キャスターたちに見送られ、マスターの元に戻ろうとしたメタナイト。しかし程なく彼の足は止まってしまった。
「私のマスターは……一体、誰だったのだろうか?」
そう、全てのサーヴァントはマスターの『令呪』による命令を拒否することはできない。
そして彼のマスターであるルカが最後の令呪と引き換えに下した命令は『私のことは忘れなさい』。
よってメタナイトは、ルカに関する全ての記憶を失っていた。
そうでなくともルカはすでにマスターとしての権利を放棄して、メタナイトとの魔力のパスも失っているので、
メタナイトには彼女の居場所を知る手段すら無かっただろう。
「わからない……思い出せない……だが、私はマスターを守らねば……」
彼を動かしているのは、もはやその一念のみ。マスターの名前も顔も忘れた今でも、忠誠心だけは捨て去れなかった。
手がかりも無く、あてもなく、ただその一念だけを胸に彷徨うだけ。
そんな彼の運命を変えたのは、たまたま目に入った一人の少女の姿だった。
「レイセンさん、レイセンさん、しっかりしてください!!」
神山は気絶したレイセンを背負って走っている。その後ろを白兎も追う。
彼らの背後から迫るのは、大きな鎌を持った白い服の少女。
「あはははははははは、そんなに逃げないでもっと私と遊ぼうよー!!」
少女は大鎌を振りかぶると、神山の背中に背負われたレイセンに向かってまっすぐにそれを振り下ろした。
しかしその刃は弾かれた。
「何があった、お三方?」
少女の鎌を弾いた一頭身の騎士、メタナイトは神山たちを背中に庇いながら問う。
「実は、いきなり彼女が襲ってきまして……いえ、最初は僕たちは泣いていた彼女をあやしていたのですが、
突然彼女は『またサーヴァントの魂を吸収できたわ!!』とか言い出したかと思うと、いきなり別人のように凶暴になりまして」
「最初はレイセンさんが、弾幕?とかいうので戦ってたんですけど、あの子には全然効かなくて、
逆に不意をつかれてレイセンさんが気絶しちゃいまして」
神山と白兎は今までの経過をメタナイトに説明した。
「あなた、サーヴァントね?」
メタナイトを見た少女―――聖杯は、確信を抱いた目で言った。
「いかにも。ライダーのサーヴァント、メタナイト」
「ふーん、ライダーね。じゃああなたの魂を吸収すれば、私に足りないスピードも手に入るのかしら?」
彼女はそう言うと残虐に笑った。
イーターとアヴェンジャーの魂すらも吸収した彼女は、すでに聖杯として完成するまであと一歩というところまで来ていた。
メタナイトは確信する。
今ここでこの少女と戦えば、魔力も消耗し、マスターの後ろ盾も失った自分は消滅する。
心の奥底から、「今すぐ逃げないといけない」という衝動が湧き上がってきた。
その理由はもちろん、彼のマスターが令呪を用いて命じた
『メタナイト、必ず生き延びなさい』
という指示のためである。
マスターの記憶を失った彼にも、その命令は届いていた。ここで戦うことは、マスターに背くことになる。
「お三方。今のうちに逃げられよ」
メタナイトは神山たちに言った。
「お一人で戦うつもりなんですか!?」
「心配には及ばない。遅れは取らぬ。それよりも早く」
有無を言わさぬ騎士の強い口調に、神山たちもそれ以上はこの場に留まれなかった。
「わかりました。御武運を」
「ど、どうかご無事で!!」
そして二人と一匹は、暁の空の下へと消えていった。
「ふーん、カッコつけっちゃってキザったらしい男ね」
「生憎、それしかやり方を知らぬものでな」
メタナイトは剣を構えて少女に向き直る。ここで死ぬのはマスターの、それも『令呪』による呪いに背くこと。
(しかし……私はあくまで、騎士でありたい)
メタナイトが地面を蹴り、少女の顔に切っ先を向ける。
少女は後ろにスキップしてそれを余裕の体でかわし、大鎌を振り下ろした。
彼らの足元の地面がひび割れる。
(なんという腕力だ!! しかし狙いが甘く、スピードも遅い!!)
メタナイトは空中で体勢を変えると、二撃目を狙って少女に向かって下降する。
再び少女は跳躍してその攻撃をかわす。
メタナイトを迎えたのは、アスファルトの上に開いた大きな地割れだった。
体を挟まれ、身動きが取れなくなったメタナイトの頭上に、無慈悲な鎌が振り下ろされた。
(く……これまでか)
鎌の切っ先はメタナイトの頭を貫いていた。
(マスター……命を守れず、申し訳ない。どうか、あなたは生き延びて欲しい)
今や顔も名前も思い出せない、けれども確かに一時だけでも一緒に戦った主君に思いを馳せながら、一頭身の騎士は空を見上げる。
すでに夜は明け始めていたがそれでもわずかに星が見えた。
彼が最後に思ったのは、この星で出会った仲間たちのことか、あるいは遠き星にいるかつての主君、そして
好敵手のことか。
それはもはや、誰にも知られることは無い。
「やったー!! これでサーヴァントの魂を五つも吸収したわ!! もう予備の聖杯なんて言わせない、私が本物の聖杯よ!!」
新たなる力を得た彼女は高笑いする。その姿に、もはや生まれたばかりの頃の面影は無い。
彼女は自分に足りなかった能力を次々と吸収し、どんどん聖杯の完成形に近づいていく。
「……それはそうとして、ここはどこなのかしら? 適当に走ってきたからわかんないわ」
ただし、頭脳は元のままだったが。
【メタナイト@星のカービィ 死亡確認】
【ライダー 脱落】
【ニ日目・午前6時/新惑星・東京】
【彼女@カオスロワ】(聖杯・二杯目)
【状態】健康 サーヴァントの魂五つ吸収
【装備】イナバ製作所製の鎌
【道具】不明
【思考】 基本:本物の聖杯になる
1:ここどこ?
2:サーヴァントを殺す
3:「偽者」も見つけ次第殺す
※イーター、アヴェンジャー、ライダーの魂を吸収しました。
※サーヴァントの魂を吸収するたびに能力を得ていくようです
【神山高志@魁!!クロマティ高校】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式 不明支給品
【思考】
1:笑点のピンクを探す
2:林田君達、クロ高生を探す。
【鈴仙・優曇華院・イナバ@東方Project】
【状態】気絶中 かなりの疲労
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:笑点のピンクを探す
2:知り合いと合流したい(永琳、輝夜優先)
最終更新:2009年09月13日 09:13