弥凪家 |
玉望 |
で、何を聞きたいって言ってたっけ? |
妖夢 |
コダマとは何か、とか…。 |
玉望 |
そこまで深い話? かなり長くなるけど、寝ないでよ? |
杏珠 |
…善処します。 |
玉望 |
…こほん。 ある所に、璃鈴(りりん)という名前の 臆病で優しい妖怪がいました。 |
玉望 |
彼女は強い力を持っているにも関わらず、 人を襲わず、誰とも戦わずに暮らしていました。 |
玉望 |
そんなある日、大きな山火事が起こりました。 彼女はその力を使って、人々や妖怪を守りました。 |
玉望 |
しかしその代償に、彼女は 力を制御できなくなってしまいました。 |
玉望 |
溢れる力を、堰き止めることが できなくなったのです。 |
杏珠 |
あら、急展開。 |
玉望 |
その力は彼女の仲間を弱らせ、 同時に彼女自身の体力も奪っていきました。 |
玉望 |
そこに、彼女の親友である金髪美少女と 呑んだくれ蛇女が助けにきました。 |
勇那 |
…母様、余計な脚色はやめてください。 |
玉望 |
うっさいわね。 まぁいいわ、ここからが本題だから。 |
玉望 |
まず私が、家宝の「瓏玉」の中に 璃鈴を避難させるための空間を作ったの。 |
杏珠 |
瓏界は玉望さんが作ったんですか!? |
玉望 |
最初はこの屋敷ぐらいの広さよ。 ここまで大きくしたのは3人の力だし、 数百年ぐらいかけてるし。 |
勇那 |
もう一人、瑞薙(みずち)さんと言うのだが。 生と死を司る程度の能力を持っている。 |
杏珠 |
あ、聞いたことある。 蓮華樹海に住んでる、蛇を生やした可愛い女の子。 |
妖夢 |
…蛇? |
勇那 |
まぁ、そのうち会うこともあるさ。 とにかく、彼女がコダマを作った張本人だ。 |
勇那 |
「能力の制御を補佐する能力」を持った、 式神みたいなものとしてな。 瓏界でしか具現化できないが。 |
杏珠 |
じゃあコダマって、救命用だったんですか。 |
勇那 |
ああ。 ただ、そのうちコダマだけで足りなくなって…。 |
玉望 |
結局、瓏界の容量を増やして 彼女の力を循環させる仕組みをつくったの。 |
玉望 |
「溢れること」を抑えられなかったから、 もう方向性を変えて「能力を使いまくらせよう」と。 |
玉望 |
だから璃鈴は海神の森で暮らしているのよ。 あそこが、彼女の能力吸収を担っている場所だから。 |
杏珠 |
璃鈴さんって、そんなにすごい妖怪だったんだ…。 |
玉望 |
どうでしょうね。 今の話を聞いて、「瓏界」の大きさだけ見れば すごい妖怪に思えるけど。 |
勇那 |
その大きさも、数百年かけたものだしな。 それに今の瓏界は、璃鈴さんがいなくても機能する。 |
玉望 |
途中からは、友人や孤児を受け入れるために 拡張し続けたようなものだから…。 まぁ、普通より少しすごいくらいじゃない? |
妖夢 |
(玉望さんも瑞薙さんも十分すごいから、 基準がよくわかりません…) |
妖夢 |
あ、じゃあコダマって なんで今みたいな感じになったのですか? |
玉望 |
そうね、まだ続きがあったわ。 その頃に来た美星っていう人間… まぁ美月の先祖なんだけど。 |
玉望 |
こいつが誰にでもコダマを扱える霊具、 「霊玉」なんてものを作り上げてね。 |
玉望 |
人間でも妖怪みたいな力が使えるから、 みんなが自衛用に持ち歩いたのよ。 |
勇那 |
その頃、外でスペルカードルールが流行っていて。 同じように遊びたいってことになって。 …スペルカードバトルは、遊びじゃなくて決闘なんだが。 |
玉望 |
コダマに形を与えて、スペルを使えるようにして。 せっかくだから、幻想郷の有名人に似せてみて。 |
勇那 |
コダマ遊びが流行ったり、人が増えたりしつつ。 そして今に至るというわけだ。 |
妖夢 |
…ごめんなさい。 長すぎて飲みこめませんでした。 |
勇那 |
ただの雑学だよ。 追々、なんとなくわかっていけばいい。 |
