アットウィキロゴ
【漢方薬名】
通導散(つうどうさん)

【組成】
    枳実  大黄  当帰  甘草  紅花  厚朴  蘇木 陳皮  木通  無水芒硝
ツムラ 3.0g 3.0g 3.0g 2.0g 2.0g 2.0g 2.0g 2.0g 2.0g 1.8g
小太郎 3.0g 3.0g 3.0g 2.0g 2.0g 2.0g 2.0g 2.0g 2.0g 1.8g(無水硫酸ナトリウム)
太虎堂 3.0g 3.0g 3.0g 2.0g 2.0g 2.0g 2.0g 2.0g 2.0g 2.0g(乾燥硫酸ナトリウム)

【適応症状】
比較的体力があり下腹部に圧痛があって便秘しがちなものの次の諸症:月経不順、月経痛、更年期障害、腰痛、便秘、打ち身(打撲)、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)

【効能効果等】
古方の桃核承気湯に匹敵する後世方の最も実証用の駆瘀血剤である。瘀血の症候に気滞の症候(胸苦しさ、腹満、便秘)を伴うもの。

  • 六病位:陽明病
 八綱分類:裏熱実証

【用法・用量】
通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

【使用上の注意】
(1)重要な基本的注意
1.本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること。なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること。

2.本剤にはカンゾウが含まれているので、血清カリウム値や血圧値等に十分留意し、異常が認められた場合には投与を中止すること。

3.他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意すること。ダイオウを含む製剤との併用には、
特に注意すること。

4.ダイオウの瀉下作用には個人差が認められるので、用法及び用量に注意すること。

  • 慎重投与
1.下痢、軟便のある患者[これらの症状が悪化するおそれがある。]
2.著しく胃腸の虚弱な患者[食欲不振、胃部不快感、悪心、腹痛、下痢等があらわれることがある。]
3.食欲不振、悪心、嘔吐のある患者[これらの症状が悪化するおそれがある。]
4.著しく体力の衰えている患者[副作用があらわれやすくなり、その症状が増強されるおそれがある。]

(2)相互作用
  • 併用注意
〈薬剤名等〉
1.カンゾウ含有製剤
2.グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤

〈臨床症状・措置方法〉
偽アルドステロン症があらわれやすくなる。また、低カリウム血症の結果として、ミオパシーがあらわれやすくなる。(「重大な副作用」の項参照)

〈機序・危険因子〉
グリチルリチン酸は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が促進されることが考えられる。

(3)副作用
  • 重大な副作用
1)偽アルドステロン症:低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。

2)ミオパシー:低カリウム血症の結果としてミオパシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、四肢痙攣・麻痺等の異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。

  • その他の副作用
肝臓―肝機能異常(AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等)

消化器―食欲不振、胃部不快感、悪心、腹痛、下痢等

(4)高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。

(5)妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[本剤に含まれるダイオウ(子宮収縮作用及び骨盤内臓器の充血作用)、無水ボウショウ(子宮収縮作用)、コウカにより流早産の危険性がある。]

2.授乳中の婦人には慎重に投与すること。[本剤に含まれるダイオウ中のアントラキノン誘導体が母乳中に移行し、乳児の下痢を起こすことがある。]

(6)小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない]

【その他】
色―黄褐色
におい―特異なにおい
味―えぐくて苦い
  • 本剤には無水ボウショウが含まれているので、治療上食塩制限が必要な患者に継続投与する場合は注意すること。


【類方鑑別】
桃核承気湯:体力が充実した人で、下腹部の抵抗・圧痛(少腹急結)を認め精神神経症状が激しい場合に用いる。(下焦蓄血の証)

大黄牡丹皮湯:比較的体力の充実した人で、下腹部は緊張し、特にその一部に自発痛、抵抗・圧痛などの症状が激しく、精神神経症状があまり認められない場合に用いる。

桂枝茯苓丸:体力中等度の人で、症状がより緩和で便秘がなく、下腹部の抵抗・圧痛が比較的軽度の場合に用いる。(虚実中間証の瘀血)
最終更新:2011年05月09日 18:14