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「3時間後……秋葉原が崩壊するですって? 黒桐さん、情報の確度は!?」
「待って。今カラスからの情報をまとめて予測を立ててみるから。
……大変だ、僕の情報を加味しても秋葉原一帯と神田、御徒町の一部が90%以上の確率で崩壊する!!」

新聞を書いていた文と幹也は放送を聴いて即座にそれに関する情報を集め、分析した。
結果は、放送通り最悪の結末を示していた。

「黒桐さん、原因となりそうな出来事は何ですか!?」
「さっきの放送によると、この地点で行われる筈の道化師・ドナルドと吸血鬼・アーカードの戦いが原因みたいだ。
カラスの情報だと、マクドナルドの袋を持ったアーカードとドナルドの接近が確認出来た。
接触したら間違いなく戦闘になるね。
……そうなったら僕達で止めるのはまず無理だ。そもそも、2人とも僕達の手に負えるような人じゃない。」
「そ、それじゃあ、脱出経路は有りますか!?」
「……今の状態だと簡単には脱出出来ないね。まず、3時間以内と言う時間が厳しい。
仮に誰にも見つからないようなルートを普通に行くとこういう風に回り道を繰り返して脱出することになるんだ。
これじゃあ、絶対に3時間以内に脱出なんて無理だ。
交通機関はどうやってるのか知らないけど無人で動くようにはなってる。
でも、それを使うのは脱出しようとしている他のサーヴァントに遭う可能性が高い。」
「あやや……どうすれば……」

文は必死に脱出する方法を考えている。
すると、幹也は意外な行動を取った。なんと、この状況下で新聞を書き始めたのだ。

「こ、黒桐さん!? な、何をしてるんですか!? 脱出方法を考えなくちゃいけないんですよ!!」

文がそう言うと、幹也はそれに対して笑顔で答えた。

「まあまあ、落ち着いて。こういう時こそ情報をしっかり吟味して行動しないと。
それに、あの放送の信憑性を疑っている人もいるかもしれない。
もし、あの放送と同じ内容の新聞を出せば、それを読んで信じてくれる人も居るんじゃないかな?
そうなれば、僕達はその人を助けたことになる。
だから、今新聞を書くことは絶対に無駄にならないと思うんだ。」

文は、その言葉を聞いて落ち着きを取りもどした。
自分の新聞はそこまで広くに知られているわけではない。でも、読んでくれている人はいる。
もしその人が秋葉原にいて、あの放送に疑いを持っていたら?
なら、自分はその読者にその放送が真実であることを伝える義務がある、そう文は考えた。

「……そうですね。私とした事が読者の事を忘れていました。読者のためにも新聞を書きましょう!!」
「そうだね。それじゃあ、まずは原因の2人がどんな人物かを確認しなきゃね。えーと、まずドナルドは……」

文は手元にあるドナルドの資料(作:黒桐幹也)を読んだ。

「現時点では何らかの原因により思考のほとんどが殺人に染まっている。
更に、マクドナルドに関する品を持っている人間を優先的に狙う癖がある。
攻撃方法は多彩で、どの技も普通の人間なら一撃で死に至らしめる威力あり、ですか。」
「一方アーカードは、強者との戦いを求める戦闘狂。
闘争を楽しむ性格で、強さを認めた相手には自らの制御を解く。って言う人だね。
今のドナルドなら間違いなくアーカードの求める強さは持ってるんじゃないかな?」
「……どっちも危険人物ですし、説得は無理ですね……この2人の戦いで秋葉原が崩壊するんですか……」

要点を抜き出したメモを見て、原稿に文字を並べる文。
今回は特に急ぎの号外なので、見出しは「秋葉原崩壊」ただ1つだ。
ふと、この戦いが始まってから号外だらけだな、と文は思った。

「……待てよ? もしかしたらこれが一番安全で早いかもしれない。……うん、残り時間を考えてもこの方法しか無さそうだ。」

不意に、幹也から希望の光が差し込んだ。

「方法が分かったんですか!?」
「うん、一応ね。勿論、成功確率は100%とは行かないけど、考えられるほかの方法に比べたら高いよ。」
「で、その方法は?」
「それはね―――」
「えええええええ!?!?!?」

幹也の口から出た言葉は文を驚愕させるのに充分過ぎるものだった。

*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *


「こ、黒桐さん? 本気でやるんですか?」

文は隣でマウンテンバイクにまたがり、エーテライトで今正に身体能力のリミッターを外そうとしている幹也に問いかけた。
ちなみにマウンテンバイクは近くの自転車売り場から頂戴したものだ。

「うん。これが一番成功率が高いみたいだしね。」

真っ黒なヘルメットの紐を締めながら幹也はそう言った。

「で、でも、幾らなんでも戦ってるドナルドとアーカードの脇を通りぬけるなんて無茶苦茶ですよ!?」
「でも、他の皆はあの2人の力を警戒して近づかないから、見つかる可能性は殆どないよ?
僕達はばれた瞬間に一番狙われることになるんだから、それは避けないとね。
それに、お互いに目の前の相手に死力を尽くさないといけない筈。
だから、多分脇を抜けていっても気が付かないんじゃないかな?
おまけに、抜けた先には接触しそうなサーヴァントはいないしね。」