玉望 |
というわけで、瓏界がなくなると困るのよ。 あなた達、悪いけどよろしくね。 |
杏珠 |
わかりました、頑張ってきます! 主に(主人公名)ちゃんが! |
勇那 |
お前も少しは、能力制御を覚えろ…。 |
玉望 |
勇那、ついでに神楽の修行にも付き合ってあげなさい。 あなたの構符の練習にもなるし。 |
杏珠 |
? |
玉望 |
勇那はいわゆる「仮想空間」ってやつを作れてね。 その中でコダマ遊びの修行もできるの。 |
勇那 |
私が能力不足だから、利用者の「記憶」に強く影響されるが。 コダマ遊びの修行となると… そうだな、最近戦った相手との再戦とかならできるかな。 |
勇那 |
コダマのレベルも、実際より少し低くなると思う。 |
玉望 |
というわけで、二人の修行になるし一石二鳥でしょ。 頑張ってね。 |
勇那 |
はぁ、わかりました。 (主人公名)、試してみたくなったら私の部屋に来てくれ。 |
|
「勇那の部屋」に移動可能になりました。 |
千歳 |
こんにちは。 …また珍しいメンバーね。 |
杏珠 |
こんにちは、千歳先生。 …先生は、恒例のアレですか。 |
千歳 |
ええ…。 手のかかる親友のために、今日は茸狩り。 茸汁でも作ろうと思って。 |
千歳 |
あ、話は変わるけど。 杏珠、この間の試験かなり酷かったわよ。 課題も適当だったでしょう。 |
杏珠 |
え、あ、その。 |
千歳 |
居眠りも、最近特に酷いみたいだし。 完璧にやりなさいとは言わないけど、 最低限の努力はですね…。 |
杏珠 |
あ、そうそう! (主人公名)ちゃんってば、 コダマ遊びすごい上達したんですよ! |
杏珠 |
今だったら、先生にも勝てちゃうかも! |
千歳 |
ちょっと、まだ話は終わってませんよ? 大体いつもあなたは…。 |
勇那 |
いや、確かに中々の上達ぶりだったぞ。 この間、私も負けたばかりだ。 |
千歳 |
ちょっと勇那!またそうやって甘やかすから…。 わかったわ、この位にしておきましょう。 でも、勇那が負けたと言うのは気になるわね。 |
千歳 |
それなら、私にも成長ぶりを見せてもらおうかな。 もし嘘だったら、杏珠は特別補講と… 茸狩りも手伝ってもらいましょう。 |
杏珠 |
(主人公名)ちゃん頑張って! お願いだから勝ってください! |
(戦闘終了) |
千歳 |
あらあら、本当にすごい上達ぶり。 ここまでとは思わなかったわ。 |
勇那 |
後半はかなり本気のようだったが。 …抜かれたんじゃないか? |
千歳 |
(ぎくっ) |
妖夢 |
(あらら、自分のことを棚に上げちゃって) |
勇那 |
妖夢さん、何かいいましたか? |
妖夢 |
いえ、何にも? |
杏珠 |
じゃ、千歳先生! 私達は先を急ぎますんで! |
千歳 |
仕方ないですね、今日の所は見逃すとしましょう。 璃鈴さんの所に行くなら、 粗相のないようにするのですよ。 |
杏珠 |
はーい、行ってきまーす♪ |
杏珠 |
竜胆(りんどう)先生、何してるんですか? |
竜胆 |
あー、千歳が病気でね。 薬草とか食材を集めてるの。 |
竜胆 |
また病気の薬が高くてさ。 金目の石とか持ってたら、譲ってくれない? 食べ物でもいいけど。 |
杏珠 |
そうですか。 ところでさっき、健康そうな千歳先生と会いましてね? 貧乏な竜胆先生のために、茸狩り中でしたが。 |
竜胆 |
…杏珠さん、お腹が空いたので ご飯をおごってください。 |
妖夢 |
うわ、ダメな大人がいる。 |
杏珠 |
教師が生徒にたかるとは何事ですか。 |
竜胆 |
確かにそうね、悪かったわ…。 (主人公名)、コダマ遊びをしましょう。 私が勝ったら財布を置いていきなさい。 |
勇那 |
(主人公名)、ちょっとこいつシメてやれ。 その後で通報するから。 |
(戦闘終了) |
竜胆 |
く、教師に手をあげるなんて…。 なんて酷い生徒なの!? |
勇那 |
