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イチローが立ち去ってから数時間後、『彼女』は目を覚ました。
彼女が横たわっていたのは地面の脇の草むらの中。危険な参加者に見つからないようにとイチローが気を利かせてかくしてくれていたのだ。
もちろんそんなことは知らない彼女は、むっくり上半身だけ起き上がったまましばし呆然としていた。
(あれ……私、一体……)
その時、またしても彼女の体の中に何者かが侵入してきた。それも今度は二つの魂だ。
(やった、またサーヴァントの魂だわ!! おまけに一気に二つ!! これでもう、私は本物の聖杯になることが決まったようなものよ!!)
そう、それは先刻聖杯戦争から脱落した、セイバーとライターのものだった。
しかし次の瞬間、彼女は身をくの字に曲げて地面に倒れ伏す。

「ちょ、何よこの魂……ぐ……ぐぐ……ぐええええええええええ!!」

すさまじい嘔吐感と腹痛と頭痛と脱力と発熱その他に見舞われる『彼女』。その顔は死人のごとく真っ青である。
セイバーとライターの魂はこの聖杯戦争の参加者の中でもその性質がとりわけ異質だったため、彼女の体はその魂に対して激しい拒絶をしめしたのだ。
簡単に言えば、悪いものを食べたので腹を壊したようなもんである。
息も絶え絶えになり、意識も朦朧としたまま生死の境を彷徨う彼女。

そこにたまたま通りすがったのが、二人の『アンデッド』のサーヴァントだった。
目の前でのたうちまわる少女が、まさか自分たちの魂のせいで苦しんでいるとは思いもしないこの二人、生気の無い目で少女を見下ろしていた。
「どうする?」
ツインテールの少女、初音ミクのほうがもう一人に尋ねる。
「我らがマスターから命じられたのは鏡音リン、鏡音レン、巡音ルカらの殺害のみ。それ以外のことはしろともするなとも言われていない」
やや知的そうな顔をした青年、6/がそれに答える。
「じゃあこの子を助けてもマスターに背くことにはならない?」
「ああ、もちろん」
そんなわけで、よせばいいのに親切心を発揮した二人は少女を助けることにした。
6/は『彼女』をお姫様抱っこで抱きかかえた。しかし今は殺し合いの真っ最中、まともな手当てができるところなどそうは残っていない。
「ミク、薬などは持ってはいないよな?」
「無い。が、どうしてもというのなら出せないこともない」
ミクはそう答えると、、おもむろに大きく息を吸い込んで……

「Dub-I Dub-I Dub-I Chu-ppa-ppa Dub-You Dub-You Dub-You-yeah-yeah!!」

と、卑猥な歌を大声で口ずさんだ。そのとたん、ミクの口、耳、股間、汗腺、その他ありとあらゆる穴から粘性の高い白い液体が
ドバドバドバドバと大量に染み出してきた。
18禁展開? なに言ってんですか、これはただの練乳ですよ。
「この液体はあらゆる病に効果がある上に栄養も補給できる」
口から白い濁った液をだらだらと垂らしながらミクが説明する。
なんでこんな便利な技を生前に人前で使わなかったかはお察しください。
「ならばこの少女にも効果はあるだろう」
6/はそう言うとミクの股間に溜まっていた白濁液を掻き出し、『彼女』の口の中に指で押し込むようにして入れた。
すると見る間に、彼女を襲っていた痙攣は止んだ。まだ気は失ったままだが、安静にしていればそのうち意識を取り戻すだろう。
「ではどこか安全な場所で……」
そこまで言って6/は気付いた。どうせなら、このミクの液で彼女以外の負傷者も治してあげよう。
それに、彼女のようなか弱い病人が安心して養生できる場所も必要だ。誰もしないなら俺たちでやってみよう。
マスターの命令を遂行することは、それらと平行しながらでも出来る。

「ミク、ここに病院を立てよう」

そこはサーヴァントである二人のこと、あっという間に材料を集めて小さいながらも設備の整った病院を完成させた。
さらに抹殺対象を探しながらでも病人やけが人を発見できるように、病院ごと乗り物のように自由に動ける仕組みにしてある。
道路を走れるのはもちろん、水の上も進めるし空も飛べる。
「病院が来い」といわれても即座に駆けつけられる優れた病院である。
今、『彼女』は病院のベッドに寝かせている。6/とミクは操縦席に座って病院を運転している。
まさか今ベッドで寝ている少女から魂を奪い返せば生前の人格と記憶を取り戻せるとは夢にも思っていない二人、病院を走らせながらこんな会話をしていた。
「抹殺対象の居場所を探ることは出来ないのか?」
「残念ながら。しかし彼女たちは私と同じボーカロイド、ある程度は行動パターンを予測できる」
「ならいいが……ところでミク、さっき病院を作ったせいで大量をかなり消耗した。今後に備えて体力を回復しておきたい」
「なら私の液体を飲めばいい」
6/はうなずくと、ミクの口の中に舌を入れてそこに残っていたミクの白濁液を吸い出した。
二人は長い間唇を重ね合わせていた。


二日目・15時30分/新惑星・東京都 移動病院内】

【彼女@カオスロワ】(聖杯・二杯目)
【状態】気絶 サーヴァントの魂七つ吸収
【装備】イナバ製作所製の鎌
【道具】不明
【思考】 基本:本物の聖杯になる
1:気絶中
※セイバー、ライターの魂を吸収しました。
※サーヴァントの魂を吸収するたびに能力を得ていくようです

【◆6/WWxs901s氏@書き手】(クラス・アンデッド)
【状態】人間失格
【装備】なし
【道具】なし
【宝具】不明
【思考】
1:KAITOに絶対服従
2:怪我人や病人は病院に収容して治療する
※魂は聖杯に吸収されているので、元の記憶や人格を取り戻すことは不可能に近いです


【初音ミク@ボーカロイド】(クラス・アンデッド)
【状態】人間失格 ボカロ失格
【装備】なし
【道具】なし
【宝具】不明
【思考】
1:KAITOに絶対服従
2:怪我人や病人は病院に収容して治療する
※魂は聖杯に吸収されているので、元の記憶や人格を取り戻すことは不可能に近いです
最終更新:2009年11月20日 00:15