「らんらんる~♪」
やおいが楽しそうに我へと攻撃してくる。
洗脳されている最中は「らんらんる~♪」としか喋れないのだろう。
お得意の「
そんなの関係ねぇ!」を使ってくる様子はない。
その分幾らかは相手にし易かったものの、やおいはその能力だけで生き残ってきたわけではない。
身体能力も十分持ち合わせており、我へと次々に攻めて来る。
流石は我の仲間と言う事か、我の動きを読むかのような華麗な攻めだ。
それに比べドナルドは後ろで楽しそうに踊っている。
仲間割れを生じさせて高みの見物か。
おのれ……卑劣な奴め!
奴へと攻め入るにはやおいをなんとかせねばならん。
だがやおいと戦う事はしたくない。
奴と手加減しながら戦う事など無理だ。
なればどちらかが死ぬのは必定。
しかし戦わねばドナルドにすら辿り着かない。
堂々巡りだ。
やはり戦わねばならんのか……。
仲間を、書き手として共にカオスロワを盛り上げてきた盟友をこの手で殺さねばならんのか……!
692よ、6/よ、我はどうすればいいのだ!
ふとやおいがボソボソと何かを言う。
「らん……や……らん……れ……るー♪」
「……なに?」
よく聞き取れないが、さっきから何度も発している言葉とは別の音が聞こえた。
やおいの攻撃を捌きながらもその声に集中する。
「……殺ってくれ、このままじゃ共倒れだ」
今度は余計な音を発する事無く、微かな声で確かにそう喋ったのを聞き取った。
驚きに大きな声をあげそうになるが必死で抑える。
そして小声で聞き返す。
「やおい、お前意識が……!?」
「……いや、かろうじて……だ。今も、朦朧としている。だけどっ……!
これだけは、言わせろ……、躊躇、すんなよな?
別に、俺は、構わねぇよ……このまま奴の手先で罪の無い奴殺すよりかはよ、
仲間の、友達の手で、誰も殺さずに死にてぇんだよっ、だからっ……頼む、殺してくれ。
そして、あいつらを倒してくれよ。あいつらだけじゃなくて、主催の奴らも、だな。
それが、せめてもの願いだ……。それと
692と6/にも、よろしくな……っ!?」
「やおいっ!?」
その言葉を最後に意識を失ったのだろう。再び笑いながら我へと攻めて来る。
やおい……そうだな、お前の言葉、確かにうけとったぞ……!
我は決意を新たに、やおいへと対峙する。
冷静に対処していけばなんという事はない。
やおいが我の動きを読めるように、我もやおいの動きを読む事ができる。
何と言ったって、我らは仲間なのだから。
これまで共に戦ってきて、どういった動きをしどういう攻撃を放つのかは誰よりも近くで見てきたつもりだ。
そう、それはたとえ洗脳されようとも変わる事はない。
いつも見てきた僅かな癖、隙、それを我が見逃す事などありえない!
攻撃を避けて、捌いて、掻い潜って……ここだっ!
攻撃と攻撃の間の僅かなモーションの間、それを読んでやおいへと一気に接近!
そして少しの躊躇もなく、やおいを一息に切り捨てる。
驚愕を露にすることなく、楽しそうな顔のままやおいは崩れ落ちた。
しかしやおいの代わりに驚愕する事になったのはドナルドの方だ。
「う~ん、まさか躊躇なく仲間を切り捨てるとは思わなかったよっ♪
ハンバーガー三個分の驚きだねっ♪」
驚きながらも拍手しながらそう言ったドナルド。踊りはすでにやめていた。
「仲間ではない貴様は尚更躊躇することなく切り捨てる事ができる。
覚悟は出来ているのだろうな、雑種よ……」
我は怒りに溢れかえっていた。
笑顔で人を操り、殺すこのピエロに。
くだらない理由で人を殺すこのピエロに。
何より、卑劣な手段で我と友を戦わせたこのピエロに!
だから我は咄嗟に反応できなかった。
こいつは卑怯な手しか使えぬ外道だと思いこんでいたから、奴の拳をまともに喰らう事になった。
我は無様に吹き飛び倒れ伏す。
「ドナルドはね、最近体操にはまっているんだ♪」
袖をまくり、黄色い服に隠れて見えなかった腕を見せ付ける。
それはふざけた道化のメイクに似合わぬ肌色の立派な筋肉があった。
油断していたとしか言い様がない。
「う~ん、殺すのは惜しいけど、ドナルドの仕事だから二人とも殺っちゃうんだ♪」
楽しそうにスキップをしながら近づいてくるドナルド。
我の隣にはやおいが倒れていて、このままでは二人とも殺されてしまう。
くそっ……我の油断のせいで、無念だ。
6/よ、692よ、我らの分も後を頼んだ……!
我は覚悟を決めて目を閉じる。
「じゃあまだ体力のありそうな君から逝くよ♪」
ドナルドの声と、何かを振りかぶる音が聞こえ―――
「……でも、ぞんな"の"、がんげいね"ぇ…………!!!!!」
突然やおいの声が聞こえ、身体が軽くなる。
気付くと我はドナルドの真後ろに立っており、ドナルドがやおいを殺すのが見えた。
ドナルドが驚き声をあげている。
だが我には驚く事も無く、これがやおいの仕業である事はわかった。
なら、今我がすべき事は一つだ。
このチャンスを逃す事があってはならない。
我の為に死したやおいの為にも……!
「……ゲート・オブ―――」
我の叫び声と共に我の宝物庫が解放される。
そこから一振りの剣と鉄球が現れる。
鉄球―――やおいのだ。
最後の力でこれも我のデイパックに転送したのだろう。
すまない、そして……さよならだ、やおい。
「―――・バビロン!」
「ドナルドは、死ぬのが大嫌いなっ――――――!!!!!」
二つの宝具がやおいの死体と共にドナルドを消滅させる。
後に残るのは何も無い。
友の死による悲しみと後悔だけだった―――。
【
二日目・8時30分/幕張メッセ内部】
【ジャイアンの母書き手@現実】
[状態]健康
[装備]ダモクレスの剣、ミョルニル
[道具]不明
[思考]基本:過激派に対処。
1:692達のもとへ。
【>>やおい@現実 死亡確認】
【ドナルド・マクドナルド@CM 死亡確認】
最終更新:2008年09月21日 23:59