西部の港湾地域には、戦前より高杜市の経済を支えてきた『三嶽重工』及び、
関連企業である『三嶽金属高杜製鉄所』『三嶽造船所』の広大なコンビナートが広がる。
一時期は、市の人口の半分が何らかの形で三嶽グループの産業に関与していたほどで、
そういったいわゆる『三嶽マン』は、戦後急成長を遂げた高杜市経済の先端を担う戦士として、地元の厚い信頼を受けた。
戦時中は軍需工場として兵器の生産に従事した為、数度にわたる米軍の空襲を受けたこの巨大な施設は、
明治時代の赤レンガを用いた外壁、操業構造物を未だそのままの姿で現存させており、
見学に訪れる者に、我が国の工業の礎をしのばせる。
はるか書房
『高杜市の工業』より