そう、幹也が提案したのは戦いの爆心地のすぐ脇を自転車で抜ける方法。
当然失敗すれば待っているのは死である。
だが、幹也はこの方法こそが一番安全と言ったのだ。

「……わかりました。貴方がそこまで言うんなら信じます。生きて脱出しましょう、幹也さん。」
「うん。まだ僕もやる事があるし、死ぬわけにも行かない。……式を独りきりには出来ないし。」
「その、式さんって誰ですか? ……ひょっとして、彼女か何かですか?」
「どうだろうね。でも、僕にとっては大切な人さ。」
「……ちょっとだけ、その式さんが羨ましいです。いいな、そんな風に思ってくれる人が居るって。」
「あはははは。さて、もう時間も無いし、早く出発しよう。準備は良い?」
「いつでも良いですよ。」
「それじゃ、3・2・1・それっ!!」

掛け声と共に文は低空で飛び、幹也は走り出した。
文が高く飛ばない理由は、人目につくのを避けるためだ。
幹也は、リミッターを外しているために通常では考えられないスピードで走っている。

「もうすぐ2人の戦闘区域に入ります!! 後武運を!!」
「分かった!! 文さんもどうか御無事で!!」

2人が戦闘区域は既に地獄絵図と化していた。
地面には大量の巨大ポテトが刺さっていて、パンが砕け散ったようなものが散乱していた。

「アツアツのフライドポテトを召し上がれ☆」

ドナルドがそういった瞬間、アーカード目掛けて大量のフライドポテトが降り注いだ。

「楽しい……楽しいぞ!! 次はどうするつもりかね?」

一方のアーカードはと言うと、大量のフライドポテトに串刺しにされたにもかかわらず笑っていた。
そして、身体からは大量の腕や蝙蝠に百足に狼などを出し、合間に銃を撃ちドナルドに向かって攻撃を仕掛けていた。

「おや、マックシェイクの方が良かったのかな?」

その攻撃に対してドナルドはマックシェイクを掛けて応戦した。
すると、掛かったものは一瞬にして凍りつき、粉々に砕け散った。

「HAHAHAHAHAHA!! 最高だ!! さあ、もっと私を楽しませてくれ!!」

激化する一方の戦い。勿論周囲の被害も甚大だ。
流れポテトや流れ弾を掻い潜りながら2人は猛スピードで突っ走っていく。
狙われていないとはいえ、その量は多かった。

「きゃあ!? あ、危なかった……」
「……式に逢うまで、死ぬもんか!!」

前に進むことで必死だった2人は、その時の事を良く覚えていない。
ただ1つ言える事は、2人とも生きて戦闘区域を抜け出せたと言うことだった。

「こ、黒桐さ~ん、生きてますか~?」
「な、何とか……ね。随分傷だらけになっちゃったけど……」

2人とも戦闘区域を抜け出した頃には傷だらけだった。
腕や服にはいろいろ掠った跡があり、幹也の肩には一度派手に転んだ時に刺さった木の枝の跡が付いていた。
しかし運が良かったのか、幸いにして2人とも命は無事だった。
2人は今、無人の漫画喫茶の中に居る。

「こ、此処まで来れば予測された崩壊する区域からは抜け出せているし、周りには誰も居ないはずだよ……お疲れ、文さん。」
「お疲れ様、幹也さん……ふう、本当に死ぬかと思いましたよ……」
「僕ももう二度とあんなことしたくないよ……」
「と、とにかく、少し休んだらまた新しい新聞を書きましょう。今回はあの2人の戦いの内容から能力を割り出して、
それを掲載することにしましょう。良いですか、黒桐さん?」
「その方がいいと思う。あの2人は情報で見るよりずっと危険だ。
せめてその情報を知ってる人が多いほうが何かあった時に対処できるだろうしね。」
「決定ですね。……とりあえず、今は少し休みましょう?」
「賛成。何か飲み物持って来るよ。」

こうして、2人はしばらくの休息を得る事が出来たのであった。


【一日目・午前10時30分/日本・蒲田】

【射命丸文@東方project】(マスター)
【状態】疲労、多少の怪我
【装備】手帳@現実
【道具】不明
【思考】 基本:真実を新聞にして客観的に皆に伝える
1:とりあえず一旦休憩する
2:この聖杯戦争を生き延びる
3:元の世界に皆で帰る方法を探す




【黒桐幹也@空の境界】(クラス・サーチャー)
【状態】極度の疲労 、多少の怪我
【装備】エーテライト
【道具】不明
【宝具】不明
【思考】
1:式やその他の知り合いを捜す
2:文を手伝う

*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *


一方……

「ナゲットはどうかな☆」
「HAHAHAHAHA!!! まだだ、更なる愉悦を味わわせてくれ!!」

彼らが秋葉原を崩壊させる時は近い……


【一日目10時30分/日本・秋葉原】



【ドナルド・マクドナルド@マクドナルド】
【状態】疲労回復完了
【装備】なし
【道具】支給品一式、ハンバーガー×50、金属バット
【思考】
1:自然に体が動いちゃうんだ☆
2:アーカードへのおもてなしの後、伊澄とぬ~べ~におもてなしをする



【アーカード@HELLSING】
【状態】拘束制御術式第1~3号開放、気分最高
【装備】なし
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
1:よろしいならば殺し合いだ
2:ドナルドとの闘争を楽しむ
最終更新:2009年06月09日 00:28