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結論から言えば―――私達四人は、地下ダンジョンを制覇してしまった。
新しくパーティに加入した兄弟が、想像以上にダンジョンに精通していたのだ。
調子に乗って記念写真を撮り始めた三人に冷ややかな視線を向けながら、私はぼそりと呟く。

「………本気で何やってるんだろう、私」

私は何度も止めたのだ。私達の目的は、ダンジョンの制覇では無いと。
しかし、一度乗り気になってしまったDIO様を私一人で止められるはずもなく、結果としてダンジョンの最下層、地下99階までずるずると来てしまった。

「ム………? リン、あれを見ろ」
「こんな時になんですか………ってアレは………」

こんな時にくだらない事を言うようなら、主従など関係無しに殴ってやるところだったが、どうやら違ったようだ。
そこにあったのは旅の扉―――ドラクエでお馴染の、アレである。なんでそんなものがここに?

「ふむ………おそらく、アレがこのダンジョンをクリアしたボーナスのようなものなのだろう」
「ボーナス………ですか………?」

どちらかと言えば、罠の可能性の方が高い気がするが。

「DIO様………わかってますね、ここは慎重にいきましょう」

DIO様の―――吸血鬼の、唯一にして絶対の弱点が、日の光だ。
日の光に当たった途端、DIO様は一瞬で死んでしまう。


「ですから、これがどこに通じているのかをよく調べてから………ってもういないし!?」

死にたいんですかDIO様!?
せめて、私かそこの兄弟を先に突入させて様子を見ましょうよ!
そんなんだから、ジョジョスレで三部DIOは愛すべき馬鹿とかそんなこと言われちゃうんですよ!
ええい。正直に言うとあまり気は進まないけれど、DIO様は私の主人だ! 部下である私が、主人を放っておくわけにはいかない!

「南無三!!」

おおよそ少女らしく無い掛け声を上げながら、私は旅の扉へ突入した。


旅の扉を抜ける。
ふう、危惧していたように、屋外では無くて一安心だ。
というかここは………お城?

「どうやら、ここが織田信長の本拠地らしいな」
「あ、DIO様。良かった、生きていたんですね」
「勝手に殺すな」
「殺すといえば、その足下に転がっている死体はDIO様が殺ったんですか?」

DIO様の足下、よく磨かれた廊下には、首が切断されたちょんまげの着物姿の男の死体があった。
首の断面から血がまだ流れ出ているところを見るに、殺されてからそう時間は経っていないようだ。


「ああ。いきなり『信長様の城に侵入した賊め! 拙者がたたっ切ってくれる!』とか言って襲いかかって来たのでな。
 戯れにちょっと首を突いたら、首が飛んでしまった」
「吸血鬼のスペックを考えないとダメですよ、DIO様。
 で、これからどうするんですか? ここが織田信長の城ってことは………」
「ああ。織田信長を倒せば、世界はそっくりそのまま私のものだ。今から我々は身を潜めつつ天守閣へ向かい、信長を殺す」

やっと普通のDIO様に戻ったようだ。
しかし、潜入かあ………KAITO兄さんと一緒にメタルギアをやってから、ずっと憧れてたんだよなあ………。

「敵に遭遇した場合は、私がザ・ワールドを発動して時を止め、その間に仕留める。
 迷宮兄弟は、そのダンジョンに関する知識をフルに活かして、最適なルートを判断してほしい」
「はっ!」
「で、リンだが」
「はい!」

うん、やっぱりDIO様はこうでこそ。
ああ、私は何をすればいいんだろうか。

「ただしリン、お前は駄目だ!」
「ええええっ!?」

ずっこけた。
思いきり、ずっこけた。
私はすぐさま、DIO様に抗議の声を上げる。

「なんでですか! なんで私だけ駄目なんですか!?」
「いや、私の頭脳でも敵地でリンをどう扱えばいいのかわからないのだ………。
 特に戦闘能力があるわけでも無く、歌を歌えても特に意味は無い………。なんで私はお前を部下にしたのだろう」
「こっちが聞きたいですよ!」
「まあ、そういうことだからリンはここで待っていろ。ほら、アメちゃんあげるから」
「いりませんよ!?」



「DIO様」
「………なんだ」

城内をしばらく進んだところで、迷に声をかけられる。
考えてみると、こいつから私に話しかけてくるのは中々珍しい。

「いえ………リンを安全な場所に置いていくとは、DIO様も意外とお優しい所があると思いまして」
「フン………利用価値が無いから、放置してきたまでだ」
「そうでしょうか。リンを囮として、またはいざと言う時の盾として使う、という手もあったかと思いましたが」
「………口を慎め、迷」

命令通りに迷は口を閉じた、が………。
ええい、口元に笑みを浮かべているのが癪に障る。

フン………別に、リンを思ってのことでは無い。
そんな事をして部下を失っても、意味が無いだけだ。
私は信長を抹殺した後、世界を統治するという仕事が残っている。
信長を倒せば、今まで信長を倒そうとしていた連中の矛先は、私へと向かう。
その際に、まだ残っているリンの兄弟を相手にする時、リンは実に有効なカードとなるだろう。

そう―――ただそれだけの、つまらない理由だ。
リンを生かしておくのに、それ以外の理由など、何一つ存在しない。

「―――だからそのニヤケ面をなんとかしろ、迷!!」

【名も無き武将A 死亡確認】

【12時30分/信長の居城】

【DIO@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】健康
【装備】皮の盾+2
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:カオスロワの混乱に乗じて、世界を制覇する。
2:信長の元へ向かい、信長を殺す。

【迷宮兄弟・迷@遊☆戯☆王】
【状態】肉の芽
【装備】
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:DIOに従う

【迷宮兄弟・宮@遊☆戯☆王】
【状態】肉の芽
【装備】
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:DIOに従う




「あーあ、暇だなー」

DIO様がどこかから見つけてきたダンボール(スネークおすすめの一品)に身を潜ませながら、私は独り言つ。
私だって、何かの役には立てると思うのに………あんなにはっきり言うなんて………。
あーあ、そういえばレンは今頃何してるかなあ………。

現在、丁度十二時半。私、鏡音リンの退屈は、まだ終わりそうにない。

【12時30分/信長の居城】

【鏡音リン@ボーカロイド】
【状態】肉の芽
【装備】デリンジャー、ダンボール
【道具】支給品一式
【思考】
1:DIOに従う

【ダンボール】
高いステルス性を備えた、スネークおすすめの品。
攻撃を防ぐのならばイナバ物置、身を隠すのならばダンボールと使い分けが大切。
最終更新:2009年06月22日 19:57