「H2(エイチツー)」のシンメトリー!

~???~
???「はぁ…はぁ…」

1人の少年が息を切らしながら走る。その様はまるで何かから逃げているようだ。

???「ここまでくれば…」

アージ「もう大丈夫だと思ったのかい?」

???「!?」

アージ「鬼ごっこは終わりだよ。おとなしく捕まれ!」

???「くっ!」

少年はあたりを見回す。

???「たぁ!」ザパァン!!

少年が勢いよく海に飛び込む

アージ「海の中に逃げたか。追跡はこれで終わりだな。(あとは予定通りことが進めば…)」
アージ「クックックッ。無事生き延びてくれよ」

アージは不敵な笑みを浮かべながら去っていくのであった


~ハートランドシティ~
アサルト・シャドーとの決戦を終えた十也とウルズは奴らが現れたという噂を聞きハートランドシティへと赴いていた。

十也「奴らの手がかりを探そう」

ウルズ「あぁ。だがどこにいく。ハートランドシティで情報が集まる場所か…」

十也「そうだ!あそこなら!」


~~

カイト「あいつの調子はどうだ?」

オービタル7「はい、カイト様。意識は取り戻したのですが…」

カイト「なんだ?」

オービタル7「なにやら…」

ドロワ「カイト。客が来ている」

オービタルの話を遮りドロワが部屋へと入ってきた

カイト「客だと?だれだ」

ドロワ「神代凌牙の紹介で来たといっているんだが。どうする?」

カイト「いいだろう。通せ」

ドロワ「わかった。おいお前たち、入っていいぞ」

十也「へぇ~すごいな」

ウルズ「ここなら確かに情報がありそうだ」

十也とウルズは部屋中に置かれたモニターや機械に関心しているようだ

オービタル7「こら!お前たち何者だ!カイト様にあいさつもないとは!」

ウルズ「おぉ!悪い、悪い」

十也「始めましてだな。あんたが天城カイトか」

カイト「そうだ。お前たちは?」

十也「俺は天 十也

ウルズ「ウルズだ」

十也「俺たちは今ミストラルシティに現れた奴らの行方を追っているんだ」

カイト「ふん。数日前に現れた例の奴らか」

ウルズ「その情報をもう持っているのか!」

カイト「当然だ。奴らはバリアンかと思ったが違うようだったがな」

十也「バリアン?あぁ。確か凌牙が言っていたな。俺たちとは違う世界に住む奴らのことか」

カイト「そうだ。バリアンがまたいつ現れるかわからないからな。だがその対抗策はある」

ウルズ「対抗策だって?」

カイト「そうだ。オービタル!」

オービタル7「はい!」

オービタルがデッキと1枚のカードを取り出す

十也「これは?」

カイト「俺のデッキを元に新たに作られたフォトンデッキだ」

ウルズ「こっちのカードはなんだ?」

カイト「バリアンの使うカードを元に作られたカード。RUM-リミテッド・バリアンズ・フォースだ」

ウルズ「これがバリアンと戦うために用意された力というわけか」

ドロワ「だが1つ問題がある」

十也「問題?」

ドロワ「そうだ。そのデッキとカードを扱えるものがいないのだ」

オービタル7「カイト様のように華麗にフォトンモンスターを操り、さらにRUMを使いこなせる精神力を持つことなど容易ではないのであります」

十也「お前はそれをつかわないのか?」

カイト「俺にはギャラクシー・アイズがある。そのデッキとカードは必要ない」

ウルズ「ようするに宝の持ち腐れってわけか」

カイト「そうなってしまうな。このデッキを使いこなせる奴がいれば…」

ビービービー
警報が鳴り響く

カイト「なにがおきた!?」

オービタル7「原因が判明!侵入者がいるようであります!」

ドロワ「侵入者だと!?場所は!」

オービタル7「客室であります!あそこにはあの少年が!」

ウルズ「少年?」

十也「なんだかわからないけど手を貸すぜ!」

カイト「協力感謝する!いくぞ!」


~~
客室では先に駆けつけたゴーシュが侵入者と対峙していた

???「sinパラドクス・ドラゴンで攻撃!」

ゴーシュLP2000→0

ゴーシュ「ぐぁぁぁ!」

倒れるゴーシュ。侵入者は仮面をつけておりその表情をうかがい知ることは出来ない。
侵入者は少年の方に顔を向ける

少年「う…ぁぁ…」

???「お前の命…狩らせてもらう!」

仮面の男が少年に手にした剣型のデュエルディスクを振り上げる。

少年「ひっ!」

ドンドンドン!
部屋の扉が叩かれる

???「…」

扉の外から声が聞こえる

ウルズ「ちっ!この扉開きやしねぇ!」

ドロワ「まさかセキュリティの頑丈さがあだになるとは!」

十也「おい!大丈夫か!」

カイト「オービタル!まだか!」

オービタル「今セキュリティを急いで解除しております!少々お待ちを!」

???「増援がきたか…だが無駄なことだ」

仮面の男は再び剣を振り上げる

少年「(僕は何も知らずにこんなところで死ぬのか?そんなの…)」
少年「いやだ!」

少年から強い光が発せられる

???「くっ!これは!」

少年の目つきが変わる。その顔には先ほどのようなおびえた表情は無い

少年「(使えるデッキ…まだ誰の思念も宿っていないデッキ…あった!これだ!)」
