれの内容の濃さ)をそろえるのが大変。後、つなぎ方(構成)が難しい。
正直言って、短所の方がでかいです。だから、この問題は難しい。

とりあえず毎回のように表を書いてみましょう。
組み込まれた動きと対抗を横に取り、それぞれの地域を縦に取って・・・
んで、例のごとく用語を表の各枠の左上にでも埋めていきます。
そして、埋まらなかったところには何が入るのかを考えます。

注意しなくてはならないのが、指定された時代範囲です。
1850年ころ~1870年代となっています。
ここ以外のことを書かないように。そこの部分が採点の対象外、もしくは減点要素です。
むしろ、これは大ヒントです!だって、その幅狭い年代にあったことを書けばよいのだから。

ワードとして悩みそうなのは「日米修好通商条約」ぐらいでしょうか。
何でイギリスとの絡みのはずが、アメリカと???となるかもしれませんが、
日本はこれと同等の内容をイギリスとも結んでいます。
イギリス中心の資本主義国際社会に引っ張り出されたわけですね。

後は、トルコが組み込まれていく過程とかは埋まらなかったはずですが、
これはクリミア戦争の戦費や1873年不況、タンジマートなどの「外債を西洋(特にここではイギリス)に頼った」結果、西洋資本に経済的依存する事態を招いています。

最後に「パクス・ブリタニカ」について。
この言葉はかのパーマストン外交で知られるパーマストンが自画自賛の意味で、
「パクス・ロマーナ」にならって名づけたものだそうです。

<小論述>『領土と境界の画定』

(1)『ロシア・清間の条約』難度:★★★☆☆
自分の出来栄え:○
もうこれはちゃんと覚えてたかどうかですべてが決まります。
アイグン条約はいつ?背景は?どこを獲得・割譲?その他補足は?
北京条約はいつ?背景は?どこを獲得・割譲?その他補足は?
ちなみに、問題文中にある黒竜江(アムール川)上の中洲とはどこ?
答え:珍宝島(ダマンスキー島)、1969年にソ連・中国間で武力衝突。
そして、1991年に国境が再画定されました。

(2)(a)『イスラエルとシリア』難度:★☆☆☆☆
自分の出来栄え:◎
あえて、この難度としてみました。
旧オスマンの支配地域を英仏で分割委任統治。それぞれどこ治めたの?で終わり。
(b)『第三次中東戦争』難度:★★☆☆☆
自分の出来栄え:○
まず、これが第三次と分かんなきゃいけない。
そしたら、イスラエルがどこを攻撃して、どこを占領したかを考える。
ちゃんと全部言えるかどうか・・・エジプト・シリア・ヨルダンを攻撃。
ヨルダン書き忘れました、さーせん。
他の中東戦争も要確認。

(3)『アルザスの帰属』難度:★★☆☆☆
自分の出来栄え:◎
まぁ、すごく係争地ですよね・・・
仏独の対立構造は西欧の軸でもありました。(以前は英仏の対立)
このことはよく出題されるテーマ。
書くことと言えば、三十年戦争、普仏戦争、第一次世界大戦、とこれぐらい。
本当なら、大戦後のECSCにつながるところも入れた問題にしたらもっと面白かったと思う。
字数的に無理なのかな・・・^^;

<一問一答>『交通のあり方』難度:★★☆☆☆

正解数 11/11
何ていうか、年を重ねるごとにどんどん易しくなっていく・・・
また交通がテーマ。しかし、以前ほどマニアックではなく教科書レベル。
サンチャコ=デ=コンポステラは、十二使徒の一人ヤコブの遺骨が発掘された場所で、巡礼者がたくさん訪れます。
このワードは近年注目度が少し上がった模様。
まぁ、ここだけやや難というぐらい。

2009年02月24日01:12 mixiより

最終更新:2009年03月01日 20:49