念の導き ─されど妖精は女神の貝へとたどり着く─
ジョシュアと別れたリュウセイは、エリアの境目を移動していた。
「くそっ、もう動きが……」
度重なる戦闘で機体はボロボロだ。このままではイングラムに再会することなく、他の参加者と同じく死を迎えて
「違う!そんなことになって……たまるかよ!」
イングラム教官、戦う事の意味を教えてくれた人。
自身が死ぬことも辛い。だがイングラムを助けてこの不可思議な区域から脱出できるならと考えた。
「…………っつぅ!」
頭痛が走った。
身体のどこかが悪い訳ではないだろう。
「何かが呼んでる………?」
何かが呼ぶ声、念動力の類?探るべきか?
「……」
フェアリオンはもう限界いっぱいだ。
どこかに落ち着けて、放送まで『声』の主を探すのもありかもしれない。
「………」
声がしたような気のするあたり、フェアリオンを設置すると、ガクン、と駆動を停止した。
「………ゴメンな、フェアリオン」
これ以上無理はさせられないだろう。
機動兵器とは、動かすことだけでも相当な無理を強いているのだ。
「………っと」
間接系や、機関部から嫌な臭いがする。
「エンジンも焼き付いてるのか?」
今までのって来た愛機をまじまじと観察。
よく動かせたものだ。
「……待ってろよ。必ず戻ってくる」
リュウセイは、気になる方へと歩き出した。
「なんだよ、こりゃあ……」
巨大な貝のような物体、その前にリュウセイは立った。
周囲に人の気配は無い。この貝のような物体こそが、リュウセイに頭痛を与えているらしかった。
「まさか……この中に何かいるのか?」
感じたままに、口に出す。
しかし……結構な大きさがある。
「ロボットが出てくるんじゃねぇだろうなぁ……」
呟く。しかし巨大謎物体は微動だに……
「!?」
光った。
貝の殻のような部分が光っている。
「まさか!?……いや」
…気のせいか?
(こいつが俺に何か……まさかな)
現実は一刻をも争う。本当なら構ってはいられない。
気になる、気にはなるが…
しかし長い間機体に乗ってないのも不味い。
リュウセイは機体に戻ることにした。
「フェアリオンも………修理しないとな」
念のために謎物体の近くまで移動。
さきほどと変わりはない
「………まさか、ホラーじゃあるまいし」
動きっぱなしなので、機体も自分も、少しだけ休憩を取るべきかもしれない。
「……1時間休憩だな」
フェアリオンのコクピットで、リュウセイは仮眠を取り始めた。
【リュウセイ・ダテ 搭乗機体:フェアリオン(登場作品 スーパーロボット大戦OG2)
パイロット状態:健康 一時間だけ仮眠中
機体状態:ボロボロ。フレームだけで動いているような状態。
現在位置:G-3とG-4の間
第1行動方針:フェアリオンの修理
第2行動方針:イングラムの捜索
第3行動方針:出来る限り争いを止める
最終行動方針:主催者打倒・脱出】
【プレート(登場作品 ブレンパワード)
パイロット状態:
機体状態:無傷
リバイバルしたときブレンパワードになるかグランチャーになるかはわからない。
現在位置:G-4よりのG-3付近
第1行動方針:リバイバルする
第2行動方針:
第3行動方針:
最終行動方針:リバイバルする】
【二日目 03:50】
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最終更新:2009年02月15日 05:15