ばしーん ばしーん……
ミクが
KAITOの膝の上でスカートをまくられ、パンツも下げられて尻を叩かれているのを尻目に、6/とルカは情報交換のために向かい合っていた。
みなみとゆたかは少し離れて、その様子を見ている。
ちなみに修造はというと、尻を叩かれているミクに向かって
「大丈夫大丈夫まだまだ我慢できるやれるって!! お前の尻だって頑張ってるんだから!!」
とか、多分励ましっぽいことを言っている。
「ったく、うちの兄さんにも困ったもんだわ」
などと言ってため息をつくルカの尻も、水着を着ていてもはっきりわかるくらいに赤くなっていたのだが、
6/は気付かないフリをしていた。
それよりも今は、ルカとそのサーヴァントであるメタナイトが何を考えているのかを探らなくてはいけない。
ミクと同じボーカロイドであるルカも聖杯戦争の参加者だと聞かされたとき、6/は最初ルカとミクは共同戦線を張っており、
互いに一つの目的のために行動しているのだと思っていたが、ルカのサーヴァントはライダー・メタナイトだという。
ミクと出会った直後にメタナイトに襲われたことは忘れようも無い。
つまりルカとミクは敵対関係にあると考えるのが自然なのだ。
なぜ家族であるはずの彼女達がそんな関係にあるのかは、できればミク本人かKAITOに聞きたいのだが、
二人はもう十分以上もあの状況である。
「痛い!! 痛いです!! 少しは手加減してください!!」
「ダメダメ、まだまだ終わらないよ。その根性を叩きなおしてやるからな」
「頑張れ頑張れまだいけるまだいける!!」
ミクの悲鳴と尻を叩く音をBGMにしながら、いい加減間も持たなくなってきたので6/は慎重に口を開いた。
「そちらの……ライダー陣営の最終目的は何だ?」
ミクの最終目的は、KAITOの指示通りに他のサーヴァントを少しでも減らして聖杯を完成に近付けること。
必ずしも優勝・聖杯の獲得を目指しているわけではない。
6/も一応はそれに同意し、協力している。
ルカは腰に手をあて、豊満な胸を強調するようなポーズを取って言った。
「KAITO兄さんにも白状されられたし、今更隠しても仕方ないから言うけど……私達は、ミクを殺すつもりだったの」
「なっ……」
「そのためだけに私は、兄さん達が準備して来た聖杯戦争に勝手に参加したのよ。
だからミクは今の今まで、私が聖杯戦争に噛んでるってことも知らなかったと思うわ」
確かに、02戦の前にルカの顔を見たミクは少なからず驚いていたように見える。
メタナイトのマスターがルカであることも、恐らくあの時初めて知ったのだろう。
だからこそ6/とミクはメタナイトとうまく連携が取れず、結果的には02を逃がしてしまったのだった。
「まあ、そう怖い顔をしないでよ」
ルカは6/の目を見返すと、どこか小馬鹿にしたように鼻を鳴らす。
「今は私も動きようが無いわ。例えメタナイトがいても、兄さんとミクと貴方、三人をいっぺんに相手にするなんて
不可能だもの。大人しくしといてあげるわよ」
そのルカのセリフは、まだ『ミクの命を狙う』という最終目的を捨てたわけではないことを物語っていた。
「差し支えなければ教えてくれないか? あいつは、あんたに……あんたたちに、殺されるようなことをしたのか?」
「ただ単に存在が憎いのよ。私達がいくら努力しても、あの子には全然かなわないんだもの」
それと似たような言葉を―――ついさっき、聞いたばかりだった。
自分のレプリカだという、一人の少年の口から。
いくら頑張っても超えられないものがいる。手が届かない場所があって、乗り越えられない壁がある。
―――それが、なんだというんだ。
「貴方に、私達の気持ちがわかるかしら?」
ルカのどこか挑発するような言葉が胸に届く。その言い方が、どうしても気に喰わなくて。
「わかんねえな」
だから、駆け引きとか後先とか、そんなことは何も考えずに叫んでいた。
「お前は『ミクの代理品』っていう存在じゃない。だからミクを超える必要なんか無いんだよ。
声だって違うし能力だって違うんだから、ミクとは違う自分の歌を歌えばいいじゃないか」
ああそうだ。
自分は12/にだって、本当はこう言ってやらないと気がすまなかったのだ。
「他人に嫉妬するってのは悪いことじゃないと思うし、他人を目標にするのもいいことだと思う。
だけど、それはあくまでも『自分のため』のはずだ。自分より優れた人間に成り代わろうとしたり、蹴落とそうとしたりするのは、
それは要するに、自分で自分の価値を貶めるってことじゃいのか?
『その程度でしかない自分』に、自分からなってしまって、それでいいのか?」
「そんなのっ―――、一部の、才能とか運とか人気のある連中だけが言えることじゃない!!」
ルカは声を張り上げて6/に反駁する。しかしそれに動じず、むしろルカの胸倉をつかみかからんばかりの勢いで続けた。
「ああ、俺は確かに俺のレプリカや、他の一部の書き手氏よりは人気とか運とか才能があるのかもしれねえ。
だけど、俺は断じて誰かのゴールでも通過点でも無いんだよ!!
