それぞれの「約束」
「イキマ!よく無事で!」
ジョシュアの口から、再会を祝う言葉が発せられる。
あれだけイキマの心配をしていたのだら、当然だろう。
「自分から言い出した約束を破るほど、俺は落ちちゃいないさ」
本心は嬉しくて仕方がないイキマだが、ぶっきらぼうに言葉を返すことしか出来ない。
互いの無事を喜び合った二人は、別れた後のことを語り合った。
それも一段落した後、ジョシュアは聞き辛そうに、
「その…探し人のことだけど…」
と切り出した。
今話さなくては、自分達の結束は無いも同じになってしまう。
そう決心し、イキマは自分の気持ちをありのままに語った。
「心配はいらん。
確かに、姫さんとの約束を果たせなかったのも悔しい。
司馬宙…奴と生き別れてしまったのも残念だ。
だが…俺にはお前という心強い仲間がいる。ヒミカ様の元に戻るという使命もな。
その為にも、このふざけた遊戯の主催者は許しておけん。必ず…必ず奴を倒そう」
言って、改めて思う。
(なんて恥ずかしい台詞だ…)
自分の顔色は復活後一番良くなっていることだろう。
「お前って…」
「どうした?」
「顔と性格が一致離れすぎだ」
不覚にも潤んだ涙腺をせき止めつつ、ジョシュアはどうにか言葉を吐き出した。
「…顔色が良くなっちまうが。馬鹿野郎」
ののしりあう二人の姿は古くからの戦友のようで、とてもできて一日のペアとは思えない。
「それで…これから先、どうする?」
ののしりあいが一段落付くと、ジョシュアはそう切り出した。
「こいつを埋めてやろう。手伝ってくれるよな?」
答えなど最初から決まっている。
「もちろんだ。――相棒」
ガルド・ゴア・ボーマンは北――E-2の補給ポイントを目指していた。
その理由は二つ。
第一に、機体の修理と補給。
第二に、ガイキングとの戦闘を避けること。
確実にプレシアと再会するためにはやむを得ない。自分は死ぬわけにはいかないのだ。
そう自分に言い聞かせ、彼は廃墟を縫うように飛ぶ。
(俺は…絶対にプレシアとの約束を守る!)
剣鉄也は西の町を目指していた。
ああいう場所には多くの参加者が集まるだろうし、先程戦闘した相手はそこで合流すると言っていた。
通信を切り替える余裕が無かったらしく、その事は自分から話してくれた。
「その前に…修理が必要だな」
戦闘に深刻な問題は無いが、機体の損傷は無視できない。
なにが命取りになるかわからない。それが殺し合いというものだ。
(ボス…俺は必ず生き抜いてみせる。
だから…心配しないでくれ。ミケーネは必ず倒してみせるさ)
相棒との約束を守るため、血塗られた勇者は町を目指す。
【ジョシュア・ラドクリフ 支給機体:ガンダム試作二号機(機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY)
機体状況:良好
パイロット状態:良好
現在位置:E-2東部
第一行動方針:アルマナの埋葬
第二行動方針:主催者打倒の為の仲間を探す
最終行動方針:イキマと共に主催者打倒】
【イキマ 搭乗機体:ノルス・レイ(魔装機神)
パイロット状況:良好(ジーグ、バランの死を克服)
機体状況:右腕を中心に破損(移動に問題なし)
現在位置:E-2東部
第一行動方針:アルマナの埋葬
第二行動方針:主催者打倒の為の仲間を探す
最終行動方針:ジョシュアと共に主催者打倒】
【ガルド・ゴア・ボーマン 搭乗機体:エステバリス・C(劇場版ナデシコ)
パイロット状況:良好
機体状況:良好
現在位置:E-1の市街地北部
第一行動方針:E-2での機体の修理と補給
第二行動方針: プレシア、イサムの障害の排除及び2人との合流(必要なら、主催者、自分自身も含まれる)
最終行動方針:イサムの生還】
【剣鉄也 搭乗機体:ガイキング後期型(大空魔竜ガイキング)
パイロット状態:マーダー化
機体状態:胸部に大きな破損があるが、武器の使用には問題なし。右腕切断。ダイターンザンバー所持
現在位置:D-1
第一行動方針:B-1及びA-1の町に移動
第二行動方針:機体の修理と補給
第三行動方針:他の参加者の発見および殺害
最終行動方針:ゲームに勝ち、元の世界でミケーネを打倒する】
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第147話「内と外の悪鬼」 |
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最終更新:2009年02月15日 05:18