~ミストラルシティ~
ライトニングは幼少期を過ごしたミストラルシティに訪れていた。
かつて兄とともに生活していたこの街に足が向いたのは,兄
ライトレイの動向を耳にしたからだ。
「ライトレイは古の決闘者が集まる国へ赴き,戦いに明け暮れている」
ライトニングは迷っていた。自らも兄の後を追うべきか,否か。
迷うのには理由があった。
ライトレイが向かったのは,彼ら一族の生まれ故郷であったからだ。代々の教えでかの国には足を踏み入れてはいけないときつく教わってきたのだ。
しかしライトレイは禁忌を破った。
ライトレイにとって,彼を縛るものなど振り払うべき存在であり,強さを求めるのに制限などあってはならないのだ。
長らくともに過ごした兄弟の考えをライトニングはたやすく想像した。故になやんでいたのである。
???「難しい顔をしていますね。二枚目が台無しですよ?」
遠い過去に聞いた声。
ライトニングはその声に覚えがあった。
ライトニング「・・・先生!!」
先生「久しぶりですね,ライトの弟よ」
彼はライトレイとライトニングの育ての親であり,決闘の師匠ともいうべき存在。
幼い頃両親と死別してからは,彼女は人として決闘者として彼らを鍛えてきたのだ。
ライトニング「まだこの街にいたんですね,先生」
先生「なにをいっている。私はここで生まれたんだ。死ぬまでここにいるよ」
暖かい笑顔を前にして,ライトニングはしばらく話をした。
この街を去ってからいろいろな国を回ったこと。
好きなテレビキャラクターにあったこと。(先生は「ちっちゃい頃と何も変わらないな」と笑った)
そして兄と別れたこと・・・
ライトニング「ライトレイはかの国に行ったようなのです。私はどうすればいいのでしょう・・・」
先生「それがあなたの暗さの理由ですか。話には聞いていますよ。【冒険者】に導かれ数多くの決闘者がかの国に向かったとか。そうですかライトレイはあの集団とともにしているのですね」
そっとライトニングの頭に手を置き,先生は優しく,我が子に対して続けた。
先生「あなた方は私の元からすでに旅立っている。あなたの決断を私が決めることはできない。ですが,あなたのそばにいることはできます。しばらくこの街にいるといいでしょう。すこしやすみなさい。」
ライトニング「・・・そうさせてもらいます。久しぶりに先生の手料理をいただきたいですし・・・ん?」
そこでライトニングは気がついた。先生の後ろで隠れるようにしている誰かに。
ライトニング「先生,そちらは?」
先生「この子は今うちで預かっている子よ。ほら名前をいいなさい」
イワオ「こんにちわ。僕イワオ。よろしくね」
ライトニング「イワオ君か。よろしく!」
イワオの手には・・・スターロビンの人形が握られていた。
ライトニング「さすが私の弟!いい趣味をしているな!」
最終更新:2012年07月21日 17:25