アスガル文字の発音
アスガル文字の発音方法について解説する。ここでは特に、日本人にとっての注意事項を重点的に述べる。目標はあくまでも『訛ってはいるが通じる』レベルであり、それ以上の事は管理人の手には余る。
◆口母音字 ( Aa Ee Ii Oo Uu )
Aa Ee Ii Oo ……日本語の“ア・エ・イ・オ”で良い。
U u ……日本語の“ウ”よりも口をすぼめて発音する。日本語風の“ウ”では曖昧母音や鼻母音と誤解される恐れがある。
◆鼻母音字 ( Ää Ëë Ïï Öö Üü )
Ää Ëë Ïï Öö ……日本語の“アン・エン・イン・オン”で良い。
Ü ü ……日本語の“ウン”よりも口をすぼめて発音する。日本語風の“ウン”では曖昧母音と誤解される恐れがある。
※) 鼻母音字は“ン”を鼻に抜くような感じで発音すると、よりそれらしく聞こえる。
◆対立を持つ無声子音字 ( Cc Kk Pp Tt Zz )
C c ……日本語の“チャ行”で良い。母音を伴わない場合は“チュ”ではなく“チ”に近い。
K k ……日本語の“カ行”で良い。話者によっては“キャ行”っぽく聞こえる場合もある。
P p ……日本語の“パ行”で良い。
T t ……日本語の“タ行”で良い。ただし“Ti”は“チ”ではなく“ティ”、“Tu”は“ツ”ではなく“トゥ”と発音するので注意する。
Z z ……日本語の“ツァ行”で良い。
※) 対立を持つ無声子音が母音を伴って発音される場合は有声子音との区別を明確にする為に、無声帯気音として発音する。ただし、語頭と最終音節以外ではしばしば無気化する。具体的には、例えば“Ka”を“カ”ではなく“ッカ”のつもりで発音すると良い。厳密には少し違うが。
◆対立を持つ有声子音字 ( Jj Gf Bb Dd Xx )
J j ……日本語の“ジャ行”で良い。“J”は本来[ dZ ]だが、語頭と最終音節以外ではしばしば[ Z ]に変化する。
G g ……日本語の“ガ行”で良いが、鼻濁音の“カ゜行”にならないよう注意する。話者によっては“ギャ行”っぽく聞こえる場合もある。
B b ……日本語の“バ行”で良い。
D d ……日本語の“ダ行”で良い。ただし“Di”は“ヂ”ではなく“ディ”、“Du”は“ヅ”ではなく“ドゥ”と発音するので注意する。
X x ……日本語の“ザ行”で良い。ただし“Xi”は“ジ”ではなく“ズィ”と発音するので注意する。“X”は本来[ dz ]だが、語頭と最終音節以外ではしばしば[ z ]に変化する。
※) 対立を持つ有声子音は便宜上、対応する無声子音と同じ順番で並べてある。よって、これのみ本来の並び順と異なっている。
◆対立を持たない無声子音字 ( Ff Hh Ss Þþ Vv )
F f ……無声軟口蓋摩擦音。日本語では強いて言えば“ハ行”に似ている。ドイツ語のNachtの“ch音”( [ x ] )と近いが、それより少し奥のほうで発音する。“Fa,Fe,Fo”は日本語の“ハ・ヘ・ホ”で代用して構わないが、日本語の“ヒ”は“Hi”、日本語の“フ”は無声化した“Wu”になってしまうので注意が必要。“ヘィ”や“ホゥ”のつもりで発音すると良い。母音を伴わない場合は“ハ”よりも“ホ”に近い。
H h ……日本語の“ヒャ行”で良い。母音を伴わない場合は“ヒュ”ではなく“ヒ”に近い。
S s ……日本語の“シャ行”で良い。母音を伴わない場合は“シュ”ではなく“シ”に近い。
Þ þ ……厳密には英語の“th音”であるが、別に日本語の“サ行”で代用しても構わない。ただし“Þi”は“シ”ではなく“スィ”と発音するので注意する。