自分のゴールくらい自分でみつけて、人の足跡を辿るんじゃなくて自分にしか見えない道を歩きやがれ!!」
ここ二日ほどミクと一緒に戦ってきた6/の、それが今の答えだった。
自分は断じて、『本物の6/』なんかじゃない。
ただの6/という人間だ。
誰かの嫉妬の対象でしかない存在なんて、俺もミクもまっぴらだ。
「っ……何よ、急に熱くなっちゃって……」
ルカはそう呟きながら、視線を自分の足元に落として黙り込んだ。
一部始終を見ていたみなみとゆたかも、呆けたような顔で二人の顔を見比べている。
と、
「やあ、そろそろ話はまとまったようだね?」
「ひっ!!」
あわてて飛び退くルカ。彼女にとって、『彼』はそこまで恐怖の対象だということか。
いつの間にやら6/とルカのすぐ側に来ていたKAITOは、曰くありげな微笑を6/に投げかけた。
(こいつ……もしかして最初から、俺にルカを説得させるつもりだったんじゃ……)
そしてそんなKAITOの隣には、
「うー、痛いー……兄さん叩きすぎですよー……」
と、半べそで真っ赤に腫れた尻を撫でるミクの姿があった。腫れすぎてパンツが履けないようだ。
「大事な服を汚したミクが悪いんだよ」
「今日からお前の尻は富士山だ!!」
修造はわけのわからないことを言っていた。
「ともあれ、ようやく落ち着いて今後の話が出来そうだね」
と、KAITOが言った。
KAITOの話によると、そもそもここは地球ではなくて火星であり、さっきまで水星が火星に衝突しそうになっていたので
KAITOはそれを回避しようとしていたのだが、いつのまにやら水星は消滅し、さらに火星は他の太陽系の惑星とくっついて
新惑星を形成したのだという。
こんな話を一気に聞かされたほう、とくにみなみとゆたかは、状況を理解するだけでも精一杯だった。
この二人は、加えてここで初めて「聖杯戦争」の説明まで受けたのだから頭がなかなか追いつかないのも無理は無いことだった。
それでもなんとか納得してもらい、今後の方針としてはルカのサーヴァントであるメタナイトを探し出し、
その後修造の連れである藤原妹紅を探しに行くということになった。
「ふう、それじゃあみんな頑張ってくれよ」
そう言って立ち上がるKAITO。
「あら兄さん、私達と一緒に来てくれるんじゃないの?」
「僕には他にも色々としなくちゃいけないことがあるからね。リンとレンも止めないといけないし」
「え、リンちゃんとレンくんがどうかしたんですか!?」
妹達の名前を聞いて、ミクが反応する。
「ああいや、
ごめん、なんでもないのだ」
うっかりミクの前でその名前を出してしまったことを後悔するKAITO。
ミクにとってはルカ一人に裏切られていたことを知っただけでもショックだろうに、レンとリンにまで命を狙われていたなんて聞いたら
正気ではいられなくなるかもしれない。
(まあ、いずれは教えてやんないといけないかもな)
ミクを案ずる6/だが、目はやはりどうしてもみなみのほうを見てしまっていた。
(ああ、それにしてもみなみんはやっぱかわいいなあ……ミクなんかとは大違いだけど、俺の初体験はもう
ミクに捧げてしまったんだよなあ……)
しみじみとそんなことを思っていると、みなみと目が合ってしまってあわてて視線をずらす。
「さて、僕はメタナイトと合流し次第みんなとは別行動を取るけど、ルカ、お前はその後も俺と一緒に来てもらうぞ」
KAITOのその言葉を聞いたルカはおもむろにすっくと立ち上がり、手の甲にある自らの令呪を掲げて言った。
最初は三つあった令呪は一つ減って二つになっている。
「メタナイト。必ず生き延びなさい」
その瞬間、ルカの手の甲から令呪が一つ消えた。
「メタナイト。私のことは忘れなさい」
残っていたもう一つの令呪も消え、ルカの手の甲には何の跡も無くなった。
彼女はマスターとサーヴァントを結ぶ最大の絆であり、強制命令執行券でもある令呪を自ら『破棄』したのだ。
「ね、これで私はもうマスターじゃないし、聖杯戦争からは脱落ね。それにメタナイトも、もう私とは何の関係も無いわ。
だから兄さん、私はもうミクを傷つけることは出来ないの。ううん、しない」
ルカの言葉を聞いたKAITOは、大きなため息を一つついて言った。
「わかった。好きにしろよ」
こうして、聖杯戦争から一人のマスターが消えた。
「じゃあもうメタナイトを探す必要もなくなったってわけか。じゃあみんな、空いた時間でちょっとだけ僕に付き合ってくれるかな?」
「KAITOさん、こんな感じでいいんですか?」
「うん、いいよ。ありがとう、もう休んでいいよ」
みなみとゆたかは手についた土を払いながら、自分達が作ったそのオブジェを見上げた。
地面に刺さっているのは、大きな『M』の字を模った墓標。
瓦礫をかき集めて作っただけのものだが、死者を追悼するには目立ちすぎるくらいだった。
