マガシキの窟谷 |
勇那 |
よし、始めてくれ。 |
弓月 |
わかりました。 皆さんは一緒に流されないよう、注意してくださいね。 |
ルーベル |
…流される? |
マホロ |
あ、なんか凄く嫌な予感。 弓月、ちょっと…。 |
弓月 |
それじゃいきますよー。 浄符「禍津祓の禊川」! 諸々の禍事罪穢を祓い給ひ清め給へ! |
|
ザーッ! |
杏珠 |
…ぷはぁ、びっくりした! なんですか今の洪水は!? |
祢々 |
…ぐっしょり。 |
葵 |
うう、服がびしょ濡れで冷たい…。 というかこれ、私達は立ち合う必要あったんですか? |
弓月 |
ごめんなさい、なかったかも。 |
美月 |
しかしすごいな。 あれだけの瘴気が一気に晴れたぞ。 |
マホロ |
これなら簡単に奥までいけるわね。 ありがとう弓月、助かったわ。 びしょ濡れになった服のクリーニング代は、後で請求するけど。 |
弓月 |
あの、さっきの禊もクリーニング…というか 身を清めるための神事なのですが。 |
勇那 |
まあ、この程度なら歩いているうちに乾くだろ。 それじゃ私達は奥を見てくるから、 杏珠に祢々、それと葵は家で留守番してろ。 |
杏珠 |
えー、(主人公名)ちゃんだけずるーい。 私達も連れていってくださいよー。 |
祢々 |
…横暴だー。ぶーぶー。 |
葵 |
(よかった、やっとみんなで帰れる) |
勇那 |
…鏡符「夢幻帰参回廊」。 開門せよ、疾くと帰路へ通じよ。 |
杏珠 |
ちょっと勇那さ…! |
勇那 |
よし、うるさいのがいなくなったところで さっさと仕事を済ますとしようか。 |
弓月 |
いなくなったというか、追い返したというか。 |
美月 |
言って聞くやつらでもないからな、仕方なかろう。 それよりあまり遅くなるのもまずい。 さっさと出発するぞ。 |
メディスン |
ここの毒を流しちゃったのはあなた達? せっかく花の毒で一杯だったのに、 台無しになっちゃったじゃない。 |
マホロ |
えーと、それが何か問題あるの? |
美月 |
こいつは毒で動く人形の妖怪だ。 言い換えれば、毒と言うご馳走を 奪われたようなものなのだろうな。 |
勇那 |
毒で動く人形の妖怪? また珍しい妖怪がいるんだな。 |
マホロ |
私も聞いたことがないわ。 美月は随分と妖怪に詳しいのね。 |
美月 |
クレハ程ではないが、私も付き合いが多いからな。 それなりに知識も身につくさ。 |
ルーベル |
ま、そういうことなら話は早い。 毒を綺麗に流しちゃった犯人は、そこにいる緑色だよ。 置いていくから好きにしちゃって? |
弓月 |
いやまぁその通りですけど、 あっさりと神様を売り過ぎじゃないですかね。 |
マホロ |
そうよルーベル、弓月を生贄にしちゃったら また瘴気が満ちてきた時に困るでしょ。 |
美月 |
そうだな、問題が解決するまでは居てくれないと困る。 |
勇那 |
現金なやつばかりだな…。 お前ら、フォローに優しさが足りな過ぎだろ。 もう少し弓月の身も心配してやれよ。 |
弓月 |
まったくです、私もう帰っちゃいますよ? |
美月 |
「恐ろしい事件を弓月の力で解決!」 「死の瘴気を一蹴するすごい神様!」 |
弓月 |
え? |
ルーベル |
きっと町中で語り草になるんじゃない? 弓月様すごーい、一気に信仰獲得だ! |
弓月 |
え、え、え? |
マホロ |
この逸話が元になって、弓月を崇める 神事とか祭事とかが生まれたりして。 ほら弓月、せっかくのチャンスだし頑張らないと! |
弓月 |
…よ、よくわかりませんがわかりました! 私、頑張ってみます! |
勇那 |
…どっちもどっちだった。 まあいい、とにかく早く先に行こう。 早く瘴気の元に蓋をしないと。 |
メディスン |
そうはいかないわ、せっかく見つけた楽園を みすみす奪われてなるものですか。 私の毒で、あなた達の躰を満たしてあげる! |
(戦闘終了) |
メディスン |
あいたたた…。 毒が足りなくて力が出ないわ。 |
美月 |
悪いが、ここの毒はもうじき完全に消えるよ。 毒に満ちた場所なら他にもたくさんある。 今度案内してやるから、今日のところは鈴蘭畑に帰りな。 |
メディスン |
