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『うぎゃアアああああああああアああアあああああああああああああああああああああああああ!!』


「おい、あの声は……」
「間違いない。ミク姉いるな」

12/に連れられてミクたちがいるらしい喫茶店の裏口の前にまで来たレンたちは、店の外まで思いっきり漏れていた悲鳴を聞いた。
「一体何事があったというのだ?」
「さあな。ミク姉のことだから、寝ぼけて尻にネギでも突っ込んだんじゃないのか?
それより、ここに奴がいつのはわかったけど……」
「うむ。他に何人仲間がいるかもわからぬし、迂闊に入るわけにはいかんな」
レンとがくぽは顔を見合わせて嘆息する。
それなりに剣の腕が立つがくぽがいるとはいえ、サーヴァントもいない自分達は戦力的にはかなり頼りない。
しかし目の前に憎き相手がいるというのに、待ちに徹するというのも面白くない。
それにぼやぼやしていたら他の敵が来るかもしれない。レンにとっては何より恐ろしいのはKAITOだ。
裏切ったと言うだけでも怒られるだろうに、ミクを殺そうとしていることまでばれたら
ドSのKAITOにどんなお仕置きをされるかわかったもんではない。
(あの兄さんのことだから、もう近くまで来ているかもしれないしな……)
「うーん、なんとかミクさんと6/さんだけに接触できればいいんだけどなあ」
12/も手をこまねいている。ちなみに、みなみとゆたかは相変わらず気絶してお尻を出したまま縛られている。


思い切って中に入るか、二人が出てくるのを待つか、迷いながら裏口の前をうろうろしていた三人だったが、その逡巡は強制的に断ち切られた。
裏口の扉を開けて、一人の男、いや、赤鬼が姿を見せたからだ。
ちょうどその時姿を隠していなかった三人は、ばっちり赤鬼と鉢合わせてしまった。
もはや戦うしか、と思った三人だったが、赤鬼は即座に両手を挙げて叫んだ。
「お、おらは戦うつもりなんか全く無いだ!!」


この赤鬼、鬼と言うにはあまりにも小心でお人よしな性格をしていた。
レンたちが敵意を隠して『ちょっとこの辺りで道に迷ってしまって』とか釈明すると、
赤鬼は自分がバーサーカーのサーヴァントであることや、ここには他にも何人かのサーヴァントがいることなどを
べらべらと喋ってくれたのだ。
お陰で喫茶店内部の情報は筒抜けになった。
ちなみにみなみとゆたかは袋の中に隠しておいたので、発見されることも無かった。
「そんなわけで、おらは浦島どんに言われて裏口の見張りに来ただ」
「な、なるほどな……」
(俺たちみたいな奴を追い返すのがお前の役目じゃないのかよ……大丈夫なのかこいつ)
何のために鬼として生まれてきたのかわからないような鬼を前にして呆れるレンだったが、
ふと、せっかくだからこいつのバカさを利用してやれ、と考えた。
「赤鬼さん、あんたも結局は聖杯欲しさに聖杯戦争に参加してるんだろ?」
「そ、そうだども、おら、憎くも無い人と戦うのなんてもういやだべさ」
「だとしても、明らかな『悪人』を殺すのは別に問題ないとは思わないか?」
それを聞いてがくぽが驚いたような視線を寄越す。
(おいレン、まさか)
(いいからいいから、ちょっと任せててよ)
無言で会話を終えると、再び赤鬼に向き直って訥々と語り始めた。
「俺の姉の初音ミクはな……酷い女なんだよ」

その後、レンは懇々と赤鬼にミクの悪行を語った。
もちろんそれは多分にレンのフィルターがかかったもので、些細なミクの小言やイタズラなどを針小棒大に誇張したものや、
あるいは全くの捏造だったのだが、人のいい赤鬼はそれら全てを完全に信じ込んでしまった。

「そんな、あのめんこい子がそんな酷いことをしてきたなんて……」
「見かけに騙されちゃダメだぜ。あいつはあの器量で男を騙して金を巻き上げて荒使いする一方で、
俺たちにはネギの芽ぐらいしか食わせないし、些細なことで殴ったり蹴ったりネギで刺したり……」
「うう、かわいそうになあ。かわいそうになあ……」
もはや完全な捏造話だったが、赤鬼はまるっきり信じて、レンのためにもらい泣きまでした。

(おいレン、いくらなんでも言いすぎでは無いか?)
(なんだよがくぽさん、ミク姉への恨みを忘れたのか? あの女はこのくらいに言われて当然なんだよ)
(全く、君達兄弟の関係にはなかなか驚愕するよ)
ヒソヒソ声で話す三人の声も、もちろん赤鬼には聞こえない。
赤鬼が泣き止む頃合を見計らって、レンは囁くように言った。
「そんなわけでさあ、俺たちはミク姉を殺したいんだ。よかったら、協力してくれないか?」
「……わかっただ。青鬼どんも言ってただ。みんなに優しくするのもいいけど、悪い奴は決して見過ごしてはいけないって。
おら、みんなのために、そんな悪い奴許しておけないだ!!」

今はいなくなってしまった、親友の言葉が彼に勇気を与えたのか。
赤鬼は聖杯戦争が始まってから初めて、自分の意思で戦う決意をした。

(よし、こいつをミク姉にぶつけて、俺たちはあの人質を使って6/さんを……
こいつがミク姉を倒してくれればそれでよし、ダメでも消耗させてくれれば……)
レンは赤鬼に見えないように、その唇を残虐に歪めた。

【一日目・午後八時二十分/金星・蒲田】

【鏡音レン@ボーカロイド】
【状態】肉の芽
【装備】S&W
【道具】支給品一式
【思考】 基本:12/と手を組み、ミクを抹殺する
1:赤鬼にミクを襲ってもらい、自分達は6/をどうにかする

【神威がくぽ@ボーカロイド】
【状態】健康
【装備】
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:レンに加勢する

【12/@現実?】
【状態】健康
【装備】
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:7/と協力して6/を殺し、本物になる
2:レン達と手を組み、ミクと6/を撃破する

岩崎みなみ@らき☆すた】
【状態】気絶、お尻真っ赤
【装備】
【道具】支給品一式
【思考】
1:気絶中

小早川ゆたか@らき☆すた】
【状態】気絶、お尻真っ赤
【装備】
【道具】支給品一式
【思考】
1:気絶中

【赤鬼@泣いた赤鬼】 (クラス・バーサーカー)
【状態】健康
【装備】なし
【道具】きびだんご(桃太郎から奪った)
【宝具】不明
【思考】基本:マスターに従う
1:レンたちに協力し、セイバーを倒す
最終更新:2009年07月21日 09:02