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誤解

小説風に書いたらめちゃめちゃ長くなった…
一応サトリツ
たどたどしいのは許してくれ

※
ざわざわと騒がしい教室。
何気ない話を幾つかして、これまた何気ない風に律は切り出した。

律「最近聡が何か変なんだよなぁ」
それにの向かいの澪が小首を傾げた。同時にストレートの黒髪がサラリと流れる。
澪「お前ら喧嘩でもしたのか?」
律「ん~、細かい喧嘩はしょっちゅうしてるけど」
澪「まぁ、そだな。…昨日私も聡に会ったけど別段変わった風でもなかったぞ」
律「…そっか。やっぱ私の気のせいかぁ?」
澪「本人に聞いてみろよ」
…―ほら、もうチャイム鳴るから。
澪に促されて律は自分の教室に戻った。

(気のせいならいいんだけどさ…)

建て付けの悪い玄関の戸がガラガラっと鳴った。

聡「ただいまー」
律「おー、おかえり聡」
リビングから律はひょいと顔を出した。
聡「あっれ、姉ちゃん早いじゃん。部活は?」
リビングに入ってきた聡は鞄をソファーにドサッと下ろした。
律「今日は部員の揃いが悪かったから休みー」
聡「ふぅん。そうなんだ」
律「あっ。なーなー聡。今週の日曜日映画行かね?ちょうど観たがってたのがあっただろ?」

途端、聡は気まずそうに視線を外すと頭を掻いて言った。
聡「今週は鈴木ん家遊びに行くんだよなぁ」
律「んじゃ再来週はどうよ?」
聡「んー…、姉ちゃんゴメン!…―実はその映画さ、鈴木達ともう約束してて」
律「えーっまじかー。…まぁ仕方ないか。楽しんでこいよ」
聡「うん。……。―あっ、そいやさ、今日姉ちゃんがいつも買ってる漫画の新刊出てたから買っといたけど、読む?」
律「おおー、読む読む!サンキュー聡」

聡が鞄をごそごそと探り始める。
律はこっそりと溜め息をついた。

(…別に普通っちゃあ普通なんだけどさ…)

日曜日は晴れだった。
自分の吐く白い息を眺めながら律は人込みを歩いていた。

(暇だなぁー。メールしても誰も捕まんないし…。にしても寒っ。寒過ぎっ)

「ん?」

ふと足を止める。
通りの向う、ゲームセンターに見覚えのある後ろ姿を見付けた。


「…――聡じゃん」

律「…――聡?」
聡「うぎゃあっ!」

聡がびくっと飛び上がる。と同時に目の前のクレーンからも人形がポロリと滑り落ちた。

律「あ。落ちた」
聡「あーっ。あとちょっとで取れるとこだったのに…。うぅ、俺の五百円が…、――って姉ちゃん」
律「よ。…なぁ、お前鈴木君ち行くんじゃなかったの?」
聡「えっ?あっ、うん。えーっと…行く、よ」
その目は明らかに泳いでいる。
鈴木の家に行くと言うのは嘘だったのか?

律「…聡、私に何か言いたい事ある?」
聡「べ、別にないよ」
律「何か隠してるだろ」
聡「隠してないって」
律「だって私の事避けてるじゃん」
聡「…な、何で俺が姉ちゃんの事避けんのさ?」
「…」
「…」
「…」

ぐすん。

聡「…―って、あれ??姉ちゃん泣いてる?」
律「…うるさい、泣いてねー。馬鹿にすんな畜生…」
聡「わ、わ、ごめん。俺が悪かったから泣くなって!」
律「…――――だったら」
聡「え?」

律「…だったら全部正直に話せーーっ!」

ぐぁしっ!
聡「ぎゃー捕まったーっ」


聡「…――あんな大勢いるとこで抱き付くとかさぁ…」
…―姉ちゃんありえない。

田井中家のリビング。
帰ってきてからずっと聡はぶつぶつ文句を言っている。

とりあえず弟の主張は流しつつ律は話を進める事にした。


律「で、何で嘘ついたりしたのさ」
聡「…」

聡はまた黙り込んでしまう。

律「なあ聡…」
聡「…――姉ちゃんさ」
律「うん?」
聡「あのラブレターどうしたのさ」

律「…――へ?」

弟の口から飛び出した予想外の単語に間抜けな声が出てしまう。

聡「この間二人で映画行った日の夜にさ、ここに置いてあったやつ」
律「うげ、あれは…」
聡「姉ちゃんまさかそいつと付き合うの?あんなポエムみたいな手紙出す奴と?」
律「聡、ちょっ」
聡「だって、あれ変態じゃん。…俺、止めといた方がいいと思う」


(…――あれ?これってもしや、…―妬きもち?)

聡は唇を尖らせてそっぽを向いている。
その様子に思わず吹き出してしまった。

聡「な、何笑ってんだよ」
律「あのさ聡、それラブレターじゃないから」
聡「…――へ?」
律「澪が書いた歌詞だから」
聡「はい?」
律「新曲の歌詞なんだってそれ」


(ってか没だけど…)

聡「…―――澪姉の…。え、え?つまり、…えーっと。…………」

聡は暫く固まっていたが、その顔は見る見るうちに赤くなって、やがてプルプルと震え出した。

聡「…――し、死にたい……っ。いっそ殺して…」
律「あれ?おい、さと…」
聡「うわぁもう何も言うなぁーーっ」

かなり恥ずかしかったのだろう、聡はひたすら頭を掻きむしっている。

(えーと…、まいったなぁ。こういう時は…
…―――あ。)


律「聡」

律は名前を呼ぶと耳まで真っ赤にしているその背中を抱き寄せた。

聡「うわっ。な、なにっ」
律「…いーこいーこ」

唯に見習ってなでなでとかしてみる。
すると最初は抵抗して見せた聡だったが意外にもすんなり大人しくなった。

静まり返った部屋に冷蔵庫の電子音だけが聞こえる。


聡「…俺、姉ちゃん取られちゃうと思って」

律はきょとんとした。
聡は決してこちらを見ない。

聡「ええっと、…――ごめんなさい」

思わず顔が緩む。

律「別に気にしてないよ。」
聡「…ホントに?」
律「ほんとだって。…あ、じゃあさ、今週の日曜買い物付き合ってよ。それでチャラ。どうよ?」

腕から開放してやると聡はこちらを向いて二カッと笑った。


聡「行く!」




エピローグ。


澪「へえ、仲直りできたんだ。良かったな」
律「まぁな。いやぁ、やっぱアイツ可愛い奴だわ~。今週どこ行くかなぁ」
澪「ノロケはいいから。で結局原因は何だったの?」
律「それは言えん(キッパリ)」
澪「え、何で??」
律「澪、私はまだあの事許してないからな!」
澪「えぇえ!?」




おしまい。
長くて遅くてすみませんした
最終更新:2009年10月03日 15:40
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