ホントに? わかったわ、それなら今日は帰ってあげる。 約束、忘れないでね。 |
弓月 |
あんな約束しちゃって大丈夫なんですか? まさかその場凌ぎの放言だなんてことは…。 |
美月 |
そんなわけないだろ、ネタはいくらでもあるさ。 瓏界内だけでも、壱埜雪原の魔窟や 薙沙の奥にある毒を吹く霊山とかな。 |
マホロ |
ふーん…瓏界の中だけでも、 まだまだ面白そうな場所が結構あるのね。 |
ルーベル |
ところで、さっきの人形が 瘴気のことを「花の毒」とか言ってたけど。 |
勇那 |
うーん、あながち間違っていない気もするが…。 まあ実物のところまで行ったら話すよ。 |
マホロ |
いやいや、花の毒と瘴気は完全に別物でしょ。 あの妖怪がどうとったかは知らないけど。 |
弓月 |
そこまで気にしなくても大丈夫じゃないですか? それより早く先に行きましょう! そして私の武勇伝を語り継ぎましょう! |
勇那 |
…美月、こっちも放言じゃないんだよな? |
美月 |
わかってるよ、ちゃんと布教してやるから心配するな。 |
雛 |
あなた達、この先は危ないわよ。 早く引き返しなさい。 |
美月 |
その危険の原因を取り除くために、 奥へ行きたいんだが…。 |
雛 |
心配無用よ、その災厄は私が引き受けて 神々に渡しておくから。 |
弓月 |
いえ、その災厄を祓い清めるのは私の役目です! 私に任せてください! |
雛 |
何を言ってるの、災厄を集めるのは厄神たる私の仕事。 新米は引っこんでなさい。 |
ルーベル |
いやいや、これは瓏界のコダマが招いた災厄。 瓏界の住人である私達が、責任を持って対応しないと! |
マホロ |
あなたもほとんど新参じゃないの。 …で、本音は? |
ルーベル |
奥まで行けないと、死のコダマとやらを 私がゲットできないじゃん。 |
勇那 |
お前、その話まだ諦めてなかったのか。 |
ルーベル |
当たり前でしょ? と言うわけで、ここは力ずくでも通してもらうよ! |
(戦闘終了) |
雛 |
私は親切に追い返そうとしただけなのに…。 |
弓月 |
ふう、危ないところでした…。 |
勇那 |
ほんとに切実だな、お前。 |
マホロ |
ただ洞窟を進むだけかと思ってたけど、 ちょこちょこと邪魔が入るわね。 |
美月 |
こんなところに来るのは 好奇心旺盛な子供くらいと思っていたが。 意外と物好きが多かったようだな。 |
ルーベル |
全部蹴散らしていけばいいだけでしょ? 気にしないでさっさと進もうよ! |
勇那 |
…更なる問題を起こしそうで怖いから、 お前はここに置いていきたいんだが。 |
マホロ |
諦めた方がいいわよ。 絶対に振りきれないから。 |
ルーベル |
さすが親友、よくわかってるじゃん♪ |
マホロ |
悪友に煮え湯を飲まされ続けてるからね。 それはもうたっぷりと。 |
ルーベル |
いやー、それほどでも。 |
マホロ |
褒めてないから。 わかっててやってるでしょ。 |
美月 |
お前ら仲いいな…。 まあ今更言っても仕方ないだろ、諦めて先に行くとしよう。 |
美月 |
この中が封印場所なのだが… えーと、どちら様かな? |
ちゆり |
ただの通りすがりの助教授だぜ。 気にするな。 |
ルーベル |
よし(主人公名)、きっとコイツが犯人だ。 とりあえず締め上げよう。 |
ちゆり |
ちょっと待て、なんだいきなり! 私は怪しい者じゃないぜ!? |
ルーベル |
幻想郷でその口調の人間は、 怪しい強盗と相場が決まっているのだよ。 さあ、観念して盗んだ物を私によこしなさい。 |
勇那 |
(無茶苦茶なようで、なぜか否定できない) |
マホロ |
まあ普通にツッコミいれておくと、 さっきまで瘴気が満ちていた場所で 通りすがりは通用しないでしょうよ。 |
ちゆり |
…しまったな、時間稼ぎもさせてもらえないとは。 しょうがない、こうなったら勝負だぜ! |
(vsちゆり戦終了) |
ちゆり |
いたた…随分と派手にやられたぜ。 |
美月 |
ここの結界を解放したのはお前か? この辺りでは見ない顔だが。 |
ちゆり |
いや、解放したのは御主人さまともう一人の…。 |
夢美 |