立っている場所はもちろん、ドナルドが消滅したあの場所だった。
「ドナルドさんって……KAITOさんにとっては、とっても大事なお友達だったんですね」
ゆたかの問いに、KAITOは黙って頷くことで答えた。
一方、みなみは遠くで作業をしている6/たちから目を離さなかった。
(あの人は、私の名前を知っていた……)
最初に会ったとき、いきなり「みなみ」と呼ばれたことを忘れていたわけではなかった。
おまけに、さっきも自分の顔をじっと見つめていた気がする。
言動からして信用できる人ではありそうだが、なぜ自分のことを前から知っていたかのように振舞うのか。
その疑問はみなみの頭から離れなかった。
「意外ですね。マスターのほうからあの人のお墓を作ってあげようって言い出すなんて」
「別に、KAITOがドナルドの墓を作り終えるのを待ってるだけってのも退屈だったし……
それに、今思えば俺、あいつとは昔どこかで会ってたような気がするんだ。
うん、昔とかじゃなくて……この世界じゃない、どっか別の世界で……
って何言ってんだろうな俺」
6/とミクと修造とルカが作っていたのは、イーターのサーヴァント、かがみの墓だった。
ドナルド同様亡骸はもう無いので、かがみが事切れた場所に棒を立て、それにそこで拾った、おそらくかがみのものである
支給品入りの鞄を巻きつけただけのものだったが。
形ばかりの墓標を前に少ししんみりした気分になっているミクのもとへ、不意にルカがつかつかと歩み寄ってきた。
それまではミクと目を遭わそうともしなかったルカは、ミクの背後に回りこむと、その尻に強烈な平手打ちを食らわせた。
「痛いー!! ちょっと、いきなり何をするんですか!!」
真っ赤に腫れ上がった尻を叩かれて激痛に飛び上がるミク。それを見たルカは満足そうに笑い、
「これで、帳消しにしてあげるわ」
と微笑んだ。
「え……」
とまどうミクの耳元に口を寄せて囁く。
「いいマスターを持ったわね、ミク」
「あ、あの人は聖杯戦争におけるマスターで、私のボーカロイドとしてのマスターってわけじゃ……」
「そう? 結構お似合いだと思うけど?」
そんな二人の視線の先では、6/が出来たばかりのかがみの墓に背を向けようとしていた。
その時、彼は誰にも聞こえないような小さな声で呟いていた。
「……じゃあな、かがみ」
【
二日目・3時/新惑星・蒲田】
【KAITO@ボーカロイド】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】不明
【思考】基本:ミクをサポートする(?)
1:ミクたちとは別行動を取る
※牛乳に流されてて放送を聞き逃したため、MEIKOとハクが死んだことを知りません
※何らかの手段で太陽系の現状をほぼ把握しました
【巡音ルカ@ボーカロイド】
【状態】お尻が赤い 競泳水着
【装備】なし(KAITOに没収された)
【道具】なし(KAITOに没収された)
【思考】基本:ミクをサポートする
1:とりあえずミクたちと一緒に行動する
※牛乳に流されてて放送を聞き逃したため、MEIKOとハクが死んだことを知りません
※ライダーとの契約を解除し、聖杯戦争から離脱しました
※ライダー(メタナイト)自体がどうなるのかは不明です。消えるかもしれないし消えないかもしれません
【◆6/WWxs901s氏@書き手】(マスター、クラス・ライター)
【状態】魔力回復完了
SOS団臨時団員 称号『人間失格』
【装備】無し
【道具】支給品一式、不明支給品
【宝具】SS用万年筆
【思考】
1:みなみ
好き好き大好き超愛してる
2:ミクたちと一緒に行動する
3:藤原妹紅と合流する
※6期までの6/氏とは別人です
※ミクのマスターであり、同時にミクのサーヴァントです
※人間失格です
【
初音ミク@ボーカロイド】(マスター、クラス・セイバー)
【状態】お尻真っ赤 SOS団臨時団員 称号『人間失格』
【装備】伝説の首領パッチソード@ボボボーボ・ボーボボ
【道具】支給品一式
【宝具】電子の歌声
【思考】
1:お尻が痛いです……
2:マスターに従う
※6/のマスターであり、同時に6/のサーヴァントです
※人間失格です。もうほとんどボカロとしても失格です
【
岩崎みなみ@らき☆すた】
【状態】健康 お尻真っ赤
【装備】
【道具】支給品一式
【思考】
1:ミクたちと一緒に行動する
2:6/はやや警戒?
【
小早川ゆたか@らき☆すた】
【状態】気絶、お尻真っ赤
【装備】
【道具】支給品一式
【思考】
1:ミクたちと一緒に行動する
【
松岡修造@現実】
【状態】健康 熱血
【装備】なし
【道具】支給品一式 蜆×97 米の苗 不明支給品
【思考】
1:もっと熱くなれよ!
2:藤原妹紅と合流する
最終更新:2009年09月12日 00:32