303 :私立紳淑学園:2008/09/09(火) 00:59:45 ID:7ePqrkxe
私立紳淑学園。
高杜市の沖合いの島にある小中高一貫の全寮制の学園である。
国家予算の一%の資産を持つとも噂される資産家が中心となって建てられたこの学園は当然ながら最新の設備を完備。
県内でもトップクラスの進学率、就職率を誇り学費も公立並みという至れり尽くせりの状況だったが不思議と年間の入学希望者数は芳しくなかった。
しかし、市内においてその事を当たり前だと納得する者はいても首をかしげる者はいなかった。
「おはよー」
「おはようございます」
朝の肌寒さを残す通学路に元気な声が飛び交う。
学園に通う生徒達だが、彼女らの服装には奇妙な点がある。
上はセーラー服だが下には何も穿いていないのだ。
尤も、下半身を晒しているという訳ではなく紺色のスクール水着を着用している。
その前を行く男子生徒は海パンに学ランである。
何も知らない人間がこの光景を見れば水泳の授業の前後かと思うだろうが、実際はそうではない。
この学園ではこの格好が校則で定められた“制服”なのだ。
そして入学希望者が少ない理由でもある。
当然、この学園が造られる際には風紀の乱れを理由に教育委員会や文部科学省は猛反対した。
しかし、数年に及んだ話し合いは大方の予想を裏切り、他の学校生徒に悪影響を及ぼさないよう市から離れた島に建設する事、学園外での制服としての着用を禁止する事などを条件に建設が認められる事になる。
この件に関しては裏で莫大な金が動いたとの噂もあるが真相は定かではない。
視点を再び登校途中の生徒に戻すが、彼女達には恥ずかしがる様子はない。
恐らく小等部からこの学園にいるのだろうがそれを差し引いても非現実的な光景である。
周囲を海に囲まれ外界から遮断された学園では常識すら遮断され異界となってしまうのだ。
ここでは奇っ怪な事件が頻発し、なおかつ生徒がそれを日常の風景として受け入れているという。
退屈な日々に飽き飽きし、何か刺激が欲しい人は一度訪れてはいかがだろうか。
ただ記録機器の持ち込みは厳しく制限されている事は注意されたし。
※ネタ設定だそうです。この設定使って作品書ける人間はほんまえらいひとやで
最終更新:2008年09月09日 21:46