「ぐ……」
6/はクルミの絨毯の上に膝を付いた。
プロシュート兄貴の攻撃により、彼のスタンド・スタープラチナは消滅していた。
固有結界の維持も限界に近く、いつ魔力の枯渇により肉体が消滅してもおかしくない。
それでもなお反撃のチャンスを伺おうと、力尽きたフリをしてプロシュート兄貴の様子を伺っていたのだが……
「みな……み?」
その時確かに、妻の声が聞こえた気がした。
6/の意識が始めて戦闘から離れる。
呆然とする彼の背中をこなたが蹴りつけた。
「ずいぶんと余裕じゃない? こんな時に余所見? それとも私の存在を忘れてたとか?」
こなたは6/の背中を踏みつけて動きを封じるとレバ剣を振り上げた。
「兄貴、こいつの止めは私が刺すよ」
(畜生……もう反撃できる体力もクルミ力も残ってねえ……みなみ……)
「あー? 何言ってんだ? 俺はそいつに聞きたいことがあるんだぜ?」
「知らないよ、私はこいつが憎いんだ。こいつとかがみんが殺し合いなんか始めなければ、つかさもみさきちもゆーちゃんも死なずに済んだんだ!!」
「何言ってんだぁこなたぁ? お前はそいつらを憎んでたんじゃなかったのか?」
「ああ、憎んでたさ!! 私が好きな人間は世界でお父さんとお母さんだけ、他の人間は全員大嫌い!!
馴れ馴れしく親友面して接してくるつかさやみゆきさんも、うっとうしくまとわりついてくるゆーちゃんも!!
でも……でも、こんな形で死に別れたくなんか無かったよ!!
こんなワケわかんない殺し合いなんかで、みんなでお互いに殺しあって……そんなの、絶対におかしいよ!!」
こなたは大粒の涙を流していた。
それを見ながら、6/はやりきれない思いを抱いていた。
(こなた……お前も、本当は……)
その時、突如クルミの陰から飛び出してきた人影がこなたを羽交い絞めにした。
「かがみ!!」
頭からこなたのパンツを被ってはいるが、どっからどうみてもかがみであった。
「ハァ、ハァ、今度こそ離さないよ、こなたぁぁぁぁぁぁ!!」
そう叫んでこなたの股間に顔をうずめるかがみに、固有結界内には気まずいムードが漂う。
そんな中、一人かがみに対し必死で説得を行う少女がいた。
「かがみん……もうこんなのやめようよう……!! いつものやさしいかがみに戻ってよ!!」
「いつものやさしい私? そんなのはあんたたちが殺したのよ!! 私はあんたと6/の愛さえ得られればそれで良かったのに!!」
絡み合いながら罵りあう少女二人と、それを黙って見上げる書き手。
「ったく、どいつもこいつもきもちわりぃな……俺が必要なのは6/だけだ。
他のヤツにはそろそろ消えてもらうか」
プロシュート兄貴はゆっくりとこなたとかがみに歩み寄ると、二人の肉体を消滅させるべく攻撃態勢に入り……
「もう、もう沢山だ!!」
6/がそうつぶやいた瞬間、あたりの景色が一変した。
どこまでも続いていたクルミの平原が、遠くから少しずつ音を立てて崩壊し始めたのだ。
「なん……だと?」
目を丸くするプロシュート兄貴と、さすがに喧嘩をやめて立ち上がったこなたとかがみの前で6/は痛みをこらえて必死で立ち上がる。
「俺にはもう、この固有結界を閉じるだけの力すら残っていない。しかし、このクルミの固有結界には最後の使い方がある。
それはな、『固有結界内にいる人間ごと固有結界を崩壊させる』という自爆装置だ」
「なっ―――!!」
三人の顔に戦慄が走る。
「ちょっと6/、そんなことをしたらあんたも……!!」
こなたが悲痛な顔で叫んだ。
「ああ、でももういいんだ。みなみは死んだ。俺にはわかる。
だからもうこれ以上、こんなことを続ける理由はない。最後にお前らを巻き込んで死ねれば、それで……」
6/が言い終わる前に、すでにプロシュート兄貴の姿は固有結界内から無くなっていた。
「逃げたか……十分体力も残ってたようだしな。だが、お前らは逃がさねえ」