その生徒からカツアゲしようとしておいて何を言う。 (主人公名)、ほっといて行こうか。 |
竜胆 |
ごめんなさい、今月ほんとピンチなんですー。 助けてくれないと、この怪しい茸とかで 飢えを凌ぐことになるんですー。 |
勇那 |
なるほど、飢え死にか毒死だな。 |
竜胆 |
あ、やっぱり毒キノコなんだこれ。 |
杏珠 |
飲み歩いてばかりいるからですよ…。 はいこれ、私達のお弁当の残りですけど。 あと、今晩は千歳先生が茸汁を作ってくれます。 |
竜胆 |
わーい、杏珠ちゃんありがとう! お礼に結婚してあげる! |
杏珠 |
先生、それ耳タコです。 お願いですから自立してください。 |
妖夢 |
(この人、毎月こうなのか…) |
杏珠 |
樟葉(くずは)さんこんにちはー。 何してるんです? |
樟葉 |
こんにちは。 薬草とかハーブを集めてるの。 |
勇那 |
ハーブと言えば。 この間の椿油、香りがよくて気に入っているよ。 高級品なのにありがとうな。 |
樟葉 |
あれは種子から取るものですけどね。 気に入って頂けて何よりです。 |
樟葉 |
もっとたくさん取れればいいのですけど。 私も髪が長いから、手入れが大変で。 |
杏珠 |
二人とも、長くて奇麗な髪ですもんね。 樟葉さんは伸びるのも早そうだし… いえ何でもないです。 |
樟葉 |
…杏珠ちゃん? そこに正座して、何でそう思ったか言ってごらん? |
杏珠 |
わ、私じゃないですよ!? 陽毬さんが「樟葉って絶対むっつりだよね」とか 「だから髪が長いんだよ」とか言ってただけで! |
樟葉 |
そう、あの噂の出所は杏珠ちゃんだったの。 |
妖夢 |
(あ、怒ってる。 ものすごく怒ってる) |
杏珠 |
私じゃないですってばー! |
樟葉 |
陽毬には自白剤まで試したけど、 犯人じゃなかったのよね…。 |
杏珠 |
(ぎくっ) |
勇那 |
恐ろしいことを…。 そんなに嫌だったのか。 |
樟葉 |
お酒を飲むと脱ぎだすとか? キス魔になるとか? 「普段我慢してるからだよね」とか何とか? |
杏珠 |
(ぎくぎくっ) |
妖夢 |
杏珠さん、心の声がだだ漏れです。 |
樟葉 |
(主人公名)ちゃん、ちょっと杏珠ちゃんを借りるわね。 大丈夫、新薬の実験に使うだけだから。 |
勇那 |
陽毬のセクハラが酷かった時は、 激マズ風邪薬の試飲100連発とか聞いたな。 |
勇那 |
そうだ、虫下しとかもあった。 丸一日トイレから出れなかったらしいが。 |
妖夢 |
わお。 ていうか、陽毬さんもめげずによくやりますね。 |
杏珠 |
ごめんなさい、ほんの出来心だったんです! (主人公名)ちゃん、助けてー! |
樟葉 |
…邪魔をするなら、 (主人公名)ちゃんも容赦しませんよ? さあ、観念しなさい! |
(戦闘終了) |
杏珠 |
さすが(主人公名)ちゃん! よし、今のうちに! |
樟葉 |
あ、杏珠ちゃん!? はぁ、あの子はまったくもう。 |
勇那 |
まぁまぁ、そこまで気にしなくても。 そんなウワサ、本気で信じる人なんていないさ。 |
樟葉 |
…最近、宴会の度に 陽毬やせつなちゃんが寄ってくるのよ。 |
樟葉 |
度数の強いお酒を持って。 …せつなちゃんは、映写機まで用意して。 |
勇那 |
…よくわかった。 杏珠には後できつく言っておこう。 |
千鶴 |
杏珠、うちのバカ見なかった? こっちに逃げてきたと思うんだけど。 |
杏珠 |
律さんですか? 見てないですけど…今度は何をされたんです? |
千鶴 |
私のお気に入りのハンカチを、 酒蔵で雑巾代わりに使われてさ。 洗っても汚れとお酒の匂いが落ちなくて。 |
千鶴 |
仕返しに、あいつのお気に入りのバンダナを ぬか漬けにでも突っ込んでやろうと思ってるんだけど。 |
杏珠 |
あはは…。 相変わらず、お酒が苦手なんですね。 |
千鶴 |
この間貸した服も、お酒まみれで返ってきたし。 まぁ、(主人公名)が必死にフォローするから 見逃してやったけどさ。 |