V v ……英語の“f音”である。日本語の“ファ行”で代用するのは出来れば避けた方が良い。まれにではあるが“W”と誤解される恐れがなきにしもあらず。
◆対立を持たない有声子音字 ( Ll Mm Nn Qq Rr Ww Yy )
L l ……日本語の“リャ行”で構わないが、なるべく上顎に付けた舌を弾かずに柔らかく離しながら発音する事を心がけた方が良い。弾きが強すぎると“D”と誤解される恐れがある。舌先が歯の先と合わさるくらいの位置に付けた方が、よりそれっぽく聞こえる。話者によっては弾きが弱すぎてほとんど“ヤ行”にしか聞こえない場合もあるが、そういう者は大抵“Y”を“ヤ゛行”風に発音するので誤解の元となる事は少ない。
M m ……日本語の“マ行”で良い。
N n ……日本語の“ナ行”で良い。話者によっては“ニャ行”っぽく聞こえる場合もある。
Q q ……日本語の鼻濁音“カ゜行”で代用して構わないが、厳密には少し異なる。日本語の“カ゜行”は軟口蓋鼻音であり、アスガル語の“Q”は口蓋垂鼻音である。正確に発音するには先ず“ん”で終わる日本語を発音し、そのままの舌の位置から“カ゜行”を発すれば良い。日本語の鼻濁音よりもさらに軟らかい感じに聞こえる。話者によっては“ク゜ァ行”っぽく聞こえる場合もあり、カナ表記では便宜上グァ行で転写する場合がある。
R r ……口をすぼめ、丸めた舌を口の中のどこにも付けずに“ラ行”を発音する。“ゥラ”のように聞こえる。“Ri”と“Li”の発音には注意が必要だが、“Ri”を“ルィ”のつもりで発音しておけば誤解される事は無い。
W w ……日本語の“ワ行”で良い。ただし、“Wu”は“ウ”ではなく“ヴ”という感じになる。[ vu ]ではなく[ Bu ]であり、日本語の“フ”を有声化した音になる。人によっては“Wu”だけでなく“Wa,We,Wi,Wo”も“ヴァ・ヴェ・ヴィ・ヴォ”と発音する。英語の“v音”と異なり“B”との聞き分けは難しくない。
Y y ……日本語の“ヤ行”で良い。ただし、“Yi”は“イ”ではなく“イ゛”という感じになる。発音表記は[ j\i ]であり、“Hi”(≒日本語の“ヒ”)を有声化した音になる。人によっては“Yi”だけでなく“Ya,Ye,Yo,Yu”も“ヤ゛・イ゛ェ・ヨ゛・ユ゛”と発音する。ただし、その場合でも“H”と“Y”が対立子音と認識されるわけではない。
母音を伴わない子音をゆっくりと明瞭に発音しようとする場合、曖昧母音が付加される事がある。この曖昧母音はアスガル語において音素とは認識されない。対立を持つ無声子音に曖昧母音が付加された場合、その子音が同時に無気化する事はありえないので注意が必要である。
◆声門破裂音 ( 語中……’ 語頭……対応文字無し )
語中の母音字の左肩にアポストロフィがある場合、その母音は声門破裂音を伴って発声される。母音と母音の間にアポストロフィがある場合は促音のように聞こえるが、子音と母音の間にアポストロフィがある場合は単にその子音と母音をつなげずに発音するだけである。
母音字で始まる単語の場合は自動的に、先頭の母音は声門破裂音を伴って発声される。これにより、アスガル語では子音で終わる単語の後に母音で始まる単語が続いた場合にでも、音をつなげて発音する事は無い。但し、声門破裂音が脱落しても誤解の生じる余地の無い音の連なり方である場合には、声門破裂音は脱落する事が多い。具体的には例えば“a-”ないし“ä-”で始まる単語の前に、“-a”以外の母音で終わる単語があった場合などである。
最終更新:2009年04月18日 01:45