そういわれて気が付いた。こなたとかがみの足はクルミの木の枝によってしっかりと地面に縛り付けられていた。
「お前らももう疲れただろ? そろそろ新規キャラに後を譲って退場してもいいころだ」
クルミの世界は着実に崩壊を続け、とうとう三人が立っている地点を残すのみとなった。
かがみは顔を涙でくしゃくしゃにしながら言った。
「6/……私、あんたのこと好きだったのに……あんなに大好きだったのに……
なのに、あんたはみなみちゃんのことばっかり見てぜんぜん私のこと見てくれなくて……
だから、だから私は……!!」
「かがみ」
6/はかがみの頭に手を置いた。
もう遥か昔のことのように思えるカオスロワ4の中で、初めて出会ったかがみに対してそうしたように。
「もし、俺がみなみよりも先にお前と出会っていたら……いや、俺たちがもし同じ世界に生まれていたら……
ひょっとしたら、違う未来があったのかもな……」
「何よ!! いまさらそんなこと言ったって遅いわよ!! この……ばかぁ……」
かがみは6/の胸に顔をうずめて泣きじゃくった。
「あー……かがみんがパンツを被ってさえいなけりゃ、そこそこいいシーンなのにね」
「描写しなけりゃわかんないんだから黙っててやれよ」
6/とこなたは顔を見合わせて嘆息する。
「……6/さん。私、お母さんがいないことをずっとコンプレックスだと思ってた。
ずっとお母さんに会いたいって思ってた。
だからこの殺し合いが始まったときに、お母さんを生き返らせるために優勝しようって思った。
だけど、私が本当に手に入れたかったものが何だったのか……それは、この二日間戦ってきて、なんとなく分かったよ。
私は本当は、友達やお父さんやゆーちゃんに囲まれているだけで幸せだったんだ」
そういって、こなたは泣き続けるかがみの背中に手を置く。
「かがみん。私にとってのかがみんは、空気読めないし、乱暴だし、おせっかいだし、ウザイし、
一人でみんなの空気を悪くするし、ガチレズっぽくて気持ち悪いし、お菓子食べすぎだし、そんな人だったけど……
でも、かがみと過ごした時間は、それなりに楽しかったような気がするよ」
「ああ、俺もな」
「一緒につかさやみゆきさんに謝りに行こう? 大丈夫、きっとみんな許してくれるから」
その時、三人が立っていたクルミの地面が三人を飲み込みながら崩壊した。
(みなみ。そっちへ行ったらもう一回、ウエディングベル鳴らそうぜ)
こうして三人の肉体は、クルミの固有結界と同時に地上から消滅した。
【
二日目・八時/幕張メッセ近く】
【プロシュート兄貴@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]下着一丁、グレイトフルデッド展開
[装備]ザ・グレイトフルデッド、アサルトライフル
[道具]色々
[思考]基本:対主催だが手段は選ばない
1:さて、これからどうするか……
(あーあ、どうせならもっとアニメを見てから死にたかったなあ。まあ仕方ないか)
(みなみ……今会いに行くぜ)
(6/……こなた……今なら言える。私の本当の気持ち……)
「あなたたち三人が、そんな簡単にこのカオスロワから抜けられると思っているんですか?」
「「「へ?」」」
死んだはずの三人の前に、セーラー服を着た女子高生が立っていた。
三人は口をそろえて叫ぶ。
「き、
喜緑江美里!!」
【生と死の狭間の世界】
【喜緑 江美里@ハルヒシリーズ】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]基本:遊戯に従う
1:???
【◆6/WWxs9O1s氏@現実】
【
泉こなた@らき☆すた】
【変態仮面@らき☆すた】
※以上三人は死亡者扱いになり、放送でも名前を呼ばれます
【残り38人】
最終更新:2008年09月21日 23:40