ちゆり、負けるのも白状するのも早過ぎよ! |
|
ボカッ!! |
ちゆり |
だって~。 |
マホロ |
なるほど、あんたが黒幕ね。 二人とも知らない顔だけど…余所者かしら? |
夢美 |
私は岡崎夢美、大学で教授をやっているわ。 統一原理にあてはまらない力を探しているの。 |
ちゆり |
助手の北白河ちゆりだぜ。 |
美月 |
ほう、その若さで教授とは大した物だが… その、何を探しているって? |
夢美 |
いわゆる魔法よ。 既存の法則に当てはまらない力、魔力を探してるの。 |
弓月 |
分類するなら、コダマは霊力だと思いますが…。 |
マホロ |
それに魔力なんてありふれているじゃない。 それなりの質の宝石が一個あれば、すぐに発現できるわよ。 |
夢美 |
私達の世界にはどっちもないのよ! だから魔法を使える人を 連れて帰ろうとしたんだけど…。 |
ちゆり |
どうにもうまくいかないんで、 せめてコダマでも持って帰れないかと研究中だぜ。 |
美月 |
私達の世界…? お前達、一体どこから来たんだ? |
夢美 |
同じ空間内の別世界…別可能世界からよ。 |
美月 |
パラレルワールドみたいなものか? それはまた、随分と話が大きくなったな。 |
夢美 |
とにかく、その世界にコダマを連れていきたいの。 別に悪いことをしてるわけじゃないのよ? |
勇那 |
それなら、できれば普通のコダマを研究して欲しいんだが。 |
夢美 |
普通のコダマで駄目だったから、 特別なコダマを見てみようと思ったんじゃない! |
ルーベル |
残念だけど、そのコダマは私の物だよ。 さっさと諦めて元の世界に帰るんだね! |
マホロ |
違うから。 少なくともあなたのじゃないから。 |
勇那 |
諦めてもらうことには相違ないんだがな。 悪いが、傍迷惑な研究はこれまでにしてもらうぞ。 |
(vs夢美戦終了) |
夢美 |
うう、やっぱり本物の魔法使いには勝てないのかしら…。 |
勇那 |
魔法使いじゃなくてコダマ使いだってば。 |
夢美 |
名前なんてどっちでもいいわよ。 仕方ないわね、ここのコダマは諦めて 別の方面からアプローチしてみます。 |
弓月 |
すいませんが、そうしてください。 |
夢美 |
と言うわけで…そちらの青い帽子の方、 ちょっと私達の世界まで来てみない? |
ルーベル |
いいじゃん、行ってきなよ! マホロの家と宝石は私が管理しとくから! |
マホロ |
丁重にお断りしますわ。 |
美月 |
私だったら付き合うぞ? 別可能世界とやらに興味がある。 |
夢美 |
あなたは魔法を使えるの? |
美月 |
魔法は使えないが、似たような霊具で…。 |
夢美 |
残念だけど、今回はご縁がなかったということで。 |
美月 |
ほほう、私では不服だと…? いい度胸だ、後で覚悟しておけよ。 今回の件についても締め上げてやらねばならんしな…。 |
夢美 |
えー、暴力はんたーい。 |
マホロ |
別世界の技術に興味があるから、私も同席させてね? 説教か尋問か拷問かは知らないけど。 |
ルーベル |
おっけー、それじゃ早速こいつらを捕縛して 身ぐるみ剥がしておこう。 |
ちゆり |
ちょっと待て! 怪しい強盗って、実はあんた達の方じゃないのか!? |
勇那 |
…物騒な話は後にしろ、早く本題を片付けるぞ。 |
美月 |
…しまった、もう桜が咲いているな。 |
ルーベル |
咲いてるとなんかまずいの? |
勇那 |
封印が生きているなら、この桜は絶対に咲かない。 つまり封印が完全に解けているということだ。 |
ラピス |
かなり手こずったけどね。 これで死のコダマはアタシの物だ! |
勇那 |
…お前、母様達にあれだけ絞られたのに まだ懲りてなかったのか。 |
弓月 |
あれ、知り合いの方ですか? |
美月 |
ウチの母の使い魔、ラピスだ。 母さん達と一緒にいたはずなんだが…。 お前、また脱走したな? |
ラピス |
美空の悪魔使いが酷過ぎるのが悪いんだよ! 事あるごとに呼び出して、 あれやれこれやれってうるさくてさ! |
勇那 |
そりゃイタズラの罰なんだから、 辛くないと意味ないだろうが。 |
ラピス |