杏珠 |
この間… あ、もしかして私が転んでぶちまけた時の。 |
勇那 |
は? |
千鶴 |
…杏珠ちゃん、何の話かな? |
杏珠 |
(主人公名)ちゃん、後は任せた! (主人公名)ちゃんが勝ったら 聞かなかったことにしてください!!! |
千鶴 |
あ、ちょっと杏珠こらー! |
(戦闘終了) |
千鶴 |
いてて…。 杏珠、いきなり何を言いだすの! (主人公名)も素直に従わない! |
杏珠 |
律さんの臨死体験の話が怖くて、つい。 |
勇那 |
つい、じゃないだろ。 杏珠、お前が悪いなら素直に謝れ。 |
杏珠 |
うう、服を汚しちゃってすいませんでした…。 |
千鶴 |
素直でよろしい。 まったく、ちゃんと謝るなら何もしないわよ。 |
千鶴 |
そういう理由だったのね。 律の方から素直に謝ってくるなんて、おかしいと思った。 少し見直したわ。 |
千鶴 |
…お値段高めの服だったけど、 あまり怒らないでおいてよかった。 |
杏珠 |
ごめんなさい…。 |
千鶴 |
いいわよ、あれはシミにもならなかったし。 ところで、この間のフォンダンショコラ すっごく美味しかったなー。また食べたいなー♪ |
杏珠 |
…了解です千鶴様。 近日中にお届け致します。 |
勇那 |
相変わらずの超甘党だな。 酒蔵の娘がこれでは、阿澄家も大変だ。 |
千鶴 |
好きなものは仕方ないじゃないですか。 というわけで(主人公名)、気が向いたらウチに顔を出して 売上に貢献してやってよ。 |
杏珠 |
わかりました、今度行ってみます。 …千鶴さんは、お菓子を食べすぎて 太らないよう気を付けてくださいね。 |
千鶴 |
その時は、あんたをしばいて カロリー消費するから大丈夫よ。 |
杏珠 |
…頑張って低カロリーに仕上げてきます。 |
|
「阿澄酒蔵」に移動可能になりました。 |
弓月 |
あ、(主人公名)さん! 新しいお守りを作ったんですよ、 是非見て行ってください! |
妖夢 |
お守り? |
杏珠 |
この人は弓月(ゆづき)さん。 えーと、行き倒れて璃鈴さんに拾われた神様。 |
弓月 |
杏珠さん、その紹介はちょっと。 |
妖夢 |
はぁ、神様ですか。 ご利益は何なのです? |
弓月 |
か、家内安全とか学業成就とか 色々ありますよ? |
勇那 |
嘘を言え。 駆け出しのお前にできることは…。 |
弓月 |
コダマ遊びも得意ですよ!? 早速お見せいたしましょう! |
弓月 |
で、私が勝ったら お守りを買っていってください! |
杏珠 |
…弓月さん、今月も生活は苦しいの? |
弓月 |
…少しばかり。 |
(戦闘終了) |
弓月 |
あう、信仰ゲットのチャンスが…。 |
勇那 |
そういうのは押し売りと言うんだ。 まったく、ちゃんと自分の魅力とご利益で集めろ。 |
妖夢 |
さっき勇那さんが言いかけてましたけど、 結局ご利益は何なのですか? |
勇那 |
…家内清潔、とでも言うのかな。 |
妖夢 |
は? |
杏珠 |
弓月さんはね、 空気を奇麗にする程度の能力を持ってるの。 弓月さんに掃除してもらうと、すごくすっきりするよ。 |
妖夢 |
それは…微妙ですね。 |
弓月 |
外では大人気なのに…。 花粉症のシーズンとか。 |
杏珠 |
かふんしょお? |
妖夢 |
それなら、なんで外の世界に行かないのです? |
勇那 |
春が過ぎると、食いっぱぐれるからだったかな。 |
妖夢 |
ダメじゃないですか。 |
弓月 |
わ、私だっていつか立派な神様になって、 みんなのお願いをどんどん叶えちゃいますから! |
|
ぐぎゅるるる…。 |
弓月 |
…だから、今は私のお願いを聞いてください。 というかご飯をください。 |
杏珠 |
…余り物のお菓子でよければ、どうぞ。 |
|
「エルガーデン」に移動可能になりました。 一度「ポータブルスキマ」などで脱出してから移動してください。 |
シナリオ#08終了 |