少年「こい!」

オービタル7の体が光る

オービタル7「あら?なんでありますか。ぎゃあ!」

オービタル7の体の中にしまっていたデッキが扉をすり抜け少年の手へと渡る

カイト「なんだ今のは!」

???「デッキを手にしたか。ならば決闘でその命狩らせてもらう!」

少年「フ…フフフ…」

???「なんだ?」

少年「狩られるのはお前の方だ!いくぞ!」

???「とうとうその本性を現したか」

???&少年「デュエル!」



~~
少年と仮面の男が決闘してから数分後、扉の外では十也たちが扉を開けるため奮闘していた。

カイト「まだか!オービタル!」

オービタル7「あとちょっとであります!」

十也「さっきのデッキが飛んでいったのといいなかはどうなっているんだ…」

オービタル7「解除完了であります!」

扉が開く。

ドロワ「奴が侵入者か!」

カイト「だがなんであいつがあのデッキを使って決闘をしている?どういうことだ?」

???「ふん。邪魔者が現れたか。だがもうすぐ終わる。お前は倒させてもらう!sinパラドクスドラゴンで攻撃!」

sinパラドクス・ドラゴンATK4000 VS フォトン・リザードATK1200
少年LP3300→500

少年「ぐっ!」

???「ターンエンド。さぁ早くあきらめてその命を差し出せ」

少年「ドロー!この俺に言っているのか?面白い冗談だ!俺はフォトン・スラッシャーを特殊召喚。フォトン・クラッシャーを召喚。2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚!こい!№39希望皇ホープ!」

ドロワ「ナンバーズ!?」

オービタル7「あのデッキにはナンバーズは入ってなかったはずであります」

ウルズ「じゃああいつが持っていたカードってことか?」

十也「デッキを持っていないのになんでナンバーズだけ…」

???「そのモンスターで時間を稼ぐ気か。悪あがきを…」

少年「なにを勘違いしている?」

???「なんだと?」

少年「お前はこのターンで倒す!魔法カードRUM-リミテッド・バリアンズ・フォース!」

カイト「あいつ!あのカードを使う気か!」

少年「俺は希望皇ホープでオーバーレイネットワークを再構築!混沌を統べる赤き覇王。悠久の戒め解き放ち赫焉となりて闇を打ち払え! 降臨せよ、C№39希望皇ホープレイV!」

???「カオスナンバーズ…」

少年「ホープレイVの効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除くことでsinパラドクス・ドラゴンを破壊しその攻撃力分のダメージを与える!Vブレードシュート!」

???LP4000→0

???「ぐっ!(予想を上回る力を発揮したな…。だがこれで種はまいた)」

ウルズ「よし!侵入者を捕らえる!」

???「そうはいかない!」

仮面の男の後ろの空間が裂ける

???「さらばだ!」

仮面の男は空間の裂け目に姿を消した

十也「あいつはいったい…」

少年「うっ…」

少年が膝をつく。

ドロワ「大丈夫か?」

少年「はい…ありがとうございます」

カイト「まさかお前があのデッキを使いこなすとはな。それになぜナンバーズを持っている?」

少年「それは…憶えてないんです」

カイト「憶えてない?」

オービタル7「そうであります!この少年目を覚ましはしたものの記憶喪失らしく…」

十也「さっきから話が読めないんだがその子は?」

カイト「先日ハートランドシティで倒れていたのを俺たちが見つけ看病していた奴だ。だがお前が決闘者だったとはな」

少年「それも覚えてませんけど…」

ウルズ「だがさっきの決闘の腕はたいしたもんだったぜ」

少年「ありがとうございます」

ドロワ「記憶喪失…なにか憶えていることはないのか?」

少年「覚えていること…僕の名前…そうだ。僕はエミス。それが僕の名前。あとは…だめだ。思い出せそうにない」

十也「なぁカイト」

カイト「なんだ?」

十也「この子俺のほうで預かっていいか?」

ウルズ「十也。お前どういう風の吹き回しだ?」

十也「いや。なんだか放って置けなくてな。それにさっきの仮面の男。あいつがまたいつ現れるかわからないだろ」

ウルズ「そいつの相手も引き受けるってか?」

十也「何とかするさ」

カイト「俺としては一向に構わん。お前たちにそいつは任せる」

十也「よし!じゃあいこうぜエミス!」

エミス「はい!これからよろしくお願いします」

カイト「それとそのデッキはそいつに貸して置く。どうせ使える奴が見つからなかったデッキだ。必要な時が来たら返してもらうさ」

エミス「ありがとうございます」

ウルズ「さ~てそれじゃあミストラルシティに帰るとするか」


十也とウルズは奴らについて新たな情報を得ることは出来なかった。
だがエミスという新たな仲間を加えミストラルシティへと帰っていったのであった
謎の少年エミス。彼の一体何者なのか…


H2のシンメトリー! the end
最終更新:2013年03月31日 09:22