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今は夜。信長はそれを思い出す。

それは、それほど遠くない過去の記憶。
宇宙とは違う鮮やかな光に満ちた空間。そこで対峙するのは■■■■と、信長、
ドナルド、KAITOイナバ製作所社長の四人の男、

「貴様ごときに儂らを討てるか!」信長は■■■■を威圧した。
「気をつけてください。相手はただの人間じゃありません」とKAITO。
「大・丈・夫! どんな攻撃もイナバパワーの前では無に等しい」と社長。
「とりあえず闘ってみようよ☆」ドナルドはいつも元気いっぱいだ。
四人がまごついている隙に、■■■■は爆弾を四人に向かって投げ付けた。
手榴弾ではなく、かくばくだん(核爆弾)を――。
「“無限の物置(アンリミテッド・イナバ・ワークス)”ッ!!」
社長が叫ぶと、突如現れたイナバ物置が四人を包み、核の爆発から彼らを守った。
それを見た■■■■は別段驚きもせず、すかさず次の魔法を唱えた
「はりせんぼん」
■■■■の周囲に現れた千本の針が、一斉にイナバ物置に襲い掛かった。
イナバ物置に1000のダメージ! イナバ物置はあっけなく破壊された。
「ば、馬鹿な……」驚愕するイナバ製作所社長。
青魔法「はりせんぼん」は防御力に関係無く敵に確実に1000ダメージを与える。
FFやった事ある人なら知ってるよね?
「こやつ、調子に乗りおって!」
信長の固有結界による火繩銃の一斉射撃が■■■■に集中する。
「ドナルドは嬉しくなるとつい殺っちゃうんだ☆」
ドナルドの召喚した無数のポテトも一斉に■■■■目掛けて弾丸のように飛んでいく。
だが、■■■■は余裕の笑みを浮かべていた。
「まだまだだね」
彼は剣を取り出すと、はやぶさ斬りで襲い掛かる弾やポテトを次々と落とした。それは、常人には視認すらできない神速の動作だった。
777かいヒット! 弾とポテトは全て斬り落とされた。

「目には目を、弾幕には弾幕を――ってね」
■■■■は魔法を唱えると、無数の隕石が四人に容赦無く降りかかった。
社長は再びイナバ物置を作ろうとした。
「無限の(アンリミテッド)――」
だが、間に合わない。隕石の落下スピードが速すぎる。
「ぐわぁ」「げぶっ」「うぐぁっ」「☆」
無数の隕石は四人に直撃し、彼らは瀕死の大ダメージを負ってしまった。
信長は手持ちの回復アイテムを使い、四人の体勢をどうにか立て直す。
「今のはメテオではない……コメテオだ! なーんてね」
「おのれ!」
信長は切り札の30mm対化物砲ハルコンネンを構え、■■■■を狙った。
だが■■■■は神速であちらこちらに跳び回り、なかなか狙いを定められない。
「くっ、ちょこまかと動きおって――」
「じゃあ、止まってあげようか」
いつの間にか、■■■■は信長の目の前に立っていた。
「なっ!?」
突然の事で反応しきれない信長を嘲笑うように、■■■■はハルコンネンを掴み
その砲身を素手でやすやすと折り曲げてしまった。
「ほらどうした? 早く俺を撃ってごらんよ」
「くっ……」
ピンチの信長を救おうと、KAITOが飛び蹴りで■■■■に襲い掛かった。
「つぇあっ!」
だが、■■■■は後方にジャンプして難無くKAITOをかわした。
満身創痍の四人に対し、■■■■は汗一つかかず余裕の表情だ。
こいつ、強すぎる――四人は同じ言葉を同時に心の中で呟いた。
現世において最強の戦闘力を持つ四人が束になっても一人の青年に手も足も出ない、
そんな馬鹿げた事があっていいのか? いいわけがない(反語)。
■■■■はわざとらしく溜め息をつき、言った。
「残念だな、お前たち。せっかくここに辿り着いたというのに」
《ここから2035話「鍵を開ける者~オープナー~」で02が幻視した光景と重なる》
「フン、まだ終わっちゃいないだろ、■■■■。俺達はまだ、生きているんだから……!」
■■■■に対して抗戦の構えを取るKAITO。それを、信長が制した。
「逃げろ」
信長はKAITOを護るように立ち、逃走を促す。
「マスター!?」

「儂の固有結界による一斉射撃も社長の絶対防御も破られた。切り札も出し尽くした」
砲身が曲がり使えなくなった30mm対化物砲ハルコンネンを投げ捨て、信長は刀を構えた。
「だからといって、このまま諦める訳にはいかないじゃないですか!」
必死の形相でKAITOは信長に訴える。信長は振り向かない。
やがて、KAITOはドナルドに腹を殴られ気絶した。
「KAITO。ドナルドはね、君の事が大好きなんだ」
「後の事は頼みましたぞ、イナバ制作所社長殿」
イナバ制作所社長が気絶したKAITOを背負う。
「ああ。イナバの社名に賭けて」
信長の声に力強く社長は返す。そして、新たにイナバ物置を創りだし、その中に入った。
「クク、この俺が逃げの一手とはな。この借りは、必ず返すぞ……!」
酷く悔しそうな表情で社長はつぶやく。そして、イナバ物置の戸を閉め、
その空間から脱出した。
「すまんな、ドナルド。付き合わせる」
「気にしない気にしない。君一人じゃ社長が逃げる時間を稼げないしね」
信長が刀を構える。ドナルドがポテトを周囲に待機させる。
それを見て、■■■■はニヤリと笑った。
「そうだよな、まさか“魔王”信長までは逃げないよな。魔王が逃げるRPGなんて
 聞いた事ねぇし」
「ほざけ、“ああああ”の分際で」
「名前なんて飾りさ。偉い人にはそれがわからんのかもしれないけど。」
ああああ――それが02の見た■■■■の本名だった。
彼は元々はアレフガルドの勇者だった。王様の命に従って姫を助け、竜王を倒して
世界に平和をもたらした英雄、それがああああである。
だが、平和は彼に苦痛しかもたらさなかった。
闘いの日々の中でレベルアップする喜び、強者に勝つ喜びに目覚めてしまった彼は
平和になったドラクエⅠ世界を捨て、さらなる強敵を求めて他のRPGの世界に
旅立った。FF、サガ、メガテン、wiz……彼はあらゆるRPGのラスボス
裏ボスに挑んでは、必死のレベル上げで鍛えた肉体によってこれらを撃破した。
これらの中には神や天使なども居たが、ああああにとってもはや善悪などどうでも
よかった。彼はただ強敵と闘えればそれで幸せなのだから。