ふんだ、でも面倒な雑用も今日で終わりだよ! これから瓏界中を死の瘴気で満たしてやるんだ、 これで美空もイチコロさ! |
マホロ |
…その美空さんとやらが、瓏界の外に出てたらどうするの? |
ラピス |
え? |
美月 |
星鏡がなければ、瓏界の外でコダマを具現化できないし 当然瘴気も届かないぞ。 |
ラピス |
…それはほら、頑張ればきっと愛と勇気でなんとか…。 ところで、星鏡ってどこにあるの? |
弓月 |
…。 |
美月 |
…。 |
勇那 |
美月、弓月。 お前ら目で物を言い過ぎだ。 |
マホロ |
(美月も意外と嘘がつけない性格なのね) |
ラピス |
ほほう、ちょうど持ち主がいるとは好都合。 そこのお前、今すぐアタシに星鏡とやらをよこしな! |
(戦闘終了) |
ラピス |
そんな…これで美空に仕返しができると思ったのに…。 |
エクレア |
美空さんに仕返しがなんですって? 早速お仕置きが必要かしら、ラナフィ…。 |
ラピス |
わーわーわー! 言うな漏らすなばらすなー!!! ていうか、なんでお前がそれを知ってるんだよ!? |
エクレア |
一人では躾が追いつかないとのことで、 美空さんが教えてくださいました。 これからは二人がかりで面倒見てさしあげますわ。 |
ラピス |
嘘でしょ…悪魔がまた一人増えた…。 |
ルーベル |
いやいや、悪魔のお前が何を言ってるんだよ。 |
美月 |
エクレアか、いいところに来てくれた。 母さんは一緒じゃないのか? |
エクレア |
美空さんは別行動中です。 私はイタズラ悪魔の捕獲を任されまして。 |
弓月 |
どちら様ですか? 来た途端、ラピスさんが一気に小さくなっちゃいましたけど。 |
美月 |
母の助手のエクレアだ。 そしてラピスの真名を知っているようだな。 |
弓月 |
真名? |
マホロ |
聞いたことあるわね。 真名を知られた悪魔は、その命令に絶対服従になるって。 |
美月 |
よくわからんが、ラピスはそういう悪魔らしい。 母に面と向かって逆らっているのを見たことがない。 |
エクレア |
ほらラピス、早く皆さんに謝りなさい。 何かご迷惑をおかけしたのでしょう? |
ラピス |
えー? 何でアタシが…。 |
エクレア |
執行しますよ? ラナフィ…。 |
ラピス |
うう…ごめんなさい、アタシが悪かったです…。 |
弓月 |
なるほど、よくわかりませんが 効果は絶大のようですね。 |
エクレア |
それでは皆さん、私達は失礼しますね。 この子には私が責任を持って折檻しておきますから。 ほらラピス、早く来なさい。 |
ラピス |
うーあー…。 折檻も奴隷生活もいやだー…。 |
ルーベル |
しまった、コダマを奪うのを忘れてた! |
勇那 |
もうラピスと契約してしまったようだし、 横取りは難しいと思うぞ。 |
ルーベル |
げ、マジで!? |
美月 |
問題のコダマは、後で母さんに言って 何とかしてもらうとするか。 ま、犯人もおさえたし一安心かな。 |
マホロ |
それは何よりだけど、さすがに疲れたし 早く帰って休みたいわ…。 |
勇那 |
悪かったな、夜中に呼び出したりして。 (主人公名)もありがとう、助かった。 |
ルーベル |
まったくだよ。 代わりに、なんとかコダマを強奪する方法を 一緒に考えて…。 |
勇那 |
お前は呼んでないし、泥棒に手を貸す気もない。 さっさと帰れ。 |
ルーベル |
ちぇー。 ところでさ、さっきのコダマも結構すごかったけど 他にこういう封印とかはないの? |
勇那 |
…えーと。 |
美月 |
勇那は本当に隠し事が下手だな。 「実はまだまだ…」というのが顔に出てるぞ? |
勇那 |
人のことは言えないだろ、 お前だって嘘つくの苦手だろうが。 |
マホロ |
(…五十歩百歩) |
ルーベル |
あるの?あるんだね!? よーし、今日は勇那の家に泊めてよ! そしてゆっくり話し合おう♪ |
勇那 |
ぜったいにお断りだ! |
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EXシナリオをクリアしました。 「ポータブルスキマ」などで脱出してください。 |
シナリオ#EX03終了 - EXシナリオ完 |