そんなああああが今度は現実世界を狙っているという情報を信長らが掴んだ時、彼らは「何としてでもああああを阻止せねば」という意見で一致した。
ああああが現実に来たら、現実においてラスボス級の信長らは真っ先に狙われる。
しかし相手は歴戦の勇者。信長やドナルドですら一対一なら負けるかもしれない。
そこで、信長ら四人は力を合わせてああああを倒す事に決めたのだ、が……
「魔王さんよ、変身とかしねぇのか? RPGのお約束だろ。今のままじゃ
 弱すぎてアクビが出ちまう」
「この……痴れ者があっ!!」
再び戦闘か始まった。
マクドナルドのファーストフーズが咲き乱れ、あちらこちらから火縄銃の銃声が上がる。
ああああは笑う。破壊を撒き散らしながら。
そしてドナルドがああああの攻撃に倒れ……信長も瀕死の重傷を喰らい……
「テラカオスバトルロワイアルは防げず、か……?」
信長は薄れゆく意識の中で呟いた。彼の言うテラカオスバトルロワイアルとは
現在開催されているTCBRの事ではない。
ああああがこのまま現実世界に行ったら、彼は現実世界のボス達を――すなわち、
大統領とか首相とか国王とか天●とかを皆殺しにするだろう。そうなれば、世界は
完全な無政府状態になって混乱し、暴力と犯罪が蔓延る暗黒時代が到来し、
“万人の万人に対する闘争(テラカオスバトルロワイアル)”が勃発する――
信長の呟きはそういう意味だった。
(冗談ではない……せっかく儂が統一したこの世界、勝手に滅ぼされてたまるか……!
 考えろ、何とか奴を倒す方法を……)
ああああは邪悪な笑みを浮かべながら倒れている信長に歩み寄る。
「そろそろゲームクリアかな?」
(そうじゃ、あの手を使えば……)
ああああは信長の前で大きく剣を振り上げた。
「さようなら、魔王織田信――」
「おきのどくですが ぼうけんのしょは きえてしまいました」
信長がそう唱えると、ああああはショック死してしまった。
ああああの死体を眺めて信長は言った。
「所詮は電脳世界の英雄よ、現世の英雄たる儂の知略に敵うはずもない。
 フハ、フハハハハ……」

強敵ああああを倒した信長は、ドナルドを連れて現実世界に帰った。
信長の勝利を知ったKAITOとイナバ製作所社長はほっと胸を撫で下ろした。
ところが数日後、信長の精神に異変が起きた。
「ああああああああああああ」
何と! 怨霊と化したああああが信長の精神を乗っ取ったのである。
ああああは信長を聖杯戦争に参加させ、優勝させて、聖杯の力でああああの肉体を
復活させるつもりだった。
だが、信長の精神はああああに完全に侵食されたわけではなかった。
信長の精神のまともな部分は、カオスロワを開催することでイナバ物置破壊法を探り
聖杯を破壊してああああの復活を阻止するつもりだった。
ああああがイナバ物置を破壊した方法やイナバ製作所社長の事をまともな信長が
覚えていないのは、ああああがそれらの記憶も侵食したからである。
そしてああああ操る信長はイチローを呼び出した。イチローのマスターは
ああああ操る信長であり、まともな信長ではない。
はたして信長はああああの野望を阻止し、自分の精神を完全に取り戻す事が
できるであろうか……

「ああああああああああああ」
「信長様、しっかりしてください、信長様!」
「はっ!?」
信長は目を覚ました。
全身が汗でびっしょり濡れている。どうやら悪夢を見ていたようだ。
「大丈夫ですか、うなされていたようですが」名も無き武将が心配そうに言う。「もうこんな時間か、仮眠もほどほどにせんとな……ふわ~ぁ」
本当はリンへの尋問をする予定だったが、眠いので後回しにしたのだった。
信長は悪夢の内容をすっかり忘れていた。

【一日目・午後11時50分/安土城】

織田信長@戦国時代】(マスター※)
【状態】不明
【装備】不明
【道具】不明
【思考】
(本来の人格)
1:ああああ復活を阻止する
2:イナバ物置破壊法が知りたい
3:鏡音リンから、ボーカロイドたちのことについて聞き出す
(ああああに操られた人格)
1:聖杯戦争で優勝し、ああああの肉体を復活させる※ああああに操られた人格のみがイチローのマスターです

【ああああ@主人公に命名可能な全てのRPG】
【状態】怨霊、肉体無し、Lv99、全パラメータMAX
 あらゆるRPGのあらゆる魔法と技を習得している
【装備】不明
【道具】不明
【思考】1:信長を聖杯戦争で優勝させ、自分の肉体を復活させる
2:とにかく強敵と闘いたい
最終更新:2009年08月16日 00:34